Trapped in me.

韓国漫画「Cheese in the trap」の解釈ブログです。
*ネタバレ含みます&二次使用と転載禁止*

恋愛と友情(1)

2014-09-02 01:00:00 | 雪3年3部(彼を待つ~窮地と逆上)
雪は一人、家路をトボトボと辿っていた。

寝不足と精神的疲労で、ゲッソリとやつれた顔をして。



雪は俯いて歩きながら、もう一日が終わろうとしている今を嘆く。

ほらね‥。大学来なかったじゃん‥。連絡も無いじゃん‥。



携帯には相変わらず電話もメールも来ていない。

雪はイライラした気持ちをぶつけるように、道端に転がっている空き缶を蹴っ飛ばした。

一日中集中出来なかった‥先輩のことだけ悶々と考えて‥。

頭の中がメチャクチャだよ!何考えてるか教えることすら出来ないってか?!あぁ本当にご立派だこと!




今日は大学に来ると言っていた彼は結局現れず、連絡も未だに無い。

雪は沈黙した携帯を何度も見て、廊下に彼の姿を探して、授業もろくに頭に入らなかった‥。



雪はウサを晴らすように、よく拗ねる彼についての文句を言いながら歩く。

「もう!!スネ夫!スネスネスネ夫!!」



その後携帯が震え、雪はすぐにポケットからそれを取り出して見るも、それはくだらない出会い系メールだった。

こうして雪は一日中彼からの連絡を待ちわびて、振り回されている‥。



少しのことで気持ちが上がって、下がって、背を向けた彼の心情を想像して、分からなくて、また落ち込んで‥。

雪は深く溜息を吐く。

恋愛って本当に疲れる‥。



以前萌菜から、「そんなに神経質でどうやって恋愛をするっていうの?」と言われたことがある。

沈黙する彼の前で自分は、ずっと彼のことを考えて気を揉める‥。



ふと雪が顔を上げると、店の近くに亮が立っているのが見えた。

誰かをじっと待っている。

 

亮は雪に気がつくと、彼女の方へすぐさま駆け寄って来た。

「ダメージお前、昨日店にも顔出さず何してんだよテメー!」「あ‥それは‥」



雪は口ごもりながら、昨日のことを思い出す。

そうだよね‥昨日は河村氏の目の前であんなことに‥謝るの忘れてた‥。



血相を変えてこちらに向かってくる亮を見て、雪は自分が亮の前で淳と揉めたことと、店までサボってしまったことに、

腹を立てているんだと思った。雪は俯きながら、モゴモゴと小さな声で弁解する。

「昨日は‥遅くまでゴチャゴチャ考えてて‥すいませ‥」

「おい、お前らあの後出てって喧嘩したんだろ?どうなったんだ?!」



雪はその亮の言葉が予想外で、思わず顔を上げた。彼は腹を立てているのではなく、雪のことを心配していたのだ。

「くそっ‥なんか申し訳なくてよ。オレのせいだろ?現場見なくても、何があったかくらい分かるっつーの。アイツ心が狭ぇからよ‥。

おまえらの喧嘩の真っ最中に、無駄にオレがメールとか電話したらもっと揉めるかと思って、しなかったんだよ」




亮は雪のことを心配するばかりか、二人がもっと揉めないよう気を使っていたのだった。

その細やかな気配りを知って、思わず雪は少し赤面する。



そのまま黙っている雪に、亮は幾分意地悪い表情を浮かべてこう質問した。

「どーしたよ?オレと遊んでるとでも思われたか?」



亮のその一言に、雪はなんと返して良いか迷って口ごもった。

しかし亮は両腕を大きく開きながら、首を横に振るジェスチャーでそれを否定する。

「んだよ!オレらが浮気でもしたか?変な関係でもねーじゃんか。

やましいことなんて何もねぇだろ?」




亮は雪の気持ちを軽くしようと、更に話を続けた。

「アイツなんて高校の時彼女がいても、女の子とホイホイ遊んでたんだからよ。静香とだって‥」



そこまで言いかけて、亮は慌てて口を噤んだ。

淳のプレイボーイ伝説に、雪が白目で沈黙している‥。

 

亮はゴメンと謝りつつ、自分の口をグーで殴った。余計なことを言ってしまったと、彼は反省しながら雪に向き合う。

雪は息を吐きながら、亮に向けて口を開いた。

「河村氏は何も悪くないですよ。私のせいですから‥」



自分の責任だと口にする雪を見て、亮は昔自分が彼女に対してとっていた態度を思い出した。

”オレが持ってやるよ”と頼まれてないのにテキストを持ち、自分に気を向けさせようとしたり(勿論淳への復讐が目的だ)

”愛嬌を振りまくれ”とウソのアドバスをしたり、一人では死にたくねぇ‥!と淳に一泡吹かせたくて上京したり‥。



雪から責められても仕方が無い自分の過去‥。

亮は急に彼女に対して申し訳なくなり、取り繕うように明るい態度で彼女に話し掛けた。

「おいダメージ!そんなに凹むなって!

お前の彼氏もお前の人間関係をコントロール出来るわけじゃねーじゃん?お前の人生なんだからよ!」




亮はそう言ってくれるが、雪は自分からそれに頷くのに躊躇いを感じた。そんな雪に、亮は言葉を続ける。

「それじゃお前と会わねーために店辞めるか?大学にピアノも弾きに行くなって?んなの嫌だぜー」



そして亮はこう口に出した。雪と亮をくくる、絶対的なその関係を。

「オレら、ダチだもんな?」



それは奇しくも、亮から雪への二度目の問いかけだった。

「じゃあオレは?お前の友達?」



夏休み後半の塾での一コマ。

あの時雪は急に言い出した亮のその一言に、目を剥いて聞き返した。

「えっ?!」



そして今回も雪は目を剥いて固まった。

しかし前回の時とは少し異なる感情が、胸の中を揺蕩っている‥。





・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

<恋愛と友情(1)>でした。

亮‥いい奴‥(T T)

心から雪のことを心配してくれている‥。手に入れたいわけじゃなく、彼女の幸せを願って‥。

そんな亮が自分から言い出した「オレらダチだもんな?」‥。

次回はその台詞から始まります。

<恋愛と友情(2)>です。


人気ブログランキングに参加しました
人気ブログランキングへ

引き続きキャラ人気投票も行っています~!