折に触れて思い出す本がある。
そんな本のtop5
1.三島由紀夫「豊穣の海 第4巻 天人五衰」
三島由紀夫の年齢は昭和と同じである。
45歳、昭和45年に自衛隊市ヶ谷駐屯地で割腹自殺。
「天人五衰」は、自衛隊駐屯地乱入の数日前に書き上げられたもの。
ライフワークと自ら喧伝していたが、輪廻転生をモチーフとする第3巻までの絢爛たる物語は失われ、輪廻転生の証人だった者が、失われた物語を求めて廃墟をさ迷うような無残さがある。
肩透かしを食らった評論家の群れは、こぞって失敗作と断じ、画竜点睛を欠くと論じたように思う。
三島は、なぜ詩的物語を、散文的に過剰な自意識に充たされた、
ストーリー性のない作品をもって敢えて、自らのライフワークを閉じたのか?
理由として考えられるのは、三島の実質的処女作「花ざかりの森」とのパラレルな関係性。
「豊穣の海」は、作家人生の終わりに、作品の「円環」を閉じる作品として書かれたものなのであろう。
また、「天人五衰」が示す空間には、極めて現代的な虚無が充ちており、良く出来た物語で終わらない、同時代性が伺える。
2.三島由紀夫「仮面の告白」
いわゆる文壇デビュー作なんだが…
大嘘をつくぞ!と宣言して本当のことを書いたのだと思う。
三島が男色家なのは、事実である。
劇作家三島は職権乱用で、
美輪明宏と舞台上でディープキス!
美輪は、三島とのキスは嫌だったと告白しているw
3.川端康成「眠れる美女」
添い寝を、老人に斡旋する宿屋がある。
相手は、強い睡眠薬で眠らされた美女である。
猟奇的一歩手前のエロス?
川端の「伊豆の踊り子」でさえ、
踊り子は、夜には娼婦となる定め。
川端康成の本質がよく顕れた作品である。
4.なかにし礼「血の歌」
森田童子とは、誰なのか?
それを暗示する作品…森田童子に心臓を射ぬかれた者にとって最重要作に他なりません。
5.筒井康隆「時をかける少女」
ラノベの原点にして、頂点!