イチローの戦略は今

統一地方選が幕を開け、久々に国内の政局に目を向けてみる気になった。けれども、イチローの野党糾合戦略に焦点を絞れば、ほとんど進展は見られない。それどころか思わぬ難敵の出現で、この策略家は足踏みし、退却を強いられているように見える。

イチローの戦略、それは（自由党と）国民民主党との合併という形で国民民主党を呑み込み、さらには立憲民主党を呑み込んで、野党全体をまとめあげるというものだった。ところが国民民主党の内部から「イチロー・アレルギー」が噴出して、国民民主党との合併はいまだに実現していないという現状なのである。

万事休す。きょう知ったネットの情報によれば、「自由党は６日、衆院大阪１２区補欠選挙（２１日投開票）で共産党が擁立する宮本岳志衆院議員への支援を本格化させた」という（ロイター４月６日配信）。「共産との協力を深め」ようとするこのイチローの姿勢は、一体何を意味しているのか。私には、（野党の糾合をめざす）彼の焦りの表れのようにしか見えない。あんた、何をとち狂ってるんだ！

もし仮にイチローの自由党が共産党と共闘し、万が一、万々が一、政権を奪取できたとしよう。その暁にこの新政権がかかげる政策は、一体どういうものになるのか。

この壊し屋は、今度は政権そのものを壊すしかなくなるのではないか。政権を壊す、ということは、この国を壊すことを意味する。嗚呼。