「ゆるちょ・インサウスティ!」の「海の上の入道雲」

楽しいおしゃべりと、真実の追求をテーマに、楽しく歩いていきます。

坂の上の雲 第四話「日清開戦」(6)

2009年12月26日 | ゆるちょ!のドラマ・レビュー!
いやあ、しかし、前回のシーンがあまりにあれだったので、
こう、のぼさんが出てくるとやたらとほっとしますね。
まあ、制作陣もちゃあんと、それわかってて、ここにのぼさん、出してきてるんだけどさ(笑)。

「やったぞ、やったぞな」
とのぼさん、うれしそうに、飛び上がりながら、走ってきます。
いやぁ、この結核なんだけど、こんな体動かしちゃっていいのかね。でも、のぼさんがうれしそうにしているのをみると、
なんだかうれしくなってくるんで、これは、感覚が「リーさん」化しているのかな(笑)。

しかし、明治の街並みがしっかりと表現されてますなあ。すごいなあ(笑)。こういう木戸なんか、自分らの子供の時代にはありました。

「野に山に進むや月ぞ三万騎」

と盛り上がってますが、これは、日清戦争での数々の日本の勝利に燃えた、のぼさんが作った句なんですね。
司馬さんいわく、あまりうまくない句なんだそうですが(笑)。

「ただいま帰りました。母上、従軍決まりました。欠員の出た従軍記者の枠にいれてもろたんです」
もう、すぐかわいくなっちゃうだよね、のぼさん。そして、このお母さんもやさしいしねぇ(笑)。
「陸先生もあしの熱意に根負けぞな。やったー、従軍じゃあ。大阪師団と共に海を渡るんじゃあ」もう素直にうれしくなりますね。ちょっとお母さんやりーさんと
同じ気持ちになってます。こんだけ、素直に喜ばれると、まわりにいる人間もうれしくなりますよね。ということは、人間、気持ちを素直にだすほうが、
周りも喜ぶということ、でしょうね。ま、一種のまわりへのサービスでしょうか。うれしいときには、うれしさ爆発の方が、中途半端にならずによい、
ということを教えてくれます。ほんと、このドラマはいろいろな人生への示唆があるねえ。良作です(笑)。
とあまりのうれしさに、おじいちゃんの位牌にむけて、「ちんちんー」とならして、おがむのぼさんです。
おじいちゃんのこと、よっぽど、好きなんだねえ(笑)。とそんなのぼさんを見て、うれしがるお母さんです。
「小生の人生において、最もうれしかりこと、松山中学4年間で卒業して、上京がきまったとき」と、着物着替え用としているんだけど、口が止まらない(笑)。
もう、素直に笑ってしまいます。うれしくなっちゃいますね。いやあ、よかったよかったって感じです。
「今ひとつは、はじめて従軍と決まったこのときー」もうとびあがって、うれしがるのぼさんです。いやいや、見ていて気持ちいいですねぇ(笑)。
「うちもついていかんで大丈夫かのー」と素直なりーさんです。のぼさんの喜びように、素直にうれしがってるりーさんもまたいいですねえ(笑)。
「あほう、どこの従軍記者が妹を連れて行くー」とか言いながらののぼさんが、また、そのしぐさがかわいいんだよね(笑)。
「日本が今随分親しかった国とたたこうておるんじゃねー」と、お母さんひとり、物思いにふけり、ひとり気持ちが違う場所に立っています。
「え?」と、冷水をあびせられたのぼさんは、ちょっと困惑気味です。
「きてごらん、掛け軸は漢詩。お皿は支那の子らが遊ぶ絵柄」と言われてのぼさん、ちょっとはしゃぎすぎた自分にちょっと反省気分。
「漢字も支那の文字じゃろう」とりーさんも同調しています。
「あたり前じゃあ。あしらのじいさま大原観山は漢学の大家じゃぞお」と反省がわりに、「俺だってわかってるもんね、それくらい」の表現です(笑)。
「子供の頃、おじいちゃんによう支那の話を聞かされました」とお母さん素直な述懐です。
「支那は夢のようなお国で、誰も憎い敵じゃとは思わなんだ」そう言われてのぼさんも単純に喜んでいた自分を少し考え直します。そして、ゆっくり
漢詩をのぞき込んでいます。

さて、このシーンは何を表現していたんでしょう?。
原作にあるのは、のぼさんが従軍記者に選ばれて単純に喜んでいるシーンだけです。「日本が今随分親しかった・・・」以降は創作ですね。
つまり制作陣が何らかの意図をもって、創作を加えてこのシーンをつくった、ということです。
うかれていたのぼさんに、「でも清国って、日本にとっては、いろいろ恩恵をうけてきた国なのに」ということをお母さんとりーさんが訴えてるわけ
ですね。これは、事はそんな単純な問題じゃないのよ、日本にとって、ということを言いたいのでしょうか。それとも、日本は清国にいろいろ
恩恵を受けてきたのよ・・・ということを強調したいのでしょうか・・・。前者ととると、近代的批判精神という奴でしょうか。
でも、それをする必要性を前後の文脈からして、まったく感じられないんですよね。これまで見てきたこの作品のトーンとも違うし。
であれば、後者ということになります。つまり、この作品で、清国をサゲているシーンがいくつかありましたが、それとバランスをとるために、
清国アゲをした、というのが、この創作シーンの本音と言えるでしょうね。
ただ、自分の好みからいえば、少しアゲの仕方があざとい、というか、お母さんの「日本が今随分親しかった・・・」の一言だけで、
あとはため息くらいの表現でも、十分視聴者に伝わった気がするんですけど、それはおかしい考え方ですかねぇ?。
自分の感じでは、それ以降のセリフは、小学生が知識もないくせに、教科書的な情報を他人に披露して喜んでいるような、なんか、
とってつけた感が感じられて、ちょっとやりすぎなような気がしました。というか、視聴者を馬鹿にしていませんか?。
上から目線で、「お前ら知らないだろうから、教えてやるよ」、というメッセージを感じるんですが、それは穿った見方過ぎますか?。
というか、NHKや制作陣に多いであろう、ある特定年代層の中国好きな方達の腐臭が感じられた気がして、ちょっと残念でした。
だから、急におじいちゃん好きののぼさんを描いたのね?。これも唐突感があって、この作品のその他の部分のできに比べると、
明らかに作劇のレベルが下がっています。いわゆる、レベルが突然低くなった印象です。一部の特定層が全体のバランスも考えずに
自分のやりたいことだけやって押し込んだ感がありますね。ここだけ、ちょっと変。そんな印象をもちました。
他の部分のレベルが優秀で、しっかりと生き生きしているのに比べ、この部分だけ、ただの作り話にレベルが落ちてしまって、残念でした。
他の部分が優秀だっただけに、とっても、残念な気分です。

そうか。このシーンは日本人に向けて作ったわけでないんだ。日本人のメンタリティや知識レベルなら、お母さんのひとことで、
伝わるはずなのに、さらにそれに継ぎ足しているということは、これは明らかに中国や韓国北朝鮮などの他国の人間に
理解してもらうことを前提につくっていますね。そして、アゲてますよ、ということを自慢したいんだ。

日本人のために、描いていないとは・・・。

ある特定の制作人が、自己満足のために作劇するな、と言いたいですね。これは、11ヶ月「天地人」で凝りましたから。
せっかくの俳優の熱演がその一事で、だいなしになります。そういうことをわかってない制作人がここに紛れ込んで
いたこと自体、驚きですが、そういうシナリオを通過させた、脚本諮問委員会も案外大概です。

というわけで、ただただ、レベルの低い清国アゲのシーンになってしまった、このシーンについては、評価はなしです。
せっかくここまで、よかったのにね。もちろんバランスをとることについては、異議はありません。
ただ、やりかたが下手過ぎ、という感想をもちましたね(下手なわけでなく、確信犯なわけですが(笑))。


清国北洋艦隊の滅びは、2月18日に来た。提督の丁汝昌は、毒を仰いで自殺した。

ちょっと落ち込ん出る感じの淳さんです。いやぁ、自分も映像を見て記事書いただけで、
かなりきついものがありましたから、それを現実に体験した淳さん、落ち込むのも当然です。
というわけで、軍艦の修理や掃除などが始まっております。

海軍少尉、広瀬武夫

「秋山」といつも元気な広瀬さん登場です。この俳優さんは「坂雲ファン」の女性に人気があるみたいですね。
「広瀬さん」とちょっとまだ、卑屈な感じの淳さんです。
「一足先に佐世保に帰るけん、しゅうげんの開港用意も命じられたし」とよくわからないけど、先に帰るみたいですね(笑)。
「飲まんかい」と言われても今ひとつ元気のない淳さんです。というか、兄さんはあれだけ飲酒シーンが出てくるのに、淳さんの飲酒シーンはこれまでないよね。
「丁汝昌提督の棺が船に載せられた出ていきよった」とちょっと感慨深げな広瀬さんです。
「丁汝昌ほどの名将でも、軍の規律が緩み、国が腐敗しておる限り、いくさに勝つことができん」という広瀬さんの言葉ですが、淳さん、一杯一杯で、ただ、ぼうっと
見てるだけで、あんまりひとの話を聞いてないように、見えます(笑)。
「俺には丁汝昌への詳報が、清国に対する詳報に聞こえたち」とか、言われても、ぼうっとしてる淳さんです。広瀬さん、ただのひとりごと状態です(笑)。
「広瀬さん。あしは、軍人には向いとらん」ずーっとその事だけ考えていたんですね。
「秋山、どげんした」と淳さんの異変に改めて気づく広瀬さんです。もう、とにかく淳さん、態度も弱々しくなっちゃって、立ってもいられない状態です。
改めてそれに気づいて、広瀬さん驚いています。そして思い切りの不審顔(笑)。
「いくさは恐ろしい。さっきまで隣におった奴が、一瞬にして死んでしもた」淳さん弱々しくなっちゃって、あの喧嘩小僧の面影はいずこ・・・(笑)。
「確かにいくさは悲惨じゃ。じゃけん、それを恐れちゃいくさはできん」同じ軍人として、理解できる話ですが・・・でもさ、って感じです。
「あいつ、手柄を立てて我が家に帰るのを、楽しみにしておりました」そんな広瀬さんの気遣いもわからず、ただ、思い出話の淳さんです。
「あしがあのとき、命令をださんかったら、あいつは死なずにすんだはずじゃ」もうほとんど泣きそうです。あんだけ慕ってた原田くんだからねえ。気持ちの濃いひと
なんですな、淳さんは。「そんなこといわれたってよー。俺何言ったらいいんだよー」という表情の広瀬さんです(笑)。
「広瀬さん、やっぱりあしは軍人には向いとらん」今現在、精一杯の淳さんの結論なんですねぇ。まあ、この葛藤があるから、後年の喧嘩大将がうまれる、
と言ったところでしょうか。

さて、このシーンでは何が表現されたのでしょうか。
広瀬さんは日清戦争に対する感慨を述べたのに対して、淳さんは部下をたくさん亡くしたことで、精神的に傷つき、そんな自分を感じて
「自分は軍人に向いてない」という結論に達しているということですね。精神的にタフな広瀬と精神的に傷ついた真之とを対比させ、
より真之の弱さを強調しています。ということは、真之の弱さをここでは表現していたんですね。まあ、後年強くなるわけですから、
とりあえず、まず、ここで弱さを表現しておき、その成長ぶりを描いていくというわけです。何しろ大河ドラマというのは、
(これはスペシャルドラマですが)「ある人間の成長を描くドラマ」というのが、おきまりですからね(笑)。
ここではアゲは、広瀬さんかな。そのタフさを描いたという感じ?。まあ、女性にも人気のあるキャラに仕上がってますからね。
そして、サゲは真之ですね。あえて、サゲておいて、そこからの変化ぶりを描いていくのでしょう。そのためのサゲです。
日本人の美意識という観点からは、特に話す内容はないですかね。広瀬さんのタフさぶりは、そこまでいってないでしょうし(笑)。

と、この記事はここまで。

ここまで読んで頂いたみなさん、ありがとうございました。

続きは次の投稿で。お疲れ様でした。



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8 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
詳しいですね (きもの大好き)
2009-12-26 10:33:36
こんにちは。愛媛のことを色々と書いている
gooブログの きもの大好きです
「坂の上の雲」を取り上げてくださりありがとうございます
愛媛にいながら、この小説やドラマで秋山兄弟のことを初めて知った次第です(お恥ずかしい)
私も先週、ドラマについて書きました。お時間有りましたら、遊びにきてください
URLに数字をたくさん使っているものですから、貼り付けできなくて、申し訳ありません
返信する
Unknown (A.Na)
2009-12-26 16:22:26
>「いくさは恐ろしい。さっきまで隣におった奴が、一瞬にして死んでしもた

原作にそんなシーンありましたけ?
日露戦争の後なら確かにあるんですが。
返信する
あこがれの松山 (ゆるちょ)
2009-12-26 20:03:29
きもの大好き殿

コメントありがとうございました。

>愛媛にいながら、この小説やドラマで秋山兄弟のことを初めて知った次第です(お恥ずかしい)

いえいえ。自分も昔読んで、そのまま、放ったらかしでしたから。
まあ、今回また、新しい発見をしているという次第ですから。でも、松山っていい感じですね(笑)。

>お時間有りましたら、遊びにきてください

というわけで、遊びにいかせてもらいました。
現地のひとにしかできない写真紹介とか、ものすごく松山にあこがれてしまいました(笑)。


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ないですね。 (ゆるちょ)
2009-12-26 20:15:22
A.Na殿

>原作にそんなシーンありましたけ?

ないですね。
自分は、原作は、出版された時期も遠い昔だし、今、楽しめられるエンターテイメントなのか、どうか?という視点で批判をする立場にいます。
ですから、司馬ファンの方の立ち位置とは、一線を画しているので、
そういう批判には耐えねば、と思っています。ま、固いことは、言わないつもりです。「楽しきゃいいんだよ」、って部分が多いですね(笑)。
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すみません (A.Na)
2009-12-27 11:57:57
>>「いくさは恐ろしい。さっきまで隣におった奴が、一瞬にして死んでしもた

>原作にそんなシーンありましたけ?

すみません、自分で話題を振っておいて何ですが、原作を引っ張り出して確認したところ、アレンジが加わってたけど、第二巻にありました。

原作では広瀬との会話はなく、正岡子規との会話中での事でしたが。
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ありがとうございます (きもの大好き)
2009-12-27 22:35:07
探して来ていただき、とてもうれしいです
明治時代の頃のことは、とても複雑でむつかしいです。めまぐるしく変動したのでしょうね
今夜の放送もブログの記事を書きながら見ましたので、内容がよく理解できませんでした(汗)
11月27日の記事に、屋根つき橋を入れてありますので、こちらも見てくださいね
私の着物姿が中心ですが(恥)
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こちらこそ、すみません (ゆるちょ)
2009-12-28 06:33:34
A.Na殿

>第二巻にありました。
そうでしたか(笑)。いきなり、ずさんな返しで、すいません。

自分は、それほどむちゃくちゃ熱心な司馬さんファンでもないんですよ。

ま、相当ずさんな人間なんで、「こいつ大概やなあ」と思っておいて、ください(笑)。

返信する
あとで、見に行きますね(笑) (ゆるちょ)
2009-12-28 06:37:43
きもの大好き殿

>探して来ていただき、とてもうれしいです
いえいえ。とても楽しい記事でしたよ。
あの橋の写真は見れて良かったです、ほんと。

>11月27日の記事に、屋根つき橋を入れてありますので、こちらも見てくださいね
そうですか、あとで時間つくって、おじゃまします(笑)。なにしろ、バタバタしておりますんで(笑)。

>私の着物姿が中心ですが(恥)

ははは。じゃあ、それも楽しみにしましょうか(笑)。



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