ささやんの天邪鬼 座右の迷言

世にはばかる名言をまな板にのせて、迷言を吐くエッセイ風のブログです。

トランプの日米安保発言に

2019-06-27 10:45:14 | 日記
トランプ米大統領が日米安保条約を破棄する考えを口にしたという。これは側近との「個人的な会話」の中での発言だったようだが、この話題は日本の政界を大きく揺すぶった。「日米同盟は、わが国の外交・安全保障の基軸であり、日米安保条約に基づく日米安保体制は、日米関係の中核だ」とする菅官房長官の見解は、与野党を問わず、日本の大方の政治家が持っている。日米安保条約が破棄され、日本が米軍の庇護を受けられなくなったら、一体どうするのだ!?これはえらいこっちゃ・・・。

だが、この成り行きを逆に歓迎する向きもある。たとえば小林よしのり氏は「トランプ大統領、ありがとう」と題して、次のように述べている。「それが本当ならやっと日本も自主防衛体制に持っていけるし、沖縄の米軍基地を撤去させて、沖縄県民を騒音と墜落危機と米兵の犯罪から解放することができる。」つまり、これによって日本は「やっと主権を回復して、民主主義が完成する」というのである(BLOGOS6月26日配信)。

この発言には、ラディカルな自主防衛論者としての小林氏の主張が端的に表れている。面目躍如といった感じだが、しかし、これでイケイケドンドンとならないのが、この種の議論世界の難しさである。ロシアや中国、北朝鮮の核の脅威が無視できない情勢の中、この主張を貫こうとすれば、「日本も核武装すべし」というE.トッドのような見解が現実味を増すことだろう。実際に日本が核武装を始めたら、トランプ大統領はどんな反応を示すのだろうか。日本を自分の「ポチ」にしておきたいアメリカの保守派は、どういう反応を示すだろうか。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする