ゆうやは森林の香り？

先日、スクールバスに乗り込んだときのことです。

添乗員さんがおっしゃいました。
「あら、ゆうちゃん、いいにおいがするわね。」
「そうですか？」
「なにか、森林浴をしているような匂いがするわよ。」

ゆうやが森林浴の匂い？
若いゆうやの身体からは汗や脂の匂いがしても、森林の匂いはしないのではないかなと思いました。

添乗員さんはゆうやの後部席にまわって、ゆうやの頭上からくんくん匂いをかいでおられました。
「やっぱり森林浴の匂いがするわよ。」
「あ！もしかしたら、タンスに入れている防虫剤の匂いかもしれません。」

そうなんです。
我が家ではタンスに木材を材料とした防虫剤を入れているのです。
その日着ていたシャツは、長い間タンスの中に入っていたものでした。
シャツに防虫剤の匂いが移っていたのですね。

添乗員さんは、とても嬉しそうな表情をされました。
「私も木を防虫剤としてタンスに入れているのよ。」

次の日、スクールバスに乗りに行くと添乗員さんがどんぐりの形をした木片を見せてくださいました。
「これが私の使っている防虫剤よ。」
そして、木を細かく削ったものを詰めた小袋を手にされました。
「これは、もう１人の添乗員さんが使われている防虫剤なのよ。」

どちらもいい香りがしました。
ほんと、森林浴をしているような気分になります。

私は以前、薬品が入った防虫剤を使用していたのですが、最近、森林の香りがする防虫剤に変えました。
衣類を取り出すと、何とも言えないいい香りがします。
そしてタンスから取り出した服を身につけると、森林の中を歩いているような気がします。

ゆうやは朝だけ森林の香りがします。
お昼頃になると汗をかいてすっかり思春期の匂いになってしまいますが～。

高速道路が交差する都会で、ほんのひととき森林の香りに包まれる朝でした。


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