行政マン・コーチのはじめの一歩

自治体職員でストレングスコーチ&ファシリテーターの丸本です。
人と組織の持つ強みを活かして、応援を続けています。

事業仕訳

2009年11月15日 | 行革・人材育成
最近のニュースで一番注目しているのは、行政刷新会議で行っている事業仕訳です。

テレビや新聞でも、大きなスペースを割いて報道しており、国民の関心も高いようですね。


事業仕訳は地方自治体で取り組まれ始めており、仕事や仕組みの棚卸として、不要な事業の見直しだけでなく、そもそも何のためにその仕事をするのかという公務員の意識改革という効果や、役所だけでやるのではなく民間や市民との役割分担を考えるという側面もあると思います。

ただ、今回の行政刷新会議での事業仕訳をみると、自治体の事業仕訳とは使い方が違うような気がします。

目的として、これまでなかなか切り込めなかった事業や公益法人を廃止するためのツールとして使っているように見えます。

おそらく、まっとうなやり方をしたらいつものように官僚にごまかされてしまい、なかなか改革が進まないので、公開の場で一刀両断にしてしまおうというところでしょうか。

はたで見ていると、お互いに石を投げ合っているようにしか見えず、コミュニケーションがなりたっていないのですが、そもそも成り立たせる気はないのかもしれません。

現状を変えるためには必要な荒療治なのかもしれませんが、このやり方が事業仕訳だと思われると、自治体で事業仕訳をする際に民間の仕訳人が同じようにすればといいと勘違いしたり、自治体職員に導入の抵抗感を生んだりというマイナスの影響が出てくるような気がします。

そもそもお互いの信頼関係がない中で、かみ合った議論はできないでしょう。


併せて感じたのは、公務員に高い説明能力が求められるようになったということです。

今までも言われていたことではありますが、事業仕訳でのたどたどしい、的を外した説明を聞くにつけ、改めて感じます。

公務員は事業の目的を説明するのは得意なのですが、その手段が本当に効果があることを理解させることをしてこなかったのでしょうねえ。

そもそも、複数のプランを作り、プレゼンをしてみんなで事業を絞り込むという作業自体をしてこなかったことによる弱みなのかもしれません。

事業の有効性を検証する行政評価は始まっていますが、そもそもの事業を決定する際のプロセスにも課題があったのかも。


ニュースを見つつ、いろいろと考えるところがありました。


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