ささやんの天邪鬼 座右の迷言

世にはばかる名言をまな板にのせて、迷言を吐くエッセイ風のブログです。

政治の季節の若者たち その今昔

2020-11-07 12:16:43 | 日記
今アメリカが燃えている。トランプ、バイデン両氏の支持者が繰り広げるデモの雄叫びや小競り合いをテレビの画面越しに眺めていると、今の日本がなんとも白けきった味気ない社会のように思えて仕方がない。アメリカもそうだが、香港でもタイでも、民衆は社会的・政治的テーマに我を忘れて、熱く燃えている。今の日本には、どこにもそういう熱気が見られない。

今の日本には、と書いたが、昔の日本はそうではなかった。私が大学生だった頃、ーーということは、今から半世紀ほど前のことだが、私の周囲の若者たちは安保問題や大学運営の問題をめぐって熱狂的に、権力側・体制側の当事者たちに激しい抗議の声をあげていた。

いわゆる学生運動に燃えた若者たちは、私もそうだが、やがて大人になり、常識的な社会人になり、それから年老いて白け、干からびたジジババになった。

そういうジジイの目から見ると、今のアメリカの政治的熱狂は、どこか郷愁を誘い、羨ましくすらある。

その反面、その光景は、今の日本でもときおり見かける、見慣れた光景であるようにも思える。何だろう、と考えたら、それが巨人ファンや阪神ファン、広島ファンのような、プロ野球マニアの熱狂に近いことに思い当たった。

アメリカの大統領選挙について報じるテレビのニュース画面を見ながら、私はそういう感想を妻に漏らした。

「でも、選挙はスポーツじゃないんだから、もっと冷静にならないと。アメリカは民主主義の国なのだから、もっと理性的な話し合いができないのかしら」
これが妻から返ってきた返事だった。

「いやあ、理性的な話し合いなんて、とても無理、できっこないよ。なにしろ政治は、利害の衝突を調整する装置なのだからね。アメリカの国民は4年前、トランプなどというトンデモな人物を選んでしまった。この人は支持者からすれば、自分たちの利害の頼もしい代弁者ではあっても、およそ調整役には向かない人だからね。それが問題なのだ」

こう答えながら私は、「では、今の自民党はどうなのだろう」と自問してみた。そしてこう自分に言ってみた。まあ、今の自民党は、調整役としてはまずまずといったところではないのかな。たまに「権力快感おじさん」がおかしなことをしようとするけど、それも国民のーー白けきった国民の、憂さ晴らしの種にはなっているわけだし・・・。
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