おじさんの映画三昧

旧作を含めほぼ毎日映画を見ております。
それらの映画評(ほとんど感想文ですが)を掲載していきます。

マイ・インターン

2024-07-19 07:16:33 | 映画
「ま」行です。

「マイ・インターン」 2015年 アメリカ

               
監督 ナンシー・マイヤーズ                        
出演 ロバート・デ・ニーロ アン・ハサウェイ レネ・ルッソ
   アダム・ディバイン ザック・パールマン シリア・ウェストン

ストーリー
ファッション通販サイトを起業し、ニーズを的確に掴んで短期間で急成長させることに成功したジュールズ(アン・ハサウェイ)。
そんな彼女の会社に、シニア・インターン制度によって70歳のベン(ロバート・デ・ニーロ)が雇われる。
妻に先立たれ、新たなやりがいを求めて再び働くことを望んだ彼だったが、若者ばかりの会社ではすっかり浮いた存在に。
ところが、ベンはそんなカルチャー・ギャップを楽しみ、たちまちオフィスの人気者に。
最初は40歳も年上のベンに何かとイラつくジュールズだが、いつしか彼の的確な助言に頼るように。
一方、ここまで仕事も家庭も順調そのものだったジュールズは、急速に拡大した会社の経営にうまく対応することができず大きな試練に直面していた。
人生経験豊富なベンは彼女に最高の助言を与え、2人は次第に心を通わせていく。
やがて彼の言葉に救われたジュールズは、予期せぬ人生の変化を迎える…。


寸評
映画の世界のお話というものがあるけれど、本作のようにほっこりとさせられる作品もその一つ。
内容としては、さほどではないが、コメディタッチの温かさが心地よい。
ジュールズの会社は時代の最先端を行く企業で、ネット通販の会社はこんな雰囲気なのだろう。
社員はカジュアルな服装でITを駆使して仕事をしているのだが、それに対してベンは常にスーツにネクタイ姿に古いカバンで出社。
初日にカバンから取り出した事務用品はどれもがクオリティのあるもので、彼のステータスを感じさせる。
パソコンの前に電卓を取り出すことで、世代間ギャップを誇張する。
そんな風に感じたのは、僕が在職中に同じような光景を目にしたからである。
社員にパソコンを配布したのだが、あるベテラン社員はパソコンの前にソロバンを置いて計算結果を打ち込んでいた。
漫画の様な懐かしい話・・・。
いわゆるオールドとニューの対照で、その面白さがまず目を引く。
最初はベンを嫌っていたジュールズが彼と少しずつ心を通わせていくのだが、その展開に無理はない。
無理を感じさせないほのぼの感がある。
アン・ハサウェイのジュールズが厳しさの中に愛くるしいところを見せることにもよるが、年齢的に僕がロバート・デ・ニーロに感情移入しているせいに違いなかったと思う。
自分も彼のように全てにおいてハイセンスでありたいものだと思う。

ドラマのポイントはジュールズとベンの交流なのだが、そこでのロバート・デ・ニーロの演技が絶品。
ロバート・デ・ニーロが浮かべる笑顔がすばらしい。
場面に応じてセリフ以上の表情を見せる。
その立ち振る舞いが年齢と節度と経験を感じさせる。
それを自然体で見せるデ・ニーロはやはりスゴイ、上手いと思わせる。

作中の会話の中にビヨンセ、ジャック・ニコルソン、ハリソンフォードなどの名前が登場し、「オーシャンズ」シリーズも飛び出す観客サービスを見せる。
ちょっとウケ狙いし過ぎかと思わぬではないが、じっくりと作り込んでいるのでそれも許せてしまう。
ベンにとってはジュールズを娘の様に思ったのかもしれないが、僕だってジュールズのようなCEOがいたら必死で仕えると思う。
反対に、女流監督であるナンシー・マイヤーズはこんな部下がいてくれたらという思いがあったのかもしれない。
ベンが言う男がハンカチを持つ意味を心にとどめておこう!