「ゆるちょ・インサウスティ!」の「海の上の入道雲」

楽しいおしゃべりと、真実の追求をテーマに、楽しく歩いていきます。

坂の上の雲 第三話 「国家鳴動」(2)

2009年12月17日 | ゆるちょ!のドラマ・レビュー!
さて淳さん松山のプールに来ています。
ちょっとした台のようなものに登ると、なんと
「ちんぽがかゆうていかん」
とほざきます。いやあ、原作のこれ、どうすんのかなと思ってたけど、やりましたねぇ(笑)。
第二話の男子風呂シーンに続き、NHKの本気さが伝わるシーンですね。
しかし、NHKでちんぽ言ったひとは史上始めてなんじゃないだろうか。
しかも、ふんどしの上から、ちんぽ掻きながらだからねぇ(笑)。
好事家大喜びと言ったところでしょうか(笑)。
松山の子供達はこの伝説のガキ大将が好きでたまらないらしく、みんなくっついてくる感じですね。
しかも、淳さんの泳ぎが古式泳法ですからねえ。原作通り、ちゃんと神伝流やってるのかもしれない。
すごいですねぇ、こういうところもしっかりとした作り。
淳さんは飛び込み台のようなところにあがると、そのまま寝転びます。
なんてやってると、松山の鎮台さんが二人やってくる。あっという間に服を脱ぎ捨てると、
褌も脱ぎ捨てまた、お尻パーティー。
なんかこういうの多いねこのドラマ。
全裸で水に入っちゃうもんだから、旧藩の水練師範が怒るわけです。
「なんで法度を守らん。ここでは褌をせずと泳がれん」
なんて言われても鎮台さんは華麗にスルーなわけです。
まわりの人間が目をひそめる中、子供達の休んでいる台のほうへ泳ぐ全裸鎮台。
子供達が「師範の声がきこえませなんだか」と嗜めるんですが、
横暴全裸鎮台(だんだん増える(笑))は、言う事なんて聞きません(笑)。
しかし、全裸で迫ってこられたら、別の意味でこわいけどね(笑)。
せまられた子供達は「やめておいた方がええ、鎮台にかかわったら、あとがこわいから」
などとびびりながら、台からプールに落ちちゃうわけです。
それを笑ってる横暴全裸鎮台もしょーもないわけですが、これに水練師範が激怒するわけです。
「松山には水練の神様がおる。その格好は神様への冒涜じゃ」
と言うと、横暴全裸鎮台のひとりが、
「じじい、今、鎮台と呼び捨てにしたのう」
とわかりやすい言いがかり。
水練師範もちょっと顔が変わるわけですが、そこに例の子供達が助けに入り、
「鎮台さん、すっぽんぽんはいかんぞな。やー見るにたえん」とやるわけです。
見るに絶えないモノだったんですねぇ(笑)。
いやあ、このしゃべり、「坊っちゃん」を思い出しますね(笑)。
そういや、夏目さんも出演されてますしね(笑)。
それを指摘されると、横暴全裸鎮台、子供相手に手洗い真似。
それを見かねた淳さん、鎮台を揶揄する踊りで馬鹿にしておいて、
「わしは中の島の秋山淳五郎じゃあ。おまえらはどこのもんじゃあ」
と子供の頃からけんかのうまい(というか、将来世界一けんかうまくなるわけだが)淳さん登場ですからね。
自然と鼓動が高なります(笑)。と、お馬鹿な横暴全裸鎮台は
「広島の陸軍工兵隊じゃあ」と返します。
そうすると、淳さんはちゃんと三角形の目になって
「こらぁ、広島鎮台、ここは神聖なお囲い池じゃあ。速くその汚いもん隠さんかい」
とやるわけです。まあ、軽く挑発ですな。
頭の悪い横暴全裸鎮台は、「まっちょれ」と泳いでくる。そして、淳さんのいる台に
登ってくるわけですが、淳さんは上で待つ間、鉢巻を手にもちかえ、上がってきた
鎮台の顔にむかってむちのようにたたきつけるわけです。
そりゃ痛いですわな。下に落ちるのお約束。二人ともたたきつけられて、お囲い池に落ちていきます。
水練師範は大喜び、子供達も伝説のガキ大将の活躍に、大喜びです。
「今度きたときもやったら、この水のますぞ」
と大見得まできって、いやあ、淳さんかっこいー(笑)。
それに対してお馬鹿横暴全裸鎮台は、
「お前ら陸軍を侮辱したのう。警察に届け出るけぇ覚悟せいや」
と情けない意趣返し。
「水の中のけんかは、水の中で勝負せな」
ときわめて正論の淳さんなのでした。

さて、牧歌的な水田風景の中をお笑い担当、引越しのサカイが何か叫びながら、走ってきます。
「エライこっちゃ、あの淳五郎がまたしでかしよったぞー」
というわけで、例の全裸鎮台が「鎮台を馬鹿にした」として警察に届けたんですね。
ケツの穴のちっちゃいことですなぁ(笑)。
そうすると、大人物の風がある淳五郎の父「八十九翁」が警察に現れるわけです。
まあ、引越しのサカイもある意味役人ですから、訴訟されたら処理しなければ
いけないわけですね。それで尻に火がついてる。
「本人が出頭しないとは、どういうことですか」
と小人物のごとく、声をはりあげるわけです。八十九翁は、そこは素知らぬ顔で、
「それがですな。当家にはおりませぬので」とやるんですねぇ。
もう、ここらへん、伊東さんうまいですよねぇ。
「おらんわけがなかろうがぁ」と、愚痴ともなんともつかない口調なサカイなわけです。
しかし、八十九翁は、とぼけた感じで「おらんのです」
さすがに、その態度にむっとしたサカイは「本官を侮辱する気ですか」と
お約束のセリフです。そこへガチャっと扉開けて入ってくる警察署長さん。
この警察署長さんも、大人物風で、一言えば十ぐらいわかってくれそうな人物。
「暑い暑い暑い」と言いながら、「実は署でも弱ってるんですなぁ。あれ以来毎日鎮台が来よりましてなあ。
あの件はどうなってるー、と催促しよるんですわ」と状況説明。批判は全然しないんですね。
「なんとしてもけりだけはつけておかんとねぇー。事務が滞っていけません」と望む方向だけ示してくれるわけです。
相当頭のいい人物ですね(だからこその署長か(笑))。そうすると、すべて飲み込んだ八十九翁が
「50銭でどうでしょうか」と言うわけですね。科料刑にしてくれ、というわけですね。
「は?」と署長もサカイもなるわけですが、
「たりませんか?」と聞くとすぐ意味を察した署長さんも笑顔になり、「じゃ、そういうことで」
で、ちょんです。いやぁ、大人の会話って感じですねぇ。
「これなら、穏当ですなぁ」と八十九翁の提案に満足する署長なわけです。
「淳には内分に。あれは勝ち負けにうるさい男でな」
と、釘を差しておくことも忘れない八十九翁なわけです。大人の男だねぇ(笑)。

さて、淳五郎さんは、その八十九翁さんと風呂に入ってます。その広さから言って
銭湯でしょうな。そういえば、「坊ちゃん」にも風呂のシーンがありましたっけ。
道後温泉でしたっけ(笑)。
「父さん、なんで警察へなど行ったんじゃ?」
ちょっと不満な淳さんです。
「あしの道楽じゃ。ほっといたら、お前が警察にどなりこむところだったからのー」
と八十九翁、平然としています。
「悪いんは、あの鎮台じゃ。そんな奴らと手打ちする必要などないわい」
とこちらも、道理だったりするわけですねぇ(笑)。
「じゃからといって警察までへこませたら、行き過ぎぞな。丸うおさまるものもおさまらなくなる」
と大人物らしく、鷹揚な態度です。
「あしは絶対あやまらんけんからなー」
淳さんは、自分の正義をゆずらないんですねぇ(笑)。
「淳。肝心の戦まで勝ちはとっとけ。短気は損気、急がば回れ」
八十九さん、淳さんに心構えを説いているようですねぇ。
「お前が帰ってくるとにぎやかでええのう」
ほんとに楽しそうに話す八十九さんでしたねぇ。悠々自適。伊東さんの味ばりばりです。
しかし、伊東さんは、ほんとうにいい味をだしましたねぇ。
控えめな演技でありながら、伊東さんだからこそだせた味わいがありました。
これぞ演技力というものです。素晴らしいですねぇ。

さて、淳さん、学校を卒業し、初の遠洋航海に出ています。
そこに好古さんから手紙が来るんですね。フランス語と日本語で書かれたそれは、
父の死を知らせる手紙だったんです。「父さんが死んでしもた・・・」
表情を変えた淳さんは、そのまま手紙に読みいります。

親父の煙臭はお互いに愁傷に絶えず天命は人力の及ばざる所如何ともするを能わず。
これは親父の死亡通知状にして、欧州の風習に従い、在欧の知人百有余名に通知せしものなり。
東洋の一孤島にある親父の名を欧州人に知らしめたるは、不幸中の一喜話にそうろう。
地中海よりの帰郷よろしく思う。慰みおくけれ。

好古さんの語りがいいですねぇ(笑)。

伊東さんの回想シーンが入りますが、まだ、そんなに経ってないのに、
遠い昔にあったかのようです。飄々とした感じが、ほんとうに素晴らしかったですね。

さて、淳さんは好古さんに言われた通り、直ちに松山に帰郷します。
途中、子どもたちに敬礼された淳さんは、ちゃんと敬礼を返してあげたりします。
そうすると、伝説のガキ大将に敬礼を返されたことに喜ぶんですね。

家に帰るとがらーんとして、少し寂しい感じです。そういやあ、ずーっとこの家だもんな。
昔はあんなにたくさんの子供達が、いたのに、もう竹下母さんたったひとりなんですね。

土間に降りると、竹下母さんが洗濯をしてるうしろ姿が見えます。
なんだか、年老いたようでもあり、はじめて母の背に老いを感じて複雑な気分になります。
そして声をかけることができない。
竹下母さんは、こちらを振り向くと、立っている淳さんを見つけ、うれしそうに駆け寄って
きます。淳さんは、上着を脱いで洗濯を代わってあげます。
「あんたはそんなことせんでもええ」と竹下母さんに言われますが、
「母さんはそこらに座っとってればええ」と言って追い返してしまいます。
ここらへんは、男だったら、気持ちのよくわかるシーンですね。
はじめて母の老いを感じ取ったときの胸の痛み、複雑な感情。
申し訳ないという気持ちでいっぱいになる思い。
そして、なにかしてあげられないかという気持ちにつながっていく。
それが、洗濯を代わってあげる行為になるんですねぇ。

「ようかえってきたのう。たくましゅうなって」と叫ぶ竹下母さん。
なんだか照れくさい淳さん。

こういうなんでもないシーンでも、ひとの心の機微をうまく表現していますね。
なんでもないシーンだからこそ、訴えかけるものが大きい感じがします。
母の背中を見て、動けなくなる演出なんて、ちょっとうなる感じですねぇ。

仏壇代わりに八十九さんの被っていた頭巾が飾られています。
淳さんは、それに向かって、好古からの手紙のことを話すんですね。
「父さんの名、秋山好古大尉の父として、フランス人にも知れ渡ったぞな」
後ろで竹下母さんが泣いています。なんかお約束な感じです。

そして、竹下母さん、また、豆を煎っています。もう、いつもの光景ですね。
ただ、竹下母さんに、老いが見られるんですね。
「かあさん、これからどうするんじゃ」少し心配な淳さんです。
「かあさんは、どうもせんよ。秋山の家を守っていくけん」といつもと変わらない竹下母さんです。
「東京へおいでんか。母さんひとり置いておくん心配じゃ。わしがなんとかするけえ」と食い下がる淳さんなのですが、
「無理せんでええ。あんたは海軍さんで忙しいけん、お勤め第一にせんとならん。
父さんじゃったら、そう言うじゃろ」と父さんの言葉を使われたら、ちょっと勝ち目がありません。
「ほったらアニさんと一緒に住めばええ。春になったら、フランスから帰ってくるけん」とそれでも食い下がる淳さん。
「だんだん。淳の気持ちはよくわかったきに、考えさせてもらうけんね」
と嬉しそうに、煎った豆を淳さんにあげるんですね。竹下母さんも淳さんにやさしく言われて
うれしかったんですねぇ(笑)。親から見れば子はいつまでもかわいいもんです。
母にすれば、息子はよりかわいい。自分が年をとれば余計にりっぱになった息子は
かわいいもんなんでしょうねぇ。
「淳、よう帰ってきておくれかのう。あんたの顔見ただけで母さん、十分じゃ」
淳さん少し横を向いて、何かを考え込む風ですが、
「やっぱり母さんのつくるいり豆は最高じゃのう」と言って、ブー。
「これを食うと屁が出るんじゃ」母と笑いあう淳さんなのでした。
老いた母親とりっぱになった息子の感情のあるいいシーンでしたねぇ。
考えてみれば、若い頃武家の嫁としての覚悟をみせてくれた竹下母さんですからね。
息子の邪魔は死んでもしない、という覚悟があるんでしょう。
八十九さんの生き方も武士の気概というものがありましたし。

さて、「坂の上の雲」は、日露戦争のお話がメインになるわけですから、
有名な「大津事件」ももちろん映像化されるわけですねぇ。

大津に入ったニコライ二世が津田三蔵に切りつけられるというこの事件。
しっかりと映像化されてましたねぇ。津田がサーベルを抜くと周りの人間が
驚いているところが印象に残りましたねぇ。あとハットに斬りつけた跡が残り、
そこに血が着いているのも。


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