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ジグザグ山歩き

山歩き、散歩、映画など日々、見たこと、聴いたこと、感じたことなどつれづれに。

竜馬伝

2010-04-28 22:28:18 | 美術館、博物館
坂本龍馬の直筆の手紙や遺品などを一堂に集めたNHK大河ドラマ特別展「龍馬伝」が江戸東京博物館で開催されていたので、4月28日、観に行ってきた。放映中の「龍馬伝」と連動して、高知や京都、長崎などに伝わる龍馬関係の歴史資料約170点を展示されている。平日で、まだ始まったばかりではあるが、竜馬人気を反映して、非常に混んでいた。現存する唯一の龍馬像ガラス板写真が4月27日(火)~29日(木・祝)の3日間限定で展示(その後はレプリカを展示)されていて、行列が出来ていた。本物が飾られる貴重な機会なので観てみた。小さくて、老眼の目ではよくみえにくかったこともあるが、こうしてきちんと写真が残されているのも不思議な気持ちである。
展示は4部構成になっていた。第1章は龍馬の思想の原点を探る「土佐に生まれて」。第2章は勝海舟との出会い「坂龍飛騰」。第3章は人間的魅力も紹介する「薩長同盟成る」。そして第4章「夢は世界へ」では、海援隊に焦点をあてている。慶応3年(1867)年11月15日、坂本龍馬と中岡慎太郎が暗殺された近江屋の部屋を実物大で復元していた。
竜馬は幕末、対立していた薩摩藩と長州藩の間を調停し、薩長同盟の締結に尽力し、さらには大政奉還の実現をめざして奔走し、明治維新を大きく推し進める原動力となった。たくさんの手紙や文章を残している。そこから竜馬の人柄や人生観、世界観が伺えられる。達筆な勝海舟の日記も展示されていた。竜馬はくるべき新政権の骨格も明示し、裏方としても奔走した。それでも目立った竜馬は刺客に倒れる。いずれにしても明治維新の立役者でもある竜馬は世界にも目を広げ、大局視点にたっていた。その後の明治維新以降も見届けて、活躍してほしかったと思う。若すぎる死は惜しい。これからのNHKの「竜馬伝」を観るのも楽しみである。展示物の中に、竜間が下関の遊郭から朝帰りして、お龍に怒られた記録があった。彼は、歌を唄って返して、歌詞がとてもユニーク。竜馬の人間性が出ている。帰りは、新宿末広亭で、落語を聴きにいったが、遅い昼を食べてからいったのだが、今回もうとうとすることが多くて、疲れも出てきたので、夜の中入り後の7時過ぎには退席した。




医学と芸術展

2010-01-25 22:11:22 | 美術館、博物館
六本木ヒルズの最上階にある森美術館で「医学と芸術展:生命と愛の未来を探る~ダ・ヴィンチ、応挙、デミアン・ハースト」が開催されていて、観にいってきた。生と死を美術や医学資料,医療器具など多方面から見せてくれた。無料で音声ガイドを貸していたのは良心的である。
レオナルド・ダビンチの作品は頭蓋骨と脳の機能を解剖的に描いていて、メモではあるが、緻密である。丸山応挙の波に浮かぶ骸骨はなんとなくユーモラスである。アメリカを代表するスーパーヒーローたちも現在も生きていて、年を重ねたら、どうなっているのか老いている姿が展示されていた。フィリピンのザフラの作品は、細長いパネルに紙やすりで実物の頭蓋骨を2週間かかって、完全にすりつぶしている。まさに「メメント・モリ」(死を忘れるな)作品である。デミアン・ハーストがパートナーの出産手術を描いた大作は、写実的な描写が見るものに迫るものがあった。ピッチーニの老化した子どもの人形は、クローン技術で老化した細胞までは蘇生できないのを物語っている。また、人間の死の直前と直後を撮ったヴァルター・シェルス(Walter Schels)の「ライフ・ビフォア・デス(Life Before Death)」などもあって、人間の生と死に正面から取り組んだ写真もある。クリックのDNA「二重らせん構造」のスケッチなども展示してあった。様々な切り口から人間の生と死や老いを扱った展示が数多く、内容も濃かった。

「医学と芸術展」パンフレットより
本展は、「科学(医学)と芸術が出会う場所としての身体」をテーマに、医学・薬学の研究に対し世界最大の助成を行っているウエルカム財団(英国)の協力を得て、そのコレクションから借用する約150点の貴重な医学資料や美術作品に約30点の現代美術や日本の古美術作品を加えて、医学と芸術、科学と美を総合的なヴィジョンの中で捉え、人間の生と死の意味をもう一度問い直そうというユニークな試みです。また、日本初公開作品を含む英国ロイヤルコレクション(エリザベス女王陛下所蔵)のダ・ヴィンチ作解剖図3点も公開します。


手塚治虫展

2009-05-11 09:04:15 | 美術館、博物館
手塚治虫生誕80周年を記念し、手塚治虫展が江戸博物館で開催されている。
「たけおかネット」で東京江戸博物館に行く企画があり、ついでに手塚治虫展も観た。
今回は博物館ということで、プライベートな品や貴重な資料が展示されていた。映像や作品の模型も展示して、色々と工夫もされていた。自宅2階で長く仕事場で使っていた机やペンなどがいっぱい詰められていた引き出しや愛用のベレー帽やメガネ、上着などもあった。多くの漫画の原画はもちろん、昆虫標本、遺稿など、貴重な展示が多数見られた。意外に机はスチールで、椅子が豪華に見えるぐらいだった。手塚治虫はやはり天才である。小学校の頃に描いていた昆虫採集(昆虫手帳)の細かい絵は繊細で緻密である。まさに本物を見ているかのようである。
享年60歳で、亡くなってから20年が経っている。亡くなる直前まで漫画を描き、最後の言葉は「頼むから、仕事をさせてくれ」だったとのこと。本当に最後まで漫画を描くことが好きであったし、色々なメッセージを残したかったのではないかと思う。短時間で見てまわったが、じっくり見れば、いくらでも時間がかけられる。
江戸博物館の常設展の方も広くて、浮世絵や絵巻、着物、古地図、建物の模型、当時使われた品などたくさんの展示があり、こちらもいくら時間があっても足りないぐらいで、見ごたえがある。2時間近く見てまわって、両国で、ちゃんこを食べて、2次会も近くの居酒屋でしっかりお酒を飲んで〆る。楽しい一時であった。いつもながら飲みすぎてしまう。


阿修羅展

2009-04-25 21:54:22 | 美術館、博物館
興福寺が創建されてから1300年が経ったのを記念して、興福寺の国宝阿修羅展が東京国立博物館で開催されていたので、観にいった。開館時間に合わせていったが、やはり大変な人気ですでに行列が出来ていた。それでも雨が降っていたので、待ち時間もあまり待たずに入ることが出来たようである。阿修羅像はガラスケースなしの露出展示で、背面からも見られるというのが今回の特徴といわれている。今回は他に、八部衆像、十大弟子像、薬王、薬上菩薩立像、金・銀・水晶などで作られた工芸品などが展示されている。阿修羅像は八部衆の一つ。八部衆とは仏教を保護する神で、十大弟子とは釈迦の高弟。いずれも本尊のまわりを取り巻く仏像たちだ。天平6年(734)、光明皇后(こうみょうこうごう)が母橘三千代(たちばなのみちよ))の1周忌供養の菩提を弔うために創作されたとされる。阿修羅像は3つの顔と6本の腕を持つ。背丈は153センチ、体重は約15kgと軽い。軽かったので、幸い、度重なる火災時に無事に運び出すことができたとされる。表情は怒りや荒々しさはなく、一種の憂いを含んでいるかのようであった。何かをこらえているような表情をしていた。人が多くて「立ち止まらずに時計回りで観てください!」としきりにアナウンスされていたが、あまり動かないので、逆にじっくり観ることもできた。まさに幾多の戦火をくぐりぬけて、こうして観られるというのは奇跡でもある。
午後は新宿に出て、バルトナインで、映画『スラムドッグ$ミリオネア』を観た。


山水に遊ぶ 江戸絵画の風景250年

2009-04-11 19:09:38 | 美術館、博物館
府中で映画「レッドクリフパートⅡ」を観た後、東府中駅で降りて、府中市美術館で開催中の「山水に遊ぶ 江戸絵画の風景250年」展に行って来た。伊藤若冲と曾我蕭白が今回の目玉のようである。石灯篭が墨によるドット描写となっている伊藤若冲の「石灯籠図屏風」やユーモラスな「石峰寺図」、曾我蕭白の「山水図押絵貼屏風」や二羽の鶴がクロスして泣いている「松鶴山水図」も観ることができた。他にも池大雅や与謝蕪村など巨匠たちの絵が取り上げられていた。府中美術館のある府中の森公園の桜は見ごろは過ぎていたが、天気がよくて、楽しめた。

府中市美術館HPより
 美しい山や川、湖、そして海。自然の風景は、日本美術の大きなテーマのひとつでした。やまと絵の優美な景色、あるいは、文化の源として憧れてきた中国の絵にならった、日本人にとっては空想的とも言えるような風景が、長く描かれてきました。そして江戸時代、そうした伝統が根づいていたことは言うまでもありませんが、同時に、新たな外来文化や人々の生活・思想の変化が、風景を描くことに広がりをもたらしたのです。
 例えば、江戸時代中期になると、身の回りの景色が絵として楽しまれるようになりました。風景の絵に新鮮みを求める動きのひとつと言えますが、伝統的な美のかたちと融合させるための工夫は、近代の風景画とは違った魅力を生んでいます。個性を自覚し表現しようとする動きからは、伊藤若冲や曾我蕭白のような、風景の描写に個性を託す画家が登場しました。また、作品が描かれた動機も実に色々です。自然の中での暮らしを歌い上げた絵、神仏への祈りから生まれた絵、旅の叙情や物語の情緒を味わう絵、あるいは、渡ることの叶わない異国への憧れを形にした絵。作品のひとつひとつから、「江戸時代びと」たちが風景に対して抱いた気持ちがいかに多様であったかが伝わってきます。
 この展覧会では、江戸時代のさまざまな画家たちが描いた風景の絵をご覧いただきます。その表現の多彩さは、例えば、百人の画家がいれば百通りだと言ってもよいでしょう。曾我蕭白の山水画の傑作として知られる重要文化財「月夜山水図屏風」や、伊藤若冲の稀少な風景画「石灯籠図屏風」をはじめ、狩野(かのう)派、やまと絵、円山四条(まるやましじょう)派、文人画、洋風画、浮世絵など、江戸絵画を代表する画家、画派の作品の勢揃いです。江戸時代の奇と迫力、そして清々しさにみちた光と空気を、ぜひ会場で体感してください。