行政マン・コーチのはじめの一歩

自治体職員でストレングスコーチ&ファシリテーターの丸本です。
人と組織の持つ強みを活かして、応援を続けています。

人事はもっと語るべき

2011年03月28日 | 人事異動など

人事異動の季節。

すでに内示も終わり、異動する人しない人、悲喜こもごもの人間模様では。


この時期いつも思うのだけど、人事担当は可能な限りその趣旨を伝えるべきだと思う。

職員数が1万人とかいう大規模自治体は無理だけど、小さな市町村ならある程度はできるはず。

何に期待して異動してもらったのか、逆に異動しなかったのか。


もちろん、全ての人事が意味のある異動ではない。

実際に担当した一人として正直に言うと、誰かの玉突き人事で動かざるを得ない人もいれば、やりくりする中で「ごめん」と心で思いながら動いてもらう人もいる。

それでも、期待すること、お願いしたい仕事など、理由があっての異動の方が多いはず。

成長してもらいたいからというのも当然ある。


しかし、当の本人はその気持ちはわからない。

動いた人は自分なりにあれこれ考え、期待しながら動かなかった人もその理由を思い悩む。

思うことはネガティブなものばかり。

何もいいことはない。

人事担当者が今の時期役所内を歩き回ると文句ばかりを言われ気は進まないと思うけど、それでも動き回って話を聴き、異動の趣旨を語ってほしいと思う。

期待する思いは言葉にしないと伝わらない。

思いを言葉で伝えると、期待以上のモチベーションを持ってもらうこともできる。

周りの職員も、同じように前向きに考えるようになると思う。

人事は人に関わる仕事。

コミュニケーションの大切さは殊更だと思う。

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人事のメッセージ性

2010年08月14日 | 人事異動など
トップの役割として、ビジョンや組織の価値観を示すことはとても重要である。

メッセージをいかに明確に、わかりやすく伝えるかはとても大切だと思う。

そのメッセージとして、最もインパクトがあり影響が強いのは人事異動。

いかに良いことを言っても、それが言っていることとギャップがあれば、いくら良い話をしても見透かされてしまう。

勤勉を訴えながらあまり仕事を熱心にしない人を、チャレンジを訴えながら何も新しいことに取り組まない人を昇任させる。

普段の言葉が奇麗なほど、ギャップに対する失望は強いと思う。


それだけ人事というのは職員への影響力が強いし、普段の言葉との合一性を問われるもの。

以前担当していた者として、本当にそれができていたかどうかは真摯に受け取る必要がある。

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異動の季節

2010年03月22日 | 人事異動など
ですね。

人事担当してた時は、ちょうど今頃、辞令作成の作業が佳境でした。

昼ご飯は係員と弁当持って、近くの桜が見れるところで食べてましたね。


きのう書いたYOUTUBE「YELL」のコメントに、「飛び立つのは独りだけど、飛び立った先には必ず仲間がいるもんだよ」というコメントがありました。

異動で人事から児童福祉に移った時、それまでの目標を失いこれからどうしようかと思ったものですが、当時コーチングをお願いしていたコーチの支えで次の目標に目を向けることができました。

児童福祉に移っても、各地で自主的に子育て支援に頑張っている人たちと出会い、コーチングを活かし広げる活動もさせてもらってます。

児童虐待などのハードな場面にかかわり、児童相談所を退職後も活動している師と言える方とも知り合うことができました。

思ってもいない異動でも、その場所で素晴らしい仲間や師に出会うことができるというのは、とてもありがたいことです。

異動する本人にとってはそうとばかりも言ってられないというのが実際の心境ですが、その先にも新しい仲間や新しい世界があるということは救いでもあります。

世の中自分の思う通りにはならないけど、「思い」があれば思ってもみなかった財産をみつけることができるんではないかと思うのです。

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ボリバレント

2007年04月08日 | 人事異動など
サッカーの日本代表監督、オシム監督のチーム作りのキーワードに「ボリバレント」があります。

元々は化学用語で、「多くの価値を持つ」という意味らしいのですが、スポーツ用語としては「複数のポジションをこなせる」という意味で使われています。

対戦する相手に応じて様々な戦術をとれるよう、選手に複数のポジションで活躍できることを求めるということでしょうか。


先月、2回目の人事異動を担当して得た実感は、2つの(複数の)専門分野・専門スキルを持った職員はその人を活かす部署に配置される一方、1つの専門分野・スキルしかない職員は、やもすれば不本意な異動となるケースが多いと言うことです。

ここで言う「専門分野」とは、税や福祉、農業など課の事務分掌上の分野であり、「専門スキル」とは、企画力や交渉力なのどスキルのことです。

ポストが多い組織なら希望・適性に沿う異動もしやすいのですが、そうでない場合、行き先のポジションに異動対象となる職員がいなかったり、複数の職員に対して空きが1つというケースがよくあります。

その時、その職員に他の専門分野や得意なスキルがあれば、他の適性を活かす部署へ配属することが可能な場合が多いのです。

逆に、1つしか専門分野がなかった場合、どうしても数合わせ的な異動になるケースが生じます。

組織にとっても、その職員にとっても不幸なことなのですが、ポスト数や異動枠が少ない場合、やむを得ないのです。

そういった(双方にとって)不本意な異動とならないよう、少なくとも2つは「この人でないと」と言われるくらいの専門分野をもってほしいと思います。

「即戦力としていつでも働ける専門性があり、その分野に通じている」といわれるだけの専門分野。また、「プランニングが必要なケースではこの人に任せれば安心できる」という企画力や、「外部団体や住民との交渉ごとには彼がいれば」交渉力といったスキル。

1つの専門分野+1つの専門スキルでもいいのですが、そういった自分の強みを意識的に磨いていけば、組織と個人双方に「幸せな異動」となることができると思います。

行政の経営改革に手腕を発揮される上山信一氏は、その著書『だから、改革は成功する』の中で、マッキンゼーでのコンサルタント時代に「2,3の専門分野を持つことが奨励されていた」と書かれています。

その専門分野の切り口は、ひとつは自動車、食品、ITなどの産業分野(セクター)であり、もうひとつは財務、マーケティング、技術戦略などの問題解決のノウハウ分野(センター)。

個々のコンサルタントは2,3の専門分野を決めて腕を磨くそうです。

自治体職員も、自分の強みをよく見つめ、2つ以上の専門分野を決めて腕を磨くことが必要になっていると思います。

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人事の心得

2007年02月24日 | 人事異動など

昨日、某課長補佐から、安岡正篤の『佐藤一斎「重職心得箇条」を読む』のコピーを渡されました。

重職心得箇条は、外務省との軋轢を繰り広げていた田中真紀子外務大臣に、小泉前首相が薦めた本です。

その中で、おそらくは人事異動に際し、こういった考えでしなさいよという趣旨で、次の一節をコピーしてありました。

『人々に択り嫌いなく、愛憎の私心を去て、用ゆべし。自分流儀のものを取計るは、水へ水をさす類にて、塩梅を調和するに非ず。平生嫌いな人を能く用ると云う事こそ手際なり、此工夫あるべし。』
(現代訳)
『択り好みをせずに、愛憎などの私心を捨てて、用いるべきである。自分流儀の者ばかりを取り立てているのは、水に水を差すというようなもので、調理にならず、味もそっけもない。平生嫌いな人を良く用いる事こそが腕前である。この工夫がでありたいものだ。』

私心を捨て、むしろ嫌いな人を活かす人事をするというのは、まさに心がけないといけないことだと思います。


私自身が人事をするうえで心構えとしているのは、以前も書いた西郷南洲翁遺訓の次の一節です。

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廟堂(びょうどう)に立ちて大政をなすは天道を行ふものなれば、ちとも私しをはさみては済まぬものなり。
いかにも心を公平にとり、正道を踏み、広く賢人を選挙し、よくその職にたふる人を挙げて政へいを執らしむるは、すなわち天意なり。
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人事は魔物で、油断すると自分の力と過信し慢心してしまいます。
あくまでも任命権者の権限の下働きであることを自覚し、天の仕事を行っている、一点の私心も挟み込んではいけないと戒めています。


また、人事を行ううえでの心がけとして、担当になった時から机のデスクマットにはさんでいる言葉があります。
荻生徂徠(江戸時代中期の儒学者・思想家)の「人を用うるの道」から、

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一、 人の長所を始めより知らんと求むべからず。人を用いて初めて長所の現わるるものなり。
二、 人はその長所のみを取らば即ち可なり。短所を知るを要せず。
三、 己が好みに合う者のみを用うる勿れ。
四、 小過をとがむる要なし。ただことを大切になさば可なり。
五、 用うる上は、そのことを十分に委ぬべし。
六、 上にある者、下にある者と才知を争うべからず。
七、 人材は必ず一癖あるものなり。器材なるが故なり。癖を捨てるべからず。
八、 かくして、良く用うれば事に適し時に応ずる人物は必ずこれあり。
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こうやって見ると、昔から言われていることは同じことで、同じことが何度も言われている意味は、常に人事にそういった過ちが生じていることの現われだと感じます。

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人事担当者のグチ

2007年02月14日 | 人事異動など
今、どこも人事異動作業の真っ最中だと思います。

人目に触れず、ひそかにかもしれませんが

人事異動作業を始めるにあたっては、各部局長からヒアリングをします。

来年の新規事業は何か。今の体制で問題の出ているところはないか。誰が出せて、誰は出せないか。昇格させたい職員の要望などなど・・・

いわゆる、人事全般なんでもありのヒアリングです。

そこで必ず出てくるのが、「頼むからあの職員はうちから出してくれ」というご要望

仕事をしない。独断専行で言うことを聞かない。部下を押さえつけて部署内の雰囲気がひどいなど、その理由は様々ですが、とにかく出してほしいらしいです。

しかし、いざ出すことが決まると、当の部局長は「君はぜひ残ってほしい人材なんだけど、どうしても人事がよそで使いたいというので、君の将来を考えて出すことにした」ぐらいのことをのたまわれる。

多くの場合、本人の本意でない異動になるパターンが多いので、その恨みは人事担当者に向けられるのが常です。

おまけに、そのような職員は、行った先でもすぐ「出してくれ」というご希望が出るケースが多いため、短期間の異動を繰り返し、更に恨みが積み重なると言う悪循環。

いずれにしても、一番悪いのは人事担当者という結論です

まあ、恨まれ役は誰かがしないといけないのでいいですけど、あまり続くといやになる人も多いのでは。

「人事は好きなように人を動かせるからいいよね」ぐらい皮肉を言う方もいらっしゃいますが、あんまり良い役回りではないと思います
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