「クリスタル殺人事件」 1980年 イギリス
監督 ガイ・ハミルトン
出演 アンジェラ・ランズベリー
ジェラルディン・チャップリン
トニー・カーティス
エドワード・フォックス
ロック・ハドソン
キム・ノヴァク
ストーリー
老婦人のミス・ジェーン・マーブルはセント・メアリー・ミードに住む推理好きで有名な人気者だ。
この町では今、映画『スコットランドの女王メアリー』の撮影が行なわれており、スクリーンを遠ざかっていた往年のスター、マリーナ・クレッグが主演のため、夫で監督のジェースン・ラッドと共に長期滞在を予定している。
町中あげての歓迎パーティでホステスを勧めるマリーナのもとに様々な人々がやってくる。
婦人会のヘザー・バブコックもそんな一人で、彼女は、昔からのマリーナのファンで以前一度会ったことがある、ということなどを、一方的にしゃべりまくった。
そのころ、製作者マーティと共に主演女優でライバルのローラが到着し、マリーナのいる二階に姿を現した。
彼女を見て一瞬顔をこわばらせるマリーナ。
その直後、ヘザーが死んだ。
彼女の死はたちまち町中にひろがり、チェリーの口を通じてミス・マーブルの耳にもとどいた。
チェリーは、パーティの手伝いに行っていて、会場の様子を詳しく知っていたのだ。
やがて事件解明のためスコットランド・ヤードの警部でマーブルの甥のクラドックが派遣され、ヘザーの死がカクテルに盛られた毒物によるものであることをマーブルに知らせにくる。
しかも、そのカクテルは、マリーナが飲む予定だったものだ。
捜査が難行しているころ撮影現場ではマリーナとローラが火花を散らせていた。
やがて秘書エラが用意したマリーナのコーヒーから再び毒物が発見された。
その件で容疑が深まったエラが、常用していた鼻炎用の吸入器に仕込まれた毒で殺された。
テリーが語った、マリーナの表情が一瞬氷のように変化した、という言葉を考え続けていたマーブルは、その時ヘザーがマリーナに何を語ったのかを調べたところ、その内容はヘザーがマリーナの舞台を見て感激し舞台裏で彼女に思わずキスしてしまったというものだった。
寸評
往年の大女優が久しぶりに映画出演するというのでロケ地である町あげての歓迎パーティが催されている所から映画はスタートする。
往年の大女優マリーナ・グレッグを演じているのが文字通りの大女優エリザベス・テイラーで、かなり体格的にも貫録が出てきている。
マリーナ・グレッグのライバル女優ローラ・ブルースターを演じているのが キム・ノヴァクで、これまた懐かしい名前である。
それぞれの夫を演じているのが ロック・ハドソンとトニー・カーチスときては往年の大スターが集合したと言う感じ。
始まってすぐに事件が発生するが、その事件とは犯人がマリーナ・グレッグ殺害を企てたところ、ふとしたことからパーティに参加していたヘザー・バブコックが殺されてしまったというものである。
犯人は誰か?
この時点で主要登場人物は両女優と二人の夫、そしてグレッグの夫であるジェイソン・ラッドの助手を務めているエラ・ジリンスキー(ジェラルディン・チャップリン)の5人であるから、よほどのことがない限りこの中に犯人がいるというのはサスペンス映画を見ている者ならすぐに想像がつく。
そして一番怪しい人物も何となくわかって来るし、その動機もなんとなく想像がつく。
それが推理映画の定石とでもいうように、観客はそこに導かれていく。
そして、これまた定石と言うべきか、その予想は見事に裏切られる。
しかし一連の流れに緊迫感が生まれてこないのは、犯人が追い詰められて第2の殺人を犯すというくだりの描き方が弱いためだと思う。
最後には、「ああ、そいうことだったのか」と観客を驚かす結末を用意しているのだが、驚きよりも僕はロマンチックなものを感じてしまった。
事件を解決するのは推理好きなミス・マープル(アンジェラ・ランズベリー)なのだが、ミス・マープルの甥でロンドン警察の主任警部ダーモット・クラドック(エドワード・フォックス)の関係が微笑ましくて楽しい。
警部は無能ではないが伯母さんのアドバイスばかりをもらっていて、映画ファンらしくてやたらと映画作品に詳しい
のだ。
それを補足するかの如く作中で楽屋落ち的にハリウッド映画界のことが実名で語られている。
クラーク・ゲーブルの名前が挙がっていたし、監督をジョージ・キューカーにやらせればよかったとかも語られていたような気がする。
途中でプロデューサーでもあるローラの夫マーティ・N・フィンが西海岸に電話を依頼すると、どこの西海岸だと言われるシーンがある。
当然ハリウッドのことを指していると思うし、マーティ・N・フィンはハリウッドのプロデューサーということになっているから不自然ではないのだが、これがイギリス制作なのでハリウッドに対するイギリス流のジョークではなかったかと思った次第。
あまりいい出来とは言えないが、大物が出演していることで何とか体裁を保った作品のように思う。
監督 ガイ・ハミルトン
出演 アンジェラ・ランズベリー
ジェラルディン・チャップリン
トニー・カーティス
エドワード・フォックス
ロック・ハドソン
キム・ノヴァク
ストーリー
老婦人のミス・ジェーン・マーブルはセント・メアリー・ミードに住む推理好きで有名な人気者だ。
この町では今、映画『スコットランドの女王メアリー』の撮影が行なわれており、スクリーンを遠ざかっていた往年のスター、マリーナ・クレッグが主演のため、夫で監督のジェースン・ラッドと共に長期滞在を予定している。
町中あげての歓迎パーティでホステスを勧めるマリーナのもとに様々な人々がやってくる。
婦人会のヘザー・バブコックもそんな一人で、彼女は、昔からのマリーナのファンで以前一度会ったことがある、ということなどを、一方的にしゃべりまくった。
そのころ、製作者マーティと共に主演女優でライバルのローラが到着し、マリーナのいる二階に姿を現した。
彼女を見て一瞬顔をこわばらせるマリーナ。
その直後、ヘザーが死んだ。
彼女の死はたちまち町中にひろがり、チェリーの口を通じてミス・マーブルの耳にもとどいた。
チェリーは、パーティの手伝いに行っていて、会場の様子を詳しく知っていたのだ。
やがて事件解明のためスコットランド・ヤードの警部でマーブルの甥のクラドックが派遣され、ヘザーの死がカクテルに盛られた毒物によるものであることをマーブルに知らせにくる。
しかも、そのカクテルは、マリーナが飲む予定だったものだ。
捜査が難行しているころ撮影現場ではマリーナとローラが火花を散らせていた。
やがて秘書エラが用意したマリーナのコーヒーから再び毒物が発見された。
その件で容疑が深まったエラが、常用していた鼻炎用の吸入器に仕込まれた毒で殺された。
テリーが語った、マリーナの表情が一瞬氷のように変化した、という言葉を考え続けていたマーブルは、その時ヘザーがマリーナに何を語ったのかを調べたところ、その内容はヘザーがマリーナの舞台を見て感激し舞台裏で彼女に思わずキスしてしまったというものだった。
寸評
往年の大女優が久しぶりに映画出演するというのでロケ地である町あげての歓迎パーティが催されている所から映画はスタートする。
往年の大女優マリーナ・グレッグを演じているのが文字通りの大女優エリザベス・テイラーで、かなり体格的にも貫録が出てきている。
マリーナ・グレッグのライバル女優ローラ・ブルースターを演じているのが キム・ノヴァクで、これまた懐かしい名前である。
それぞれの夫を演じているのが ロック・ハドソンとトニー・カーチスときては往年の大スターが集合したと言う感じ。
始まってすぐに事件が発生するが、その事件とは犯人がマリーナ・グレッグ殺害を企てたところ、ふとしたことからパーティに参加していたヘザー・バブコックが殺されてしまったというものである。
犯人は誰か?
この時点で主要登場人物は両女優と二人の夫、そしてグレッグの夫であるジェイソン・ラッドの助手を務めているエラ・ジリンスキー(ジェラルディン・チャップリン)の5人であるから、よほどのことがない限りこの中に犯人がいるというのはサスペンス映画を見ている者ならすぐに想像がつく。
そして一番怪しい人物も何となくわかって来るし、その動機もなんとなく想像がつく。
それが推理映画の定石とでもいうように、観客はそこに導かれていく。
そして、これまた定石と言うべきか、その予想は見事に裏切られる。
しかし一連の流れに緊迫感が生まれてこないのは、犯人が追い詰められて第2の殺人を犯すというくだりの描き方が弱いためだと思う。
最後には、「ああ、そいうことだったのか」と観客を驚かす結末を用意しているのだが、驚きよりも僕はロマンチックなものを感じてしまった。
事件を解決するのは推理好きなミス・マープル(アンジェラ・ランズベリー)なのだが、ミス・マープルの甥でロンドン警察の主任警部ダーモット・クラドック(エドワード・フォックス)の関係が微笑ましくて楽しい。
警部は無能ではないが伯母さんのアドバイスばかりをもらっていて、映画ファンらしくてやたらと映画作品に詳しい
のだ。
それを補足するかの如く作中で楽屋落ち的にハリウッド映画界のことが実名で語られている。
クラーク・ゲーブルの名前が挙がっていたし、監督をジョージ・キューカーにやらせればよかったとかも語られていたような気がする。
途中でプロデューサーでもあるローラの夫マーティ・N・フィンが西海岸に電話を依頼すると、どこの西海岸だと言われるシーンがある。
当然ハリウッドのことを指していると思うし、マーティ・N・フィンはハリウッドのプロデューサーということになっているから不自然ではないのだが、これがイギリス制作なのでハリウッドに対するイギリス流のジョークではなかったかと思った次第。
あまりいい出来とは言えないが、大物が出演していることで何とか体裁を保った作品のように思う。