ジグザグ山歩き

山歩き、散歩、映画など日々、見たこと、聴いたこと、感じたことなどつれづれに。

フィクサー

2008-04-24 11:43:59 | 映画
弁護士事務所に所属しながら表に出ないで、裏で仲介役をして交渉をまとめる姿を描いた映画「フィクサー」を見た。フィクサーとは「もみ消し屋」である。
地味なサスペンススリラーではあるが、内容は見ごたえがあった。
フィクサーであるマイケル(ジョージ・クルーニー)は、仕事に嫌気が指しながら、裏方仕事から抜け出せず、ギャンブル三昧の日々。しかも、アル中の従兄弟ティミーとレストラン事業を共同経営し、破産して、借金に追われる。離婚もして不安定な生活をしている。彼の同僚アーサー(トム・ウィルキンソン)は、クライアントである巨大企業である農薬会社の利潤優先の悪事に対して、良心の呵責に耐え切れず、反撃に出た。それにマイケルも巨大企業の裏事情を知り巻き込まれて行く。崩壊寸前のマイケルが、あるものに心を奪われて、人間性に目覚める。農薬会社の法務担当カレン(ティルダ・スウィントン)は、敏腕なビジネス・ウーマンであり、裁判を企業側に有利に進めようとした。この3人の内面に迫る脚本と演技が見所である。特に、ティルダ・スウィントンは、人間の生身の感情を描いた人物描写が見事で、この作品でアカデミー賞助演女優賞を受賞した。監督は、『ボーン・アイデンティティー』シリーズの脚本家トニー・ギルロイである。