Trapped in me.

韓国漫画「Cheese in the trap」の解釈ブログです。
*ネタバレ含みます&二次使用と転載禁止*

羨望する彼ら

2014-01-06 01:00:00 | 雪3年2部(三人円卓~奉仕活動難航)
夕焼け空の中を、先輩のポルシェは疾走した。

窓の外ではまだ夏の色濃さに揺れる緑が、飛ぶように流れていく。



雪は助手席に座りながら、正直な気持ちを口にした。

「あ~あ‥愛ちゃん、完全に私より先輩になついてましたよ‥。私の教え子なのに‥」



愚痴るようにそうこぼす雪に、先輩が明るく「はは!」と笑う。

「いくら話しかけても返事もしない子だったのになぁ‥。

まぁ先輩が私より上手に教えるから、言える立場じゃないんですけど‥」




そう言って口をとがらす雪に、淳が愛に対して今日感じたことを話した。

「何度内容を反復しても結局記憶出来ないから、結構困ったよ。

効率的に考えれば今の学習法は時間の浪費に近いから、もう少し効果的な治療をしたりする方が望ましいんだろうけどね」




”時間の浪費”という彼の言葉に雪は少し引っかかった。

しかし自分も似たようなことを考えていたことを思い返し、それ以上深くは考えこまずに口を開く。

「それでも10まで読めるようにするのが目標ですからね」



雪の言葉に先輩は同意した。せっかく機会を得たボランティアなのだから、担当した責任は確実に果たさなきゃねと言って。

ボランティアの会話が一段落すると、先輩は雪に「その後、弟君はどう?」と聞いた。

「あ、蓮のことですか?」



先輩は彼女の弟の名前を聞いて、

「蓮君っていうの?二人とも漢字一文字の名前なんだね」と珍しそうに言った。



雪は頷き、当分私の部屋で暮らすようだと言って溜息を吐いた。二人の会話は続く。

「勝手に留学から帰って来ちゃった身なんで、家に入れないみたいです」

「はは、決断力があるんだね」



「決断力があるんじゃなくて、ただ無謀なだけですよ!一体何考えてるのか‥」

「それでもこの間は雪ちゃんをすごく大事にしてたじゃない。姉弟仲良いんじゃないの?」

先輩からの質問に、雪は弟との関係性を思い返して答えた。

「まぁ‥気を遣わなくていいので楽ではありますね。

でも毎日遊び回ってるのを見ると、はらわた煮えくり返りますよ




先輩はそれを聞いて明るく笑った。「そんな年齢じゃない」と言って。



雪は流れる景色を漫然と見ながら、弟の蓮について自分の思うところを話し始めた。

心の扉が幾分開き、彼女の心の内が覗く。

「まぁ‥家ではちょっと小憎らしいですが‥、外では割と上手くやる奴です」



「常にポジティブで、今を生きるタイプというか‥。ああいう情熱が羨ましいですね。

熱く生きてるって感じがして‥」


雪の脳裏に、人生は一度きりしかないんだぜと言って遊びに行く蓮の姿が映った。



あまりにも自分とは違うその性質に、雪は複雑な表情を浮かべながら話を続ける。

伏せた眼差しに、過去に感じた自分の感情が宿っている。

「私はあのくらいの年の時も、勉強とバイトばかりしてたから‥」



そう言って俯いた雪に向かって、先輩が口を開く。

「え?勉強とバイトして過ごすのだって、熱く生きるってことじゃないの?」



雪は「そういう意味で言ったんじゃ‥」と弁解しようとするが、

みなまで言う前に彼は笑って「分かってるよ」と言った。



そして彼は話し始めた。

彼女が心の扉を少し開けたように、彼もその内面をチラと覗かせる。

「姉弟とかの間柄じゃなくても、俺もそういったことを感じることがあったよ」



淳もまた瞼を伏せて、過去に思いを馳せるような眼差しをしていた。

「いつもエネルギーに溢れてて、楽しいことばかりに囲まれているような人達に」




彼は決して認めないだろうが、その思いの矛先には必ず河村姉弟の姿があったことと思う。

まるで太陽のような性質の彼らは、いつも自分の方へ影を落とす‥。

 

自らの根底にある”成り得ない者”への羨望。

今ここにいる二人の心の奥には、常にそういった者への羨慕があった。

雪は弟に対して、幼い頃からずっとその感情を抱いてきたのだ。

「はい。そういうのって、本当に努力だけではどうにもならないんですよね」



雪は家での蓮の姿を思い浮かべた。困った顔をしながらも、どこか嬉しそうな両親の顔も‥。

「蓮は悪ふざけが過ぎることもあるけど、私より愛嬌があってお父さんお母さんからも可愛がられるし、

どこか憎めないんですよね‥」




そう言って俯いた雪を、淳は横目で見た。

どこか哀しげな表情をしている彼女。



似たもの同士の彼ら。

いつも心のどこかで自分に持ち得ない性質の者を羨んでいる彼ら。



それを哀しげに見つめる彼女に向かって、淳は言葉を掛けた。

それは自己弁護にも似た、その羨望への弁解だった。

「そうかな?俺は弟君のことはよく分からないけど、

俺が君のご両親なら、雪ちゃんのことをすごく可愛がると思うけどな」




「愛嬌が長所の人もいるけど、誠実なところはもっと良い長所だと思うよ」

先輩の言葉を、雪はきょとんとした顔で聞いていた。

こんな風に自らを丸ごと肯定することを言われることが、あまり無いままここまで来たからだ。



淳は微笑みを浮かべながら、尚も言葉を続けた。

「俺から見ると雪ちゃんはすごく熱く生きてるし、君のご両親からしたら誇れる娘さんだと思うよ」



先輩の言葉に、雪が「‥本当ですか?」と躊躇いがちに聞く。彼はニッコリと笑いながら答える。



「うん、そんな自分を卑下する必要なんかないよ。雪ちゃんは雪ちゃんのままでいいと思うな」


ありのままの君で良い、というその言葉に、雪は心が温まっていくのを感じた。

いつも劣等感の中で膝を抱えていた自分が、丸ごと包み込まれるような安心感があった。





ありのままの君で良い、と言ったその言葉を、淳は自分に言い聞かせるように使っていた。

その羨望の裏にある劣等感や嫉妬から目を背けた彼は、そんな耳触りの良い言葉で自らを肯定する。







淳の運転するその車は、ビュンビュンとスピードを上げて走って行く。

過ぎ去った景色に思いを馳せることもなく、ただその先へと彼と、彼と似た彼女を運んで行く‥。






すっかり日の暮れた雪の家の近所は、街灯も少なく夜は暗く静寂が広がる。



そんな中、以前秀紀が住んでいた部屋の真向かいから、女の甲高い声が聞こえていた。

女は窓を全開にしたまま電話している。その通話内容は丸聞こえだ。

「うん、今日はこれから出掛けるよぉ~また明日会おーね」



そう言って女は外出した。

そして鼻歌交じりに夜道を歩くその女の姿が遠ざかるのを、一人の男が時刻を確認しながら窺っていた。



腕時計には22:11と出ていた。

これから出掛けるのならば、女はきっと朝まで帰っては来ないだろう。



男は女の部屋の窓がある真下に立ち、雨樋に足を掛けニヤリと笑った。

そしてこれからそこを登ろうとした瞬間、突如後ろから人の声がした。

「あー!彼氏さんこんばんはぁ~!」



身を隠しながら窺うと、侵入しようとしていたアパートの向かいに住む女と二人の男、計三人が会話している。

「先日はどーもー!」 「あんたここで何やってんの?」



「ちょっとお腹痛くなっちゃってさぁ~。胃もたれしたっぽい」 「はぁ~?」

軽い調子で続けられる彼らの会話を、男ははらわたの煮えくり返る思いで聞いていた。

男の眼差しは帽子のツバで見えないが、きっと気味の悪いその視線を彼らに向けている‥。




・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

<羨望する彼ら>でした。

またまた出ました、先輩のこのパターン。

最初読んだ時は、雪に優しい言葉を掛けてスマートな先輩‥(*゜o゜*)と思うんですが、

段々と深く読み込んでいく内に、これはまた自分を肯定するための言葉だ!と気づいてしまうという‥orz

(雪のお父さんの事業が倒産した時の二人の会話も、こういう感じでしたよね‥)

”ありのままでいい”と人から言われるのはとても素敵なことだと思うけれど、それを自らに使ってしまうと途端に居直りを感じてしまいます。

ただ誰からも彼の望む愛情をもらえない状況だとしたら‥。それは自分で肯定してあげるしかないもんなぁ、と切なくなります‥。

一方ばかりを責められないこの感じが、チートラの肝なんでしょうね。

次回は<離京の足音>です。

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難航するボランティア

2014-01-05 01:00:00 | 雪3年2部(三人円卓~奉仕活動難航)


蓮との口論の末に肩を怒らせて出てきた雪も、ボランティアの施設に着く頃にはいくらか気分もマシになっていた。

気持ちを切り替えて倉野愛が待っている教室へ行き、机の上に手作りの教材を広げ、授業を始めた。



白い紙の上に1から3までの数字。そしてその数に合わせて、その下に飴玉が置いてある。

アメの数と数字を照らし合わせる、という勉強だ。

雪は笑顔を浮かべながら、めげずに何度も愛の意識を自分の方へと向けさせる。

「じゃ~ん!」



まだ一時間目だというのに、愛はもうウンザリといった体だ。

それでも辛抱強く雪は続けた。

「アメが一つ、この絵のところにあるね。それじゃあこの数字の名前は何かな~?」



明るい雪に対して、愛は暗くつまらなそうだ。

「分かんない~!」と声を荒げながら俯き、髪の毛をグシャグシャにする。



雪は愛の小さな肩に手を置きながら、その気持ちに寄り添った。



同じことを繰り返さなければならないのだが、そのせいで関係は煮詰まり、お互いウンザリしてきている‥。

「あああー!分かんない!きらい!」



「難しいよね」と雪が声を掛けると、いきなり愛は叫びだした。宥めようとする雪に向かって、「きらい」「分かんない」を繰り返す。

「せんせえ~!このお姉ちゃん知らない!このお姉ちゃんだれえ~?!」



また愛の記憶がふりだしに戻ってしまった。

取り乱す愛の元へ先生は駆け付け、彼女の両手を握って落ち着かせる。

「うん?愛ちゃんどうしたの?このお姉ちゃんは雪お姉ちゃんだよ。ゆきおねえちゃん」



ボランティアの指導者である女性の先生が、愛に向かってゆっくりと言葉を紡ぐ。

それでも尚「きらい!分かんない!」と繰り返す愛に、雪はどうすることも出来ず途方に暮れた。



そんな雪に向かって、先生が優しく声を掛けた。「かなり煮詰まってる?」と。

雪は「少し‥」と答え、机に突っ伏した愛の頭を柔らかく撫でた。

「いくら教えても1から3までも覚えられないのに、どうやったら4から6まで覚えられるようになるのか‥」



今の状態では、6まで記憶するなど遠い話に思えた。幾分落ち込んだ雪に、先生は頷きながらも優しく言葉を掛ける。

「それでも繰り返し繰り返し教えていたら、いつか1と2くらいは覚えられるはずよ。

もう少し愛ちゃんを信じて頑張ってみてほしいな」




先生はそう言って微笑むと、二人の元を去って行った。

取り残された雪と愛。途方に暮れた表情で、雪は愛の頭をそっと撫でた。



ぼんやりと他の子どもと学生を見ていると、終始和やかな雰囲気でうまくいっているように見えた。

笑い合う彼女らの声が遠くに聞こえる。



雪は愛の頭を撫でながら思った。どうして私達はこんなにも上手くいかないんだろう‥。

そしてその原因である、愛の障がいについて思い返した。

通常の人より早いペースで脳細胞が死滅するって言ったっけ?

毎回数字はおろか私のことさえ覚えられない‥




雪は先ほど先生が言った言葉に、指示された学習方法に疑問を持っていた。

教えた先から忘れていってしまうのに、なぜこの子にとって苦痛な授業を続けなければならないんだろう?

いっそこの子が好きなことをする方が良いんじゃないか‥? 今の状態はお互いしんどいだけなのに‥。



雪は精神的に疲れを感じ、ぼんやりと一人その場で悶々としていた。

作業を終えた先輩が教室に入ってきて雪に近付いて来るのさえ、彼女は気づかなかった。



雪ちゃん、と声を掛けられた雪は驚いて顔を上げた。

「上手くいってる?」との彼の言葉に、俯きながら答える。

「いいえ‥」



きょとんとした顔の先輩に、雪は今までのことをかいつまんで説明した。

愛の記憶が続かないので、もう何週間も同じことをしているのに全く授業内容が進まないこと‥。




ハッと気がついて時計を見ると、すでに休憩時間は終わっていた。

再び授業を始めようとする雪に、先輩が気遣って声を掛けた。

「雪ちゃん疲れただろう?ちょっとの間俺が代わるから、そこで休んでなよ」



淳はそう言って椅子を引くと、雪と反対側の愛の隣に座った。

手遊びをする愛に向かって、静かにゆっくりと声を掛ける。

「こんにちは。僕は淳お兄ちゃんっていうんだ」



淳は優しい口調で愛に話しかけ、甘い眼差しを彼女に向けた。

「会えて嬉しいな。愛ちゃんっていうの?可愛い名前だね」



突然のかっこいいお兄さん登場で、愛は暫しキョロキョロしながら戸惑っていたが、

やがて淳の言葉に頷き、落ち着いた。



淳は愛の様子を見ながら、早速授業を始めた。机の上に置かれた数字の1を手に取ると、注目を引く言い方で愛に話しかける。

「あれ?雪お姉ちゃんが作ってきてくれたこれは何かな?これが愛ちゃんが習う数字だよ。

この長い棒みたいなこれの名前は何だっけ?」




分かんない、と愛が呟く。

そんな愛に対して、淳はすぐにはその名前を教えなかった。

「んー‥お兄ちゃんと勉強する?やめとく?愛ちゃんが知りたいなら教えるよ」



淳の言葉に愛は暫し考えたが、やがてコックリと頷いた。

淳は笑顔を浮かべると、数字の1を左手で持ちながら右手で一つアメ玉を掴んだ。

「この数字は1だよ。だからアメが一つ」



いちぃ、と愛が呟く。淳は頷きながら、今度は数字の2とアメ玉をもう一つ手に取った。

「あれ?アメ玉がもう一つこっちに来たよ。これでアメ玉は全部で二つ。

一つより二つの方が嬉しいよね?だから嬉しい愛ちゃんはこうやって笑うよ。にぃ」




にぃ、と愛がアメ玉に手を伸ばしながら呟いた。

すると淳は、先ほど持っていた数字の1をもう一度取り出す。

「あれ?ところでこれはなんだっけ?」



愛は記憶を辿るように視線を漂わすと、ボソッと「‥いち」と答えた。

淳が笑顔になって愛の頭をいい子いい子する。

「そうだよ!愛ちゃんは賢いね!」



雪は数字を答えた愛に驚いていた。自分が何度教えても、1さえも記憶出来なかったのに‥。

更に淳は学習を続けた。今度は1と2を両方持っている。

「あれ?今度は1と2が一緒にいるよ?これだとどうなるかな?」



淳の質問を受けた愛だが、彼女は低く声を発したかと思うと、「分かんない!」と言って数字を放り投げた。

「だれ?だれぇ~?!この人知らない!分かんないよぉ~!」



またいつものパターンだ。記憶がふりだしに戻ってしまっている。

暴れ出した愛を雪がなだめていると、淳は席を立ち上がって放り投げられた数字を拾った。

「あれ?愛ちゃんが2を投げちゃった。これだね」



淳はそう言って、一度数字の2を机の上に置いた。愛がそれを見るのを確認すると、再び手に取って数字の2をかざして見せた。

「さて、愛ちゃんは何を投げたでしょう?アメが二つの方が嬉しいとき、どうやって笑うんだったっけ?」



愛は淳を見上げながら暫し考え、そしてゆっくりと答えを口に出した。

「にぃ‥」



淳は愛の方を見ながら、パッとした笑顔を向けた。

「正解!」



雪は彼と愛のやり取りを見ながら、先輩の教え方に舌を巻いた。

雪がそうしている間にも、先輩の授業は尚も続く。



「そして淳兄ちゃんは愛ちゃんにアメを持ってくるお兄ちゃんだよ。一つも怖くなんかないからね。

嬉しい?嬉しいときは”にぃ”」


「にぃ‥」



「愛ちゃんとっても上手に出来たね。これからお兄ちゃんと外に出て冷たいものでも食べに行こうか?」

その言葉に愛が頷き、見る見る二人の距離は縮まっていく。

嫌な顔一つせずニコニコと愛に向き合う淳を見て、大人だなぁと雪は思う。



しかし幾分胸中は複雑だ。自分は何週間も苦労したのに容易にやってのける彼に対しても、

自分の教え子なのに自分より彼になついている愛に対しても‥。


愛を連れて外に出ようと立ち上がった彼に、一緒に行こうと促され慌てて雪も席を立った。

雪と淳は愛の手を引いて、眩しい日差しの下へと歩いて行く。

「お~っと家族水入らずでお出かけですかぁ~?」



からかう柳に「もう!」と雪が言い返す時も、先輩は愛に対して言葉を掛け続ける。

「淳お兄ちゃんは良いお兄ちゃん?悪いお兄ちゃん?」

「‥良いお兄ちゃん」



「ここに良いお姉ちゃんもいるから、全部で2だね!2は?」

「にぃ~」 「そう!にぃ~」

口を横に開いて笑う淳と愛。そして三人は晩夏の日の下を歩いた。


やがて授業は終わりの時刻を迎え、雪と淳が愛に向かってさよならと手を振る。

 

愛は最後まで雪と淳の方は見なかったが、それでも嫌だと暴れたりはしなかった。

久々に和やかな雰囲気の中で終わるボランティアの帰り道。

雪たちは駐車場の方へと歩いて行った。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

<難航するボランティア>でした。

わ、私も先輩に教えられたい‥!!(゜o゜ )

「こんにちは。会えて嬉しいな。可愛い名前だね」



イケメンがこれを言った時の破壊力ったら!!(゜o゜ )!(゜o゜ )

これを健太や横山がやっていたら「えっ?」てなるかもですが‥。(^^;)嗚呼悲しきイケメン無罪法‥。


次回は<羨望する彼ら>です。

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赤山姉弟の悩み

2014-01-04 01:00:00 | 雪3年2部(三人円卓~奉仕活動難航)
「さようなら‥」



”大家の孫”を名乗る男が去ってから、雪は嫌な気分でドアを閉めた。

振り返ると弟の蓮が髪の毛をいじりながら、姉に向かってこう言った。

「なーんか目つきが気持ち悪いってか、不気味な男だね」



どうやら蓮もそう感じたらしく、蓮の意見に雪も同意する。

人に対する感覚が敏感なのはどうやら血筋らしい。

暫し鏡を見ていた蓮だったが、不意に「あ、姉ちゃんちょっと交通費くれない?」と言った。



「あんたお金は?」と問う雪に、蓮は説明する。

「家から追い出された時にカードと財布置いてきちゃったんだよね。

当分の間は友達におごってもらったりするからさ、交通費だけちょーだいよ。プリペイドカード一枚買うから」




続けて蓮は、今日の帰りは夜中になるか帰ってこないかも、と言った。

「外泊するの?」と聞く雪に答える前に、蓮の携帯電話が鳴った。



気の置けない友人か、はたまた親しい先輩か‥。

蓮は軽い調子で会話する。

「ちわっすー!おう、俺帰国したんよ、マジマジ。後でクラブ?オッケオッケ。

え?あいつイベントやんの?モチ行くっしょー。じゃー後でな!姉ちゃんちょっと5千円ほど貸して!」




雪が財布を用意していると、また蓮の携帯電話が鳴った。

♪I've got the move like Jagger♪と馴染みの洋楽の着メロが響く。



雪は蓮の会話を聞きながら微妙な気分になった。

その会話といえば、女の子がいっぱい来るだの川へ行って泳ぐだの、およそ家を追い出された人間の行動とは思えない‥。

電話を切った蓮が、雪の方を見て口を開く。

「姉ちゃんも週末だし出るっしょ?どこ行くの?デート?」



整えた髪の毛、立てられた襟、右耳にはめられたピアス‥。

洗練された弟とは対照的に、雪はTシャツにひっつめ髪である。

「もっとオシャレしてけよな~。何だその服」 「ボランティアに行きますけん‥」



雪の答えに、蓮は呆れた顔をした。

「はぁ~?週末なのにボランティア~?相変わらずクソ真面目だねぇ」



弟の言葉に、雪はカチンと来た。

「ちょっとは息抜きに遊びに行かないと」と続けたのにも腹が立った。

「そういうあんたは遊んでる場合なの?」



そう強い口調で話し出し、姉として家出中の弟に説教した。

「家が心配で帰って来たとか言いながら、遊びの予定ばっか入れて!

家に行って許してもらおうとか考えないわけ?」




しかし蓮にも蓮の言い分がある。

「父さんがキレてんのにどーやって家へ帰れっての?それとも部屋でずっと引きこもってりゃいいってわけ?

それで解決するわけでもないし、それなら気分転換しに出た方がよっぽどいいだろ?」




赤山姉弟の言い合いは続き、雪は尚も弟を説得する。

「それでもお父さんはあんたに期待してるし、一生懸命なとこ見せとくべきだと思う。

お父さんとお母さんのお陰で留学にも行けてるのに、勝手に帰って来て好き勝手遊んでちゃ、あんまりだよ」


そう主張した雪に、蓮はウンザリといった体で口を開いた。

「一生懸命なとこ見せてどーなんの?どうせ結果出さなきゃ認めてもくれなくて大目玉食らわされるだけじゃんよ。

姉ちゃんも父さんのことよく分かってるっしょ?」




蓮は雪の机に積まれた英語塾の教材と、使い込まれたノートをチラと見て言った。

「あのね、机で本眺めてるだけが勉強じゃないぜ?ぜってー俺のが喋れるもん。実戦で磨かれたから」



得意気な弟に雪は声を荒げた。それは留学に行ってるんだから当たり前だ、と。

蓮はいきなり怒り出した姉に対して顔を顰め、こう言った。

「何だよ急にガミガミ言って。誰が行きたくて行くかよ、

父さんが行け行け言ったから行ったんだろ?」




雪は蓮の態度が気に障った。静かな怒りが心に燻る。

「‥行きたくても行けない人もいるんだよ。

きっかけはともかく、行ったからには一生懸命やるのが筋だと思うけど」




そんな姉の言葉を受けて、蓮はわだかまっていた心のしこりを口に出す。

「姉ちゃんは留学行って人種差別されたことあんの? 発音がショボイって嘲笑われたことあんの?」



「”一生懸命やれ”、”父さん母さんの期待に応えろ”、言うのは簡単だけど思い通りに行くと思ってんの?

そんなに留学がしたけりゃ姉ちゃんも行けば良かったじゃんか」


雪は弟の言葉に反論した。

「家の経済状況で子供二人留学させられると思ってんの?冗談も大概にしなさいよ!」 

「はぁ?」



蓮は眉を寄せながら、ストレートに思ったことを口に出した。

「親に言えないからって、俺に八つ当たりすんのやめてくんない?」



姉ちゃんは俺に対していつもそうだ、と言って蓮はそっぽを向いた。

図星を突かれた雪は怒りを噛み締めながら、二の句を継げない自分を知る。



そして財布からあらん限りの紙幣を取り出すと、そのまま床に投げつけて声を荒げた。

「ちゃんと戸締まりして出てってよね!」



バン!と大きな音を立てて雪は家を出て行った。



その勢いに思わず蓮は身を竦める。

「‥ったく父さんの話になるといつもコレだよ。おっかね~」



苛立ち半分怖さ半分で蓮は溜息を吐いた。

赤山姉弟がいつも直面する問題の先には、常に父親の存在があった‥。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

<赤山姉弟の悩み>でした。

チートラ一部ではお調子者の描写でしか出て来なかった弟ですが、今回初めて彼なりの悩みや性格がよく見て取れたのではないでしょうか。

出来る姉を持った弟なりの悩みがそりゃ‥あるよね~~。

しかしちょっとチャラそうなのが見てて面白いですね。そんな蓮の着メロはこちら↓

Maroon 5 - Moves Like Jagger ft. Christina Aguilera


また出てきましたマルーン5!作者さんがファンなのですって。

”チャラさ”がよく出た着メロですね~^^


さて次回は<難航するボランティア>です。

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不在のはずの隣室

2014-01-03 01:00:00 | 雪3年2部(三人円卓~奉仕活動難航)


今日も空には焼け付くような太陽が昇っている。

雪は朝の買い出しから帰って来たところだ。気分は良く、鼻歌交じりの足取りも軽い。

 

雪は昨日の先輩とのデートを思い返していた。

会話はスムーズに運んだし、喧嘩もすることなく楽しかったなぁと。



すると脳裏にボンッとあの場面が浮かんできた。

思わず心臓が跳ねる。



雪は赤くなっていく頬を押さえて、キャアアと心の中で叫んだ。

身を縮めながら、恥ずかしさと動悸を身体で感じる。


(大方あの場面を見た読者の方々も雪と同じリアクションをしてしまったのではないだろうか^^)

恋は少し人をおかしくさせる。

道端でこんな行動をする自分を、雪はきまり悪く思って頭を掻いた。








家に入り、蓮に「合鍵出来たよ」と声を掛けようとすると、

意味不明な行動をしている弟が目に入った。

「?? あんた何やってんの?」



雪の質問もそのままに、蓮は不可解そうな表情を浮かべると声を上げて壁を蹴った。

ドン!と大きな音がする。



弟の突然の奇行に、雪は「あんた何すんのよ?!」と顔面蒼白だ。しかし蓮は冷静に雪に確認する。

「ここって壁めっちゃ薄い? 家の声丸聞こえだったんじゃね?」



元々狭い一部屋を改造して二部屋にしたからだ、と蓮は分析し眉を寄せた。

だからって蹴るなんて、と雪は弟を非難する。けれど蓮は不服そうだ。

「けど隣の物音がひどいんだもんよ」



「もうバカ言ってないでよ。ところでご飯はどうすんの?食べて行‥」

とそこまで言ったところで、雪はハッと気がついた。



恐る恐る、蓮に確認する。

「‥隣で音がしたの?」



そうだ、と蓮は言った。合鍵が無かったので昨日一日蓮はこの部屋に一人で居た。

「お隣、ずっと行ったり来たりガサガサしててさぁ。でかい音よりあーいう音のが遥かにウザいって」



蓮の話に、雪が「まさか」と小さく漏らす。

「隣はこの間引っ越して、今は誰もいないはず‥」   「え?」



二人の背筋にザワッと鳥肌が立った。

雪が、家主のおばちゃんではないかとそう口に出したが、よくよく考えるとまだ旅行先のタイから帰って来たという連絡はない‥。

蓮は大家があんなコソコソするかよ、だったらネズミかなんかだよ、と言って雪にダメ出しする。



すると「あ!」と声を出して蓮が再び壁に耳をくっつけた。

「今また音がした!静かにして」



雪は何だか怖くなって身を震わせた。そんな姉に弟は、耳を壁につけた格好のまま慎重に提案する。

「どうする? 行ってみる?」



弟の言葉に、雪はたじろいだ。

「‥行ってどうすんのよ」



二人は暫しコソコソと相談した。

行ってノックしてみる? うぅ‥ 大丈夫だって俺いるから。泥棒だったらヤバイじゃん 
もっと危ないじゃん! じゃあ包丁持ってく? もう!変なこと言わないでよ!




そんな彼らが議論している部屋へ、一人の男が向かっていた。タン、タン、と足音がだんだんと近づいて来る。

警察に言った方がいいんじゃないか、そう雪が言った時、トントントンと続けてドアがノックされた。



弾かれるようにパッと玄関の方を向くと、擦りガラス越しに男のシルエットが浮かび上がっていた。

「いらっしゃいますか?」



どなたですか、と雪が上ずった声で問うと、男は「大家の孫です」と言った。

雪の脳裏に、先日夜道で出くわした時のあの不気味な男の顔が浮かび上がる。



雪は心に陰る暗い影を感じながら、ゆっくりとドアを開けた。

何か御用ですかと問う雪に、男は単刀直入に切り出した。

「最近空き部屋の整理で出入りしているのですが‥この近辺で男性の声が聞こえたんですよ。

もしかして中に男性がいらっしゃいますか?」




「住民以外の方がここに住まれるのは困るんですよねぇ」



そう言って男は細い目を更に細めて見せた。相手にどこか不気味で嫌な印象を与えるその瞳‥。

そのまま部屋の中を覗きこむ男に、雪は心がざわつくのを感じながら口を開いた。

「あ‥それが‥実は弟が少しの間だけ‥」



気まずそうにそう言う雪の後ろから、蓮が出てきて軽い調子で挨拶をした。

ちょっとの間だけお邪魔します、と言ってニヤッと笑った蓮に、大家の孫は微妙な顔をする。



不服を含んだその表情のまま、大家の孫はこう言った。

「申し訳ないですがあまり長居されると困ります。一人暮らしという内容で契約されたんですから」と。

すみません、と雪が謝り了承すると、「それでは」と言って大家の孫はそのまま去って行こうとした。



そんな彼の背中に雪が声を掛ける。

「あの‥家主のおばさまはいつ頃帰って来られますか?」



え? と言って男は、真顔のまま動きを止めた。

そして困ったように眉を寄せると、「さぁ‥まだよく‥」と言葉を濁した。

 

大家の孫の話では、家主の婦人は旅行先が気に入り長く滞在するということだった。

連絡が来たらまたお教えしますと言って、大家の孫は去って行った。

「はい‥さようなら‥」

 

胸に残った不穏な影を、雪はひしひしと感じながら男の後ろ姿を見送った。

そして不幸なことに、そういった予感は大抵当たっていることが多いのだ‥。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

<不在のはずの隣室>でした。

蓮くん昨日一日家で何やってたんでしょうか。。スマホでテレビ見てたのかな‥。

なんてどうでもいいことが気になったり‥(^^;)


そして1月1日にupされた本家最新版に、横山に関する過去回想が載ってましたので、

それに関連する記事<淳>その回想に追記しました。

ネタバレオッケーな方はどうぞ覗いて見て下さい~(てかこのブログがネタバレの宝庫なのに今更こんな注意書き‥すいません)


次回は<赤山姉弟の悩み>です。

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終わらない夏

2014-01-02 01:00:00 | 雪3年2部(三人円卓~奉仕活動難航)
 

それから二人は久しぶりのデートを楽しんだ。

共に同じ絵を見て感想を言い合ったり、各々の意見を口にしたりした。

互いの視点は勉強にもなるし、刺激にもなる。


駐車場に向かう二人は、経済学科の精鋭よろしく、話題の企業のことについて会話していた。

さすが一流大学の首席と次席。彼らの視点は鋭く、そしてその頭脳はやはり優秀だ。

「つまり選択ミスなんですよね。ブルーオーシャンは単純にニッチ市場を意味するだけじゃないですからね」

「確かにD社は問題が見えるね」

「みんな具体例を挙げず、抽象的な話ばかりしているんですよ」



「やっぱりそう思う?目の前の利益よりは長期スパンで考えるべきなのに」

「今回のoo日報の記事読みましたか? XX日報と世論調査の結果が全然違ったんですよ」

「質問項目が同じだったのに?ずいぶん偏った回答者の選び方をしたんだね」



「もうだめです!先輩、私と会社やりましょ!」

「本当に? 何の会社にする?」

「うーん‥流通とか?」

そして二人は”青田赤山カンパニー”を仮想して盛り上がった。

同じ学科の二人だからこそ楽しめるその会話は、尽きることはない‥。







その後二人はカフェに移動し、お茶をしながら会話をした。

話題は携帯電話のことだ。

「スマホなのにゲーム入ってないんですか?聡美がやってるの面白かったですよ」



彼は「あんまり興味無くて」と言った。先輩の携帯電話にはゲームアプリは入ってないらしい。

雪の携帯は時代遅れの代物のため、ネットも出来るスマホはやはり魅力的だ。

「雪ちゃんもスマホにしようよ。通話とメールで料金だって結構いくんじゃない?」



雪は頷いたが、やはり基本料金が高いのが引っかかってると頭を掻いた。

先輩は「俺とカップル割しようよ」と彼女に提案するが、雪には雪の言い分があるようだ。

「うーん‥でもどうせ先輩からはあんまり連絡ないし、メールも通知式ばっかだしなぁ」



雪は普段の先輩からのメールで不満に思っていたことを口にした。

「”ゆっくり休んでね”、”おやすみ”、”今日一日がんばれよ”

それで返信出来ますか?言い返す余地を残してくれなくちゃ」




突然のダメ出しに淳が目を丸くする。

不満気な彼女につられるように、淳もまた常日頃の不服を口に出した。

「雪ちゃんもハイハイ言うだけじゃない。もっと早く言ってよ」



二人は互いに拗ねて口を尖らせた。子供みたいに言い合いする。

「今言ってるでしょ?」 「じゃあ俺も今から言えばいいだろ」



ムーッと膨れた二人が顔を見合わせる。



やがて彼がフッと笑い、彼女がプッと小さく吹き出す。

 

二人の仲は今までにないほど温かで、そして気安かった。

夜の帳が下りるまで、そのまま二人はこの調子でふざけ合う‥。










ようやく雪の家の前に着いた時には、すっかり日も暮れてしまっていた。

二人は互いに顔を見合わせては、少し照れたように笑う。

 

雪がその雰囲気に浸っていると、先輩が家の方を見ながら口を開いた。

「家はいつ頃引き払うの?」



雪は「夏休みが終わるまでです」と答えた。先輩が「もうすぐだね」と返答する。

そう、夏休みももう終わるのだ。

雪は感慨深そうに、晩夏の空気の中で口を開く。

「はい、もう終わりなんですね‥。一人暮らしも、塾も、夏休みも‥」



すると雪はあることを思い出して、突然声を上げてカバンの中を探り出した。

淳は疑問符を飛ばしながら彼女の行動を見守る。



そして雪はカバンから小さな箱を取り出すと、

それを彼に差し出した。



「え?これって‥?」と言って箱を受け取る淳に、雪は少し落ち着かない様子で口を開く。

「前に先輩が買おうとしたけど、現金が足りなくて買えなかった時計です。

一昨日チラッと寄って買ったんですが‥渡すかどうか悩んで‥へへ」




淳は蓋に手を掛けながら、彼女に聞いた。

「開けていい?」



どーぞ、と雪は決まり悪そうに言った。少し照れ隠しも含んだ表情で。

そして箱を開けた先輩は、その時計を見て嬉しそうな笑みを浮かべた。



その顔を見て、雪が照れくさそうに少し笑う。



先輩は今まで付けていた腕時計を外すと、雪に向かって手を伸ばした。

「はい」



雪は少しぎこちなくも、彼の腕に時計を付けてあげた。

新しい腕時計をかざして見る彼が、「わぁ」と子供のように声を上げる。



そして彼は雪に近づくと、その長い腕を彼女の両肩にもたれかけながら微笑んだ。

「ありがとう」



突然の接近に雪は動揺しながら、「いいえ‥」と返す。

先輩はもっと彼女に近付きながら、もう一度「ありがとう」と言った。



「分かりましたから‥」と雪が恥ずかしそうに口を開く。

彼は嬉しそうに彼女を抱きしめ、密着した。

「プフフ‥」



思わず吹き出す先輩に、雪が「先輩なんか変な笑い方しますね?」とツッコむが、

彼はお構いなしにまた近づいた。

先輩が背を屈めて、雪の顔を覗きこむ。

二人の前髪が触れ合って、おでことおでこが引っ付いた。

「だ‥だから‥」



雪はどうしていいか分からず視線を下に向けた。目の前に先輩の顔がある。

もっと彼が彼女に近づこうとした瞬間、通りの向こうで声がした。

パッ!



弾かれるように身を離す雪と先輩。

雪は顔を真っ赤にしながら、手で自らを煽いだ。

「あ、あっついですね!暑い暑い!!夏が終わってない!」



ウハハと大きな声を上げて笑う雪に、

先輩が微笑みながら「そうだね」と言った。



その後も雪はわざと大きな声で笑いながら、暑い暑いと繰り返した。

まだ夏は去って行かない。その証拠にこんなにも熱が宿る。

隣で笑顔を浮かべる彼と、あと少し残った季節を過ごしていく‥。




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<終わらない夏>でした。

トキメキですね~~~(^0^)

先輩の嬉しそうな顔ったら‥。ちなみに雪ちゃんが時計を買ったのは、一昨日の塾の前だと推測されます。



「珍しく遅刻?」と聞く亮に、「ちょっと寄り道してて」と雪ちゃん。きっと露店に寄っていたんでしょうね~。

次回は<不在のはずの隣室>です。

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