「ゆるちょ・インサウスティ!」の「海の上の入道雲」

楽しいおしゃべりと、真実の追求をテーマに、楽しく歩いていきます。

坂の上の雲 第三話 「国家鳴動」(3)

2009年12月17日 | ゆるちょ!のドラマ・レビュー!
さて、ニコライが去って二ヶ月。清国の北洋艦隊が、威圧しに来るわけです。
淳さんは少尉候補生になり、その艦隊を見学に来ているわけですねぇ。

丁女昌が映像化されてますねぇ。いやあ、ちょっと原作ファンとしては、感慨深いです。
いかにもな感じで、ちょっと笑ってしまいますね、うれしくて(笑)。
そんな艦隊を見ている淳さんは、考えるときのくせで、豆食ってかすを捨ててるんですねぇ。
それを拾う水兵さん。どうも、いいコンビになりそうですね。
「こーんな軍艦倒すにはどうしたらええか、考えとったんじゃ」
というと、「食べるか」と豆をあげる淳さん。水兵さんも
「けっこういいひとじゃん」とニヤリとほほえみます。で、コンビ確定。
客が帰る中、淳さんと水兵さんは、大門軍団の団長いやいやいや、謎の上等士官が
艦深くに招待されていくのを見つけます。すると淳さんは、自分を抑えられなくなり、
それを追ってしまうんですね。謎の士官が艦の中を進んでいくと、規律の悪さや
衛生状態の悪さ、博打を打ってる者さえ見てしまうんですね。
そうやって士官が歩いていくと、前方から丁女昌が現れるんですね。
いやあ、このときの丁さんの礼の仕方がいいですねぇ。
いかにも昔の中国な感じで。そして丁さんの口からその謎の士官が東郷平八郎であることが
告げられるんですねぇ。東郷さんは、丁さんの部屋へ向かっていたんですね。
そして、「これをお渡ししたくて」と取り出したのが「万国公法」ですよぉー。
いやあ、日本海軍の祖が、坂本龍馬の神戸海軍塾であることを思えば、
ここで「万国公法」がでるのは、ニヤリとしますねぇ(笑)。
あの坂本龍馬が、これからはこれじゃあ、と友人にみせたと言われるのが、
この「万国公法」ですからねぇ(笑)。司馬ファンならなおのこと、ニヤリです。
やるねぇー、NHKも(笑)。
「我々アジアの国は、列強に怯えるだけでなく、欧米が定めたルールとやらを
知るべき時ですから」と万国公法を見た丁提督は言うんですね。
とそこへ、清国兵に囚われた淳さんコンビが連れてこられます。
また、この清国兵の報告時の礼の仕方が、当時っぽくてやたらかっこいいですねぇ。
清国兵の下士官が彼らを連れていこうとすると、それを止めて、
「彼らは私の共として連れてきました」と東郷さんがかばってくれるんですね。
丁さんもそこらへんはおとなな対応で、
「あなたの部下ですか」「そうです」という処理の仕方で、ちょん、となるわけですねぇ。
このときの淳さんの敬礼が美しいですねぇ。
まあ、このひとの場合、「徳川慶喜」のときも、「おくりびと」のときも
思ったんですが、所作が美しいですね。なので、ひとつひとつの動作が
キリッとしている。いいですねぇ。そういえば、本木さん、実際に広島にある
海上自衛隊の海軍学校に体験入隊されたときに、教官に敬礼の仕方を教わってる
シーンがありましたっけ。本物に教わったんですから、そりゃ綺麗だわ(笑)。
さらに、淳さん英語が得意な設定でしたしね。
ちゃんと英語で官姓名が言える。うしろの水兵さんは、日本語でしたしね。
いやあ、いい感じです。

そして、丁提督もいい。
まあ、これから戦う丁提督がどういう人物か、それを見せたというシーンだったんですね。
いやあ、丁さんいい演技です。メッケルはんといい、丁さんといい、
外国人出演者の演技のレベルも高いですね(笑)。うれしい悲鳴です。

さて、淳さんコンビと東郷さんは、海辺の灯篭みたいなところで、
話をしています。
「ありがとうございました」と淳さんコンビが敬礼するのですが、
東郷さんは、軽く答礼を返すと振り返り帰ろうとします。
その後ろ姿に淳さんが「ひとつお聞きしてもよろしいでしょうか」と質問するわけです。
東郷さんは振り返ると「何でごわすか」と薩摩弁です。
淳さんは、「参謀長は北洋艦隊をどう見られましたか」と素直に聞くんですね。
すると東郷さんは、「おはんはどげん見た」と聞き返します。
「清国は金持ちです。装備は世界最新。我が国の軍艦など、相手にならんという感じでした」
と、淳さんは自分の思った通りを言うんですね。しかし、東郷さんは違う見方をしています。
「確かにそうじゃな。じゃっどん、北洋艦隊は、なまくらの刀でごわす」
淳さんコンビは、どういう意味か、よくわからないんですね。
「おはんらも見たじゃろ。水兵はばくちにふけり、通路で麺をすすっちゅう。神聖に保つべき砲には、洗濯モノをぶらさげておる始末じゃ。
いかに巨砲でん、あれでは威力を発揮できん。船をあやつり戦をすっとは、ひとでごわす」。
東郷さんは、清国兵の意識の低さを問題にしていたんですね。結局戦うのはひと。ひと対ひとの戦いなら、日本でも勝てる、ということを
言いたかったんですね。淳さん達はそれを教えてもらって意識を新にしたんですね。

さて、東京です。
黒い学生服姿でかわいく走ってくるのはのぼさんです。いやぁ、どうも他が緊張モードになるので、
のぼさんが出てくる気分が楽になりますねぇ。
また、走り方がかわいいかわいい(笑)。
のぼさんは、東京に戻り新聞「日本」に俳句の話を連載しているんですね。その新聞の社長は、陸羯南。
一発で出たよGoogle変換すげえな(笑)。
さて、その陸羯南は、冬彦さんというより、自分の中では、アホバカ有村俊斎佐野史郎。いやあ、大河俳優
使い素晴らしいですねぇ。
のぼさんは、佐野羯南に相談があるんですね。
「帝国大学を退学させてつかあさい。申し訳ございません」ということなんですね。それで新聞日本の社員にしてくれ、
というわけです。俳句で身を立てたいのぼさんなんですね。しかし、佐野羯南は最初はいい顔をしません。
「新しい机でわくわくして、勉学に励もうとしたが、俳句がのこのこ、浮かんできよりましてぇ」
と佐野さんを説得すると、そういう口調に弱い佐野さんなんですが、やっぱりいい顔はしません。
「俳句という魔物に取りつかれると、もう助かりようがありません。それに・・・」
と説得を続けるんですね。「それに、今のうちに急いでやっておかねばと、少々焦っております。
あしにはもう、そんなには、時間がないけん」と、最後は明るく言うのぼさんです。
「先生、あしは俳句に、自分の一生をかける覚悟ですけん」と言って頭を深くさげるんですね。
佐野さんは、ゆっくり立つとのぼさんの前に立ち、「入社を許可しましょう」と言ってくれるんですね。
「ほんとじゃろか」と喜ぶのぼさんに、佐野さんは、「いっそのこと、我が家のとなりにこしてきたらいい。
あなたの病気が心配です」ということになるんですね。それで、実家のお母さんも婚家を飛び出したりーさんも、
一緒に住むことになるわけですよ。いやいや、この佐野羯南があまりにもいいひとすぐるので、笑ってしまいますねぇ。
そりゃのぼさん、「だんだん」となるはずですよ。

と引越しを手伝ってるのは、妙に明るい江戸っ子漱石さんです。
そうこうすると、隣家から佐野さんのこえが聞こえる。昔はああやって音読するのが癖だったんですかね。
それが普通だったとか?。どうものぼさんの話だと、佐野さんは、新聞日本は給料が安いから朝日とか
紹介してくれたらしいんですね。どんだけいいひとなんだか。「じゃがそんなことはできん、新聞日本で
とことん働くぞな」とのぼさんは決意しちゃうわけです。そりゃ、佐野さん大恩人だもんねぇ。
そしてのぼさんに言わせると、「もっとも少ない報酬でもっとも多く働くひとがえらいぞな」ということに
なるようです。そしてのぼさん、りーさんとお母さんを前にして、
「これからしばらく給料15円で暮らさなならん。よろしくたのむ」と頭をさげます。
と母上から「のぼさんもしっかりおつとめして、陸先生にご恩返し、せにゃならんの」と言われ、
「わかっております」ということになるわけです。いやぁ、この家族はなんかほっこりするね。
とここで、出てくる漱石さん。
「金に困ったら僕のネタをやろう」というわけです。
「小説だ。これからの世は小説だ。金になる」と確信的に言うわけです。で漱石さんは、
「僕の小説の語り部は猫だ」と猫の真似をする明るい漱石さんなわけです。
「猫が人間社会の観察をし、あれこれ揶揄するんだ、どうだ斬新だろ」と吾輩は猫であるの執筆構想を語るわけですけど、
「軽い、軽すぎる」とのぼさんに否定されるわけですねぇ。
しかし、これほんとに漱石かぁー?。なんか神経症の治療のために、小説書き始めたんじゃなかったっけ?(笑)。
憂鬱な文学士の前触れだったような気がしたんだけどねぇ・・・ま、のぼさんの言うとおり、漱石にしては、「軽い軽すぐる」ですな。

さて、そんなほんわかなのぼさんシーンから一変。こちらは、騎兵部隊の好古さんです。
いやぁ、騎兵の練習シーンを豪華に撮ってますなぁ。好古さんはフランスから帰朝していたんですね。立派なおひげもたくわえて。
しかし、実際に馬を操っての撮影ですから、ちゃんと乗馬できるひと選ばんといかんし、凝ってますなあ。

と児玉さんと好古さんの立ち話です。
「秋山が指揮する騎兵は動きが迅速で的確じゃ。フランス仕込みというやつかのう」とする児玉さんに
「いや、フランス騎兵に比べればまだまだです。個々の動きは様になってきましたが、集団の統率行動がさらに必要です」
と手厳しい好古さんです。まあ、フランス騎兵の練習なんかも見せられているので、これはうなづけますね。
とかなんとかやってるうちに、児玉さん、怪しい表情で、
「おぬし、所帯はもたんのか?」とくるわけです。
「は?」となるのは、好古ならあたりまえ、「私は、生活に不自由してません」と逃げようとしますが、
「お前もそろそろ所帯をもて」と言われてしまうんですね。さらに「いつまでもひとりでいて、母親に心配かけてもいかん」
と言われてしまうんですね。「母親の気にいる相手がなかなかおらんもんで」と苦し紛れに断るんですねぇ(笑)。
好古さんは、竹下母さんを東京に呼んで一緒に住んでいるんですね。んで、これもいつも通り夜は酒です。
と、どうも児玉さんは、早速手をまわして、縁談をもって竹下母さんに会いにきたんですね。
「信さん、母が気に入れば結婚するって言ってくださったんだってね」
なんて竹下母さんに笑顔で言われた日には、「言いました」っていうしかない(笑)。さすが策略家の児玉さんです。
で母さん勝手に決めて今度の休みに相手と会うことに・・・(笑)。
「その相手は、誰ぞなもし」と当然の好古さんの問いなんですが、
「今言えんがね」と笑う竹下母さん、いやいやいい感じです(笑)。

さて、母と二人、人力車で走ります。走っているうちに、おやおや、どこかでみおぼえのあるお屋敷が(笑)。
「信さんが下宿しとった佐久間様じゃ」という竹下母さんの声に凍りつく好古であった(笑)。
部屋に通され、庭なんか見ながら待っていると、菊本登場。そしてその後ろにはお民さん。
「民さんは野菊のようなひとだ・・・」なんて言ってくれるひとはいなかったんですかね。
民さんはお美しく成長して・・というより着物が大人っぽくなりました。
その民さん見てぼーっとしている好古。これは、きれいになったなーと驚いているのか?(笑)。
「おひぃさまこそ、ごりっぱになられ、お喜び申し上げます」と両膝着いてお辞儀の好古です。
するとおひぃさまも目の前に一緒になって座り、竹下母さんにお辞儀。
どうもおひぃーさま、去年の夏に松山の竹下母さんのところに遊びに行ったんですね。
というわけで、二人は仲良くなってたんですねぇ。
そして、竹下母さんは「軍人は35までは結婚しなくてもよい」と言ってた好古の例をひき、
「今年いくつじゃ」と聞くわけですね。もちろん、「35です」ということになるわけですねぇ。
おひぃーさんが「今でも茶碗ひとつでお暮らしですか?」と聞くんですね。
「母と暮らしておりますけ、今は2つほど」という答えなんですが、
「もうひとつあっても、ええかもしれません」という答えで結婚を承諾したことになるわけですね。
いやあ、ここらへんは好古らしくていいですねぇ。民さんもなかなか初々しい感じがでてるし。

というわけで、祝言です。古い映画調で、独身最後の砦もついに陥落。陸大一期生ついに全滅!ですからね。
長岡外史、このひとずっと全滅ネタだねぇ。いやいや、おもしろくっていいですよぉ。

さて、そんな祝いのシーンから急転。日清戦争が始まろうとしています。

日清戦争というのは、そもそもカップラーメンのとりあいから始まり(笑)・・・なんてことはなく、
朝鮮半島のとりあいから始まったんですね。日本と清国のそれぞれの国家の都合で。

さて、時の日本の首脳達が登場です。首相伊藤博文は、なんと「風と雲と虹と」の日本三大美男子のひとり、
(あとの二人は知らない(笑))加藤剛さんですよぉ(笑)。自分が初めて見た大河ドラマでしたからねぇ。
もっとも、幼すぎて中身をほとんど理解できなかったですが(笑)。というより、「大岡越前」としても
有名ですね(笑)。いやぁ、繊細な平和主義者という面をより強調した役をしっかり表現していますねぇ。
さすが名優です(笑)。「大の女好き」という要素は微塵も感じられません(笑)。まあ、この脚本では、
そんな要素まったく必要ないですからね(笑)。
そして、カミソリ陸奥に大杉漣さん。いやぁ、渋いですねぇ。そういや、陸奥さんは、若い頃、龍馬の海軍塾に
いて、確か亀山社中にもいた人物ですよねぇ。この時代、龍馬関係の人物が相当活躍していたんですねぇ。
なにか、にやっとしてしまいます。来年の大河のことを考えるとね(笑)。
そして、陸軍の至宝と呼ばれた川上操六ですよぉ。いかにも軍人さんらしい押出しが見事に表現されています。
さらに冷静で落ち着いた物言い。國村隼さん、素晴らしいですねぇ。

さて、朝鮮半島では東学党の乱が勃発し、時の政府がそれを自らの手で収拾できないことに気づいたんですね。
それで仕方なく宗主国たる清国に出兵を打診したんですねぇ。それに対して日本は朝鮮が自らの手で独立国として、
やっていけるように手を貸す、という名目もあり、清国の出兵した軍隊と同等の軍隊を派遣することになるわけです。

伊藤さんは、「腐っても鯛」として清国の大国ぶりを心配しますが、陸奥も川上さんも出兵派なんですね。

「朝鮮は我々の手で開花せねばならん。閣下が日頃よりおっしゃってるではありませんか」
と陸奥は言いい、出兵に弱腰の伊藤を焚き付けるんですね。
「どんくらいの兵を考えている」
とあえて出兵の規模を聞いてみるんですね。
「我が国の出兵は、一個旅団が妥当かと考えております」
それを聞いた伊藤さんは色をなして、否定するんですね。
「一個旅団は多いじゃろ。日本が派兵したら、西洋列強が黙っちゃおらんじゃろ」
伊藤さんは、若い頃長州で四カ国艦隊の砲撃を自らの肉体で知っていますからねぇ。
西洋列強のこわさを体で知っている。だから、西洋列強の強さについて、少し過敏なところがあるんですね。
「一個旅団とは、清国と同等の派兵規模を考えてのこと。それならば清国も列強も口出しはせんはずです」
と確かな正論で説明する陸奥さんなんですね。その説得には伊藤も頷かざるをえないわけです。
で、少し考えるわけです。
「閣下、今出兵せねば、手遅れになります」
陸奥のものいいは、いちいち的確なんですね。さすがカミソリです。
「わかっちょる」
伊藤さんはとりあえず、頷くしかなかったんですね。
いやあ、いい芝居のやりあいですね。ちょっと緊迫したシーンでしたねえ。

ところかわって、陸奥さんち、なのかな?(お茶だしてるしねえ)。
「川上さん、ご苦労でした」と陸奥さんお茶をだします。
「伊藤閣下には、あえてお耳にいれなかったことが、ごわす」と冷徹な眼差しで川上さん語りだします。
「おいがえておる情報からすると清国はいずれ5千の兵を朝鮮に駐在させるとのこと」と驚きの情報を開示します。
「5千」と陸奥さんは驚きます。
「これに対抗するには、我が軍は少なくとも7千の兵を動員しなければなりもはん」
冷静な川上さんは表情を変えずに動員に必要な兵員の数を示します。
「初動の兵数で7千か。戦になるな。勝算は」
さすがカミソリ状況を的確に予想します。
「短期決戦にもちこめれば、勝算は十分にあります」
これも川上さん冷静に答えます。
「じゃがのう川上さん、伊藤さんには出兵は一個旅団と言うたばかりじゃ。7千もの派兵許すはずがない。
伊藤閣下は臆病すぎるほどの平和主義者じゃからな」
伊藤さんの性格を知り抜いているカミソリが、川上さんの非をつきます。
「陸奥さぁ。一個旅団は平時ならば2千。じゃが、戦時編成ならいくつかご存知か」
そこまでは知らない陸奥さんは「ど、いうこと」となります。
「騎兵、工兵、砲兵の隊を入れて7千ちなります。閣議決定の後、陛下に上奏ちしてしまえば、
運用の権限は、おいたち陸軍参謀本部にありもす」
と川上さんは伊藤さん騙して出兵きめちまえば、こちらの勝ちという手の内を見せるわけです。
「さすがドイツ留学組中の英才と呼ばれただけのことはあるな。川上参謀次長」
「そちも悪よのう」とでも言いたげなカミソリさんでした(笑)。
いやあ、ここらへん、のちの第二次世界大戦勃発へ続く陸軍のやり方をオマージュしているようで
おもしろいですね。真実、似たようなやり方を続けて、日本を壊滅させるわけなんですけどね(笑)。
そういう意味では、陸軍のやり方を皮肉っているともとれますね(笑)。









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