権現舞(写真は2011.1.1、小学生の「笹払い(権現様を導く露払い)」からお神酒を頂く権現頭)、
綾里の正月は、まず、権現様でスタートします、各地区ごとに権現の頭(獅子頭)が奉納されており、一つの頭に3人の舞人が入っていて、子どもたちの「笹払い」に導かれながら勇壮な権現舞で家々を回ります。
大小迫は、ここ岩崎地区で最初に舞い始めるところで、年の初めは氏神様への奉納権現舞でスタートしますが、今年は、昨年の大震災で地区の公民館も津波に流され、権現舞の衣装・装束も水につかったので恒例の権現舞は取りやめになりました。
権現様を迎えるそれぞれの家々では、神棚にしめ縄を飾り、正月3が日はお膳を供え、神様をまつります。
神棚の向かい側には、年神様があり、神様が降臨する目印に「三階の松(枝が三段になっている松)」としめ縄を飾り、祝います。
臼や農機具にもしめ縄を飾り、水桶には「若水」を汲み、新しい年に対して祈りと感謝をこめて祝います。
三十三所観音菩薩石仏もしめ飾りをして正月を迎えました。
綾里地域を一望する氏神様も、松飾りをして正月様を迎えました。
加えて氏神様のほこらには、木彫りの仏像が並びました。
昨年、被災地を支援したいと、脳こうそくの後遺症と戦いながら作ったという作品が鎮座しています。高台から被災地の綾里の町の復興を見守ってくれることでしょう。
岩崎地区では権現様などの恒例の正月行事は中止になりましたが、それぞれの家庭では、三階の松やしめ縄飾りなどの伝統行事を執り行い、自然を敬いながら、ヒトと自然との共存を図るべく復興元年がスタートしました。
仏様、一体一体がとても穏やかな表情に見えます。震災で被害を受けた方々の鎮魂のために、宗派を乗り越えて神様も仏様も、祈り続けてくださる事でしょう。
岐阜県中津川市から岩手県大船渡市まで祈りのために出かけた仏様、高台の寒風を遮ってくれる祠で、神様と共に綾里を見守り続けてください。
作者も喜ばれる事と思います。このブログをしっかり見ていただきます。
一陽来復、仏像の作者の思いが鎮魂の祈りとなって、被災者に届き、多くの方々を元気にしてくれることでしょう。