ささやんの週刊X曜日

世にはばかる名言をまな板にのせて、迷言を吐くエッセイ風のブログです。

要注意! 読売新聞のキャンペーン

2019-04-15 15:42:05 | 日記
中国「**強国へ」、「ゲームチェンジャー」狙う、「米国は60年間にわたって**のリーダーであり続けたが、このままだと10年以内に中国に追い抜かれるだろう」。

こうした文字列を見て、読者はどう思うだろうか。常日頃、中国の膨張主義に危機感をいだき、この国をライバル視している人ならば、こう思うのではないだろうか。「これはマズい。我が国も**で負けるわけには行かない。**の開発を促進して、巻き返しを図らなければ」。
きのう4月14日の読売新聞を開いたとき、まず私がいだいたのは、「おっ、読売は相変わらず熱心だな」という感想だった。

この日の読売の朝刊は、まるまる2面を使って、「中国は原発強国をめざす動きをますます加速させている。日本はこの動きに気を配り、我が国のこれまでの原発縮小路線を見直さねばならない」と思わせるべく、大々的なキャンペーンを張っていた。「これは原発の促進・拡大をもくろむキャンペーンだな」と私が思ったのは、数日前の読売新聞の社説《エネルギー提言 火力依存のままでは危うい》(4月11日)が頭にあったからである。

それではこの社説の論旨はどういうものなのか。ーーその紹介は次回にまわし、きょうはこの新聞の「原発促進キャンペーン」がどのようなものなのか、その言説の一部をコピペして紹介したい。

「2月28日の米上院エネルギー・天然資源委員会の公聴会で、国際エネルギー機関のファティ・ビロル事務局長はこう述べた。米国と中国が、原子力分野でも競合しつつある。
 『核強国』の看板が立つ中国福建省の福清原子力発電所では、中国の国産原子炉『華竜1号』(出力115万キロ・ワット)2基の建設が進む。『原発強国』を目指す習近平政権にとって華竜1号は、先端技術の象徴であるだけでなく、中国主導の巨大経済圏構想『一帯一路』を通じた輸出用の戦略商品でもある。
 一方、トランプ米大統領は『原子力の再興と拡大』を政策目標に掲げる。米オレゴン州の新興企業ニュースケールパワー社が開発中の『小型モジュール炉(SMR)』は、出力6万キロ・ワットの小型炉を複数組み合わせて使う新しい原子炉だ。建設前にもかかわらず、海外からの人気も高い。」
「世界一の原子力大国である米国に対し、中国の猛追が続く。運転中の商用原子力発電所の数はまだ圧倒的に米国のほうが多いが、中国は急ピッチで新増設を進めており、技術力も着実に向上している。エネルギー需要が拡大する途上国の市場の獲得も見据え、安全性や経済性を高めた次世代の原子炉開発を巡って、覇権争いが激しくなってきた。」
「『原子力を再びクールな(格好良い)ものにする』。米エネルギー省のリック・ペリー長官はそんなスローガンを掲げ、停滞していた原子力開発の再興を目指している。
 その象徴が、米オレゴン州の新興企業『ニュースケールパワー』が開発中の次世代原子炉『小型モジュール炉(SMR)』だ。1基の出力は6万キロ・ワットで、12基まで連結できる。米メディアはSMRのことを『原子力産業のゲームチェンジャー(流れを変える存在)』と呼ぶ。」
「SMRの開発には、米政府の強い意向が働いている。エネルギー省は2025年までの実用化を目標に、同社にこれまで2億7500万ドル(約300億円)を投資した。その背景には、『原発強国』を目指して新興・途上国への原発輸出にも力を入れている中国に対する危機感がある。」

いかがだろうか。う〜む。我が国もアメリカと力を合わせ、原発の開発にいっそう力を注がなければ・・・。そう思った人がいるとしたら、読売は目的を半ば以上、達成したことになる。

でもなあ・・・。公器たる全国紙がこれほど露骨な世論誘導を企てても良いものだろうか。政権の政策を擁護するような世論誘導ならば許される、ーーそういうことなのだろうか。
コメント
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