Trapped in me.

韓国漫画「Cheese in the trap」の解釈ブログです。
*ネタバレ含みます&二次使用と転載禁止*

<雪>If(5)ー回帰ー

2017-04-25 01:00:00 | 雪3年4部(見えない傷〜<If>(5)まで)


雪はその場にへたりこんだまま、先程青田淳から言われた言葉を反芻していた。

「俺って本当に怖いってだけ?」



これまで嫌という程苦しめられて来た彼に言われたその一言。

雪は彼が今までしてきた所業を思い出し、感情のままに怒鳴り出した。

「何なのあの人?!」



「毎日毎日挨拶はシカトするわ、」



「人のこと無視するわ!」



吐き捨てるように”汚らわしい”と言ったあの横顔が、今も忘れられなかった。

思い浮かぶのは皆の前で自身の意見を潰された、文化祭の出し物を話し合った時のこと。

あの”上から目線”が、何よりも雪の神経を逆撫でする。

「自分は別世界の人間だとでも思ってんでしょ?!」



「ずっと一発食らわしてやりたいのをギリギリで我慢して来たっつーの!!」



「寝ても覚めても頭から離れな‥」



すると目を閉じて拳を握る雪の隣に、またしてもひょっこり彼が現れた。

「だよね?」



「君は最初から俺を意識してた。見てたでしょ?その通りじゃないか」



それはいつか路地裏で聞いた、酔っ払った彼の本音。

「そう。俺のこと見てたんだ」



その言葉が、雪の心の深層を探り出す。



思い出すのは、彼と初めて会った時のことだった。

「先輩、おつかれさまでーす!」



休学明けの開講パーティー。

彼が現れたと同時に、場の空気がガラリと変わった。

「淳が来たぞ!」「先輩、待ってましたよー!」「よぉ!青田!」



確か直美さんがこう言って来たはずだ。

「雪ちゃんは知らないっけ?」



「雪ちゃんが入学する前休学してた先輩だよ。青田先輩」



端正な横顔に目が奪われると同時に、皆に囲まれる彼の姿ばかりが印象に残る。

その姿は知り合いが数えるほどしかいない雪とはあまりにも違った。

「かっこいいでしょ?性格もすごく良いんだよ?」



「はい」



苛立ちの混じった嫉妬心が、感じた第一印象を覆ってしまった。

本当は、ずっと彼から目を離すことが出来なかったのにー‥。








心の深層を漂う記憶の旅の中で、この時のことも思い出した。

白い壁に囲まれた病院の待合室で、無防備に眠る彼のことを。



周りで起こる様々な出来事と人間関係。

その間で曖昧に揺れる自身をひしひしと感じた後、雪は眠る彼の前に立った。



夢の中で黒い服を着た彼から、”ずっとこの距離を保ちたいのか”と聞かれて、何も答えられなかった。

けれどもう自ずと答えは出ていたようだ。



彼に対して傲慢と堅苦しさしか感じてなかった過去が、

いつの間にか優しさと親しみで塗り替えられていた。

深層に眠るその気持ちが道標となり、抱えて来た曖昧さを溶かして、彼女を導いて行くー‥。








持ち得ないはずのその記憶が、甘い感情と結びついて次々と浮かび上がった。

誰にも頼れないと途方に暮れていた時、力強く手を引いてくれたこと。

「行こう。甘いもの好き?」



「笑顔でいてね」



唱えられた魔法の言葉が、重たい足枷を外してくれたこと。

自由奔放な弟と真面目で融通の利かない自身を比べて凹んでいた時、そんな自分を認めてくれたこと。

「そんなに自分を卑下する必要なんてないよ。雪ちゃんは十分良くやってる」



そして芽生えた、恋心。

彼に触れられる度、二人の距離が縮まって行く。

「ありがとう」







路地裏でのキスが、雪の記憶に甘く残る。

けれどこの胸に感じる苦さも、確かに雪が経験したことだ。

「先輩がやったんだ」「全部青田淳のせいで!」



思い出す悪感情と共に、「雪ちゃん」と自分を呼ぶ彼の声が聞こえる。

「嫌なら断ってくれて良いから」「本当は青田って‥」「青田先輩が‥」



他人の声と自分の声、そして彼の声が同時に響いて消えて行く。

嘘と真実、外聞と内聞、虚飾の笑みと素の微笑みと‥。

そして最後に、この言葉だけが残った。

「一緒にメシでも食いに行こうよ」



雪の目を真っ直ぐに見つめながら、彼は問う。

その選択を雪に委ねながら。

「ね?」



そして雪は知り得ぬ未来を見据えながら、選択の岐路に立たされた。

決断と共に決まる正否。

苦い記憶と甘い記憶が、混在しながら雪を導くー‥。








はっ



雪はビクッと身を震わせた。

気がつけば、空は焼けるような夕焼けに染まっている。



「‥‥‥‥」



雪は目を見開きながら、一人ぼんやり地元を歩いていた。

知らぬ間にもうこんな所まで帰って来ていたらしい。

「‥‥‥‥??」



「‥?」



まるで雲の上を歩いているかのように、ふわふわして落ち着かない。

雪は頭を掻きながら、この不思議な状況にただただ戸惑ってしまう。

「えーっと‥ここはどこ?私は誰?



今日は本当に‥



おかしな‥



すると雪の視線の先に、「手相 占い」と書かれたテントが目に入った。

中には中年の女性占い師が一人座っている。







占い師の斜め上辺りに「五百円」と書かれた紙が貼ってあった。

雪はなぜだか占い師から目を離せない。



占い師もまた、雪のことをじっと凝視していた。

すると「四百円でどう?」と言ってくる。



「いえ、結構です‥あの人もどっかで見たような‥「チッ」「チッ?」



占い師は舌打ちをした後、雪に向かってこんなことを言い始めた。

「良いね!正解だよ!

良い若者がこんなことをする必要なんて無いんだよ。何だって経験してみたら良いのさ」




「まぁどうやら」



「学生さん、アンタ既にその準備は出来てるみたいだけど」







その占い師の一言が、時計の針を巻き戻す。

ブゥン





そしてこの仮想世界は終わりを告げた。

物語は現実へと時間軸を回帰し、雪の選択のその先を描くー‥。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

<雪>If(5)ー回帰ー でした。

これにて「If」編終わりです。

これまで雪が淳に対して感じて来た気持ちを今一度振り返った回でしたね。

劣等感とか悪感情抜きにしたら、実は気になってしかたなかったんだと雪自身が悟った回といった感じ。


そして最後に占い師のおばさん出て来ましたね!実に7年ぶりの登場‥

全てを受け入れ経験に変える準備が出来ている、というその言葉が今の雪ちゃんを表しているんでしょうなぁ。

成長したんだなぁ‥雪ちゃん‥しみじみ。。

さて次回からは再び現在へと戻ります。

次回<最終章(1)ー送春ー>です。あぁ‥いよいよ最終章です‥

☆ご注意☆ 
コメント欄は、><←これを使った顔文字は文章が途中で切れ、
半角記号、ハングルなどは化けてしまうので、極力使われないようお願いします!

人気ブログランキングに参加しました
人気ブログランキングへ

引き続きキャラ人気投票も行っています〜!

<雪>If(4)ー終わりと始まりー

2017-04-23 01:00:00 | 雪3年4部(見えない傷〜<If>(5)まで)
終わった‥



雪はがっくりと項垂れていた。それもそのはず。

先程皆のアイドル青田先輩に、公衆の面前でとんでもないことを言ってのけたのである。

「ていうか常識ってもんがあるならさぁ、自分の行動を省みてからそれ尋ねましょうよ!

火を見るより明らかってくらいマ・ジ・で怖いから!

もうお互い気にするの止めて、別々の道を行きましょう!」




終わった‥私の大学生活はもう完全にオワタ‥



完全orz状態の雪のことを皆が振り返りつつ通り過ぎて行く中で、「どうした?」と誰かが声を掛けて来た。

雪は血のマスカラの涙を流しながら、それに力無く答える。

「なんでそんなにないてんだよ、ダメージ」

「だって‥これから私うちの学科公認の要注意人物に‥皆の青田先輩に対して‥



しかし彼は雪に声を掛けているわけではなかった。

スーツ姿のその男は、子犬を撫でながら嬉しそうに笑っている。

「笑え、笑うんだよ。コイツ毛がモフモフしてやがる。可愛い奴め〜」



犬の飼い主が「なに人の犬勝手に撫でてんのよ」と半ばキレているが、その男は犬と戯れ遊んでいた。

繰り返される”ダメージ”に、雪は怒りのあまりプルプルと震える。

「ははは!ダメージ!」



「じゃあな!ダメージヘア〜!」



去り際、犬の飼い主が振り返って雪に言う。

「何見てんのよ?」



雪をドキリとさせたその女は明らかに静香なのだが、彼女はこの世界では少し違う立ち位置のようだ。

去って行く犬に向かって、男は手を振り声を掛ける。

「達者でな〜!幸せに暮すんだぞ!」



「分かったな?」



タキシードを着てボウタイを締めた河村亮が、そこに立っていた。

現実世界では見ることが叶わなかったその姿を目にして、雪の記憶の芯が震える。







亮は雪の方を見て微笑むと、そのまま何も言わずに去って行った。



そして目の前から、さらりと消える。








まるでどこかに穴が開いてしまったかのような寂しさが胸を過ぎり、その後に違和感が残った。

その場に一人取り残された雪の髪を、春風がさらって行く。



「‥‥‥‥」



雪は下を向きながら、残った違和感を確かめるように心の中で声を出した。

誰だっけあの人‥あ‥河村氏?

そういえば河村氏、元気にしてるかな‥




私は彼のことを知っている。

「ダメージ!」



ううん、やっぱり知らない。

「お前オレのこと知ってんの?」



頭の中に両極の記憶が混在していた。

それは彼においても言えることだ。

「雪ちゃん!」



「何が危険なの?」



私は彼らを、知っているのか、知らないのか。

数々の場面が脳裏に現れては途切れ、消えたかと思えばまた再生される。



雪はぼんやりとした眼差しで、花弁が舞う春の風に吹かれ続けていた。

何だろ‥今日は‥



変なの。記憶がゴチャゴチャ‥







春の霞が雪をさらう。

無数の花弁が重なるかのように、目の前が白くぼやけて行く。

今日は本当におかしな日だ‥







ゆっくりと、まるでスローモーションのように景色が消えて行く。

すると記憶が途切れる最後の瞬間に、手首に温かな体温を感じた。




目を閉じると、まるで世界が暗転するかのような暗闇が訪れた。

けれど不思議と怖くはない。

何かに包み込まれるような温かさの中で、徐々に意識が覚醒して行くー‥。









パチッと目を開けた時、雪はどこかに横たわっていた。

目の前には大学内の風景が広がっている。



頬は冷たいけれど、手の平は温かだった。

なぜかというと誰かの大きな手の上に、自身の手を重ねていたから‥。







ベンチに横たわる雪の隣に、青田淳が座っていた。

理解不能な状態のまま身体を起こした雪に向かって、彼は口を開く。

「目が覚めた?ちょっと話があるんだけど」



淳は飄々とそう切り出したが、雪にとっては青天の霹靂である。

我に返った雪はベンチから転がり落ちると、白目を剥いて取り乱した。

「ちょっ‥アナタ!冗談じゃなくマジで恐ろしいっつーの!

ていうかどうして私はここに?!ていうかこれ現実?!」




はっ!



そして雪は思い至った。

この人、実は存在していないんじゃないかと‥

「いやいやその前にこの人実在してる?!幽霊なんじゃないの?!」

「俺、今まで君に対して酷いことしてたなと思って」



淳はバリアを繰り出す雪に全く怯まず、素直にこう告げる。

「これからは気をつけるよ」



「えっ?」

「仲良くしよ」



淳はそう言うと、ベンチから下りて雪と同じ目線にしゃがみ込んだ。

「俺本当に、君に良くしてあげたいと思ってるんだ」



「ね?」



淳はそう言ってニッと笑った。

突如語られた彼の胸の内を耳にして、雪は開いた口が塞がらない。

咄嗟とはいえ、ようやく彼とは別々の道を歩むことを決意していたのにー‥。



雪は彼に疑いの眼差しを向けつつ、こう尋ねるのがせいぜいだ。

「あ‥頭イッちゃってます?」

「イッちゃってないね。素直になりたくてさ」



淳は「君も良く考えてみてよ」と前置きしてから、雪にこう問うた。

「俺って本当に怖いってだけ?」











目を丸くする雪を見て、淳は微かにふっと笑う。

へたりこんだままの雪を置いて、淳は去り際にこう言い残した。

「嫌なら断ってくれていいから」



示された選択の余地が、雪の記憶の断片を掠める。



その背中が見えなくなるまで、雪はじっとその場から動けなかった。

彼の口から語られたその言葉が、雪の記憶と感情をゆらゆらと揺らすー‥。





・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

<雪>If(4)ー終わりと始まりー でした。

今回も色々盛り沢山ですね〜。ちょっと気になった所箇条書きにしてみます

なぜか突然亮さんタキシード(&M字)‥。静香も犬飼ってる‥。

犬に向かって「笑え、笑うんだよ」と言っている亮さんに胸アツ。

亮さんが一番大切にしてたのは雪の笑顔でしたもんね‥

倒れた雪の手と淳の手が重なってるのは、手のエピの象徴ですね〜。ていうかまたこのベンチかいな!

淳に対しての「幽霊?!」は度々出てきますよね。神出鬼没淳‥。

「これからは気を付けろよ」が「これからは気を付けるよ」になっているとこがニクイ!

そしていつしか雪の鞄は消えた‥笑

次回、この仮想世界も最後になります。

<雪>If(5)ー回帰ー です。


☆ご注意☆ 
コメント欄は、><←これを使った顔文字は文章が途中で切れ、
半角記号、ハングルなどは化けてしまうので、極力使われないようお願いします!

人気ブログランキングに参加しました
人気ブログランキングへ

引き続きキャラ人気投票も行っています〜!

<雪>If(3)ー別々の道ー

2017-04-21 01:00:00 | 雪3年4部(見えない傷〜<If>(5)まで)
なんだかんだで授業は終わり、一行はゾロゾロと共にキャンパス内を歩いていた。

雪は消えない違和感を抱えつつ、彼らと一緒に歩みを進める。



「あっ!」



すると平井和美が何かに気づき、声を上げた。

和美の視線を辿って、雪もそちらに目を向ける。







鮮やかな新緑を背景にして、彼は一人歩いていた。

青田淳である。



その顔を見た途端、雪の脳裏にあの場面が掠める。

これからは気を付けろよ



蘇る苦い記憶。

ギクッとした雪は、思わずその場から踵を返そうとしたが、

アイツは‥!



それは叶わなかった。

次の瞬間、皆がわっと歓声を上げながら彼に走り寄ったのである。

「青田先輩〜〜!」「青田ぁ!」「淳先輩〜!」



「こんにちはぁ!」



同学科の人々に突然出くわした青田先輩は、最初少し目を丸くしていたが、

「やぁ」



すぐに笑顔を浮かべて挨拶を口にした。

その普段ながらの微笑みを前にして、彼らは彼を囲んでわいわい騒ぎ出す。

「今からこのグループで飲みに行くんすよ!一緒に行きましょーよ!」

「うちらでおごりますから!」「もちろん出してくれてもいいぞ!」



皆がそう言って青田先輩を飲みに駆り出そうとしていた。

お金持ちの彼のことだ、連れて行かれたが最後、奢る羽目になるだろう。

ニコニコと愛想の良い笑みを浮かべる彼等‥。



雪はぐるぐると目を回しながら、胸の中に充満する感情に踊らされて困っていた。

しかしその整理がつく前に、言葉が口を突いて出る。

「ダ‥ダメッ‥!!」



「危険っ‥!アンタ達全員‥!」



雪はそう叫びながら皆の前に飛び出した。







気付いた時には時既に遅し。皆が雪の方を見ながら目を丸くしている。

その中で、青田先輩が雪の言葉に反応した。

「何が危険なの?」



しかし雪は何も返すことは出来ずに、

ただ口元を手で覆って固まっている。



「もしかして‥」



「‥俺のこと?」



ゾワゾワと背中に悪寒が走り始めるのと同時に、雪は走り出していた。

「うわあああああ!!」



誰かが「おい!」と呼び止めるも、雪は止まらずに走り続けた。後悔は止まらない‥。

「ああああ!一体何なの何なの何なの!!何なのぉぉぉぉ!?」



「狂いそうじゃー!!!」



胸を突き動かす正体不明の感情に、雪は戸惑い続けていた。

覚えのないはずの記憶が、彼女に違和感を与え続ける‥。






それでもこの世界の現実は続いていた。

雪は疲れ果てた顔をしながら、微かにこっくりと船を漕ぐ。



すると、その眠気を吹っ飛ばす出来事が起こった。

青田淳が隣に座って来たのである。

「ひっ!」



雪は驚いた拍子に膝を机にぶつけてしまった。

じーん‥



痛みを堪えながら彼に向き直るが、

「せっ‥先‥!」



「輩‥」



その氷のような眼差しを前にしては、今にも消え入りそうな声しか出なかった。

青田先輩は雪のことを凝視しながら、ストレートな問いを口に出す。

「俺が怖い?」







面と向かってそう問われ、雪は顔面蒼白である。

「いえ‥その‥」



不気味な寒気が‥



背筋を伝って‥



ゾワ‥ゾワ‥



NOと言わせない無言の圧力が、雪を平伏させようとしていた。

だんだんと強まる胸の中の違和感は、こう雪に教える。

これからは気を付けろよと言われたあの時から、きっと運命は決まっていたのだとー‥。






ブチッ



しかしこの世界の雪は、その圧力に従わなかった。

迫り上がる恐怖を払拭するかのように、大声を上げて切り返す。

「はいっ!!!」







当然青田先輩は驚いた。周りの学生達も皆雪の方を見ている。

けれど雪は止まらなかった。

「こっわい!アンタまじで怖すぎる!!」



「ていうか常識ってもんがあるならさぁ、自分の行動を省みてからそれ尋ねましょうよ!

火を見るより明らかってくらいマ・ジ・で怖いから!

もうお互い気にするの止めて、別々の道を行きましょう!」




「ねぇ〜〜〜〜?!!」



この世界の雪はそう言い切ると、教室を出て行った。

咄嗟に選択した、彼と生きて行く道とは別々の道。


複雑に絡み合う運命の歯車が、回る手前で踵を返すー‥。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

<<雪>If(3)ー別々の道ー>でした。

パラレルワールドですね〜‥。

今回「危険だよ!」と飛び出して行った雪ちゃんですが、


これは、

皆が飲み会を奢らそうとしている→「淳に向けての危険」(現実世界の雪の見解)



青田淳は本当は恐ろしい男→「皆に向けての危険」(仮想世界の雪の見解)

がごっちゃになって叫んじゃったんじゃないですかね〜。


そして淳が隣に座って膝を打つシーン



以前淳が距離を縮めにかかった辺りにもそういうシーンがありましたね。



(細かいクラブですが、日本語版は雪の悶絶台詞が抜けている‥)


あ、4部35話にもありましたw



ビックリすると飛び上がって膝打っちゃう雪ちゃん‥

次回は<雪>If(4)ー終わりと始まりー です。

☆ご注意☆ 
コメント欄は、><←これを使った顔文字は文章が途中で切れ、
半角記号、ハングルなどは化けてしまうので、極力使われないようお願いします!

人気ブログランキングに参加しました
人気ブログランキングへ

引き続きキャラ人気投票も行っています〜!



<雪>If(2)ー縁と対処とー

2017-04-19 01:00:00 | 雪3年4部(見えない傷〜<If>(5)まで)


「もしも」の話は続いていた。

この世界の雪が、違和感を感じ続けて首を捻っている。

一体何なの?この気持ち‥



様々な状況がごちゃまぜになった状態で、何かを忘れているような気がしてならない。

悶々としながら歩いていると、不意に男性とぶつかった。

「うおっ!」



「あ〜何だよ‥ったく!」「ひぇっ‥す‥すみませ‥」



ぶつかった拍子に男が抱えていた大きな水のタンクが落下し、ゴロゴロと転げた。

男は雪に向かって怒鳴り出す。

「おいお前!」



「お前大学生なんだろ?!若ぇのにもう老眼か?!どこ見て歩いてやがる!あぁん?!」



「す、すみません。ちょっと考え事してて‥」

「何を考える事があんだよ学生がよ。これからは気を付けろよな。じゃなきゃ転ぶぞ」



男にそう言われ、雪は小さく返事をして背を向けた。



そのまま去って行こうとした雪だったが、胸の中にある違和感は膨らみ続ける。

どこかで会ったことがあるような‥。



「河村氏?!」



「あ?」



そう、男の名は河村亮。

しかしこの世界において二人はまだ知らない者同士である。

「何だ?お前オレのこと知ってんの?」



目を丸くしてそう問う亮。

しかし聞かれた方の雪が、逆にキョトンとした表情を浮かべた。



「い‥いえ‥」「何だよ」



雪の答えに亮は首を傾げたが、今度は鼻を高くして彼女が自身を知っていた理由をこう解釈した。

「そういやA大のイケメン配達員って言われてたっけな。ったく人気者は辛いぜ‥」

「‥いえ」



「すみませんでした‥」「あぁ?何だ急にショボンとして」



小さくなって頭を下げる雪に向かって、亮はこんなことを言う。

「こうして会ったのも何かの縁だ。これからは知り合いのフリしてもいいぜ!

芸能人とファンみたいなモンだな!




出会い直した二人の間に、切れなかった縁が蘇る。

そして亮は、鼻歌を歌いながら去って行った。

ルルル〜♪







???一体何だ??



自身の周りで起こる怒涛の展開に、なかなか頭がついていかない。

雪は依然として違和感を抱えたまま、次の授業へと向かったのだった。








「はい、それではグループごとに着席して」



そう指示された通り雪が着席すると、そこには同じグルワのメンバーが集まっていた。

なんという地獄絵図‥



キョトンとした雪の周りで、彼らは思い思いの会話を始める。

「うお〜!赤山と平井と一緒!ツイてるぜ〜!これでうちのグループが一番だな!」

「雪ちゃん‥」「和美ちゃ〜ん「まったく‥」



「アンタにはあたしじゃなくて赤山がお似合いよ」「はぁ?うえーっ

「糸井!ノート取ってくれ!」「嫌です」「おい佐藤!ノート取れ!」「もうどっか行って下さいよ!

「雪ちゃん、その服可愛いね。どこで買ったの?」



皆の好き勝手な会話の狭間で、雪はまるで放心状態だった。

すると横山が雪の方を見ながら悪態を吐いてくる。

「赤山なんて熨斗つけられてもお断りだし」

「ありがと!」「はぁ?」



しかしすぐさま礼を言われ、横山は煙に巻かれた。

続いて清水香織が雪に話し掛ける。

「雪ちゃん、そのジャケット‥」

「xxxaaa.com。クーポン使って5300円」







反射的にそう返した途端、雪はふと我に返った。

ちゃんと香織の方を向いて、彼女を見て言葉を返す。

「けど香織ちゃんはジャケットよりカーディガンの方が似合うと思うな。

女らしい服の方が似合う顔立ちだもん」







雪がそう言うと、香織は嬉しそうな顔をして、

「ほ‥本当‥?」



と言った。

雪が選び直したその対処が、未来を優しく変えて行く‥。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

<<雪>If(2)ー縁と対処とー>でした。

おお〜亮さんが出てきましたね!



M字だったけど‥。

しかし不思議な登場の仕方ですね。なぜ水を運んでいるの‥


そしてグルワメンバーの悲惨なこと‥!

100%上手く行く気がしないですね‥あのメンバー‥

そんな中雪が見せた香織への対処が印象的でした。

香織って最初は単純に雪に対する憧れしか持ってなかったですもんね。

こんな風にちゃんと対処すればあそこまでこじれることは無かったんだろうな、と。

そして思い出すのは、こじれた香織のこの顔‥↓



何度見てもムカつくわーッ


次回は<<雪>If(3)ー別々の道ー>です。

☆ご注意☆ 
コメント欄は、><←これを使った顔文字は文章が途中で切れ、
半角記号、ハングルなどは化けてしまうので、極力使われないようお願いします!

人気ブログランキングに参加しました
人気ブログランキングへ

引き続きキャラ人気投票も行っています〜!

<雪>If(1)ー開講ー

2017-04-17 01:00:00 | 雪3年4部(見えない傷〜<If>(5)まで)
ピピピピピピ‥



携帯のアラームが、大音量で鳴り響く。

眠りこけていた雪は、その音でパチッと目を覚ました。



すごい寝相のまま‥。



天井を見ながら一人呟く。

「あ‥開講か‥」



長い休みが終わり、今日から新学期。

雪は暖かくなり始めた外の気温に合わせて服を選ぶ。



実家には母の姿があり、雪はあくびを噛み殺しながら「行ってきます」と声を掛けた。

「ねぇ後で蓮にメール入れておいてくれない?アメリカで随分寂しい思いしてるみたいだから」

「分かった」








鳥の声が朝の空気に響く中、雪は外に出た。

空は吸い込まれそうに青い。



時は流れ、新学期が始まった。



「もしも」の世界はこれから始まる。

とりあえずこの人が、雪の傍に現れた。

「あー良い天気」「そうねェ」



「アンタ、大学行くの?」



”お隣さん”は煙草の煙を吐き出しながら雪にそう聞いたが、

まだこの世界の雪は彼を知らない。他人行儀にお辞儀する。

「はい、おはようございます‥」

「は〜い、いってらっしゃい。アンタ、お勉強頑張るのよ!」



「あ〜あたしにもあんな時があったのに‥就職も出来ず‥あたしの人生って‥」

「‥‥‥」



雪は目を点にしながら、そのまま駅へと歩いて行った。

胸の中に違和感を抱えながら、地下鉄に揺られる。



何だろ‥?



この話は無数にある選択肢のその一つ一つを、省みながら進んで行く物語だ。

さて、舞台は大学へと移る。



「おはよ、雪ちゃん!」「おはよう」

「良い天気だね〜」



同期の子と挨拶を交わした雪が前を向くと、

そこに一人の男性が立っていた。



遠藤助手。

彼は物々しい形相をしながら雪を見ている。



みるみるうちに周りの学生達が引いて行った。

これは遠藤助手爆発するぞ、と。

「あ、おはようございます遠藤さん」「おいっ!」



「お前良い齢して申請書の名前すら正しく書けないのか!?

お前の名前は赤山雪か?!赤山雷か?!文字が汚いなら◯ペンの美子ちゃんでもやれ!ちゃんとまっすぐ書け!」


「すっ、すみませんでした!急いでて‥「逃げろっ」「ヒステリーだ!」「雪!グッモーニン〜♪



案の定の大爆発‥。雪は白目になりながらそれを見送った。

「まっすぐ書け!まっすぐ!」

「雷〜!」「お、これから雷さんと呼びまショウか?」



そんな雪の隣で聡美と太一が笑っている。

太一は腕時計を見て少し考えた。

「それじゃ‥」



「授業が始まるまでまだ時間があるので、チーズバーガーセットでもどうデスか?」

「はぁ?!胃の中に腹ペコ青虫でもいるの?!」



「残したら俺が全部もらいますんで心配ご無用デス」

「‥‥‥‥」



普段通りの二人の間で、雪は再び違和感を感じていた。

そして至極純粋に、その疑問を太一に向かって投げ掛ける。

「てかアンタ軍隊行かなくていいの?」




‥ハイ?



この物語ではまだ未定の「太一徴兵問題」。

三人の間の空気がおかしなことになったのは言うまでもない‥。




「ちょっとぉ〜」



「太一泣いちゃったじゃん!どーすんのよ?」「う‥ごめん」

「うう‥雷さん実は俺のこと嫌いなんスね‥」



雪は心の中で私ってばどうしてあんなこと‥と自らを疑問に思っていたが、

どうやらこの物語の中では現在の雪の記憶は曖昧なものらしかった。

そして以前には無かったエピソードが、次々と起こるらしいのだ。

「そこ、ちょっと静かにしてくれる?もうすぐ教授いらっしゃるから」

「なぁなぁ佐藤見なかった?クソ!ノート写さなきゃなんねーのに!」



教室では平井和美を始め、曰く付きのメンバーが数々登場した。

和美に注意された聡美は「何よアレ」と眉をひそめているが、雪はただ素直に頷いている。

「雪ちゃん、おはよう」「あ、おはよ」



清水香織が雪の隣の席にやって来て、嬉しそうに頬を染めた。

やがて教授がやって来て、授業が始まる。

「では授業を始めます」「おはようございます!」「出席取るぞ」



何だろ、と雪は思った。何か違和感を感じるのだ。

何か色々ごちゃごちゃながらも‥何かをすっ飛ばしてるような‥なんだかおかしな気分だわ‥



何なんだろう‥?



雪は曖昧な状況でゆらゆらと揺れていた。

何か大事なことを忘れているような気がして‥。



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

<<雪>If(1)ー開講ー>でした。

はい、パラレルワールドの始まりです!

‥困惑しますよね。うん、私も困惑中です

まさかの仮想世界‥。そして雪の記憶がすごく曖昧なんですよね。

先の展開が気になるところですが、けどこの仮想世界、じっくり読んでみると結構な面白さです。

昔の色々な場面が出て来るんですよね^^


まず、久々の秀紀兄さんの登場に胸熱!



からの、爆発遠藤さんの登場!

「お前の名前はホンソルか?!ボンソルか?!」ですって。



以前夏の事務バイトの時に名前で遊んでたのが蘇ります。

 

(ボンソルを受けての「ボンヌナ、実は俺のこと嫌いなんスね」も面白い‥


そして最後遠藤さんが去って行く時に

「まっすぐにしろ!まっすぐ!」(トッパロ?)と言ってるんですが、



これって前淳が秀紀に言ってた台詞と同じなんですよね。



なんとも自虐的というか皮肉というか‥



あと太一の「チーズバーガーセットでもどうデスか?」は、



これ思い出しますね。



こんなのも。(太一×チーズバーガーは鉄板‥)




‥と言う感じで、なかなか見どころ満載となっております。

仮想世界、まだ続きますよ〜

次回は<<雪>If(2)ー縁と対処とー>です。

☆ご注意☆ 
コメント欄は、><←これを使った顔文字は文章が途中で切れ、
半角記号、ハングルなどは化けてしまうので、極力使われないようお願いします!

人気ブログランキングに参加しました
人気ブログランキングへ

引き続きキャラ人気投票も行っています〜!