プラスチックは燃やしてはいけない。我々はずっとそう考えてきた。プラごみは「燃やしてはいけない」、したがって「燃やせない」という〈事実〉が、プラごみ問題の解決を阻む最大の元凶だと考えてきた。
では、「プラスチックは燃やしてはいけない」とされたのは、一体なぜなのか。それは、プラスチックの燃焼によって、猛毒のダイオキシン類が発生すると考えられたからである。長い間、この認識が「常識」として通用してきたのである(以上、朝日新聞2001年2月26日付による)。
こうした認識が「常識」として定着した背景には、「ダイオキシンは猛毒だ。ヤバい!」という危機的な意識が作用していたと思われる。
ダイオキシンと、その毒性に関する解りやすい説明に、次のような解説がある。
「発癌性などの毒性が特に高く,環境汚染による人間の健康や生態系への影響が最も懸念されている有機塩素化合物。意図的には製造されておらず,農薬の製造や,塩化ビニル,塩化ビニリデンなど塩化プラスチック系の物質が燃焼する際,有機物と反応して発生する場合が多い。また,塩素系プラスチックなどを多く含むごみ焼却土壌や河川の底泥に堆積することで食物連鎖を通じて人体をも汚染する。」(ブリタニカ国際大百科事典 )
しかし、「プラスチックは、燃やすとダイオキシンが発生するので、燃やしてはいけない」とするこうした「常識」は、前出の朝日新聞記事が書かれた当時(2,001年)には、もはや「常識」としては通用しなくなっていた。「高温で燃やせばダイオキシンは発生しにくい」という新たな〈事実〉が分かったためである。それ以降、プラごみは高温処理ができる処分場で焼却処分されるようになり、ごみ処理の現場では、プラスチックの焼却処分が不燃処理よりも優勢になっている。
これが現状であり、この現状は2019年の現在でも(たぶん)変わらない。ーーとすると、我々はここで、もう一つの疑問に突き当たる。にもかかわらず、なぜプラごみは相変わらず巷にあふれ、海の環境を汚染し続けているのか、という疑問である。プラごみが「焼却処分で一件落着」とならないのは、一体なぜなのか。次回はこの疑問について考えてみたい。(つづく)
では、「プラスチックは燃やしてはいけない」とされたのは、一体なぜなのか。それは、プラスチックの燃焼によって、猛毒のダイオキシン類が発生すると考えられたからである。長い間、この認識が「常識」として通用してきたのである(以上、朝日新聞2001年2月26日付による)。
こうした認識が「常識」として定着した背景には、「ダイオキシンは猛毒だ。ヤバい!」という危機的な意識が作用していたと思われる。
ダイオキシンと、その毒性に関する解りやすい説明に、次のような解説がある。
「発癌性などの毒性が特に高く,環境汚染による人間の健康や生態系への影響が最も懸念されている有機塩素化合物。意図的には製造されておらず,農薬の製造や,塩化ビニル,塩化ビニリデンなど塩化プラスチック系の物質が燃焼する際,有機物と反応して発生する場合が多い。また,塩素系プラスチックなどを多く含むごみ焼却土壌や河川の底泥に堆積することで食物連鎖を通じて人体をも汚染する。」(ブリタニカ国際大百科事典 )
しかし、「プラスチックは、燃やすとダイオキシンが発生するので、燃やしてはいけない」とするこうした「常識」は、前出の朝日新聞記事が書かれた当時(2,001年)には、もはや「常識」としては通用しなくなっていた。「高温で燃やせばダイオキシンは発生しにくい」という新たな〈事実〉が分かったためである。それ以降、プラごみは高温処理ができる処分場で焼却処分されるようになり、ごみ処理の現場では、プラスチックの焼却処分が不燃処理よりも優勢になっている。
これが現状であり、この現状は2019年の現在でも(たぶん)変わらない。ーーとすると、我々はここで、もう一つの疑問に突き当たる。にもかかわらず、なぜプラごみは相変わらず巷にあふれ、海の環境を汚染し続けているのか、という疑問である。プラごみが「焼却処分で一件落着」とならないのは、一体なぜなのか。次回はこの疑問について考えてみたい。(つづく)