ささやんの天邪鬼 座右の迷言

世にはばかる名言をまな板にのせて、迷言を吐くエッセイ風のブログです。

プラごみ問題 何が解決を阻んでいるのか

2019-06-21 11:27:54 | 日記
プラスチックは、高温で燃やせばダイオキシンの発生源にはならない。ならば、プラごみ問題は「高温焼却で一件落着」となるはずだが、しかし、そうはなっていない現状がある。では、なぜそうならないのか。きょうはこの問題を考えてみたい。

プラごみ問題が「高温焼却で一件落着」とならないのは、高温焼却できるプラごみの処分量が、プラごみの排出量に追いつかないからではないか。ーーこれは、だれもがすぐに思いつく答えだろう。高温焼却ができる処分場の建設は、まだ緒に就いたばかりで、数が限られている。処分場の施設に負荷を掛けないようにするためには、ごみの搬入量を制限する必要がある。

この状態が現在まで続いていることは、今年5月に報じられた次のニュースからも明らかである。
「国内で処理が追いつかなくなっているプラスチックごみ(廃プラ)について、環境省は、焼却炉などで家庭ごみの処理を担う市区町村に対し、企業など事業者が出す産業廃棄物の廃プラも受け入れるよう要請する方針を固めた。」
                   (毎日新聞2019.5.16)

政府(環境省)が打ち出したこの廃プラの焼却促進策は、しかし、焼け石に水だったようだ。そこで政府が同時に打ち出したのが、「リサイクル」の方針である。

「経済成長に伴って増加の一途をたどった廃棄物。1995年(平成7年)には年間3,500万トンものごみが家庭から排出されました。埋立地の不足や環境問題への関心の高まりとともに、廃棄物の減量、資源の循環的な活用、そして廃棄物の適正処理は、わが国の大きな課題となっていました。
当時、家庭ごみの60%以上が食品や日用品などの「容器」と「包装」でした。このことから、容器包装のリサイクルを制度化することで容器包装廃棄物を減らし、循環型社会構築の推進をはかる目的で作られたのが容器包装リサイクル法です(1995年公布、2000年完全施行)。」

けれども、このリサイクルの取り組みも、プラごみ問題を解決する決定打にはならなかった。そのため、処分しきれなかった「臭いもの」(プラごみ)は、中国に「輸出」されることになる。しかしプラごみが「臭いもの」であることは、中国でも変わらない。中国政府がこの「臭いもの」に輸入禁止の措置をとるのは、いわば必然の流れだった。

環境省のお役人は、現状について次のように語っている。

「日本の廃プラスチック発生量は940万t/年で、全廃棄物の約2%を占めています。なお、2013年時点では、リサイクル率が約25%、熱回収率が約57%、未利用・焼却埋め立てが約18%となっています。
中国の廃プラスチック輸入禁止措置以前に日本が中国に輸出していた廃プラスチックは約150万t/年とされています。現在は、中国の廃プラスチックの輸入禁止措置を受けて、タイなどの東南アジア諸国へと輸出先が変更されていますが、これまでの輸出量に見合う規模ではありません。今後、国外に輸出していた廃プラスチックの処理について、国内で資源循環する仕組みを考える必要があるのです。」

廃プラを国内で資源循環(リサイクル)する仕組みーー。だが、それをめぐる制度設計がうまく行かなかったために、プラごみ問題は今も未解決のまま「問題」であり続けるのではないか。とすれば、こうしたお役人の言葉は空念仏に等しいと言わなければならない。

う〜む、ペットボトル入りの酒類の購入は、やはり控えたほうが良さそうだ。ごみ出しに手間がかかっても、やはり瓶入りの酒を買うしかないのだろうか。

酒は飲まない。禁酒する。これが一番だということは、天邪鬼爺もよくわかっているのだけれどね。
コメント
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