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大小迫 つむぎの家

よみがえれ!大小迫の里山。 人と人、人と自然をつなぎ、つむぐ「つむぎの家」

森に棲む留鳥 カケス

2014年03月10日 | 野鳥

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身近な野鳥でありながら、主に常緑の木々の間を飛び交い、人の気配を察するとすぐに逃げてしまう用心深いカケス、これまでなかなか撮影の機会がありませんでした。

この写真も、鋭い目つきにコチコチの体、枝に隠れるように止まっています。

先日、遠くからでピンボケですが、ようやく柿の木に止まってリラックスしているカケスを写すことができました。

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カケス(カラス科)

体は、淡い紫色を帯びた暗褐色、翼の一部が、黒や青と白の縞模様があり、ひときわ目立つ美しい羽をしています。

「ジェージェー」としわがれ声で鳴きながら、つむぎの家の杉木立を飛び交っています。一羽だったり、5~6羽群れて行動していたりとさまざまですが、人里に下りてきて、カケスもまた芽吹きの春を待っているようです。


人里の留鳥 セグロセキレイ

2014年03月07日 | 野鳥

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セグロセキレイ(セキレイ科)

雪解け水の流れだけが聞こえる静かな里山に、留鳥のセグロセキレイが、小川近くの土手を「ジュジュッ ジュジュッ」と鳴きながら尾羽を上下に振りふり歩いていました。

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セグロセキレイは、立ち止まり、おもむろに周りを見渡しました。

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近くに敵がいないことを確認してから、顔をうずくめ、毛づくろいを始めました。


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黒い顔に白い眉、白いお腹に黒い背、白黒がはっきりとした美しい野鳥です。


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毛づくろいを終え、顔を上げたセグロセキレイは、端麗な容姿を見せてくれました。

セグロセキレイが生活の場にしている川辺から、少し上流に棲み分けて暮らしていたキセキレイは、今年は姿を見せてくれず、どうしているのでしょう。

黄色いお腹をしていて、波状に飛びながら「チチン チチン」と高い音で鳴き、川の中を歩いて水生昆虫を探している凛々しい姿のキセキレイにも会いたいものです。


赤い鳥 ベニマシコ

2014年03月01日 | 野鳥

今冬は野鳥が驚くほど少ない。

昨年、里山を賑わしていたカワラヒワの大群やシロハラやシメなどは、全く見ることはなく、ホオジロやシジュウカラなどのカラ類、モズやジョウビタキでさえも、極端に少ない。昨冬同様に見られる鳥は、「キュッ、キュッ」とせわしなく鳴きながら地上を歩いているツグミくらいでしょうか。「ピーヨ ピーヨ」とうるさいほど鳴いていたヒヨドリの声さえも稀にしか耳にしない。

野鳥のいない里山は静かで、小鳥たちのさえずりで賑わう花いっぱいの春が本当に訪れるのか、とても不安に感じるこのごろですが・・・・・。

嬉しいことに今日は、ベニマシコが2羽、裏庭に姿を見せてくれました。

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ベニマシコのオス

丸みを帯びた短い嘴、赤いお腹に、長い尾を真直ぐに垂らして遠方を見つめる横顔、気品のあるベニマシコの姿です。

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ベニマシコは、赤い顔が猿の顔を連想させることから「猿子(ましこ)」と名前が付いたそうです。

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後ろ姿のベニマシコ

翼と尾羽は白や黒ですが、体下面は鮮やかな紅色ですね。

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ツツジの木の下で、草の実をついばんでいたベニマシコ

野鳥の少ない里山に、赤い鳥のベニマシコが、幸せを運んできてくれたかのように、明るい気分にさせてくれました。


モニタリング調査 ”アオジ”

2014年02月14日 | 野鳥

大雪後の冬晴れの日に、越冬期の鳥類の調査に出かけました。

ルートは多様な環境からなる里地から森林帯の林内、林縁、休耕田などさまざまな景観タイプの約1kmほどの調査ルート上を歩き、野鳥の生息を確認し、カウントしていく調査です。

里地では、ジョウビタキやモズ、カシラダカやツグミなど、少ないながらも数種の鳥を確認できましたが、森林帯に入った途端に、雪解け水が流れる音だけの静かな世界、前回の調査でもミソザザイの地鳴きを聞いただけでしたので、半ば諦めながら進むと、雪を踏むザクザクという音にまぎれて「チッチッ」と鋭い声が耳に入りました。

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音をたどると、藪の中に草の種をついばんでいるアオジ(ホオジロ科)がいました。

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時には、草木を止まり木に、周りを警戒しながらの採餌。

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アオジは番のようです。

ときどき、言葉を交わし合っているような姿が、藪に見え隠れしていました。

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お腹いっぱいになったのでしょうか。林道脇を流れる小川に降りていきました。


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川底の、石の上を歩きながら沢の水で喉を潤し、ほっとした表情。


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こちらは、予期せぬ大雪を案じ、不安げに空を見上げている様子。

この日、森林帯の野鳥は、2羽のアオジだけでした。

越冬期の野鳥のモニタリング調査に取り組んで感じたことは、今冬は、鳥の種類も数も例年に比べて非常に少ないことです。

原発事故からまもなく3年を迎えます。身近に、種牛を育てている生産者が、放射能の汚染でこれまで与えてきた牧草は、牛に食べさせられずに輸入牧草に頼っていることや、狩猟のニホンシカの肉は、未だに口にできない現状を考えると、原発で降り注いだ放射能汚染による体の小さな鳥たちへの影響はいかばかりかと、不安が募ります。

レイチェル・カーソン氏の「沈黙の春」を思い起こすほど、今冬の自然の中は黙りこくっています。

野原いっぱいに花が咲き、鳥たちのさえずりで賑わう春が必ずやってくることを、心より願っていますが・・・・?。


アトリの単独行動

2014年01月31日 | 野鳥

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アトリの大群に出会ってから3日後のこと、小川の淵の枯れ草の中をカサコソと歩き回る鳥に出会いました。アトリです。周りを見渡しても、この一羽だけで、他にはいません。

あの大群からはぐれたのでしょうか?それとも、ここを居場所として自ら居残ったのでしょうか?。

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羽は、黄褐色を基調にした黒と白の色彩で、胸の羽毛は橙褐色で目立ちます。目はちょっとキツそうですね。


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地上をはね歩きながら、夢中で採餌をしていました。くちばしには、草木の種のようなものをくわえています。

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ホオ葉の陰から姿を見せたアトリの正面の表情は、頭に防災頭巾をかぶっているような格好に見えます。

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後方から見た横顔は、太いくちばしにずんぐりした体型、目もクリッとしていてかわいい表情ですね。


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3日前には、数千羽のアトリが一つの物体のようなうねりとなってやってきましたが、単独で暮らすには天敵に襲われやすくなるのではと心配になります。

といっても、藪の中で菜食している姿は、羽毛の色が自然に同化して、どこにいるか見つけにくいですね。

アトリが、大群となって移動するのも、群れから離れて単独行動するのも、生きていくための意味深い生存戦略のようですね。