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大小迫 つむぎの家

よみがえれ!大小迫の里山。 人と人、人と自然をつなぎ、つむぐ「つむぎの家」

キノコの芸術 その2

2012年11月17日 | きのこ

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長年放置された大小迫の森は、フジやサルナシなどのツル性稙物に侵略され、倒木が多い。この木はフジに覆われ立ち枯れとなったが、地上に伏せることなくかかり木になって宙に浮いています。

朽ちかけた木には、イタチナミハタケ(ヒラタケ科)がびっしり生えていました。

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イタチナミハタケは、柄はありませんが丈夫なキノコで、互いに重なり合うようにかたまって生えています。

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イタチナミハタケの裏

一株取って見ると、花弁が集まったキノコの花のようです。


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チャカイガラタケ(タコウキン科)

傘は半円形、表面は茶褐色で環紋があり、秋色に負けず紅葉を先取りしたキノコのようです。


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カワラタケ(タコウキン科)

表面は、灰色や褐色、青黒色など多彩な色合いが重なり合い、環状の渦巻き模様がすてきですね。


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ツヤウチワタケ(タコウキン科)

傘は薄い皮質で柄があり、褐色環紋の、上品な装いに目を奪われました。

森の掃除屋さんでもあるキノコの、多彩な色合いや表情に魅せられ、自然が造りだしたキノコの造形美に浸っています。


キノコの芸術 その1

2012年11月16日 | きのこ

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スミレウロコタケ(コウヤクタケ科)

森に横たわる一本のコナラの枯れ木に、淡紫色のキノコがひときわ目立っていました。


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スミレウロコタケ

こうやく状に広がるキノコで、灰白色の幅の狭い傘とスミレ色の子実層が、自然の造形美を見せています。


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倒木の中ほどに目を移すと、シハイタケ(タコウキン科)が群生。


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シハイタケ

傘は半円形の薄い小型で、多数が重なり合い、コナラの倒木を埋め尽くしています。

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シハイタケの表面は、灰白色で短い毛を帯びています。

森の小人たちが、小鳥の歌声に合わせ、リズムを取りながら合唱しているような光景です。


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コナラの倒木を反対側から見ると、灰白色のシハイタケはお色直し、変身ぶりに驚かされます。


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間近で見るシハイタケは、自然に融けあった紫褐色の美しい色彩です。

雑木林の色づいた木々の中で、装い新たにおしゃれを楽しんでいるようでした。

自然が造りだしたキノコの芸術にうっとりしたひと時です。


晩秋のキノコ

2012年11月14日 | きのこ

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昨日、原木椎茸「あきっこ」の収穫に裏山に入り、少し足を延ばすとコナラの立ち枯れ木の根元にクリタケの群生を見つけました。

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真上から見たクリタケ。

クリタケは、傘の色が栗のような色をしていることからこの名が付きました。


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こちらではクリタケ幼菌が、コナラの倒木から顔を出し、栗色の傘の周りには、綿毛状の鱗片が点々と目だっています。この倒木の周りからはしばらくの間、クリタケの採取が楽しめそうです。


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ニガクリタケ

この時期、クリタケに似た猛毒のニガクリタケも、あちこちに見られます。

硫黄のような黄色みを帯び、中央が濃い色をしていますので間違えることはないのですが・・。

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ニガクリタケの幼菌

幼菌のうちは、クリタケにも似ていて分かりにくいですね。

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ムラサキシメジ

昨年見つけた場所とほぼ同じところで、円を描くように紫色の傘が並んでいました。


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この紫色の傘が、一つ目に入ると「ここにも!こんなところにも!・・」と次々に現われ、ムラサキシメジとの出会いに心躍ります。

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ムラサキシメジは、全体に紫色をしていますが、とりわけヒダは鮮やかな紫色で、柄は白く根元は膨らみ手に取るとずっしりとした身のしまりを感じます。

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昨日、収穫したムラサキシメジとクリタケです。

落葉広葉樹の森で、ふわふわした落ち葉の布団の中から美しい紫色の顔を出したムラサキシメジ、コナラの枯れ木に群生して生えていたクリタケ、食する喜びもありますが、自然の中に出ているキノコを見つけた時の感動はひとしおです。


今秋であった裏山のキノコ

2012年11月02日 | きのこ

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ハタケシメジ(キシメジ科)

里地近くの林内に2株生えていました。根元が太くしっかりしていて身ががっちりとしまっています。

ホンシメジに似ていて、味も引けを取らない優秀な一級品のキノコだそうで、ぜひ味わってみたいと思います。


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ヒイロガサ(ヌメリガサ科)

竹林のヘリに弧を描くように顔を出していました。赤い色合いのキノコは毒々しさを感じますが食用のようです。


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エゴノキタケ(タコウキン科)

多彩な環紋の美しさに目が留りました。おしゃれなキノコですね。


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エゴノキタケの下面は、白いひだ状で上から見ると薄っぺらなキノコに見えますが、横からみると3㎝ほどの厚さがあり、意外でした。


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ナラタケ(キシメジ科)

朽ちかけた倒木にびっしりと生えていました。発生からだいぶ経ったようで今回は収穫せず見過ごしました。

黒色の糸状の菌糸束が樹皮に伸び広がっています。


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ヌメリイグチ(イグチ科)

今年は比較的多く見られました。名のごとくぬめりがあり、歯触りも良く味噌汁に入れていただきました。


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シロオニタケ(テングタケ科)

松葉が降り積もったイワウチワの葉の側に、真っ白なシロオニタケの3兄弟が生えていました。3兄弟の歌声が聞こえてくるような静かな北斜面です。

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サナギタケ(バッカクキン科)

地中に埋もれた蛾やチョウの蛹に寄生し、大きさは5㎝ほどの棍棒状のキノコです。冬虫夏草の名で知られ、中国では薬用として利用されているそうです。

今年は数少ないキノコとの出会いでしたが、裏山で出会ったキノコの中でも、心に残った数種をアップしてみました。

季節を味わうキノコの楽しみはもちろんですが、神秘的な美しさに触れる喜びや繁殖の戦略など自然の不思議を実感した、今秋のキノコとの出会いでした。


スッポンタケ科 オンパレード

2012年11月01日 | きのこ

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今年はスッポンタケ科のキノコ繁殖の好条件がそろったようで、つむぎの家の里山はスッポンタケ科のキノコのオンパレードです。

スッポンタケ科は、幼菌から成菌になる早さは数時間と短く、朽ちるのも半日ほどで委縮してしまいます。中空な柄は雨にも弱く、上の3本のスッポンタケは雨に打たれて斜めに傾いています。

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虫たちの最高食材を提供しているグレバに集まる昆虫を狙って、アマガエルがスッポンタケの柄で待機しています。


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キツネノロウソク(スッポンタケ科)


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キツネノエフデ(スッポンタケ科)


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昨日のキノコの収穫。キヌガサタケ4本、スッポンタケ16本、ヒラタケとハタケシメジ。

ここ数日の三陸は、雨らしい雨が降り続き、地面はしっとりと潤いを帯びてきました。スッポンタケの幼菌は、日に日に生長して次々と頭をもたげてきました。他のキノコが例年よりずっと少ないのにスッポンタケ科だけは大繁殖!なぜ?どうして?疑問の連続です。