新宿末廣亭6月下席の夜主任は小三治である。休みが取れたので、聴きに行くことにした。小三治が出るとなると、夜の部になっても、席は空かない。早い時間から行かないと、座りたい席には座れない。10時半開店の伊勢丹で弁当を買って、並ぶことにした。土曜は深夜寄席があるので、枕の話も抑えて、時間きっちりに終わっていた。泥棒の話から、石川五右衛門が出てきて、豊臣秀吉が信長に草履を温めた取り入った性格は気に入らないらしく、五右衛門が城内に入っただけで見せしめに秀吉が油で釜茹でした話などが枕で、本題の転宅の話に入った。泥棒より数段上手な横丁の囲いの女に騙されてしまう話。この人のよさそうな泥棒を小三治は見事にツボにはまったように演じる。おどけた表情が何とも言えない。無理して時間を作り、聴きに行った甲斐があった。満足して末広亭を後にする。