「本当に何とも思ってなかったんですか?」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1f/c0/b8f25f6bb99877a444ab59786d9f792b.jpg)
雪が発したその言葉は、亮の心を突き刺した。
亮は瞬きも忘れたように、雪のことを凝視し続けている。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/44/7c/ce888938c5cb1607ccb75a27bb19d77b.jpg)
そしてその視線を外さぬまま、亮は雪の方へと一歩踏み出した。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/32/96/189b1a766dc60b1c3bdf1809149fc01b.jpg)
思わずビクッと反応する雪。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/55/df/04036c7979342559e0e12320c5dfecf2.jpg)
亮は何も言わない。
ただ、雪の方へと一歩一歩踏み出してくる。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/29/88/f20d1d10654b40c9ceefac7bfd057b4e.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/05/2d/0f349d287ee807d11eb87705ca0ae0f3.jpg)
雪は幾分動揺しながらその場に突っ立っていた。
自分の方に向かって来た亮が、たった数歩残して立ち止まる。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/59/e9/fc2ee0507b281af828597512754d873c.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/18/70/fd2709e63997850fa036de12a4894d18.jpg)
亮は険しい表情のまま、ただじっと雪のことを見ていた。
雪は何も言うことが出来ないまま、ただ亮のことを見つめている。
「‥‥‥‥」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/69/f1/2f472105fd996024911af766c636687d.jpg)
すると亮が、一言発した。
「オレの感情‥」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/68/65/5a33c5027e07645579f74861f5cf9787.jpg)
先ほど雪から問われたその言葉が、亮の脳内を駆け巡る。
「河村氏は私たちに対して、何の感情も無かったんですか?」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2d/8c/e3157174c9e590a46c19c0049e4bda06.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7e/72/9a975aff1373d3f4dda0c75026320b1a.jpg)
依然として押し黙っている亮を前にして、雪は彼から目を逸らした。
何も言うべき言葉が見当たらない。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0a/3f/290d5734b8d298df1cedfc34ecf784ba.jpg)
亮は先程の険しい表情とは打って変わって、ただ静かに雪のことを見ていた。
やはり何も口にはしない。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/76/86/ae08ee408660e76ec31586caacf9ed90.jpg)
二人の間に、しんとした沈黙が落ちる。
雪はもう一度顔を上げ、言葉にならない声を漏らした。
「あ‥」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3d/80/2b56f2ec22b4d3900df9df5e3e069d71.jpg)
亮はスローモーションを見ているかのように、
彼女の形の良い唇が、僅かに開くのを見つめていた。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2a/0c/0146a0a60bf196906ab36faf5e658264.jpg)
そして再び俯いた彼女の耳元で、柔らかな髪が揺れるのも。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/04/65/763a83694c20578df39ce768c0a55886.jpg)
蓋をして押し込めた”感情”が、徐々にその顔を覗かせる。
亮はいつかの亡霊に取り憑かれた時のように、ぼんやりと雪のことを見つめている。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6f/c1/4330f641ea9bb29af89978cdd7cd453c.jpg)
「河村氏‥」と自分を呼ぶ声が微かに聞こえた。
亮はその声に誘われたかのように、そっと彼女に手を伸ばす。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2b/83/4c78a4cd5eda5f5fa19ba6204d71cf4b.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3a/8a/c3c75ca9e97cb40ba4a3dc592f7b38c0.jpg)
ゆっくりと、雪の方へと伸びて行く右手。
雪は目を見開いたまま、彼の一挙一動をただ見つめている。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/66/5d/d65543734f31772f2a3147626196c464.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/59/6e/e638805a7cc8de469dafc927c52809e3.jpg)
ゆっくりと伸ばされたその手は、やがて雪の耳元へと近付いて行った。
その手が微かに触れるか触れないかといった時、雪がビクッと身を竦める。
「あ‥」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/07/43/1424499831588f7c92c18b2503127c00.jpg)
すると、亮の手が再び彼女から離れた。
少し下方へと手が下る。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3c/ef/587a4d57b139311fced945711d29b6aa.jpg)
そして亮の手は、その柔らかな頬に触れる代わりに、
雪の腕を強く掴んだのだった。
ぐっ‥
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/40/ed/c4168974212859f089ce21e6b5a21956.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/31/81/acfc95600802f6eeaebdb417e121b4d1.jpg)
突然強い力で腕を掴まれた雪は、驚きのあまり目を見開き、亮の顔を見上げた。
彼は何の感情も読み取れないような表情をしている。
「?」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/22/f8/60a93b6acb12bcfde504052039a396b2.jpg)
その行動の真意が掴めず、困惑する雪。
亮は右手に力を込めながら、元同僚の男が言った言葉を思い出していた。
「結局は捕まって、ズルズル付きまとわれるだけだと思う‥絶対‥」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/07/4e/e11d851c9ef9438121857c151f00d2a5.jpg)
覗いた感情が、再び奥の方へと逃げていく。
亮は抑揚のない声で、ポツリとこう呟いた。
「感情なんて凍っちまったよ」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0c/82/5ec0254894a83669cc290e2c90e159b3.jpg)
ガッ!
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/43/14/7ca22e66c6fa0c461e48d619f5d88fc6.jpg)
雪がその言葉を聞き返すより早く、亮はより一層強く雪の腕を掴み、彼女の方へと身を乗り出した。
「誰が何と言っても出て行くから、今後オレに連絡すんじゃねぇ。待ってても無駄だ」
「か、河村氏?!」
「どうせ淳の傍に居る女がどんなもんか見に来ただけなんだ」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0b/30/bcad96e710f3b4c412fe333816b5b5a5.jpg)
「もう用無しなんだよ。オレが無意味にお前の周りをウロチョロしてるとでも思ったか?」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/60/ff/49e36c4024167cd841c67654c3ec177c.jpg)
口元に嘲笑いを浮かべながら、彼は”淳の女”に向かって意地悪く言葉を続ける。
「淳の女の好みがどんなもんか、結局この程度だってのが分かったからもういいんだよ。
今は自分の人生の方が大切だからな。あの野郎の近辺をうろつくのも時間のムダだって気づいたし」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5d/01/3aa260566d96aef4f8e180c253692e59.jpg)
「つーかこれ以上お前に何の用もねぇんだよ」
「何ですって?!」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5c/d2/ab697a126925198617ddeaceeb2e2afa.jpg)
その失礼な物言いに、雪は青筋を立てて言い返した。
しかし掴まれた腕はびくともしない。
「お前さぁ、どうしてこんなひつこくつきまとって来んだよ。
オレになんか未練でもあんのか?」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/01/71/5f8ef4f6523bd3b9e855944453101728.jpg)
蓋をした感情を押さえつけるかのように、亮はより一層強くその腕を握る。
「もう止めろよ。そろそろムカついて来てんだよ」
「うっ‥」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/08/6c/e62f23b5f6f930a9eac5a5c72f88a7c3.jpg)
腕に痛みを感じた雪は、思わず声を上げた。
「ちょっと待って!ちょい待ちちょい待ち!」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5f/48/5fccb8f536ad7bebda6529f88e3ebefc.jpg)
しかし雪のその声のトーンは、どこか緊迫感の無いものだった。
思わず眉を寄せる亮。
「んだよ」「河村氏、」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0d/f1/430d246af35a09aed66f2c58ba7ea631.jpg)
そして雪は亮を見上げて、彼の虚偽を見抜いたのだった。
「今わざとイチャモンつけてるでしょ?」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/37/60/b61c3e401943b9c7077382ffe58e155f.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1c/77/3bcc57281d41de7f9b129a365b0bbbaa.jpg)
思わず目が点になった。
この女は、どうしてこんなに鋭いんだろうーー‥。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
<彼との対話(3)ー虚偽ー>でした。
亮さん‥!バレバレ‥!!![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/face2_shock_s.gif)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/face2_shock_s.gif)
最後の目がテンの亮さんが微笑ましいですね。
さて次回、彼との対話は最後です。
<彼との対話(4)ー決別ー>です。
☆ご注意☆
コメント欄は、><←これを使った顔文字は化けてしまうor文章が途中で切れてしまうので、
極力使われないようお願いします!
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雪が発したその言葉は、亮の心を突き刺した。
亮は瞬きも忘れたように、雪のことを凝視し続けている。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/44/7c/ce888938c5cb1607ccb75a27bb19d77b.jpg)
そしてその視線を外さぬまま、亮は雪の方へと一歩踏み出した。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/32/96/189b1a766dc60b1c3bdf1809149fc01b.jpg)
思わずビクッと反応する雪。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/55/df/04036c7979342559e0e12320c5dfecf2.jpg)
亮は何も言わない。
ただ、雪の方へと一歩一歩踏み出してくる。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/29/88/f20d1d10654b40c9ceefac7bfd057b4e.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/05/2d/0f349d287ee807d11eb87705ca0ae0f3.jpg)
雪は幾分動揺しながらその場に突っ立っていた。
自分の方に向かって来た亮が、たった数歩残して立ち止まる。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/59/e9/fc2ee0507b281af828597512754d873c.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/18/70/fd2709e63997850fa036de12a4894d18.jpg)
亮は険しい表情のまま、ただじっと雪のことを見ていた。
雪は何も言うことが出来ないまま、ただ亮のことを見つめている。
「‥‥‥‥」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/69/f1/2f472105fd996024911af766c636687d.jpg)
すると亮が、一言発した。
「オレの感情‥」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/68/65/5a33c5027e07645579f74861f5cf9787.jpg)
先ほど雪から問われたその言葉が、亮の脳内を駆け巡る。
「河村氏は私たちに対して、何の感情も無かったんですか?」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2d/8c/e3157174c9e590a46c19c0049e4bda06.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7e/72/9a975aff1373d3f4dda0c75026320b1a.jpg)
依然として押し黙っている亮を前にして、雪は彼から目を逸らした。
何も言うべき言葉が見当たらない。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0a/3f/290d5734b8d298df1cedfc34ecf784ba.jpg)
亮は先程の険しい表情とは打って変わって、ただ静かに雪のことを見ていた。
やはり何も口にはしない。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/76/86/ae08ee408660e76ec31586caacf9ed90.jpg)
二人の間に、しんとした沈黙が落ちる。
雪はもう一度顔を上げ、言葉にならない声を漏らした。
「あ‥」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3d/80/2b56f2ec22b4d3900df9df5e3e069d71.jpg)
亮はスローモーションを見ているかのように、
彼女の形の良い唇が、僅かに開くのを見つめていた。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2a/0c/0146a0a60bf196906ab36faf5e658264.jpg)
そして再び俯いた彼女の耳元で、柔らかな髪が揺れるのも。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/04/65/763a83694c20578df39ce768c0a55886.jpg)
蓋をして押し込めた”感情”が、徐々にその顔を覗かせる。
亮はいつかの亡霊に取り憑かれた時のように、ぼんやりと雪のことを見つめている。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6f/c1/4330f641ea9bb29af89978cdd7cd453c.jpg)
「河村氏‥」と自分を呼ぶ声が微かに聞こえた。
亮はその声に誘われたかのように、そっと彼女に手を伸ばす。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2b/83/4c78a4cd5eda5f5fa19ba6204d71cf4b.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3a/8a/c3c75ca9e97cb40ba4a3dc592f7b38c0.jpg)
ゆっくりと、雪の方へと伸びて行く右手。
雪は目を見開いたまま、彼の一挙一動をただ見つめている。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/66/5d/d65543734f31772f2a3147626196c464.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/59/6e/e638805a7cc8de469dafc927c52809e3.jpg)
ゆっくりと伸ばされたその手は、やがて雪の耳元へと近付いて行った。
その手が微かに触れるか触れないかといった時、雪がビクッと身を竦める。
「あ‥」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/07/43/1424499831588f7c92c18b2503127c00.jpg)
すると、亮の手が再び彼女から離れた。
少し下方へと手が下る。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3c/ef/587a4d57b139311fced945711d29b6aa.jpg)
そして亮の手は、その柔らかな頬に触れる代わりに、
雪の腕を強く掴んだのだった。
ぐっ‥
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/40/ed/c4168974212859f089ce21e6b5a21956.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/31/81/acfc95600802f6eeaebdb417e121b4d1.jpg)
突然強い力で腕を掴まれた雪は、驚きのあまり目を見開き、亮の顔を見上げた。
彼は何の感情も読み取れないような表情をしている。
「?」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/22/f8/60a93b6acb12bcfde504052039a396b2.jpg)
その行動の真意が掴めず、困惑する雪。
亮は右手に力を込めながら、元同僚の男が言った言葉を思い出していた。
「結局は捕まって、ズルズル付きまとわれるだけだと思う‥絶対‥」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/07/4e/e11d851c9ef9438121857c151f00d2a5.jpg)
覗いた感情が、再び奥の方へと逃げていく。
亮は抑揚のない声で、ポツリとこう呟いた。
「感情なんて凍っちまったよ」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0c/82/5ec0254894a83669cc290e2c90e159b3.jpg)
ガッ!
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/43/14/7ca22e66c6fa0c461e48d619f5d88fc6.jpg)
雪がその言葉を聞き返すより早く、亮はより一層強く雪の腕を掴み、彼女の方へと身を乗り出した。
「誰が何と言っても出て行くから、今後オレに連絡すんじゃねぇ。待ってても無駄だ」
「か、河村氏?!」
「どうせ淳の傍に居る女がどんなもんか見に来ただけなんだ」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0b/30/bcad96e710f3b4c412fe333816b5b5a5.jpg)
「もう用無しなんだよ。オレが無意味にお前の周りをウロチョロしてるとでも思ったか?」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/60/ff/49e36c4024167cd841c67654c3ec177c.jpg)
口元に嘲笑いを浮かべながら、彼は”淳の女”に向かって意地悪く言葉を続ける。
「淳の女の好みがどんなもんか、結局この程度だってのが分かったからもういいんだよ。
今は自分の人生の方が大切だからな。あの野郎の近辺をうろつくのも時間のムダだって気づいたし」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5d/01/3aa260566d96aef4f8e180c253692e59.jpg)
「つーかこれ以上お前に何の用もねぇんだよ」
「何ですって?!」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5c/d2/ab697a126925198617ddeaceeb2e2afa.jpg)
その失礼な物言いに、雪は青筋を立てて言い返した。
しかし掴まれた腕はびくともしない。
「お前さぁ、どうしてこんなひつこくつきまとって来んだよ。
オレになんか未練でもあんのか?」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/01/71/5f8ef4f6523bd3b9e855944453101728.jpg)
蓋をした感情を押さえつけるかのように、亮はより一層強くその腕を握る。
「もう止めろよ。そろそろムカついて来てんだよ」
「うっ‥」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/08/6c/e62f23b5f6f930a9eac5a5c72f88a7c3.jpg)
腕に痛みを感じた雪は、思わず声を上げた。
「ちょっと待って!ちょい待ちちょい待ち!」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5f/48/5fccb8f536ad7bebda6529f88e3ebefc.jpg)
しかし雪のその声のトーンは、どこか緊迫感の無いものだった。
思わず眉を寄せる亮。
「んだよ」「河村氏、」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0d/f1/430d246af35a09aed66f2c58ba7ea631.jpg)
そして雪は亮を見上げて、彼の虚偽を見抜いたのだった。
「今わざとイチャモンつけてるでしょ?」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/37/60/b61c3e401943b9c7077382ffe58e155f.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1c/77/3bcc57281d41de7f9b129a365b0bbbaa.jpg)
思わず目が点になった。
この女は、どうしてこんなに鋭いんだろうーー‥。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
<彼との対話(3)ー虚偽ー>でした。
亮さん‥!バレバレ‥!!
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最後の目がテンの亮さんが微笑ましいですね。
さて次回、彼との対話は最後です。
<彼との対話(4)ー決別ー>です。
☆ご注意☆
コメント欄は、><←これを使った顔文字は化けてしまうor文章が途中で切れてしまうので、
極力使われないようお願いします!
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