2007年3月からスタートしたCTP(コーチ・トレーニング・プログラム)。
週2コマの電話会議式のクラスに加え、早速クライアントをとってコーチングを始めることを求められます。
また、自分自身もコーチをつけて、実際にコーチングを体験します。
私がお願いしたコーチはYコーチ。
民間企業に勤める60歳を過ぎた男性のコーチで、とても明るい語り口にひかれてお願いしました。
CTPはとても刺激的で楽しく、どんどんのめりこんでいきました。
クラスでは、常に自分自身のビジョンや目標を尋ねられ、そのための行動を求められます。
クラスの中でお互いにコーチ役・クライアント役をしながらミニコーチングを繰り返すので、自分のありたい姿、本当にやりたいことに意識が向いている状態が続きます。
コーチングのスキルを学ぶだけでなく、コーチングをするコーチ自体の在り方も問われるため、クライアントのモデルとしてどんな行動、生き方をすべきかを考えます。
そういった中で、いつのまにか研修講師のスキルを学ぶというだけでなく、自分は市役所で人材育成の仕事がしたいという思いが強くなっていきます。
クラスで自分のビジョンを聞かれた時、マイ・コーチからコーチングを受ける中でのゴールのいずれも、「市役所職員の人材育成」をゴールとし、そのために学びを加速させていきました。
そんな勉強の日々のさなか、選挙により市長が変わります。
私の上の上の上司は悪名高い(笑)方で、行動力はありながらブルドーザーのように押し進めるやり方から敵も多く、市長交代により異動は必至といわれてました。
人事系なので、上司もおそらく異動だろうと言っていましたが、問題は自分のとこまで降りてくるかどうか。
それまで行革だ人事評価だと、結構やりたいようにやらせていただいてたので、影響がある可能性も50%はあるかなと心構えはしてました。
結果、その年の8月、部長、部次長、課長、係長とまとめて異動。
見事に私も異動となりました。
人事異動は宮仕えの定めなので、いたしかたないところであります。
しかし、それまで「自分の目標は市職員の人材育成だ!」とがんばってきた中で、唐突に目標が消えてしまったのも事実です。
異動内示の日がマイ・コーチとのコーチングの日でしたが、気持ちが落ち着いていなかったので、メールをし日程を延期してもらいました。
その時、コーチからいただいたメールには、
「かざ車 風が吹くまで 一休み」
という川柳が添えられていました。
ほんとにいいコーチだなあと感謝しました。
その後のコーチングでは、異動後のポジションである児童福祉の仕事の中で活かせるものという観点で、目標の再設定を行いました。
マイ・コーチとのコーチングの期間は3か月。
コーチングが終了し、お礼のメールをYコーチに出しました。
すると、Yコーチからメールをいただき、
その中で、
「まるさんは、たとえ環境が変わったとしても、必ず当初の目標を達成できる方だと確信しています。」
と書いてありました。
これには泣きました。
目標を再設定し、それなりにやりがいのあるゴールに向けて行動していましたが、やはり自分がしたいのは人材育成。
心の中では、その「本当にやりたいこと」が忘れられなかったんだと思います。
そこをきちんと理解し、「あなたならできるよ」と言ってくれたコーチ。
コーチはクライアントの100%味方であるということを言いますが、自分のことをとことん信じて、必ずやれるよと言ってもらえる人がいるというのは、本当にありがたく嬉しことです。
ああ、コーチってこんな存在なんだということをしみじみと教えてもらえた気がします。
コーチとしての在り方を学んだ師です。
それから、人事担当課に提案して職員研修をやらせてもらいました。
今年は、職場提案制度を使って社内コーチの提案もし、新任係長研修と1to1コーチングも導入してもらっています。
職場は変わっても、職員の人材育成という自分の本当にやりたいことに挑戦できているのは、あの時のコーチの一言と、コーチングを学び続けてきたからだと思っています。
自分自身を知り、本当に自分のしたいことを見つけ、そこに向かって行動できるエネルギーを手に入れる。
コーチングを学び続けて本当に良かったと思います。
そういった経験や思いをもっと伝えていきたいと思い、新たに「行政職員100人コーチング」を始めます。
どんな方と、どんな語り合いができるのか、楽しみです。