ささやんの天邪鬼 座右の迷言

世にはばかる名言をまな板にのせて、迷言を吐くエッセイ風のブログです。

半島情勢の今後を読む

2018-02-25 14:11:52 | 日記
イヴァンカさんへの期待は、泡のように儚(はかな)く消え去った。米朝直
接対話の可能性は限りなくゼロに近くなり、その先に見えたはずの南北朝鮮
統一の計画も、早くも芽を摘まれた格好である。こんな結末は「アホだ!」
と私はきのう本ブログで書いたが、もう少し長いスパンで情勢を見渡せば、
トランプ=イヴァンカの米国側がとった対北強硬姿勢は、セオリー通りの定
石だと言えなくもない。北に強硬姿勢をとり、統一計画を潰せば、韓国は出
口を塞がれ、我が陣営に戻らざるを得なくなる、ーー米側はそう踏んだに違
いない。

北朝鮮はどうか。金正恩は平昌五輪閉会式に、朝鮮労働党の金英哲(キム・
ヨンチョル)中央委員会副委員長・兼・統一戦線部長を代表とする使節団を
派遣する予定だと発表した。「テロ国家」がこれまでに犯した数々の犯罪行
為の、その総元締めのような人物を北が送り込むことに対して、韓国内には
激しい反発の声が上がったが、北側からすればこれは想定内のこと、「この
毒が飲めるか?」という意味を持つ、いわば試金石である。「この毒を飲む
覚悟がなければ、『核保有国・北朝鮮』という毒は飲めないだろう。どうな
のだ?」言い方を変えれば、「こっちに来るつもりなら、このハードルを飛
び越えろ!」と高いハードルをかかげてみせた格好だが、過去にこだわる性
格の、執念深い国民を統治する文大統領にとっては、このハードルは高すぎ
たのではないか。

金与正だけであれば、ペンス副大統領のように、「相手は地球上で最も非道
で抑圧的な政権の大黒柱なんだぞ、騙されるな!」と警告する必要もあった
だろう。だが、相手が金英哲なるテロの総元締めをカードに切ってきた今回
は、その必要すらない。

もっとも、南北統一が民族の悲願を意味するとなれば、また話は違ってくる。
「俺と付き合いたいのなら、俺のすべてを受け入れる覚悟があるかどうか、
よく考えるんだな。俺がワルだったことを忘れるなよ!」
元ヤンに恋をしてしまった少女には、彼のむかしの素行なんて問題にならな
いだろう。

いずれにせよ、米朝がそれぞれカードを切りおえた今、これからの成り行き
の鍵を握るのは、韓国内の政治動向である。韓国の世論は、北朝鮮と手を切
り、米韓同盟に復帰する道を選ぶのだろうか。それとも、民族の悲願を実現
するため、むかしの経緯(いきさつ)には目をつぶろうとするのだろうか。
粘液質の世論と対峙しなければならない、文大統領。彼のお手並みを早く見
たいものだ。
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