おじさんの映画三昧

旧作を含めほぼ毎日映画を見ております。
それらの映画評(ほとんど感想文ですが)を掲載していきます。

下妻物語

2019-07-18 09:24:19 | 映画
「下妻物語」 2004年 日本


監督 中島哲也
出演 深田恭子 土屋アンナ
   宮迫博之 篠原涼子
   小池栄子 阿部サダヲ
   岡田義徳 矢沢心
   荒川良々 生瀬勝久
   樹木希林 本田博太郎

ストーリー
茨城県下妻。フリル全開、ロリータ・ファッションだけが生き甲斐の高校生・桃子は、お洋服を買う資金集めの為にブランド品のバッタもの販売を開始するが、やって来たのは価値観もキャラも全く逆のヤンキー娘・イチゴだった。
本来なら相容れない二人の筈が、たったひとりで我が道を爆走する桃子に"根性“を見出したイチゴは、以来、桃子の迷惑顧みず頻繁に彼女のもとを訪れるようになり、やがてふたりは奇妙な絆で結ばれていく。
ある日、敬愛するレディース・チーム“舗爾威帝劉(ポニーテール)"の総長・亜樹美の引退パレードの為、イチゴが代官山にあると言う伝説の刺繍屋“閻魔"で特効服に刺繍を入れたいと言い出した。
しかし店は見つからず、代わりに桃子が刺繍を入れることになったのだが、その腕前にイチゴは大感動の大感激。
そんなイチゴの姿を見て、それまで友だちなんかいらないと言っていた桃子も、彼女に友情を感じるようになるのであった。
ある日、群れることに違和感を感じていたイチゴがチーム脱退を巡ってケジメを取らされることになった。
それを知り、元ヤンキーの祖母が乗っていた原付で救出に向かう桃子。
そして、卑怯な新総長・ミコたちを相手にブチ切れた彼女は、みごとイチゴを助け出す。


寸評
深田恭子の魅力というか、持ち味爆発の痛快娯楽作品だ。
ロココ調のロリータファッションに身を包む彼女の姿と、ナレーションを入れる彼女の声色がドンピシャだ。
これは僕が深キョン・ファンだから感じたことではないような気がする。
冒頭の「アッ!ウンコ踏んだ・・・」から包括絶倒。
映画と言えばシリアスなドラマがほとんどだが、時々このようなポップアート的作品が撮られる。
しかしそれはどこか自己満足的で、なんだこれはという作品が多いのだが、この作品ではそのポップな感じが適度な快感となって伝わってくる。
中島哲也監督の力量によるものなのか、それとも滅多に見ることができないジャンルの作品に出合った感激によるものなのかは、僕には不明で特定できない。

関西人の僕にとっては導入部で桃子の生地がアマ(尼崎)であることが語られるだけで親近感が持て、しかもそこにまつわるエピソードが漫才のツカミのような効果をもたらし、シネマワールドに何の抵抗もなく入っていけた。
関東の地理が想像できなかったけれど、下妻とか取手とか代官山とかの位置関係が理解できていたらまた違った感覚を感じ取ることができたかもしれない。

ヤンキーと優等生の友情話は、シチュエーションとしては定番的なものだとは思うが、この二人のキャラはそんな単純な構図を飛び越えていた。
イチゴ役の土屋アンナは流石はモデル!のカッコ良さだ。
田んぼの真ん中を貫く農道を、ヤンキースタイルの暴走族ファッションで走る姿はチャーミングで、桃子役の深田恭子に負けていない。
篠原、宮迫の脇役も健闘していたと思う。
樹木希林は、この手の役柄としては流石の存在感で、コミカルな動きにくすぐられた。
僕は伝説の暴走族は彼女だと思っていた。

桃子は優等生じゃなくて、どちらかと言えば成績は良くなさそうだし、クラスで思いっきり孤立していてそうだし、友達もいてなさそうなんだけど、なんだか強い女の子なんだと感じたのは、きっと彼女が一人で自分の思うように生きていたからなんだろうな、見終ったときにそう思った。
もちろん最後の桃子のタンカには拍手喝采!
深田恭子にとっては代表作の一つになるのだろうが、ここでのキャラは強烈で、もしかするとこのキャラクターイメージから脱却するのに苦労するかもしれない。
是非ともシリアスな役にも挑んでほしいものだ。


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