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恋におちたシェークスピア '98 アメリカ

2015-06-25 | ラブ・ストーリー
1999年度のアカデミー賞で主要部門をかっさらっていった本作。
主演女優賞は、当時20代のグウィネス・パルトローに輝いた。
個人的には、『エリザベス』のケイト・ブランシェットを推したかったが・・・。

かのシェークスピアが不倫!
短い間ながらも、胸を焦がす若き詩人と大富豪の娘ヴァイオラ。
身分違いの恋だから、決して実ることのないふたりだから、余計に想いは募るのであります。
このふたりの境遇をもとに、『ロミオとジュリエット』が作られたという設定で、後半盛り上がるのでありました。

若き頃(ロンドンに出てくる頃)のシェークスピアに関しての資料は乏しく、不明確であるため、どういう経路で劇作家になったかも推測によるものらしい。
ならばドラマにすれば、いかようにも作れそうな感じである。
いかようにもといっても、軽薄気味のシェークスピアだとかなりイメージが悪くなりそうだ。
あれほどの人間考察の行き届いた戯曲をいくつも作りあげた人物ゆえ、現シェークスピア研究に携わる方々の中には、眉をひそめる人もいるのではなかろうか(苦笑)。

アカデミー賞受賞作となりながら、あまりオススメの類に入らないのは気の毒だが、この映画を観る限りでは、一部にしかウケないだろうな、とは思う。
アカデミー会員の方々にとっては、期待どおりの出来だったのでしょう。

思い出してみたら、大御所ジュディ・デンチが、本作品でエリザベス一世を演じており、しかも助演女優賞をとっていた。
ならばこの年、一緒にノミネートされた『エリザベス』で、ブランシェットが同じエリザベス一世の役で女優賞をとる筈はないわな。
そういう風にできているのね・・・。