猫猿日記    + ちゃあこの隣人 +

美味しいもの、きれいなもの、面白いものが大好きなバカ夫婦と、
猿みたいな猫・ちゃあこの日常を綴った日記です

きらきらじょうろ。

2009年05月13日 10時00分00秒 | ルーツ

 

そういえば、ここしばらく、美味しいものを載せてませんでしたね。
こちら、ゴンザが作ってくれた、トマトのサラダ。
ガサツな私じゃこうはいかない。
「わー♪ うつくしー♪ おいしー♪」

 

畑へ向かおうと、自転車を走らせていて、
ふと、いつもの習慣で、首元に手をやった。

もう、20年近くもつけ続けているネックレスの、
所在を確認する、いつものクセで。

と。

一瞬背筋が凍りつき、反射的に手がブレーキをつかむ。

どこをどう触っても、いつもは手に触れるはずのモノが、
まったく見当たらないのに気がついて。

 

こちらは畑で採れるイチゴちゃん。
摘んだばかりのイチゴは、香りと果汁が口いっぱいに広がって、
ものすご~く美味しい。
当然虫にも鳥にも狙われ、半数は食われてしまいますが(笑)

 

私は自転車にまたがったまま、何度も何度も首元をさぐる。

『ない...やっぱりない!どこに.....どこかに落としてしまったのか!?』

それがいつからなくなってしまったのか、
最後に触ったのはいつのことだったか.....。

私は必死で思い出そうとし、今来た道を急いで戻る。

「ああ、見つからなかったらどうしよう。
  拾った人は親切に警察へ届けてくれるだろうか。
 .....やっぱりあきらめるしかないのかな」

 

今年の我が家の畑は、今までにない充実度。
ここからわさわさ、夏野菜たちも茂り.....もっと賑やかになるでしょう。
継続は力なり。
毎年、少しずつですが、コツをつかんでいってます。

 

冷や汗をかきながら自転車を漕ぎ、
目を皿のようにして、
どこかにそれが落ちてはいまいかと、きょろきょろする。

 ずっと大事にしてたのに。

 仕事中以外は、ずっとずっと身につけていたものだったのに。

いろんな思いが駆け巡る中。

ついに家まで戻ってきてしまった私は、
がさごそ探ったあげく、
ゴンザが眠る布団の上に引っかかっている、
きらきらと光るものを見つけた。

 

あら、こちらはジャガイモの葉の上でお取り込み中(笑)
「邪魔してごめんね~」
ちなみにナミテントウで女子に『もてる』のは黒地のオスだとか。

 

「あった.....!」

泣き出しそうになりながら、
さらりと、柔らかな布に流れるように落ちているそれを拾い上げ、
私は大事に首元に戻す。

 

 「それはお前にあげたものだから」

遥か昔。

大好きで大好きで仕方なかった彼がくれたそのダイヤを、
別れ際返そうとして、そっと手を押し戻された日のことが、
今もはっきりと思い出される。

彼とのことは過去となっても、きらきら輝きを失わないそれは、
私の青春そのものだ。

 

若い頃に失恋するのはそう悪いことじゃない。
なんだかんだいって、ある意味恋愛ほど、
人を成長させるものってないと思うから。
恋を実らせるにも、継続させるにも、また、失ったあとにも.....
頑張る動機は不純なほうがいいし、
だからってそれが純粋でないとは、誰も言えないと思うのだ。

 

「見つかってよかったね」

微笑みながらゴンザが言ってくれ、
「ありがとう」とお礼をいいながら、
今の幸せに、私は思わず泣きそうになる。

思い出は痛いほど甘くなり。

けれどそれは、幼いころ食べたケーキの味みたいなもので.....

今食べても、おなじ味は決してしないと、
大人なら、誰でも知っている。

私は首元に戻った光を何度も確認しながら、再び畑へと向かった。

 

【ラ・ベルデュール】の『トロワフレール』は、
それぞれの層の味と香りがあいまって、素晴らしいハーモニー。

 

一方畑では。

ここ数か月、畑から姿を消していた『じょうろ』が、
数日前に見つかったばかりだ。

大きな、風で飛ぶはずもないそれは、
二つ隣の畑の物置の陰に置いてあり.....

私たちをとても失望させたのだ。

「持ってって使ってもいいから、元に戻してくれればいいのに」

 

いつもは温厚なこの方もお怒りモードです。
プンプンです。
たとえばいくら強風が吹いたとしても、あの後ろの段差を越えて、
さらにその奥の畑までこいつが飛ばされて、物置の陰に収まるとは.....
どう考えても思えないもんねぇ。
ちなみにどうしてそれを見つけたかというと、
写真を撮るのに周辺をうろうろしていて、だったのでした。

 

出来れば盗まれたとは思いたくないから、
その畑の持ち主がちょっと借りてって、返し忘れただけと信じたいが。

さて.....

きらきらとじょうろ。

どちらも無事、手元に戻ったとはいえ。

ふたつのものを巡る思いは、あまりにかけ離れている。

 

そういえば、おとといの私がうろうろしていた理由は、これを撮るため。
山下公園のバラ園は、ちょうど開花シーズンを迎えています。

 

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6 コメント

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「と」が入るのね (虫主婦)
2009-05-13 23:53:19
「きらきらじょうろ」というタイトルだったので、
行方不明のじょうろもキラキラのすてきなものだったので、『移動』してしまったのかと…

大事にしていた「きらきら」、戻ってきてよかったですね。
正直ゴンザさんの財布拾いのご利益かな?

返信する
なるほど! (まっちゃん★)
2009-05-14 08:45:13
キラキラネックレスがじょうろに引っかかってたんかと
思った~

多分、じょうろは絶対、返し忘れたと思う。

そうやないと
「じょうろくらい、ええやろ」
と思てんのちゃうかワ~レ~

って怒りが収まらへんもん。向こうは、たかが
“じょうろ”と思うのかもしれへんけど持ち主にしたら
大切な必須アイテムでなかったら即、作業を始め
られへんもんね。


キラキラはいいね。私は若~い時に貰った指輪が何個か
あって一時期、リフォームしてひとつにまとめようか(笑)
と思ったけど、そのうちお姉やんや妹ちゃんがつけるかな
ってそのままにしてます。考えたら思い出や“物”には
罪はないし、何よりerimaさんが言うようにその思い出って
子供の時の…みたいな思い出やもんね。その表現いただき(笑)
返信する
よかったね。 (いなひこ)
2009-05-14 12:40:38
私は、何時もしてないネックレスをたまにすると気になって、確かめます。
でもあってホントに良かったです。
私は、真珠のイヤリング 時々つけるんですが、彼のあだ名を思い出してしまい、『ホント誰が考えたんだろう?』って思うほど、楽しいあだ名です。

ジョウロも使ったんだね。人の物も自分の物も分かんないのかな? 借りてもいいから、ちゃんと元の場所に返さなくちゃいけないよ。 物置の陰っていうのが、ちょっとね。
返信する
そうそう。 (erima)
2009-05-14 16:43:18
虫主婦様

そうそう、最初は「と」を入れようかと思ったんですけど、なんか語感が気に入らず、抜いてしまいました。
じょうろ自体は
プラッチック(関西風)のフツーの安ものなんですけどね。

大事にしていたキラキラ。
思い出の大きさもなんですが、石の大きさも(私のような庶民にとっては)ちょっとあるので(笑)
失くしたらそーとー痛かったです。

ホント、ゴンザの寝ていた布団に引っかかっていたなんて、やっぱりお財布拾いのご利益かも。
感謝しなければ。
返信する
まっちゃん★はそっちか!(笑) (erima)
2009-05-14 16:57:58
まっちゃん★様

なるほどー、まっちゃん★はそうとったか。
フツーに書けば、ただきらきらとじょうろが失くなったというだけなんだけどねー。
なんか、「と」を入れずに「きらきらじょうろ」と書いたほうが、メルヘンかと思って(爆)

でももうね、メルヘンでも入れんことには、腹が立つだけだもんね。
ホント、じょうろが姿を消してからというものの、「どうしてだろ?」「どこに行っちゃったんだろ?」って、ず~っと考えてたから。
どう考えても、風に吹かれて金網の柵を越えるわけもないし、70~80センチもうちより高い隣の畑に乗っかって、さらに奥に飛ばされるわけもないし...
私としても、「返し忘れた」だと願いたい、マジで。
あと、「新しいのを買おうか」と言っていたところだったから、見つかってよかったよ。

きらきら。
私も同じこと考えたことあるよ。
全部合わせてリメイクしてもらおうかって(笑)
私には子供がいないから、ゆくゆくは誰が受け継ぐかって話になるんだけど、それはそれで、自分が生きているうちに身につけなきゃ、眠ってるだけのきらきらも可哀そうだもんね。
思い出は思い出で大切なものだし、今は今で大切。
どっちがなくても困るもんね~。

まっちゃん★が若い時、身につけていた思い出のきらきらを、お姉やんや妹ちゃんがお年頃になって身につける。
とっても素敵だね~♪
返信する
ありがとうございます。 (erima)
2009-05-14 18:09:31
いなひこ様

ネックレスって、めったにはずれることがないとわかっていても、着けているとちょっと気になりますよね。
私が失くしたと思った「きらきら」は、たまーに、タオルなどに留め具がひっかかって外れることがあったのですが、今回はその覚えもなかったので、本当に焦りました。
本当に見つかってよかったです。
ありがとうございました。

いなひこ様の「彼」のあだな。
駅で大きな声で呼ばれたという「ちかん」さんもユニークでしたが、その方も楽しいあだなをお持ちなのですね。
あだなって、子どもの頃とか、若い頃につけられたものが、ず~っと友達の間で使われたりして、ちょっと笑っちゃったり、自分の場合、「やだー、もう恥ずかしい」とか思ったりしますが(笑)
そういった思い出も楽しいですね。

じょうろ。
物置の陰にあったことは、とてもショックでした。
何よりもその奥には、もうひとつ、ちゃんとしたじょうろがあったので、借りて行ったにしても、「ひとつ持ってるくせになんで必要だったのだろう?」と。

結局、うちのじょうろは当然のこと持ち帰って来たんですが、その畑の持ち主の姿を見かけるたびに、「自分がよそから持ち去ったじょうろがなくなったのを知って、私たちの姿を見て、どう感じているのかしら?」と、居心地が悪くてたまりません。
持ち去ったのは向こうなのになー。
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