アブリコのCinema散策

のんびり映画でも観ませんか

アバウト・シュミット 2002年 アメリカ

2005-07-01 | ドラマ
クセ者俳優ジャック・ニコルソンが、珍しくどこにでもいそうなフツーのおじさんを演じた作品。

これから定年を迎える、あるいはすでに迎えられたお父さんたちには、共感を得るところがあるのではないだろうか。

突然妻に先立たれてしまったシュミット。
家の事はすべて妻任せにしてきたため、一切何もわからない。
日が経つにつれ、現役時代の風貌からはかけ離れ、家の中は物で散乱していく。
無気力になりながらも、イラ立ちを抑えられない彼は、自家用キャンピングカーである目的の旅に出るのだが・・・

娘の婚約者を腹立たしく思いながらも、結婚式では内心を隠しながら(笑)、完璧なスピーチを披露して、父親の責任を全うするあたり、娘を想う気持ちがよく表れていた。

妻もいない、娘も離れていってしまった。
もう誰もわたしを頼ってくる者などいない。
わたしの存在などもう・・・
悲観にくれていたところへ、一通の手紙が届き・・・

ラストで見せる、「これでわたしは救われた・・・」そんな思いであろう彼の表情は、この上なく幸せそうであった。

心のどこかでつながっている。
そう気づくと思いのほか、人は強くなれるものだ。