Trapped in me.

韓国漫画「Cheese in the trap」の解釈ブログです。
*ネタバレ含みます&二次使用と転載禁止*

指の形の痣

2013-10-31 01:00:00 | 雪3年2部(再会~三者対面)
まだ授業が始まるには少し早い時間に、河村亮は赤山雪の姿を見つけた。

ここはSKK学院塾。



二人目が合って、二言三言言葉を交わす。

自習室の席取りの為に早く来たという雪に、つまんねー人生と言って亮は苦い顔をした。



雪は珍しくスーツをきちんと着ている亮を前にして、そのことについて触れた。

いつもシャツだけのことが多いし、そのシャツでさえ袖をたくし上げているからだ。

亮は講師陣からそのことを注意されたらしく、今日はきちんとしたのだと言った。暑苦しさに顔を顰めている。



雪にしたら涼しいと感じるエアコンの温度も、亮にとっては足りないらしい。

「そう言うダメージヘアーも久々にまともなダメージヘアーじゃねーか」



これぞ”オリジナルダメージヘアー”だと笑う亮に、雪はハイハイと受け流す。

そしてふと、雪は亮に確認したいことがあったと思い出した。



先輩のことだ。

亮が塾で働いていることを、先輩に言おうか言うまいか雪はまだ迷っていた‥。


雪が亮に話しかけようとした矢先、亮の携帯電話が鳴った。

亮はその着信画面を見て、苦虫を噛み潰したような表情を浮かべる。



電話に出た亮は、気の乗らない返事をしていたかと思えば、「ふざけんな」と言って声を荒げた。

それを見ていた雪が驚いた顔をしたため、亮はそれ以降小さな声で通話しながら背を向けて去って行った。







自習室で雪が勉強していると、隣の席に近藤みゆきが座ってきた。

そして彼女は勉強することなく、雪の髪の毛を触り始めた。

「てかさー、なんでダメージヘアーなの?」



いきなりの彼女の質問に雪は幾らかたじろいだが、”トーマス”が自分をそう呼ぶ理由は、髪質が悪いからだと答えた。

すると近藤みゆきは、雪の髪質はとても柔らかく色々な髪型を試せる良い髪質だと言った。



そう言うみゆき自身の髪質は、パーマを二回はかけないとカールが出て来ない頑固な髪質なのだそうだ。

みゆきは雪の髪を軽く編むと、柔らかな髪が良い感じのニュアンスを出してキマった。

「色々試してみるといいよ!」



不器用な雪は一人ではヘアアレンジも出来なくて、所謂オシャレには疎い方だった。

素のままの雪の爪を、真っ赤なマニキュアを塗ったみゆきの手が触れる。

「ねぇゆっきー、あたし買いたいものがあるんだけどちょっと一緒に出かけない?」



授業開始まではまだ時間がある。

二人は連れ立って、街へと繰り出した。





夏休みも折り返しという時期、街はバーゲンが始まっていた。

みゆきはお目当てのショップに来てみたが、気に入る服が無いといって嘆いていた。



来るのが遅すぎたのか、欲しいものはしこたま売り切れてしまっているようだ。

雪とみゆきは他のカワイイものを探しに、ショップの奥へと進んで行った。

これはどうかと相談したり、いつの間にか互いが見たいものをただ見ていたり‥。



雪は久しぶりのショッピングを楽しんだ。色とりどりの服が目を楽しませ、新しい洋服の匂いは心を躍らせる。

こうして服を見て回るのは、聡美と仲直りの後以来である。

あれから事務補助バイトの給料も出たことだし、買っちゃおうかといくつかの服に手が伸びた。



理性的な彼女は家のワードローブを思い出して、手に取るそれらが手持ちの服に合うか考えていた。

しかし雪が触っていくのは、いつものTシャツではなく少しフェミニンな雰囲気の服だ。



先輩と並んで歩くには、自分もそれなりの格好をしないとと考えてのことだった。

可愛らしい服に自然と顔がほころび、雪は柔らかな表情になる‥。





一方こちらは、感覚的なインスピレーションで服を探す近藤みゆきだ。

ビビッとくるものが無いかと、店内を隈なく見て回っている時だった。



その瞳に、鮮やかなオレンジ色のトップスが飛び込んで来た。

お目当ての品、最後の一着である。



思わずみゆきの手が伸びる。

すると、同時にその服を掴んだ手があった。



みゆきが顔を上げると、もう一人もみゆきの方を見た。

サングラスを掛けた彼女の瞳が、その黒いレンズの向こうで光った。






雪が店内を見回しながら、先輩にプレゼント出来そうなものは何がいいかと考えている時だった。



甲高い女の悲鳴が、辺りを切り裂くように響いた。

雪が声のする方を向くと、女二人が激しい掴み合いをして互いを罵倒し合っていた。



よく見てみると、その内の一人は近藤みゆきである。

雪は顔面蒼白になりながら、思わず二人の方へ近寄って手を伸ばした。



彼女らは互いの髪を引っ張り合ったり顔を押しやったりと、間に入れる雰囲気ではない。

雪は右往左往しながらその様子を見ていたが、次の瞬間みゆきが顔を掴まれてテーブルに押し付けられた。



おい、と長身の女が低い声を出す。

「あんた、殺されたいの?」



その尋常じゃない雰囲気を感じて、雪は咄嗟に駆け寄った。

みゆきの頭に、女の長い爪が食い込んでいく。



やめて、と声を上げて雪がみゆきの身体を力いっぱい引いた。

すると体重を掛けていた女は、突然みゆきが居なくなったのを受けて、そのバランスを崩した。



女はそのまま顔から地面に落ちた。

雪もみゆきも思わぬ事態に顔を青くする。

「‥何なの‥一体‥」



低い声で呟きながら、女がムクリと起き上がった。

次は何者が現れたのかと、雪の方を横目で窺う。その目つきは尋常じゃなかった。雪の顔が更に青ざめていく。



しかしみゆきは頭に血が昇ったままで、女に向かって声を荒げた。

「そういうあんたは何者?!狂ってる!!」と言って指をさす。



女は‥河村静香は、雪とみゆきの方をじっと見ていた。

その常軌を逸した目つきに、雪が竦み上がる。



そのままみゆきを連れて店を出ようとした雪だが、みゆきの腹の虫は収まらない。

このまま決着をつけたいとごねるみゆきをなだめている間に、静香は二人の方へと近付き雪の手首を掴んだ。

「ったく‥ナメやがって‥」



静香は雪に向かってすごみながらも、独り言のように低く暗い声で言った。

「ただでさえ最近人生ムカつくことばっかだってのに‥」



汚らわしい奴らめ、と言いながら静香は手首を掴んだ手に力を込めた。

グググ、と爪が食い込み、雪が痛みに顔を歪める。

「離して下さい!離してってば!」



店員が止めに入るが、静香は止めない。

雪と目を合わせ、瞬きもせずにその瞳を凝視する。

「嫌だね~」



雪がその事態に青ざめた時、低く大きな声が耳元で響いた。

「やめろよ!!」



雪が驚いて顔を上げると、凄い形相で女を睨む河村亮が居た。



怒り心頭の亮の顔を見て、静香が興醒めする。

亮は掴んだ静香の手首に力を入れ、静かに口を開いた。

「お前いい加減にしろよ?何またやらかしてんだよ」



一応静香は弁解しようとするが、言葉尻を濁して口を噤んだ。

近藤みゆきは止めに入った男が”トーマス”だということに気づき、驚きを隠せなかった。



亮もまた、静香と一悶着のあった相手が雪とみゆきということに今気付いたようだった。

雪の方を見て、思わず目を丸くする。



同じく亮の方を見ていた雪と目が合ったのだが、亮は何も言わずパッと目を逸らし、静香の首根っこを掴んだ。

「てめ、こっち来い」  「ああ?!」



静香はまだ話は終わってないと弟の顔を見て噛み付いたが、更に凄まじい形相の亮に気圧され大人しく従った。

連れ去られて行く静香は最後の足掻きというように、二人に向かって中指を立てた。



彼女の姿が見えなくなるまで二人は呆気に取られていたが、暫くすると場が騒然としてきた。

警察に通報という声まで聞こえてきて、雪とみゆきはそそくさとその場を後にする。

駆け足で逃げ去る中で、みゆきが雪に向かって言った。

「ねぇさっきの変な女ってトーマスの家族かなぁ?そっくりだったけど」



言われてみれば似ている‥そう思った時、手首の鈍痛に気付いた。

目をやると、くっきりと指のあとがついていた。



指の形に残る五本の痣。

雪はその災難の印を見ながら、胸の中に広がる靄を感じていた。





・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

<指の形の痣>でした。

コロコロ変わるみゆきちゃんのカラコンにも注目です。今回はバイオレットでしたね~。

しかし静香‥カード止められてるのに服買うつもりだったんかい!


次回は<動けぬ姉弟>です。

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胸の中の靄

2013-10-30 01:00:00 | 雪3年2部(再会~三者対面)
ボランティアの翌日、事務補助のバイトから一日は始まった。

事務室に、キーボードを弾く音が響く。



ふと雪が隣の席に目をやる。

先輩が突っ伏して眠っているのだ。

  

品川さんが「二人共疲れてるみたい」と声を掛けてきた。

雪は笑顔で、昨日ボランティアに行って来たのだと答える。

  

品川さんが、突っ伏している先輩を見て起こさぬよう静かに言った。

「淳君は四年生で色々忙しいでしょうに、ここにもしょっちゅう顔出してくれるし、二人ラブラブなのね」

雪はハハハと笑い、曖昧な相槌を打つ。



雪は彼を気遣って、

椅子に掛けてあった自分のカーディガンを、先輩の背中にそっと着せかけた。

疲れてるのかな? そういえば昨日先輩は色々大変そうだったな‥



子供達の指導チームに入っていた雪の目から見ても、掃除チームの先輩達は肉体労働で大変そうだった。

加えて他にやることも色々あるだろうに、毎日雪と一緒に無償労働をしてくれている先輩を、雪は気遣った。



雪は一つ息を吐くと、自分も机に顎を付いて休憩した。

雪も昨日は慣れないことや心に積もったわだかまりで、疲れを感じていた。



今朝先輩と顔を合わせた時に漂った気まずい空気を、雪は思い出していた。



どう考えてもこのままでは、心を重く湿らせる靄を取り払うことは出来なさそうだ。

昨日意を決してした質問の答えを聞いても、その靄は濃くなるばかりだった。

告白の理由だって曖昧、むしろ彼は視線を彷徨わせ、動揺していた‥。



けれどもう一度どういう気持ちで付き合おうと言ったのかと聞けるかといったら、その答えはNOだ。

その質問はきっと彼を傷つけてしまう。

雪の脳裏に、天使の羽を付けた先輩のイメージが浮かび上がる。

過ぎたことでとやかく言うのも‥。色々世話にもなってるし‥



先輩エンジェルは白い歯を見せて、爽やかにハハハと笑って両手を広げている。

去年味わった色々な負の感情と同じくらい、今年に入って先輩から貰ったものは数え切れない。

今日もこうして傍にいてくれてるし‥



雪はそう思いながら、そっと彼の隣で目を閉じた。

瞼の裏に、先日聡美と仲直りした時の場面が浮かぶ。



聡美の時もそうだったが、こういう問題は早め早めに解決するのが良いと雪は思っていた。

時間が経てば経つほど、言い出せなくなったり余計こじれたりと、面倒なことになるからだ。


雪は、隣で寝ている先輩を横目で窺い見た。



去年までの先輩後輩の間柄ならば、このまま記憶を沈めて知らないフリをすれば良かったかもしれない。

けれど、今雪は彼と付き合っている身だ。見て見ぬふりは出来なかった。

お互いが心を開いて歩み寄って、解決するべきなのだ‥。



気がつけば、先輩が目を開けて雪の方を見ていた。一体いつから起きていたのだろう。

雪は内心驚きながら、「起きました?」と声を掛けた。



雪は”鉄は熱い内に打て”と自らに言い聞かせ、起き抜けの彼に笑顔を浮かべて言った。

「あの‥明日時間ありますか?今度こそ晩ご飯をご馳走したくって」



淳はそう言って笑顔を浮かべる雪をじっと見ていた。その深く蒼い瞳に、ぎこちない笑顔の雪が映る。

昨日より自分に近づこうとする彼女の意志を、彼はその鋭い感覚で感じ取る。



その後、雪は先輩との夕食の約束を取り付けた。

いつもの目尻の下がった笑顔で了解する先輩の表情を見て、



雪は少し安堵して笑った。














一方こちらは、河村亮の住む下宿である。

暑そうに服を担いで歩く亮に、小太り君達下宿の仲間が声を掛ける。

「河村クン!それスーツじゃないのかん?」



彼らは亮がスーツを持っているのを初めて見たと言い、彼の周りにわちゃわちゃと集った。

男ばかりに囲まれて、暑苦しいと亮が不満を漏らす。



掃除と雑用が主な塾での仕事だが、亮は一階担当だからとスーツを着てくるよう言われたと言う。

暑苦しいったらありゃしねぇと舌打ちする亮だが、下宿の仲間たちは未だに亮がどこで働いているのか聞かされていないため、

その言葉に疑問符を浮かべていた。更に亮は、そろそろ辞めるつもりだけどなと言葉を続けた。

皆不思議そうな顔をする。

「なんで?結構給料良いんじゃなかったのか?」

「講師の一人と色々あってな。それに飽き症だから一箇所で一年以上働けねーんだよ」



それならなんで上京したんだと、仲間の一人が亮に問うた。

苦い記憶の断片が、彼の脳裏を掠める。



そして思い浮かぶ一人の男の姿、そして姉の姿‥。



亮は現状確認したい人たちがいて、その為に上京したんだと言った。

その内の一人‥つまり青田淳には少し復讐でもしてやろうと企んではいたが、

なかなかうまくいくもんじゃないと言って亮は舌打ちした。



小太り君は、亮にはのっぴきならない理由があって上京して来たと思っていたので、

(というか借金滞納or万引きor夜逃げのどれかだと思っていたらしい)若干意外そうな顔をした。



しかし実は小太り君の想像は当たらずとも遠からずで、亮は地方にて社長から踏み倒した借金のことを思い出してブルーになった。

その日暮らしのような生活を続ける亮に、下宿の仲間達は真面目に就活しろと説教する。

しかし亮はそんな彼らを、嘲笑うように見渡して言った。

「就職~?ここで?オレが?何で?オレみたいな高校中退野郎を誰が雇ってくれるってんだ?

少なくとも高卒にはならにゃ誰も耳も貸さねぇってのに」




その亮の言葉に、小太り君は高卒認定試験は受けたのかと聞き、もう一人は自分はバイトしながら勉強してるぞと苦々しく言った。

亮はお前らには関係ないだろと言って、小太り君の胸ぐらを掴んだ。

「その前にその言葉使いをどうにかしたらどうなんだ?ああ?

お前らだってオレにとやかく言える立場じゃねーだろうがよ」




けれど俺らには目標がある、と下宿の仲間が言った。

亮はバイトばかりしているが、それは目標があってのことなのかと聞いてきた。

亮の顔に青筋が浮かび、彼はキレた。



てめぇらに何が分かると言って暴れる亮を前に、彼らはそそくさと部屋へ帰って行った。

”静粛に”と書かれた廊下のポスターも虚しく、亮の大声は下宿中に響き渡る。



やがて誰も居なくなった廊下に佇んだまま、亮は苛立ちを抱えた。

逃げてばかりのこの生活から、逃げられなくなっている自分がいた。

「はっ!」



そう言い捨てるように息を吐いたが、胸の中を覆う靄は晴れそうにもない。

足掻けば足掻くほど、方向を見失っていくような霧の道。

亮の進んでいる道は、そんな煙った道だった。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

<胸の中の靄>でした。

雪が”鉄は熱い内に打て”と思っているところは、本家版だと”牛の角を熱くした今のうちに抜け”と書いてあり、

韓国の諺だそうです。意味は日本の”鉄は‥”と同じだそうなので、上手く訳せていますね!

英語だと Strike while the iron is hot.だそうで。

世界各国、”好機を逃すな”というシチュエーションは存在しているのね~と面白く思いました。


次回は<指の形の痣>です。

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彼への不信(4)

2013-10-29 01:00:00 | 雪3年2部(再会~三者対面)


濃い緑の葉が、風でザワザワと揺れる。真昼の日差しの下で、雪は手を握られたまま動けずにいた。

心の中も、ざわざわとざわめいている。

  

先輩は何も言わずに、ただ雪の手を握りしめて彼女の瞳を見ていた。

雪はどうしていいか分からずに、強く握られた手を俯きながらじっと見ている。

  

「落ち着かない?」



雪は思わず「えっ?」と声を出し、目を見開いた。

心の中を覗かれたかと思ったのだ。



先輩は雪を気遣っていた。知らない人が沢山いるところに初めて来て、戸惑ってはいないかと。

雪はそういうことかと頭を掻きながら、大丈夫ですと答えた。

「皆さん優しいですし‥柳先輩の彼女さんも初対面ですけど、面白い上に可愛いし‥」



そう言って笑う雪に、先輩も笑顔を返す。

そして彼女の背中に腕を回しながら、優しく声を掛けた。

「雪ちゃんも可愛いよ」



スローモーションのように、雪が彼の胸の中へと入っていく。



淳は雪を抱きしめると、耳元で囁いた。

「これまでデートもまともに出来なかったんだ。少しの間こうさせて」



雪はぎゅっと抱きしめられ、思わず身を固くする。

何が起こったのか、まだ実感が沸かなかった。モゴモゴと口ごもるばかりで、言葉も出ない。



淳は、強張る彼女の頭をそっと撫でた。

大きなてのひらで、彼女のその柔らかな髪の毛を。

  

例えば小動物をなだめるような、そんな仕草。

雪はガチガチに固まっていた心が、少しずつ解れていくのを感じた。





雲一つ無い空の、真上から眩しい太陽が照りつける。


「暑い?」


「少し‥けど先輩の腕冷たいです」


「そう?はは、クーラーにあたり過ぎちゃったかな?」


「それは良かった」




雪の手も、彼の背中に回る。ぎゅっと、Tシャツをその小さな手のひらで握った。



考えすぎる頭とは裏腹に、心は温かくなっていく。伝わってくる体温で、気持ちが解れていく。


正直言って、嫌なわけじゃない





先輩にこうされること‥すごく心地いい‥


雪は気持ちが落ち着いていくのを感じて、目を閉じた。


先輩はガタイもいいし、いい匂いもするし、かっこいいし‥




雪は瞑った目をそのままにして、この感覚に身を委ねようと思った。

先輩が雪のうなじをそっと撫でる。心地よいこの気持ちに、何もかも忘れようと思った。






けれど‥。




淳先輩が後押ししてくれたんだぜ?  先輩は行ってしまった。あなたを見捨ててね

  


拭っても拭っても、消えない染みのように疑心が広がっていく。



そしてあまりにもちぐはぐな、彼の言葉が蘇る。


俺と付き合ってくれる?





雪の目が開いた。

今までのことに目をつぶるには、あまりにも理解出来ないことが多すぎた。





そもそもどうしてだろうか。彼が雪に告白してきたのは。

好きだからか? 気に入ったからか?

正直言って、よく分からない。理解出来ない‥。





雪の脳裏に、あの疎ましい後ろ姿が浮かんだ。

去年の二人は互いに悪感情ばかり感じて、挨拶すら交わさない日々が続いていた。

なのになぜ、今年になって急に良くしてくれるようになったのか。そんな契機すら無かったはずだ。

雪はずっと彼の気持ちに困惑したまま、今日まで来てしまったと思った。





端正な彼の横顔。

いつも何を考えているのか分からなくて、疎ましくて、そして怖かった。

瞳の中は深く暗い海のようで、ふとした瞬間、その闇に飲み込まれそうになる。





頭の中に、横山と和美の顔が過っていく。

  

彼らの行動や、態度に腹が立った。

正直、当時の件で傷つきはしたが、未だに根に持っているわけではない。

もう過ぎた話だ。時が過ぎれば風化していく。



では、こんなにも心を冷たく湿らせるものは何なのか。

老女ホームレス事件の後に、包帯を巻いた手のひらを見て溜息を吐いた時の気持ちが、心を掠める。




私がずっと落ち着かない気持ちを引き摺っているのは‥





一見分からないが、雪の手のひらにはあの時ついた切り傷が幾筋も残っていた。

未だ消えない傷跡は、手のひらにも心にもある。心の方の傷が、シクシクと痛んだ。


寂しいから‥





雪はようやく自覚したその感情を、改めて感じてやるせなくなった。

抱きしめられているこの状況下で、頭と心がだんだんと離れていく。



「一緒にボランティアできて嬉しいな。こうしてこっそり抜け出せるし、人もいないし」



呑気なことを言う先輩の腕の中で、雪は大きくなっていく違和感を感じ、そしてついに彼から身体を離した。

「あの、もうそろそろ‥」



そんな彼女を、淳は驚いた表情で見つめた。

見開かれた瞳に、戸惑う雪が映っている。



気まずくなった雪は、担当の子がいるので‥と言い訳して早々と教室の方へ戻ろうとした。

しかし淳はそんな彼女の腕を、後ろからガシッと掴んで詰め寄った。

「待って。もしかして俺に何か怒ってる?」



さっきからずっと様子がおかしいと、淳は雪の態度について言及した。

雪がぎこちなく、その言葉を否定する。

「いえ別に‥そんなわけないじゃないですか‥」



「本当に?」と言って淳は信じようとしない。

そして彼は鋭い眼光の下、威圧感のある口調で彼女に気持ちを伝えた。

「恋人同士じゃないか。言いたいことがあるなら何でも言って欲しい」




雪はその言葉が、とてもじゃないが信じられなかった。

本当‥?




告白の時、彼から言われた言葉が蘇る。

俺は、胸に秘めてきた言葉よりこれからの言葉が聞きたい




そう言ったじゃないか。

雪が心を悩ましていることは全て去年のことで、彼に言わせれば”既に過ぎ去った過去にすぎない”ではないか。

しかし今さらいちいち問い質すのもどうかと思うし、何と言っていいのかも分からない‥。



淳は彼女の表情を窺っている。



雪はそんな彼を見ながらも、頭の中は忙しなく動いていた。

いくら何と言っていいか分からないからといって、このまま黙っていていいものだろうか?

一言くらいは言ってもいいんじゃないだろうか。でなければ、このままずっとこの問題で頭を悩ますことになる‥。



だとしたら、一体何と言えば良いんだろう?

どうして助けてくれなかったのかって?それじゃあまりにも唐突すぎる。




寂しかったからって、助けてくれなかったことを恨むことも出来ないし‥


では「なぜ私と付き合ったのか」という質問はどうだろう?

‥いや、却下だ。

あまりにも踏み込みすぎる上に、失礼にもあたる質問だ。ならば‥。



俯いた雪が顔を上げ口を開くのと同時に、彼が彼女の名前を呼んだ。

「雪ちゃん」        「どうして私に告白したんですか?」

   


思いがけない質問に、虚を突かれた淳は「え?」と聞き返した。

雪がハッとして、手で口を覆う。



まずった、と雪は思った。

いきなりこれではワケが分からない上に、やはり失礼な質問でもある。

雪は取り乱しながら必死でフォローしようとするが、顔を上げて見た先輩は何かを考えるようにして固まっていた。



雪の手が、口が止まる。



先輩は暫し黙り込んだ後、視線を彷徨わせたのち雪に向かって口を開いた。

「あ‥それは‥」



いつもスマートに答えを導き出す彼が、珍しいほどぎこちない。

「好きだから‥」










彼氏に好きだと言われて、ここまで戸惑うのはなぜだろう。

それは彼の表情の中に当惑が見て取れ、その返事も取ってつけたような感じがするからだ。

雪は彼と向かい合いながら、モヤモヤしたものが心を覆っていくのを感じた。





物事は決着しないまま、柳先輩が二人を呼びに来て話はそこまでとなった。

ぎこちない雰囲気で、雪と淳は教室へ向かう。



雪の胸の中は、煮え切らない思いでいっぱいだ。

淳の返事は、結果彼への不信をますます煽るものとなった。

ボランティアが終わっても、それは雪の心にしこりとなって残ったのだった。



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

<彼への不信(4)>でした。

二人の初ハグだというのに、この不穏な感じはなんでしょう‥。

しかし日陰もない所で抱き合って‥汗だくになってもおかしくないですね。

先輩は掃除班の上ゴミ出しまでしていたのに、いい匂いだなんて‥。やはり星の王子さまなのか‥。


次回は<胸の中の靄>です。

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彼への不信(3)

2013-10-28 01:00:00 | 雪3年2部(再会~三者対面)


お昼休み、雪達四人はテーブルを囲んで座り、食事を共にした。

しゃべっているのは専ら柳先輩だ。

雪は憂鬱な気持ちを抱えたまま、食事もなかなか進まない。



ふいに柳先輩が話し掛けてきた。

「にしても赤山ちゃんって休み中滅多に見れない人の内の一人だったのに、

淳と付き合ってからこうして顔も見れてうれしーなー。分かりやすいヤツめ!」




雪は何と言っていいか分からず、ただ乾いた笑いを立てた。

柳先輩が話を続ける。

「あの味趣連かなんかの二人は元気なん?」  

「あ、はい‥。聡美は塾に通ってます。でも太一とはこの頃全く連絡が取れてないんです」



雪がそう言うと、柳先輩は意外という顔をして言った。

「ん?連絡取れないって? あいつ一日中ゲームやってんぞ?」



驚愕の雪に、柳先輩はあっけらかんと話を続けた。

最近新作のネットゲームが発売され、自分も始めたとこなのだと。

見覚えのあるIDがあるから誰かと思えば太一で、話しかけてみたらビンゴだったらしい。

「相当つぎ込んでるみたいだぜ? ログインする度にすげーレベルアップしてっかんな」



雪は開いた口が塞がらなかった。音信不通であれだけ心配していた太一が、ゲーム三昧だったなんて‥。

しかし呆れているのは雪だけではなかった。

柳の彼女は彼に向かって、問答無用の拳を振るった。

「ちょっと楓!ゲーム禁止って言ったでしょ!!この前のテストも散々だったくせに、まだ懲りないっての?!」



ビシバシと愛のムチをふるう彼女の攻撃に、柳は身を低くして耐える‥。

「赤山ちゃん!お前もこう?!ガミガミ小言炸裂で暴力振るうんか?!」



柳の質問に、答えたのは雪ではなく先輩だった。

「雪ちゃんは言わないよ。小言は俺のほうが多いかな」



先輩のフォローにも、雪はぎこちなさを隠せない。

心を許し合っているように見える柳先輩と彼女の前で、より一層雪は表情を硬くした。



そんな雪には気づかずに、柳先輩は会話を続ける。

経営学科の首席と次席カップルの普段の会話が想像できないという話になり、

もしかして経営の未来についての討論でもしてるんじゃないかと柳はおどけた。



すると不意に、ポケットの中の携帯電話が震えた。

雪はこの気まずさから逃げ出すように、彼らに挨拶して建物の外へ出た。







電話は聡美からであった。

雪が電話に出ると、聡美は今度催される塾の同窓会の話題を出した。高校時代、雪と聡美が通っていた塾だ。

「雪!先輩連れて来なよ~!そんで彼氏の自慢しちゃいなよ!」  「はぁ?!」



雪は素っ頓狂な声を出した。

あまりにも急な聡美の提案に、全くついていけない。しかし聡美は興奮しているのか、早口で話を続けた。

「皆同窓会っていえば彼氏連れて来て自慢すんじゃん。不愉快この上ないってことで、反撃しちゃおうってわけ!

想像しただけでも楽しみでしょうがないわ!」




雪は慌てて”待った”をかけた。あまりにも急すぎると。

先輩の都合も聞いてみないといけないし、どうなるか分からないと言って聡美を説得しようとした。

しかし聡美は、友達に彼氏の紹介するだけなのになぜそんな身構えるのかと不思議そうだ。

けれど先輩の意見を尊重するという雪の意見には頷けたのか、結局一度聞いてみてと言い残して会話は終わった。



そして雪は恐る恐る、太一のことを口にした。きっと聡美は怒るだろうが、黙っているわけにもいかない。

「えーと‥柳先輩から聞いたんだけど、太一この頃ゲームしてるみたいだよ?」



聞き取れなかったのか、聡美が聞き返して来たので雪はもう一度「ゲームしてるんだって」と伝えた。

すると少しの間の後、聡美の怒り狂う声が電話口から溢れてきた。

「あんの野郎ぉぉぉ!!XXXXXX XXXXXXXX」



憤慨のあまり、後半のあたりはもう言葉になっていなかった‥。

雪はなんとか聡美をなだめると、また連絡してみようとたしなめて電話を切った。



あっちでもこっちでも波乱の予感だ。思わず溜息を吐いた。




先ほどの、聡美の言葉が脳裏に反響する。


雪!先輩連れて来なよ~!そんで彼氏の自慢しちゃいなよ!





自分の友達に、彼氏を紹介する‥。

雪は今の気分的に、とてもじゃないがそんなことをする気にはならなかった。

先輩と腕を組み身を寄せて、皆に笑って自分の彼氏だと紹介出来るのか?

そんな自分はまるで想像出来ない‥。



雪は俯きながら歩いたので、その壁の向こうに居る人物に気づかなかった。

そのため次の瞬間、二人はぶつかることになる。

「うぐっ!」



バフッと、雪の顔は先輩の胸に埋まった。



先輩が慌てて雪の顔を覗き込む。

雪は特に鼻にダメージを受けているようだ。

「打った? 見せて!鼻血出てない?」



大丈夫‥と言おうとする雪を遮って、先輩は彼女の顔を両手で包んであちこち点検した。

「見せて。どこかあざになってたりしない?」



しばしされるがままの雪だったが、気がつけば先輩の顔が至近距離にある。

雪は慌てて「大丈夫ですから!」と彼に向かって言った。



ちょっと痺れているだけだと雪が答えると、先輩は安心したように息を吐いた。

「急に現れてごめんね。ビックリした?」



そう言葉を掛ける先輩に、雪は恐縮して返事をする。

「あ、いえ‥大丈夫です」



自分の不注意でもありますからと言おうとした雪だが、途中で言葉が継げなくなった。


彼が雪の手を握って、力を込める。




そして真っ直ぐ彼女の瞳を見つめた。




彼女は動けなくなった。



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

<彼への不信(3)>でした。

そういえば今回の雪が着ているTシャツ、1部19話で着ていたものと同じですね!(そして20話では先輩がおそろいを着ているという‥)

    

ヘビロテカーキTシャツですね~。

次回は<彼への不信(4)>です。

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彼への不信(2)

2013-10-27 01:00:00 | 雪3年2部(再会~三者対面)


色々考えても答えは出ないまま、雪は子供達のいる教室へと入った。

担当児童は、小さな女の子だった。思わず顔がほころぶ。



雪が挨拶をすると、女の子も小さく返してくれた。

雪は女の子に近づき、「お名前は何かな~?」と顔を寄せる。



しかし女の子は手遊びに夢中で、雪の質問は聞こえないようだった。

なんとか注目させようと雪は自己紹介などしてみるが、女の子は全く雪の方を見ず、名前も言わなかった。

「あ」



女の子のノートに、「くらのあい」と名前が書いてあった。

雪はようやく知れた女の子の名前を呼びかけるが、依然として反応しない。



すると雪は担当者から呼ばれ、女の子についての説明を受けた。

「愛ちゃんは脳の方に障がいを持っている子です。

記憶障がいがあって、一度教えてもなかなか覚えられません」




倉野愛は、先週から数字を習い始めたという。

担当者は、今日は数字の1から6まで繰り返し教えるよう指導して去って行った。



雪はふぅ、と息を吐くと覚悟を決めて愛の向かいに座った。

今日はお姉ちゃんと数字の勉強をしようと言って、教科書を開く。



子供を教えるのは、まして記憶障がいがある子どもを前にするのは経験がない。

しかし雪は自分なりにやってみようと、愛に向かって数字の「1」のページを開いて見せた。

「愛ちゃん、これは何かな~?」



しかし愛は指先で遊ぶのに夢中でこちらを見ない。

注目させようと必死で呼びかけると、なんとかこっちを見てくれた。すかさず教科書を見せる。



しかし愛は数字を見てもピンときていない。

この数字は何か、という質問にも「分かんない」と返ってくる。

「これは1!だよ。いーち」



雪が身振り手振りとおどけた表情で一生懸命そう教えると、愛の指がぎこちなく動いた。

「いちぃ‥」



雪は愛の反応が嬉しくなって、もう一度言ってみようと続けて教えた。

授業時間が終わるまで、雪と愛は向かい合って勉強した。








「タバコ一本だけ吸わせて」  「ああ」
 


一方こちらは、掃除チームに配属された柳と淳だ。

ゴミ捨てが終わると、柳はその場でタバコを取り出した。

「あ、そうだ」



そう言って柳が話し始めたのは、横山翔についての話だった。

彼は一年間の休学の末、次の学期から復学する。

最近横山は去年皆を騒がせた反省の意味だと言って、学科の人間と連絡を頻繁に取り、ご飯をおごりまくっているという。

すると去年あれだけ横山を邪険にした彼らは、180度態度を変えて横山をもてはやしているらしい。



淳には初耳な話だった。柳が言葉を続ける。

一度柳も横山に呼び出されて彼と会ったと言った。

横山は携帯を変えてからミスって淳の番号を消してしまい、今まで連絡出来なかった旨を伝えておいてくれるよう柳に頼んだ。



見え透いた言い訳だ。

そう柳が言うと、淳は別に気にしてないと言葉を返した。

「‥そういや、あいつちょっと変なこと言ってたな」



横山は言ったのだ。

”福井太一と赤山雪がデキてる”と。



今まで自分には無関係な話だと思っていた淳が、ふと動きを止めた。

二人の脳裏には、どう見てもちぐはぐなカップルの姿が浮かぶ‥。



柳は淳と雪が既に付き合っていることを知っていたのでまるで信じなかったが、

一応淳には言っておこうと思って話したのだという。おかしなことを言う奴だから変な誤解しないように、とも。



ふぅん、と淳は含みのある声を漏らす。

そんな淳に構わず、柳はパッとした笑顔を浮かべて言った。

「ともかく!お前らがこうなるなんて、俺は夢にも思わなかったぜ~!」



柳は淳から赤山と付き合うことになったと聞いた時、不思議でしょうがなかった。

なぜなら去年の彼らはといえば、互いにそっぽを向き合って挨拶すら交わさなかったからだ。



中でも文化祭の話し合いで二人が衝突して以来は、険悪な雰囲気すら漂っていた。

柳は一度淳に赤山との和解を勧めたが、彼は全く取り合いもしなかったのだ‥。






今の淳といえば、穏やかな笑みを浮かべていた。

どうやって付き合うことになったのかという柳の質問に、一緒に過ごしている内に自然に、と淳は笑って答える。



柳は更に踏み込んだ質問をする。

「てか、どこまでいったんだ?」



肘でコノコノ、と淳を突いて来る柳に、呆れながら「何言ってんだよ」と彼は答えを濁す。

何と言っても二人は、ついこの間付き合い始めたばかりなのだ。

「出来るだけ雪ちゃんに合わせてあげようと思う」と淳は続けた。

柳は頷きながら、今までまるで男っ気の無かった赤山雪を思いながら言った。

「けど赤山って顔に似合わず純粋そうだよな。これから色々と大変だろうなぁ」



ハハハと笑う淳に、柳はもう一度「おめでとさん」と言った。

ありがとうと返す淳に、柳はもう一度肘でウリウリと突く。



もうお昼休憩の時間が迫っていたので、二人はそのまま教室へと帰って行った。





淳が教室に入ると、既に仕事を終えてその場に居る雪と目が合った。

「あ、先輩」



笑顔を浮かべてはいるが、どこか硬い表情に見える。

彼女は色々と手こずっていると答えた。

「前にもボランティア経験あるって言ってなかったっけ?」  

「お年寄り相手にはあるんですけど‥。子供を相手にする方が難しいですね‥」



でも頑張らないと、と言う彼女に、淳は微笑みかけて肩を抱いた。

「心配ないよ。雪ちゃんはいつも上手くやるじゃないか」



彼女の身が強張る。

表情も硬く、そのまま雪は俯いた。



そのぎこちない反応に、淳は無言で彼女を見つめた。

明らかにいつもと違う。



雪は淳の視線に気がつくと、場を取り繕うように大袈裟に笑ってみせた。

褒めすぎですよと言って頭を掻く。



その不自然な反応に、淳はどうすべきかと一人思案していた。

並んで食堂に向かいながらも、心の距離は大きく空いたままだ。



互いの歯車が、少しずつ狂っていく‥。


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<彼への不信(2)>でした。

ボランティアの話は2話に渡って描かれているので、記事にすると3~4記事に分けるくらいの分量になりそうです。

これだけのページ数を毎週書き、そして色もつけている作者さんは本当大変だろうなぁと思います。

ゆっくり静養して、またパワーアップして戻ってきて欲しいですね(^^)

次回は<彼への不信(3)>です。


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