goo blog サービス終了のお知らせ 

大小迫 つむぎの家

よみがえれ!大小迫の里山。 人と人、人と自然をつなぎ、つむぐ「つむぎの家」

裏山の山野草

2012年05月03日 | 草花

2012_0426_142046p4260102

フチゲオオバキスミレ(スミレ科)

ヤマブキの花と競うかのごとく、林床に点々と黄色いスミレが咲き誇っています。

北海道南部から東北の太平洋側に見られる地方変種で、葉の縁に毛があり根茎で増えないので群生はしません。蕾は赤紫色、茎も赤みを帯びています。

Photo_2

ユリワサビ(アブラナ科)

ユリワサビの名は、秋から冬に葉柄の付け根付近が紫黒色にふくらみ、小さなユリ根に似ることに由来。ハート型の葉に包まれ十字形の清楚な花が茎を伸ばし、薄暗い山の斜面で地を這っています。

食べられる野草で、おひたしやあえ物、刺身のつまや薬味になり、生で食べても辛味はありませんがワサビに似た味がします。

Photo_3

エイザンスミレ(スミレ科)

エイザンスミレは比叡山に生えていることから名がついたそうです。笹刈りをした林地のいたるところに顔を出しました。葉は付け根から3つに分かれ、切れ込みが入っていて他のスミレと区別がつきやすく個性的です。

2012_0426_150209p4260131

エイザンスミレの花は、淡紅色で側弁は有毛、唇弁は紫色の筋が目立ちます

Photo_4

エンレイソウ(ユリ科)

春の陽射しをいっぱいに浴び、林内で花をほころばせています。

漢字では延齢草「延ばす齢の草」と書き、中国では根茎を胃腸薬や催吐剤などの薬草とされているようですがサポニンなどの成分を含む有毒植物です。

2012_0429_145926p4290062

エンレイソウは、輪生する大きな3枚の葉を広げ、花弁はなく紫褐色のがく片を持つ地味な花です。

Photo_5

シロバナエンレイソウ(ユリ科)

エンレイソウより少し遅れてシロバナエンレイソウも咲きだしました。輪生する葉の中心に花柄をだし、緑色の3枚のがく片と3枚の白い花弁をつけ、うす暗い樹林下でひときわ目立っています。

2012_0502_155714p5020008

薄いピンク色のシロバナエンレイソウも咲いていました。先端のとがった長いがく片ですね。

エンレイソウは有毒と認識していましたが、ここ三陸地方ではエンレイソウの実を子どものころによく食べていたという話を聞き、「毒草なのに大丈夫なの」と疑問に思っていましたが、「秋に黒く熟した実は、ヤマソバと言って昔から食用した」との記述を見つけました。

エンレイソウ自体はサポニンを含む有毒植物だが、熟した実は食べられ、地下茎は食あたりの薬になる、まさに”毒と薬は紙一重”のことわざの象徴ですね。今年の秋にはぜひエンレイソウの実を食してみたいと思います。


カタクリの花が見ごろを迎えました

2012年04月18日 | 草花

Photo

カタクリ(ユリ科)

カタクリの名前の由来は、食用にする根の鱗片が栗の片割れに似ていることからとか、生長してしばらくは片葉(一枚葉)で葉に鹿子模様の斑点があることから等、諸説があるようです。

カタクリは、種子が地中に入ってから平均8年で2枚の葉をだし花をつけ、陽が当たると開花します。

今つむぎの家の山では、カタクリがうつむき加減に淡い紅紫色の花をつけ、花被片がそっくり返って花の見ごろを迎えています。

Photo_2

山の 東斜面に咲き誇るカタクリ。

Photo_4

冬に間伐をして、明るいくなった山の頂きに咲くカタクリの花。

ースプリング・エフエメラル(春のはかない命)ー

カタクリは花のあと、5月中頃には葉も花も枯れ、来年の3月半ばごろまで地中で球根のまま休眠します。1年のうちの10か月は地中で暮らし、周りの木々や草が緑になる前の早春、他の花に先駆けて咲き、短い命を謳歌します。

Photo_6

北斜面に咲くカタクリ。

カタクリは、明るい土地を好みますが、夏の暑さには弱く、北斜面が生育環境に適しているようです。あいにくここは土砂が崩れ不安定な土壌ですが、好環境なのか針のような一年葉がたくさん出ています。

Photo_7

森の整備を初めて2年目、まだ片葉の多いカタクリ山です。

カタクリの葉が2枚葉になり花が咲くまでには7~8年かかりますので、5年後位にはカタクリの群生が見られることでしょう。

Photo_8

南側から見たカタクリ山。

2年前、土色に見える山肌は、アズマネザサで埋め尽くされていました。山の手入れをすればするだけ植生も豊かになってきつつあります。

カタクリ山の緑の茂みは、松やヤブツバキで他は秋に葉を落とした広葉樹です。広葉樹が葉を茂らす6月頃になると樹冠は緑の葉に覆われ、林床の日差しは遮られてしまいます。カタクリは落葉樹が葉を落としている早春、花を咲かせ林床に差し込む日光を取り込み、1年分のエネルギーを蓄え休眠に入ります。自分より優位にある高木の生態を知り尽くした、カタクリの知恵には驚きです。


イワウチワが咲きました

2012年04月16日 | 草花

2012_0413_123818p4130016

イワウチワ(イワウメ科)

岩地に生え、葉がうちわに似るのでこの名がついています。

大小迫山の奥入り(南尾根道、徒歩50分)にイワウチワが咲きました。昨年に比べると花の付きが悪く、生長もいまいちです。

Photo

昨日の朝は霜が降りて冷え込みましたが、日中は5月を思わせるほどの暖かさを感じる日もあり、一気に咲き誇ったようです。直径2㎝ほどの小さく可憐な花です。

Photo_2

蕾の時は、淡紅色の花の色も濃く、茎や萼片は赤みを帯びています。

Photo_3

松葉に埋もれて咲くイワウチワ。

Photo_4

純白の花をつけたイワウチワ。

Photo_5

イワウチワが咲いている雑木林。

この場所は、アカマツと広葉樹の混交林で、イワウチワは北斜面の広範囲に自生しています。かつて出会ったイワウチワと比べると葉も花も小さく、まばらな花の付き方です。立派な花を咲かせるには間伐をして、適度に日当たりをよくしてあげなければと思っていましたが、ついに花の時期を迎えてしまいました。今回この自生地を訪ね感じたことは、マツの葉が降り積もって、イワウチワの葉の全体が見えない状態でした。「松葉かき」をすれば良かったのかなと自問自答していますが、これまでにない今年の寒い冬の影響もあったのでしょうか?。徐々に山の手入れをしていきたいと思います。


晩秋の裏山  その1

2011年11月18日 | 草花

2011_1114_150902pb140088

昨年、森の整備をし、除伐や下草を刈った山肌が、色とりどりの紅葉で賑わっています。真っ赤なウリハダカエデ、黄色いクロモジ、緑のクマザサと明るくなった林床に芽生えた植物たちの冬支度です。

2011_1114_151342pb140104

春に、美味しい山菜として楽しませてくれたモミジガサは、たくさんの種をつけました。

2011_1114_151524pb140109

モミジガサの種子は白いボンボリの集合体。

2011_1115_153022pb150089

モミジガサのボンボリをつまんでみるとシルクのように輝く翼を広げ、風に舞い、新天地を求めて旅立ちました。

2011_1116_103031pb160007

トリカブト

果実はまだ青々として、種の飛行にはもう少し時間がかかりそうです。

2011_1114_155206pb140173

サラシナショウマ

花柱のついた袋果は、電線に止まった小鳥たちのさえずりが聞こえてくるようです。すでに落ちてしまった袋果もありますが、翼をつけた種子の旅立ちも間もなくでしょう。

里山を彩る紅葉や新天地を求めて旅の準備をしている山野草、吹き荒れる北風をじっと待っている草花の種、晩秋の裏山での光景です。


秋の草花 その4

2011年10月24日 | 草花

2011_0924_102112p9240029

アキノノゲシ(秋の野罌粟)

ハルノノゲシやオニノゲシのようなトゲがなく、葉は柔らかです。

淡黄色の小さな花が、高い秋空の流れる雲に良く似合います。

2011_1019_160540pa190104

ナンブアザミ(南部薊)

岩手県産のアザミで日本固有種。

昨年は、ナンブアザミにたくさんのチョウやハチが蜜を吸いに集まってきましたが、今年は昆虫の飛び交う姿はほとんど見られませんでした。

巡り巡ってくる季節ですが、今年は昨年より、生き物の活動が下火だったように思います。

2011_1023_162600pa230098

ヤクシソウ(薬師草)

名前の由来は、葉の形が仏像の光背に似ているからとか、また薬用(民間薬として皮膚の腫れものに外用)にされたから等,諸説があります。

広葉樹が葉を落とし始め、鈍色の背景の中でひときわ輝いていたヤクシソウです。

2011_1019_131942pa190036

マルバフジバカマ(丸葉藤袴)

大小迫の里地・里山で繁殖を広げています。

北アメリカ原産の帰化植物で、箱根の強羅公園に植栽(1896年)されたものが広がったそうです。

”通常の帰化植物が定着できるような場所は、造成地や畑や河原などのように攪乱が多い場所だが、マルバフジバカマは本来なら帰化植物が侵入できないと考えられる植生が安定した林地にも侵入できるため、従来種との競合が懸念されている。

「ミルク病」・・マルバフジバカマは、トリメトルという有毒物質を含み、家畜がこの植物を食べると肉や牛乳に有毒成分が混入し、それらを食べた人も有毒成分を摂取することになリ、トリメトルによる中毒症状が発生し、ミルク病と呼ばれた。”・・百科事典より

2011_0914_110554p9140001_2

杉の植林地に侵入し、繁殖しているマルバフジバカマ。

マルバフジバカマは、現状では環境に影響を与える種とは認識されていないようですが、いたるところに大繁殖している実態から要注意の外来生物に指定する必要性を感じます。

動物がこの有毒植物を抵抗なく食べ、結果として中毒症状(無気力とだるさ、鼻汁、よだれ、呼吸困難)をおこし死に至ったようです。また動物の肉やミルクを口にした人が「ミルク病」になり、その原因がマルバフジバカマという植物にあったと判明するまでに十数年かかったそうです。

マルバフジバカマを鹿が食べている痕跡が見られます。清楚で美しい花ですが、異常なほどの繁殖力に、植生や動物への影響も含め、行く末が懸念されます。