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大小迫 つむぎの家

よみがえれ!大小迫の里山。 人と人、人と自然をつなぎ、つむぐ「つむぎの家」

冬虫夏草「ハナサナギタケ」

2013年09月09日 | きのこ

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ハナサナギタケ(バッカクキン科)

雑草でうっそうとしたビニールハウスの周りの草取りをしていると、ツユクサの根に絡まって顔を出したキノコ。

チョウやガの幼虫の蛹から発生するハナサナギタケという冬虫夏草でした。

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真っ白な菌糸に包まれた蛹から、淡黄色の分生子柄が束生し、木の枝状に広がり、動かすと先端の白色状の胞子が舞い上がりました。


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水で土を流してみると、3センチ程の大きさの蛹の姿が見えました。

たくさんある冬虫夏草の中でも、薬用のあるものは数種と限られるようですが、ハナサナギタケには、最も高い薬効成分が含まれ、生きている蚕で人口培養された抽出エキスが加工され、若返りや自然治癒力を高める機能性健康食品として販売されているようです。

蚕は、桑の有用成分を体内に蓄積し、「シルク」という素晴らしい天然繊維を創りだす働きからも、蚕の蛹からの人工培養したハナサナギタケの薬効、興味をそそられますね。


キヌガサタケは虫たちの酒場 その2

2013年08月12日 | きのこ

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つむぎの家の里山には、かつて経験したことのないおびただしい数のキヌガサタケが顔をだし、さまざまな表情を見せてくれました。そして緑濃い草地に、白いドレスを着け、凛と立つ美しさに自然が織りなす神秘を感じました。

キヌガサタケは、グレバのエキス(胞子)でさまざまな虫を呼び、生き物たちと共存しながら繁殖の場を広げています。

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キンバエやミドリキンバエ、その他いろいろなハエがグレバの酒場に集まっています。


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ジャノメチョウもやってきました。


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ルリタテハもやってきて、翅を閉じたり広げたりと、目の前でるり色の美しい姿を見せてくれました。


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カブトムシもやってきました。

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ヤツボシハナカミキリでしょうか。

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こちらは、ヨツスジハナカミキリです。

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シロテンハナムグリもやってきました。アオカナブンやヤツボシハナカミキリと仲良く食餌中です。

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こちらは、赤色味を帯びたシロテンハナムグリでしょうか。

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倒れたキヌガサタケのグレバの下には、たくさんのクワガタムシがいました。ざっと数えて7匹です。

こんなにもたくさんの昆虫たちをひきつけるキヌガサタケのグレバの魅力は、いったい何なのでしょう?。私には、悪臭としか思えない匂いですが・・・・。

グレバを取り除いたキヌガサタケを!”おいしい!”と感じるように、虫たちにとっても最高のご馳走なのかもしれませんね。


巨大キヌガサタケでした(直径7㎝の白球)

2013年08月04日 | きのこ

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7月24日に、確認した直径7㎝の白いボール状の幼菌ような物が、その後赤みを帯び、てっぺんが盛り上がってきて、ひび割れしてきました。


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いったい何が出てくるのだろうか?と観察をつづけていると、幼菌が割れ、まるでタマゴのような暗緑色のグレバが頭をもたげてきました。


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グレバが出きり、その下に白い柄が顔をのぞかせています。キヌガサタケのようだけれど、こんなに大きなものは初めてです。


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グレバが出きって白い柄が伸びてきました。

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グレバの下からフリル状のマントが見えてきました。


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やがて、マントが波打ってきました。


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マントがドレスのように伸びてきました。キヌガサタケにまちがいないようです

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グレバが見えてから約15時間、マントの裾が開き切っていませんがキヌガサタケになりました。

通常は、20㎝前後のキヌガサタケが大半で、グレバが見えてから約3時間ほどでキヌガサタケになります。

幼菌の場所が、土手の斜面で不安定なために斜面を這うように、うつむいたさびしげな表情で出現しました。


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直径6㎝、高さ35㎝の巨大キヌガサタケです。

梅雨明け宣言と共に夏日になり、まわりの草を刈ったこともあり、直射日光の当たる環境での発生で、ドレスが開き切れず残念でしたが、この大きさには驚きです。

キヌガサタケの生長には、湿度が高く、直射日光の当たらない薄暗い環境が良いようです。

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平坦な、草地に出たキヌガサタケ。

これまで約70本のキヌガサタケが確認できました。まだポツリポツリと幼菌が見えていますので、しばらくの間は、楽しめそうです。


キヌガサタケのパレード

2013年07月24日 | きのこ

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今夏は雨が少なく、川の水も枯れてしまうのではと心配していましたが、7月中頃からは低温と雨続きの毎日が続いています。

この雨で雑草が一段と勢いを増し、草刈が間に合わない状態でしたが、田の草取りが一段落しましたので、一昨日から少しずつ草刈りを始めました。

雨が幸いしたのか、長く伸びた笹交じりの雑草の下に、何とキヌガサタケの幼菌がたくさん顔を出していました。


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すでにキノコになっているものもあり、ドレス(マント)をまとった姿は、幼菌を従えて、まるでパレードをしているように見えます。

あたりを見回すと、並ぶ幼菌の数に驚きました。ざっと数えて30個はありました。まだ草刈りを始めたばかりで、草丈の伸びた茂みの中にも、ポツポツ見えています。


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このキヌガサタケは、生長したばかりで、ドレスも伸びて、ピンとたっていました。

雨が降るとグレバの色と悪臭がドレスに染みつき汚れてしまうので、グレバを取り除き、早速中華スープにしていただきました。

「とろ~り」としてコクのある旨味とシャキシャキした食感が何とも嬉しいキノコです。


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土手の草地では、白くて大きな幼菌が顔を出していました。直径7㎝ほどの球形で、キヌガサタケの幼菌の色合いや肌触りとは違い、表面がざらざらしており、まるで野球ボールのようです。何のキノコでしょうか?観察を続けてみたいと思います。

日本産キヌガサタケは、キヌガサタケとマクキヌガサタケ、そしてウスキキヌガサタケと3種あるようですが、つむぎの家のキヌガサタケはドレスがやや短めです。マクキヌガサタケにも似ず、どこに分類されるのか、同定の難しいキヌガサタケです。

今年は冷夏のため、稲の生長が遅れており、ホタルの発生や飛翔の数も例年より少ない?と心配していましたが、ホタルも徐々に飛びはじめてきており、そして、このようなキヌガサタケのパレードにも出くわすことができました。

連日、各地で不安定な気象が続いていますが、自然の恵みがもたらしてくれたキヌガサタケの発生にワクワクしているこの頃です。


冬虫夏草 カメムシタケ

2013年07月17日 | きのこ

昨日は、畑でジャガイモ掘りをしました。

このところ、連日雨のじめじめした天候が続き、ジャガイモの代表的害虫であるニジュウヤホシテントウとその幼虫やオカモノアラガイが大発生、少々不快な気分で作業をしているとマッチ棒くらいの小さなオレンジ色が目に入り、そっと土をかき分けてみました。

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冬虫夏草のようです。

冬虫夏草とは、昆虫に寄生したキノコの総称で、冬には虫の姿をしているが、夏になると虫の体内からキノコが出てきて草(植物)になると言う意味です。(他にセミ、ハチ、アリ等々)


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カメムシタケ(バッカクキン科)

泥を落としてみると、ヘリカメムシでした。

冬、冬眠するために地面にもぐったカメムシがバッカクキンに感染。


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カメムシタケの、柄は黒く、先端が膨らみオレンジ色をしています。この形から別名ミミカキタケとも言うそうです。堅くてしっかりしたキノコです。

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この日、学校菜園に来た5年生にカメムシタケを見せると、驚きの表情で覗き込んでいました。

バッカクキン科のキノコは、森林帯の木陰や雑木林などの樹林帯で出会うことはありましたが、なぜ畑に発生したのか?疑問でしたが、思い起こすと山の腐葉土を畑にすき込んだ時に、冬眠中のヘリカメムシも一緒に運んできたものと思われます。農作業中の感動の一コマでした。