おはようございます。
えー、昨日はとある職場の忘年会に顔を出させてもらいまして・・・いやあ、楽しかったですね。
こう、普段は真面目そうにしている女性達が、けっこうはじけてまして、
「タケルさんも、もっと飲みましょうよ!」
なんて言われて・・・いやあ、女性は元気だったなー。昨日は。
「はい、熱燗・・・タケルさんには、日頃お世話になってますからね。いつもありがとうございます!」
なーんて笑顔を貰って、楽しかったですね。
やはり、忘年会は、1年がんばってきたご褒美ですねー。
そんなことを感じながら、ほっこりと鍋などつつきながら、ゆっくり忘年会を過ごしてきました。
そんな季節ですねー。
さて、昨日の続き、いっときますか!
えー、まあ、前回、自分の恋バナを書いていて思いましたけど、
僕もまあ、いろいろな経験をしているなあ、と苦笑しましたね。
自分が大好きな、若くて美しい真面目な女性に、
「鈴木くん。セックスって、どうやってするものなの?」
と聞かれるって余程のことですよねー。
まあ、まったく勝ち目のない戦いなのに、しっかりと僕が彼女に告白した、ということに、彼女から非常な信頼を得た結果なんですけど、
言っても、僕も青かったですからねー。
その頃は、やっぱり、好きな女性が世界のすべて、でしたから。
その女性が、自分とは別の男性とのエッチを考えている、なんて、想像すらしたくないわけで・・・随分残酷なことをされました。
まあ、女性というのは、男性にとって、磨き砂だ、と僕は普段主張していますが、
僕はこの相田という女性に、かなり精神的に磨かれましたねー。
まあ、今は女性なんて、世界にたくさんいる・・・そんな当然な現実を知っているから、まあ、精神的に余裕がありますが、
当時は、好きな女性こそ、世界のすべて、でしたからねー。
かなりショックな出来事の連続で、僕も、随分磨かれましたねー(笑)。
さて、前回の続きと行きましょうかー。
「マスター1年と大学1年生の恋」
なわけですけれど・・・美雪ちゃんが僕のシーンから消え、相田さん相手の、悲惨な4年生の恋に敗れ、マスター1年の8月に運命的に出会った恋でした。
僕はマスター1年生、相手は大学1年生・・・僕らには5歳の年の差がありました。
でも、そんなことは、その時の僕には関係ありませんでした。
運命の恋に身を焦がす・・・そういう時間が始まったのでした。
というか・・・それまでの経験で僕は強くなっていたんです。
「ま、失敗しても、相田との恋に比べれば、どうってことない・・・」
まあ、そう思えるようになりましたから・・・。
で、僕は、実は渋谷での学芸大との合同展の時に、学芸大の人間に、
「タケルさんの大学に、多部さんっているでしょう?あの美人な子・・・あの子、うちの大学で、男どもに人気なんですよ。あの子って彼氏いるんですか?」
って、裏で、聞かれてるんですね。まあ、そいつは4年生でしたから、僕から情報を得ようとしたらしいんですけど、
そこは僕ですからね。
「そりゃあ、あれだけ美人なら、誰もほっておかないだろうねー。普通」
と、煙幕を張っておいた・・・まあ、そういう情報も、僕に火をつけるキッカケになっているんですねー。実は・・・。
そんなこともあって、僕は数日後、いち早く、シナリオ通りに行動しました。
当時、美術部の、工学部の部長をやっていた、数理情報工学科の後輩でもある、仮名南くんというイケメンな男性がいたんですが、
彼は、大学3年生だったわけです。
で、僕は、彼に電話したんですねー。イケメン南くんに。
「実は、この間、学芸大との合同展に顔出したんだけど、一年生の顔が、全然わからなくてさー、結構困ったんだよねー」
と、僕は、よもやま話風に話すわけです。
「ああ、それ部長から聞きました。せっかくタケルさんが来てくれたのに、一年生がわからなくて困ってたって・・・僕もその問題、どうしようか考えていたんですよねー」
と、飛んで火に入る夏の虫的な反応を見せるイケメン南くんです。ま、予想通りの展開ですけどね。
「で、さ。もうすぐ、9月だし、9月と言えば、15日は敬老の日・・・まあ、うちの代はマスター1年にけっこうメンバーが多く残っているし・・・」
「で、どうだろう、一年生とマスターを会わせて知り合う、「敬老コンパ!」を9月にやっては?」
と、まあ、企画力だったら、誰にも負けない僕は、そういう提案をするわけですよ。
「いいですねー。それで問題解決じゃないですか!仮名吉武さんなんかにも久しぶりに会いたいし・・・やりましょう、敬老コンパ!」
と、すぐに、ノリノリのイケメン南くんだったりするわけです。
「で、場所なんだけど、マスター1年は、工学部が多いし、で、東小金井は、俺、コンパをたくさんやってるから、店のひとと顔見知りだから、安く出来るから」
「東小金井で、やろうよ。場所確保は、俺やるから・・・そのほうがかなり安く出来るから・・・どうよ」
と、僕が提案すると、
「まじっすか!飲み会のベテランのタケルさんが自ら動いてくれて、しかも安いなら・・・願ったり叶ったりです。是非お願いします!」
と、いうことになり、
「まあ、マスターの人間の参加は、俺が絶対確約するから・・・一年生の参加の方よろしくね・・・まあ、皆久しぶりの美術部飲み会だから、喜ぶよ、年寄り達も」
と、僕が念を押すと、
「大丈夫です。今年は一年生、女の子の方が多いですし・・・皆、先輩達を知りたがってますから、全員参加させます!」
と、イケメンで女性に強い、イケメン南くんをこちらの味方につけたのは、僕の計画通りです。
「じゃあ、参加人数だけ、あとで打ち合わせしよう。マスターの奴らの説得はお茶の子さいさいだから、まあ、心配しないで」
と、僕が言うと、
「タケルさん、そういうの上手いですもんね。まかせます。安心して待ってますから」
と、イケメン南くん。
「じゃ、そういうことで」
と、計画終了なわけです。
もちろん、僕はまず吉武を口説き、
「まあ、マスターで飲めるのも、そう機会がないし、美術部飲み会もひさしぶりだろ。皆で飲もうぜ。それに一年生は女の子綺麗だったぜ」
と、言えば、もちろん、吉武はイチコロ。
で、他のメンバーには、
「吉武が楽しみにしている飲み会だ」
ということを言えば、全員参加は、かーんたんに決まるわけです。
まあ、もちろん、これ、僕の多部さんへの恋を成就させるための、策ですからねー。
サクサク僕は動いていくわけで・・・もう僕は、ひとを動かすことについては、天才的だったりするわけです。
もちろん、多部さん本人にも手は打っているわけで、実は、あの最初に会った日、東邦生命ビルから渋谷駅へ向かう途中で、
「ねえ、今度機会があったら、是非、一緒に、お酒を飲もうよ。楽しくおしゃべりしようよ」
と、彼女に、言ってあるわけです。もちろん、
「はい。機会があったら、是非・・・タケルさん、楽しそうだし・・・」
という言質はとってあるんですね。
もう、策士は「千手観音拳」を繰り出しているわけですよ。
恋を成就させるために、僕は本気でした。
当時、よく覚えているのは、僕は年上の女性に、気に入られる男性だった、ということです。
僕は数理情報工学科に入った当初から、飲み会の幹事を瀬名くんと共にやっていたのですが、
専門課程に進んで東小金井キャンパスに来てからは、よく、東小金井駅北口にある、カラオケ付きの居酒屋さんに行っていて、
飲み会の幹事もやっていたおかげで、その店の店長さんとも、仲良かったんですね。
で、そこの店長さんが、35歳くらいの美人なお姉さんだったわけです。
このお姉さんが、僕のことを気に入ってくれて・・・飲み会なんかもかなり安くしてくれるわけです。
「え、こんなに安く・・・いいんですか?」
と、僕が聞いても、
「いいのよ・・・タケルくんには、いつもお世話になっているし、わたしの気持ちだから」
と、いつも笑顔で、言ってくれたんですねー。
そういう意味では、僕はこれまで生きてきて・・・多くの美人なお姉さんに、やさしくされて生きてきましたねー。
そういう意味では、今でも、同じですけど・・・明らかに僕と同い年くらいだなあと僕は思うんですが、
相手は、絶対に僕を年下と考えていて・・・「応援してるわ、少年!」的な雰囲気で、やさしくしてくれるので・・・そのあたりは、変わっていないですねー。
まあ、そのあたり、しあわせだったんですね。まあ、今でも、しあわせですけどね(笑)。
まあ、そういうことだったので、その時も、東小金井の居酒屋を予約しました。
すべて予定通り、計画通りに進んでいましたねー。
まあ、もちろん、僕としては、唯一の課題である、
「多部さんに、彼氏がいないこと」・・・これを確認することが、僕の第一目標でした。
ただ、僕が彼女に会った日、渋谷駅に向かう途中で、彼女と話した時に、
なんとなく、彼氏がいないような雰囲気だったんですよね。
だから、僕は自分の勘を信じて・・・「人生は必然だ」と考えて、
「僕が多部さんと出会ったのは、きっと必然だ。運命だったんだ。彼女はきっとフリーに違いない!」
と、強く信じて、飲み会を迎えるわけです。
その年の9月の15日に近い土曜日、僕らは東小金井のとある居酒屋に集まりました。
吉武を始めとしたマスター1年の面々と、もちろん、美術部現役組、そして、一年生全員がその飲み会に集まっていました。
もちろん、僕のお目当ての多部さんも笑顔で出席しています。
細身で、色白で、スラリと背の高い多部さんは、やっぱり、いつ見ても美人です。
僕は飲み会の主催として、乾杯の音頭をとり、
「じゃ、マスター1年と、新しい1年生と、お互い知り合う会として、また、いつもの美術部飲み会として、精一杯楽しもう!」「おう!」
ということで、楽しく飲み会は始まりました。
最初は、僕も真面目に、新しく入った一年生達と楽しくおしゃべりをして、お互い知り合いました。
まあ、この年は、女性が6人くらいいて・・・男性は2,3人だったような気がしますね。
なんか、女性の方がパワフルだったんですよね。
で、いろいろな人間と飲んで・・・僕の計画では、皆が酔っ払った辺りで、多部さんと二人で話そう・・・その方がいろいろな意味で、
しれっとやりやすそうだったから。策士はしっかりと策を練っていたんですねー。
で、皆が酔い出したその頃・・・僕は多部さんと二人で飲んでいました。
「そういえば、多部さんは、週末はどうしているの?」
と、僕はしれっと質問します。
「えーと、お掃除とか、買い物とか・・・でも、昼寝してることもありますねー」
と、機嫌良さそうに話す多部さんは、とっても、笑顔。
「え?彼氏とデートとかじゃないんだ?」
と、僕が言うと、
「わたし、彼氏なんていませんから・・・」
と、軽く目標達成・・・このあたりは、自然に聞き出せるんですねー。
もちろん、他にもいろいろ話して、
「タケルさん」
という存在を彼女に強烈に印象づけて・・・その日は目標達成でした。
「恋は冷静に、少しずつ進める」・・・それがその頃の僕の哲学でしたから・・・その哲学通り、計画は進んでいました。
彼女のやさしい笑顔も、僕に強烈な印象を与えました。
僕はその時思ったんです。
「やっぱり、この女性は、相当、美しい・・・学芸大の男どもが、はしゃぐわけだ!」
そんなことを思いながら、僕は上機嫌で、帰っていきました。
「さて、次の手は・・・」
僕は帰りながら、腕を組んで次の計画を考えていました。
そして、ある考えに達して、僕はニヤリとほくそ笑むと、月の出ている夜空を見上げたんです。
夜は静かに更けていきました。
(つづく)
ってな感じでしょうか。
いやあ、全部で4回くらいになりますかねー、これ。
しかし、まあ、この恋に関して言えば、その前で痛い目にあってますからねー。
かなり、まっとうな進め方をしている感じです。
しかし、あの頃は、僕も策士でしたねー。
書いていて、なかなか、楽しいです。はい。
さて、今日も寒くなりそうですが、今日も忘年会に呼ばれています。
ま、楽しく一日を過ごしていきましょう!
その前に、仕事仕事。
ではでは。
えー、昨日はとある職場の忘年会に顔を出させてもらいまして・・・いやあ、楽しかったですね。
こう、普段は真面目そうにしている女性達が、けっこうはじけてまして、
「タケルさんも、もっと飲みましょうよ!」
なんて言われて・・・いやあ、女性は元気だったなー。昨日は。
「はい、熱燗・・・タケルさんには、日頃お世話になってますからね。いつもありがとうございます!」
なーんて笑顔を貰って、楽しかったですね。
やはり、忘年会は、1年がんばってきたご褒美ですねー。
そんなことを感じながら、ほっこりと鍋などつつきながら、ゆっくり忘年会を過ごしてきました。
そんな季節ですねー。
さて、昨日の続き、いっときますか!
えー、まあ、前回、自分の恋バナを書いていて思いましたけど、
僕もまあ、いろいろな経験をしているなあ、と苦笑しましたね。
自分が大好きな、若くて美しい真面目な女性に、
「鈴木くん。セックスって、どうやってするものなの?」
と聞かれるって余程のことですよねー。
まあ、まったく勝ち目のない戦いなのに、しっかりと僕が彼女に告白した、ということに、彼女から非常な信頼を得た結果なんですけど、
言っても、僕も青かったですからねー。
その頃は、やっぱり、好きな女性が世界のすべて、でしたから。
その女性が、自分とは別の男性とのエッチを考えている、なんて、想像すらしたくないわけで・・・随分残酷なことをされました。
まあ、女性というのは、男性にとって、磨き砂だ、と僕は普段主張していますが、
僕はこの相田という女性に、かなり精神的に磨かれましたねー。
まあ、今は女性なんて、世界にたくさんいる・・・そんな当然な現実を知っているから、まあ、精神的に余裕がありますが、
当時は、好きな女性こそ、世界のすべて、でしたからねー。
かなりショックな出来事の連続で、僕も、随分磨かれましたねー(笑)。
さて、前回の続きと行きましょうかー。
「マスター1年と大学1年生の恋」
なわけですけれど・・・美雪ちゃんが僕のシーンから消え、相田さん相手の、悲惨な4年生の恋に敗れ、マスター1年の8月に運命的に出会った恋でした。
僕はマスター1年生、相手は大学1年生・・・僕らには5歳の年の差がありました。
でも、そんなことは、その時の僕には関係ありませんでした。
運命の恋に身を焦がす・・・そういう時間が始まったのでした。
というか・・・それまでの経験で僕は強くなっていたんです。
「ま、失敗しても、相田との恋に比べれば、どうってことない・・・」
まあ、そう思えるようになりましたから・・・。
で、僕は、実は渋谷での学芸大との合同展の時に、学芸大の人間に、
「タケルさんの大学に、多部さんっているでしょう?あの美人な子・・・あの子、うちの大学で、男どもに人気なんですよ。あの子って彼氏いるんですか?」
って、裏で、聞かれてるんですね。まあ、そいつは4年生でしたから、僕から情報を得ようとしたらしいんですけど、
そこは僕ですからね。
「そりゃあ、あれだけ美人なら、誰もほっておかないだろうねー。普通」
と、煙幕を張っておいた・・・まあ、そういう情報も、僕に火をつけるキッカケになっているんですねー。実は・・・。
そんなこともあって、僕は数日後、いち早く、シナリオ通りに行動しました。
当時、美術部の、工学部の部長をやっていた、数理情報工学科の後輩でもある、仮名南くんというイケメンな男性がいたんですが、
彼は、大学3年生だったわけです。
で、僕は、彼に電話したんですねー。イケメン南くんに。
「実は、この間、学芸大との合同展に顔出したんだけど、一年生の顔が、全然わからなくてさー、結構困ったんだよねー」
と、僕は、よもやま話風に話すわけです。
「ああ、それ部長から聞きました。せっかくタケルさんが来てくれたのに、一年生がわからなくて困ってたって・・・僕もその問題、どうしようか考えていたんですよねー」
と、飛んで火に入る夏の虫的な反応を見せるイケメン南くんです。ま、予想通りの展開ですけどね。
「で、さ。もうすぐ、9月だし、9月と言えば、15日は敬老の日・・・まあ、うちの代はマスター1年にけっこうメンバーが多く残っているし・・・」
「で、どうだろう、一年生とマスターを会わせて知り合う、「敬老コンパ!」を9月にやっては?」
と、まあ、企画力だったら、誰にも負けない僕は、そういう提案をするわけですよ。
「いいですねー。それで問題解決じゃないですか!仮名吉武さんなんかにも久しぶりに会いたいし・・・やりましょう、敬老コンパ!」
と、すぐに、ノリノリのイケメン南くんだったりするわけです。
「で、場所なんだけど、マスター1年は、工学部が多いし、で、東小金井は、俺、コンパをたくさんやってるから、店のひとと顔見知りだから、安く出来るから」
「東小金井で、やろうよ。場所確保は、俺やるから・・・そのほうがかなり安く出来るから・・・どうよ」
と、僕が提案すると、
「まじっすか!飲み会のベテランのタケルさんが自ら動いてくれて、しかも安いなら・・・願ったり叶ったりです。是非お願いします!」
と、いうことになり、
「まあ、マスターの人間の参加は、俺が絶対確約するから・・・一年生の参加の方よろしくね・・・まあ、皆久しぶりの美術部飲み会だから、喜ぶよ、年寄り達も」
と、僕が念を押すと、
「大丈夫です。今年は一年生、女の子の方が多いですし・・・皆、先輩達を知りたがってますから、全員参加させます!」
と、イケメンで女性に強い、イケメン南くんをこちらの味方につけたのは、僕の計画通りです。
「じゃあ、参加人数だけ、あとで打ち合わせしよう。マスターの奴らの説得はお茶の子さいさいだから、まあ、心配しないで」
と、僕が言うと、
「タケルさん、そういうの上手いですもんね。まかせます。安心して待ってますから」
と、イケメン南くん。
「じゃ、そういうことで」
と、計画終了なわけです。
もちろん、僕はまず吉武を口説き、
「まあ、マスターで飲めるのも、そう機会がないし、美術部飲み会もひさしぶりだろ。皆で飲もうぜ。それに一年生は女の子綺麗だったぜ」
と、言えば、もちろん、吉武はイチコロ。
で、他のメンバーには、
「吉武が楽しみにしている飲み会だ」
ということを言えば、全員参加は、かーんたんに決まるわけです。
まあ、もちろん、これ、僕の多部さんへの恋を成就させるための、策ですからねー。
サクサク僕は動いていくわけで・・・もう僕は、ひとを動かすことについては、天才的だったりするわけです。
もちろん、多部さん本人にも手は打っているわけで、実は、あの最初に会った日、東邦生命ビルから渋谷駅へ向かう途中で、
「ねえ、今度機会があったら、是非、一緒に、お酒を飲もうよ。楽しくおしゃべりしようよ」
と、彼女に、言ってあるわけです。もちろん、
「はい。機会があったら、是非・・・タケルさん、楽しそうだし・・・」
という言質はとってあるんですね。
もう、策士は「千手観音拳」を繰り出しているわけですよ。
恋を成就させるために、僕は本気でした。
当時、よく覚えているのは、僕は年上の女性に、気に入られる男性だった、ということです。
僕は数理情報工学科に入った当初から、飲み会の幹事を瀬名くんと共にやっていたのですが、
専門課程に進んで東小金井キャンパスに来てからは、よく、東小金井駅北口にある、カラオケ付きの居酒屋さんに行っていて、
飲み会の幹事もやっていたおかげで、その店の店長さんとも、仲良かったんですね。
で、そこの店長さんが、35歳くらいの美人なお姉さんだったわけです。
このお姉さんが、僕のことを気に入ってくれて・・・飲み会なんかもかなり安くしてくれるわけです。
「え、こんなに安く・・・いいんですか?」
と、僕が聞いても、
「いいのよ・・・タケルくんには、いつもお世話になっているし、わたしの気持ちだから」
と、いつも笑顔で、言ってくれたんですねー。
そういう意味では、僕はこれまで生きてきて・・・多くの美人なお姉さんに、やさしくされて生きてきましたねー。
そういう意味では、今でも、同じですけど・・・明らかに僕と同い年くらいだなあと僕は思うんですが、
相手は、絶対に僕を年下と考えていて・・・「応援してるわ、少年!」的な雰囲気で、やさしくしてくれるので・・・そのあたりは、変わっていないですねー。
まあ、そのあたり、しあわせだったんですね。まあ、今でも、しあわせですけどね(笑)。
まあ、そういうことだったので、その時も、東小金井の居酒屋を予約しました。
すべて予定通り、計画通りに進んでいましたねー。
まあ、もちろん、僕としては、唯一の課題である、
「多部さんに、彼氏がいないこと」・・・これを確認することが、僕の第一目標でした。
ただ、僕が彼女に会った日、渋谷駅に向かう途中で、彼女と話した時に、
なんとなく、彼氏がいないような雰囲気だったんですよね。
だから、僕は自分の勘を信じて・・・「人生は必然だ」と考えて、
「僕が多部さんと出会ったのは、きっと必然だ。運命だったんだ。彼女はきっとフリーに違いない!」
と、強く信じて、飲み会を迎えるわけです。
その年の9月の15日に近い土曜日、僕らは東小金井のとある居酒屋に集まりました。
吉武を始めとしたマスター1年の面々と、もちろん、美術部現役組、そして、一年生全員がその飲み会に集まっていました。
もちろん、僕のお目当ての多部さんも笑顔で出席しています。
細身で、色白で、スラリと背の高い多部さんは、やっぱり、いつ見ても美人です。
僕は飲み会の主催として、乾杯の音頭をとり、
「じゃ、マスター1年と、新しい1年生と、お互い知り合う会として、また、いつもの美術部飲み会として、精一杯楽しもう!」「おう!」
ということで、楽しく飲み会は始まりました。
最初は、僕も真面目に、新しく入った一年生達と楽しくおしゃべりをして、お互い知り合いました。
まあ、この年は、女性が6人くらいいて・・・男性は2,3人だったような気がしますね。
なんか、女性の方がパワフルだったんですよね。
で、いろいろな人間と飲んで・・・僕の計画では、皆が酔っ払った辺りで、多部さんと二人で話そう・・・その方がいろいろな意味で、
しれっとやりやすそうだったから。策士はしっかりと策を練っていたんですねー。
で、皆が酔い出したその頃・・・僕は多部さんと二人で飲んでいました。
「そういえば、多部さんは、週末はどうしているの?」
と、僕はしれっと質問します。
「えーと、お掃除とか、買い物とか・・・でも、昼寝してることもありますねー」
と、機嫌良さそうに話す多部さんは、とっても、笑顔。
「え?彼氏とデートとかじゃないんだ?」
と、僕が言うと、
「わたし、彼氏なんていませんから・・・」
と、軽く目標達成・・・このあたりは、自然に聞き出せるんですねー。
もちろん、他にもいろいろ話して、
「タケルさん」
という存在を彼女に強烈に印象づけて・・・その日は目標達成でした。
「恋は冷静に、少しずつ進める」・・・それがその頃の僕の哲学でしたから・・・その哲学通り、計画は進んでいました。
彼女のやさしい笑顔も、僕に強烈な印象を与えました。
僕はその時思ったんです。
「やっぱり、この女性は、相当、美しい・・・学芸大の男どもが、はしゃぐわけだ!」
そんなことを思いながら、僕は上機嫌で、帰っていきました。
「さて、次の手は・・・」
僕は帰りながら、腕を組んで次の計画を考えていました。
そして、ある考えに達して、僕はニヤリとほくそ笑むと、月の出ている夜空を見上げたんです。
夜は静かに更けていきました。
(つづく)
ってな感じでしょうか。
いやあ、全部で4回くらいになりますかねー、これ。
しかし、まあ、この恋に関して言えば、その前で痛い目にあってますからねー。
かなり、まっとうな進め方をしている感じです。
しかし、あの頃は、僕も策士でしたねー。
書いていて、なかなか、楽しいです。はい。
さて、今日も寒くなりそうですが、今日も忘年会に呼ばれています。
ま、楽しく一日を過ごしていきましょう!
その前に、仕事仕事。
ではでは。