ささやんの天邪鬼 座右の迷言

世にはばかる名言をまな板にのせて、迷言を吐くエッセイ風のブログです。

政府と2000万円

2019-06-10 10:48:21 | 日記
これでも政府なのだろうか。国民の生活を保障するのが、政府の最も基本的な役割ではないのだろうか。
「リタイアしたあとで長生きをしたければ、生活費は自分で何とかしてね。現状の年金制度ではまかなえないから、2000万円ほど、自分で都合をつけてね。」
こんなことを言い出す政府は、およそ政府の名に値しない。そうではないだろうか。

たとえば政府が、次のように言いだしたとしよう。
「夜道を歩きたければ、自己責任でよろしく。警官の数が足りないんだよね。代わりにボディガードを自分で雇うとか、いろいろあるよね。」
国民の生活の安全を保障できないこんな政府を、国民は政府とは認めないだろう。

同様、「2000万円を自分で」などと言いだした政府を、国民はーー少なくとも高齢者はーー真っ当な政府とは認めないだろう。政権交代は必至だと言わなければならない。

にもかかわらず、政府はなぜこんなことを言いはじめたのか。自分の首を絞めるこんなことを、政府はなぜ言いはじめたのか。それも、参院選を目前に控えた今のことである。政府はなぜこんなことを今になって、ことさら言いはじめたのか。

考えられるのは、消費税率をアップする、という政府の政策との関連である。「年金制度を立て直し、ご高齢の方々に安心して老後を送っていただけるようにします。そのためにも、消費税率のアップは必要なのです。」そう言いたいのだろう。

アップした消費税で年金財政をまかない、軍事費をまかない、これで国民の安全保障は抜かりなし、万々歳、と言いたいようだが、この議論は何か肝心なことを忘れていないだろうか。重税にあえぐ庶民の暮らしを、である。ゆとりある暮らしをしたいのなら、それも自助努力でよろしく、ってか。
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