「火の車」住民に公開 交付税削減 (中国新聞) - goo ニュースから抜粋・引用。
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○ 広島県境にある島根県飯南町。人口約六千人の山間の町が本年度から「住民参加の行革」に乗り出している。
○ 「その前提としてまず手掛けたのが財政状況の公開です」と行革担当の松田辰志総括監。この四月、町内に全戸配布したＡ３サイズのチラシ「町行政改革推進大綱の概要」を差し出した。
○ 二〇〇四年度決算の財政指標の数値が並ぶ。経常収支比率＝９０％以上が危険ライン＝９７・９％で、県内二十九市町村ワースト６位▽地方債（借金）現在高比率＝３００％以上が危険ライン＝４０２・４％で、同ワースト３位…。
○ 苦境ぶりが一目で見て取れる。そして結論―。「現状の財政運営で推移すれば〇八年度に基金（貯金）がなくなり、企業の『倒産』ともいえる赤字再建団体への転落が避けられません」
○ 「逼迫（ひっぱく）の要因はずばり地方交付税の減額と公債費（借金返済）の増大」と診断する。農林業以外、主要産業のない過疎の町に国からの地方交付税は財源の命綱。本年度予算（六月補正後）でも歳入総額六十四億四千四百万円のうち三十三億三千六百万円（約５２％）を占める。
○ その交付税が五年前に比べ一億二千八百万円（約４％）減った。半面、公債費は道路整備や小学校の改築など過去の公共事業費の返済で九千四百万円余り（約６％）増加し、本年度予算の約２５％に達する。合わせて二億二千万円の負担増となる勘定だ。
○ 「住民と痛みを分かち合い、協働でまちづくりをせざるを得ない。そのためには情報の共有が不可欠と判断した」と松田総括監。
○ 「赤字再建団体転落防止と十億円の基金確保」などが基本目標。その上で〇九年度までに事務職の１２・４％減員、本年度の職員給与カット３―１０％…。行政のスリム化とともに「団体運営補助の原則廃止」など住民負担も求めている。
○ これまで町はチラシの配布のほか二月の住民説明会、五月から六月にかけ町内六地区で開いた町政座談会で、厳しい行革への理解を求めてきた。
無為無策と批判
○ 隣町との合併が不調に終わった人口四千二百人余りの鳥取県日野町は本年度、中国地方の自治体で唯一赤字予算を組んだ。総額三十億五千万円のうち財源不足額二億五千二百万円を歳入に明記した。
○ 「赤字を表に出さない方法もあったが、町の財政危機は町民ももう知ってます。それに行革への動機付けにしたかった」と吉留功助役。いきさつがある。
○ 昨年九月、前町長が町議会で「〇七年度には財政再建団体になるしかない」と破たん宣言。片山善博知事の「無為無策の計画倒産」との批判を受けて撤回し、行財政改革をテーマに七回にわたり住民説明会を開いた。
○ その中で町財政の状況や将来推計を洗いざらい明らかにした。職員数や人件費の削減のほか下水道使用料や固定資産税の引き上げなど住民負担への理解も求めた。
○ 「各種補助金の返上など住民自立の動きが出てきている」と景山享弘町長。「ただ、国が地方交付税をどうするのか中長期的な方針を出さないと、すべてが水の泡になりかねない」と語気を強めた。
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北海道夕張市の財政破綻で、地方自治体の財政状況の悪化が注目されています。
財政運営のまずさから破綻に追い込まれつつある自治体もありますが、収入のほとんどを交付税に頼らざるを得ない市町村にとっては、健全な運営をしていても、交付税の額如何で厳しい財政運営にならざるを得ません。
その時に、批判を恐れて財政状況の悪化を隠すのか、それともオープンにして住民とともに乗り切るのか、その選択が破綻に追い込まれないための岐路だと思います。
財政状況も含め、危機を隠すことなく顕在化させることが、より大きな危機を招かないための大切な姿勢だと思います。
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○ 広島県境にある島根県飯南町。人口約六千人の山間の町が本年度から「住民参加の行革」に乗り出している。
○ 「その前提としてまず手掛けたのが財政状況の公開です」と行革担当の松田辰志総括監。この四月、町内に全戸配布したＡ３サイズのチラシ「町行政改革推進大綱の概要」を差し出した。
○ 二〇〇四年度決算の財政指標の数値が並ぶ。経常収支比率＝９０％以上が危険ライン＝９７・９％で、県内二十九市町村ワースト６位▽地方債（借金）現在高比率＝３００％以上が危険ライン＝４０２・４％で、同ワースト３位…。
○ 苦境ぶりが一目で見て取れる。そして結論―。「現状の財政運営で推移すれば〇八年度に基金（貯金）がなくなり、企業の『倒産』ともいえる赤字再建団体への転落が避けられません」
○ 「逼迫（ひっぱく）の要因はずばり地方交付税の減額と公債費（借金返済）の増大」と診断する。農林業以外、主要産業のない過疎の町に国からの地方交付税は財源の命綱。本年度予算（六月補正後）でも歳入総額六十四億四千四百万円のうち三十三億三千六百万円（約５２％）を占める。
○ その交付税が五年前に比べ一億二千八百万円（約４％）減った。半面、公債費は道路整備や小学校の改築など過去の公共事業費の返済で九千四百万円余り（約６％）増加し、本年度予算の約２５％に達する。合わせて二億二千万円の負担増となる勘定だ。
○ 「住民と痛みを分かち合い、協働でまちづくりをせざるを得ない。そのためには情報の共有が不可欠と判断した」と松田総括監。
○ 「赤字再建団体転落防止と十億円の基金確保」などが基本目標。その上で〇九年度までに事務職の１２・４％減員、本年度の職員給与カット３―１０％…。行政のスリム化とともに「団体運営補助の原則廃止」など住民負担も求めている。
○ これまで町はチラシの配布のほか二月の住民説明会、五月から六月にかけ町内六地区で開いた町政座談会で、厳しい行革への理解を求めてきた。
無為無策と批判
○ 隣町との合併が不調に終わった人口四千二百人余りの鳥取県日野町は本年度、中国地方の自治体で唯一赤字予算を組んだ。総額三十億五千万円のうち財源不足額二億五千二百万円を歳入に明記した。
○ 「赤字を表に出さない方法もあったが、町の財政危機は町民ももう知ってます。それに行革への動機付けにしたかった」と吉留功助役。いきさつがある。
○ 昨年九月、前町長が町議会で「〇七年度には財政再建団体になるしかない」と破たん宣言。片山善博知事の「無為無策の計画倒産」との批判を受けて撤回し、行財政改革をテーマに七回にわたり住民説明会を開いた。
○ その中で町財政の状況や将来推計を洗いざらい明らかにした。職員数や人件費の削減のほか下水道使用料や固定資産税の引き上げなど住民負担への理解も求めた。
○ 「各種補助金の返上など住民自立の動きが出てきている」と景山享弘町長。「ただ、国が地方交付税をどうするのか中長期的な方針を出さないと、すべてが水の泡になりかねない」と語気を強めた。
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北海道夕張市の財政破綻で、地方自治体の財政状況の悪化が注目されています。
財政運営のまずさから破綻に追い込まれつつある自治体もありますが、収入のほとんどを交付税に頼らざるを得ない市町村にとっては、健全な運営をしていても、交付税の額如何で厳しい財政運営にならざるを得ません。
その時に、批判を恐れて財政状況の悪化を隠すのか、それともオープンにして住民とともに乗り切るのか、その選択が破綻に追い込まれないための岐路だと思います。
財政状況も含め、危機を隠すことなく顕在化させることが、より大きな危機を招かないための大切な姿勢だと思います。
