趣味は読書。

気ままな読書記録と日々思うこと、備忘録

『あこがれ』 川上未映子

2016年03月08日 | 
この本も昨年末読んだのですが、感想を書かないままにしてしまい
もう一度読み直してみました。



小学四年生の少年が主人公の「ミス・アイスサンドイッチ」の章と
それから二年後の、その少年と同級生の少女が主人公の
「苺ジャムから苺をひけば」の2章から成ります。

どちらも主人公の独り語りで物語は進みます。

10歳とか12歳とか、小学生の心をたどる物語。

子どもの視点をよく捉えて言葉にしていて、圧巻です。

自分自身の小学生の頃を懸命に思い出す努力をしたのですが、
ギブアップでした。

ただ、この二人の小学生にとても共感するのです。
ああ、そう、わかるよと。
すると最後の最後に知らずに涙があふれていました。

この本はもしかすると読む人を選ぶ気がしますが、
言葉を持たない子どもの心を見事に表現していると思います。
なので、多くの人に読んでもらいたいな、と思いました。。