猫猿日記    + ちゃあこの隣人 +

美味しいもの、きれいなもの、面白いものが大好きなバカ夫婦と、
猿みたいな猫・ちゃあこの日常を綴った日記です

幼稚なマスメディア

2005年05月31日 21時33分25秒 | ぶ~すか言ってやる!
フィリピン・ミンダナオ島の旧日本兵問題が連日、新聞、TVなどで大きく取り上げられている。私は戦争を知らない世代だが、特攻隊員として、出撃を間近にしながら終戦を迎えられた方、
学徒動員で空襲の中、必死に頑張られた方々とお話をさせて頂いた事もあり、それがどんなに酷いもので、家族の思いがどんなであったか、ほんの僅かながらではあるが、理解したつもりでいる。
だから、旧日本兵の方々が帰国したいと考えておられるなら、国はどんな手段を講じても彼らの願いを叶えるべきだと思うし、そのためにはどんな「無駄足」を踏んだとて、構わないと思っている。

「旧日本兵」の話が出てから、マスメディアは大騒ぎを続けている。
信憑性のほどこそ定かではないが、「仲介人」が「これでは話し合い出来ない」と言ったとしても仕方がないと思われるほどに。
挙句、政府から人が派遣されて「ガセネタかも...」となった途端、「不確かな情報に翻弄されたのでは?」などと、遠く現地に赴かれた方に対し、強い調子で問いただす。
まさに、「厚顔無恥」とはこのことだ。

真っ先に大騒ぎをしたのは誰であったか。近親者や近所の人間まで引きずり出して、過剰な演出まで施したのは誰であったのか。

マスメディアの仕事は人心を煽る事でも、事物に脚色を施すことでもない。
ましてや、大声で人を怒鳴りつけたり、権力を振りかざすことではない。
取材した事実を元に、冷静に真実を引き出したり、それを正確に人々に伝えること。
それこそが彼らの仕事であるはずだ。

しかし...
「言葉」や「文章」を扱うプロであるはずの日本のマスメディアの幼稚さは、
勉強などろくにしなかった私の目にも明らかなほど、エスカレートしていっている。
彼らは、CBS放送のマイク・ウォレスを始めとするアンカーマン、アンカーウーマンのインタビューの巧みさを、ヒタヒタと迫る冷静沈着な追及を、そしてウィットとユーモアを目にしたことがないのだろうか?

そしてついに。
日本のマスメディアの安直なやり方は、罪のない動物たちまでを悪者に仕立て上げた。
「列島激震・巨大生物異常発生!」(クラゲだったり、はたまたネズミだったり)
「恐怖・巨大殺人蜂があなたを襲う!」(スズメバチ)
などという大げさな(被害に遭われた方にとっては大げさではないけど)文句が、連日夕方のニュース画面に踊る社会。
さらに大仰なナレーションや効果音が、人心の不安を煽る幼稚な社会。
私は立派な人間ではないが、フツーの大人として、あることを彼らに問いかけたくなる。

「あの...恥ずかしくないですか...?」

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4 コメント

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ログに書き込まれている強さと同じぐらいの強さのコメントが書ければ… (t-cat)
2005-06-02 08:56:35
おはようございます。



『「列島激震・巨大生物異常発生!」(クラゲだったり、はたまたネズミだったり)

「恐怖・巨大殺人蜂があなたを襲う!」(スズメバチ)

などという大げさな(被害に遭われた方にとっては大げさではないけど)文句が、連日夕方のニュース画面に踊る社会。

さらに大仰なナレーションや効果音が、人心の不安を煽る幼稚な社会。』



マイケル・ムーア監督の

ボウリング・フォー・コロンバイン上の、

恐怖を植えつけるシステムを思い出しました。



私は普段、TVはほとんど見ないので、

(朝は時計代わりに使ってますが。あとはニュースとか、

NHKの教育TVの「にほんごであそぼう」。ぐらいかな)

最近のバラエティやドラマの傾向には

まったく不案内なので、

たまーにTVをつけていると

CMで席につき、番組で席を立ちたくなってしまう

内容が多いのには閉口します。



参っちゃいますよね……
返信する
実は... (erima)
2005-06-02 20:59:32
t-cat様



t-cat様には呆れられてしまうかもしれませんが、

実は私、TVが大好きなんです。

ドラマこそほとんど見ませんが(特に恋愛ものなど見る気がしない。某将校曰く「あれは見るもんじゃない。やるもんだ」ですし)、バラエティ、ドキュメンタリー、ニュースと、それこそ見境なく見ています。

NHKも大好きです。



ボウリング・フォー・コロンバインはまだ見ていないのですが、そうご指摘を受けて少々反省しました。

なぜなら、他でもない私自身が、オスカーを受賞したムーアがステージ上で声高に叫ぶ姿を見て、違和感を覚えたからです。



しかし、このままではこの国はダメになってしまう、という危機感を抱いているのも事実。

一般市民の私としては、せいぜいログ上で吼えるぐらいしかありませんが...



たとえ相手がハチであっても、生あるものを意味なく殺すことは許されない。

それが許されるなら、その相手はいつしか人になり、だからこそ、乱射事件も起きたのではないか。

そう思わずにはいられない私なのです...







返信する
ちびちゃんの横顔にほれぼれ… (t-cat)
2005-06-03 22:22:31
前後のコメントの文脈からは的はずれなタイトルですけど…

でも、良いお顔ですね。



さて、「ボウリング~」云々では、

まったく言葉足らずで、erima様のコメントを読んで

「ばかばか、私のばかー! 投げかけ方がヘタ!」と

ちょっと落ち込んでいます…。



機会があったら本作はご覧いただきたいのですけど、

(監督はこのさい忘れて…)

米国の銃社会の告発作品として、

恐怖の連鎖とそれを支えるシステム、

そのシステムに寄生する利益団体の図式が

なんとなーくわかってきます。

あくまでも作り手側が良しとする視点に限って、

になりますが、日本ではまずありえない啓蒙的作品

(ドキュメンタリーとは言えないだろうなあ…)に

あたるかと思います。



で、一般市民に恐怖を植え付ける連鎖の一例として、

殺人ミツバチとかなんとかがあたかも大事のように

取り上げられていたんですよー。



日本のマスコミがムーア監督のネタをパクってるんでは?

と思ってしまったので引き合いに出したのです。



ちなみに、オスカー受賞時の監督像も受賞作も見ていないので

論評のしようもないですけど、華氏911は、悪のりの度が過ぎる? 

と思いましたけど…。(だから見てないんですよね…)



erima様のblogは、硬柔使い分けが見事で、筆致が勇敢で、

「そうそう、それが言いたかった!」という表現が多くて

目が覚まされる気がします。

柔らかいお話も良いけれど、硬質な話題ももっと読みたいです。

応援しています。



返信する
勇気百倍! (erima)
2005-06-04 03:33:14
t-cat様



いつも心のこもった思いやり溢れるコメントを

ありがとうございます。



実は私、すぐに調子に乗るタイプなので、

いつもどこかしら<やりすぎて>しまうんです。

ですから、「反省」云々は、私が勝手に自らの文を

読み返して考えたこと。

なので、t-cat様は何も気になさらないで下さいね。



それに、t-cat様にはいつも身に過ぎたお褒めの言葉

を頂きまして、それが私にとっては、勇気百倍の源

になっているのです。これからも自重しつつ、

楽しくblogを続けていきたいと思っていますので、

よろしくお付き合い下さいませ。



オスカーでのムーアですが、舞台上で鼻息も荒く、

「くたばれブッシュ!」と叫びまくり、観衆の

ブーイングを浴びたのです。

その後には、「戦場のピアニスト」に主演した

エイドリアン・ブロディの受賞スピーチがあり、

それがまた、静かに心に染み入る内容だった

ものですから、余計にムーアの無粋な悪目立ちが

際立って...。

ちなみにブロディのスピーチとは、本当に短く、

「あなたの信ずる神がどんな神で

あれ、あなたに神のご加護がありますように」

と、いうような、世界中の人に静かに話しかける

感じのものでした。



私のお気に入り番組のひとつ、TBS金曜深夜

「CBSドキュメント」でも、よく全米ライフル

協会を含む寄生団体のリポートなどが取り上げられて

いるのですが...。

この番組、「自由の国」の実態が垣間見えて、

とっても興味深いです。



あ!それからちびくんの横顔をお褒め頂き

ありがとうございます。男前(おっとこまえと

読みます)に撮れてますでしょう?

彼の視線の先にはゴンザがいるんです。

ちびくんとゴンザの間には、私でさえ入れない、

運命の絆のようなものがあるようです...。



























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