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大小迫 つむぎの家

よみがえれ!大小迫の里山。 人と人、人と自然をつなぎ、つむぐ「つむぎの家」

綾里川にカワガラス

2014年01月27日 | 野鳥

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カワガラス(カワガラス科)

カラスの仲間ではないが、全身が黒褐色の羽毛で覆われているのが名前の由来。

綾里川の川べりを犬のヤマトと散歩していると、「ビィッビィッビィッ」と太い声で鳴きながら川筋を往来するカワガラスが気になり、足を止めて観察してみました。

全長20cm程で体の大きさに比べて翼が短く、ずんぐりしていて重そうに直線的な飛び方で低空移動します。くちばしと足は灰色で瞼はアイラインをつけたように白く目立っています。

流れの早い渓流で餌の水生昆虫を探して潜っていきました。


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尾羽を上下に振りながら岩の上を移動する姿勢は、ミソザザイにそっくりです。

綾里川の上流から中流に生息し、水深の深いところでは水面上を泳いだり、浅いところでは水底を歩いて餌を探していました。

地味な色彩の野鳥ですが、飛ぶことはもちろん、潜ることも流れのある川底を歩くこともできる、優れた能力の持ち主のようです。餌が水生昆虫であるために他の野鳥より繁殖の開始時期が早く、2月ごろからと言われています。

カワガラスの潜水行動や水面に出て毛づくろいする可愛いしぐさは、寒さを忘れさせてくれたひと時でした。


目の前にアトリの大群

2014年01月25日 | 野鳥

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昨日、里地から50mほど入った山林を流れる小川で水質検査(里モニ調査)をしていました。正午を知らせるチャイムを聞き、次の地点へと移動しょうとしていた時のことです。

突然「ザワー」という音と共に鳥の大群が山奥から里に向かって飛んでいくではありませんか。林道を挟んで5mほどの目前で、羽音がうなりを上げて杉の樹間を数千羽いや、万単位かもしれません。数えるすべもありませんが、かつて目にしたことがないものすごい光景に恐怖さえ感じました。

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呆然としていると、「ワサワサワサ」と一部の鳥が地上に降りてきて食餌を始めました。

無我夢中でカメラを取り出し、震える手でシャッターを切りました。

アトリの集団でした。

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里の方向に移動したアトリは、旋回してまた同じ杉の樹間コースを戻ったものと空高く舞い上がりながら折り返したものの二手に別れ、もと来た方向へと飛び去っていきました。

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アトリの大群に出会ってから、旋回して去るまで約7分の時間があったのですが頭の中はパニック状態、大群に圧倒され冷静さを失っていた自分に気づきました。

アトリは冬鳥として、秋にシベリヤ方面から渡来し、数千羽から数万羽の大群となるそうです。アトリの名前の由来は、集鳥(あつとり)が略されてアトリになったとか。

アトリの見事な一斉行動を目の当たりにし、誰が行き先を決めているのだろうとか、杉の樹間を大群が一瞬にしてくぐり抜ける技はどこにあるのか、などなど野鳥の群れの不思議を感じた瞬間でした。



カタクリ山に集ったキツツキ

2014年01月18日 | 野鳥

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  昨日、里地に隣接する山の調査に出かけました。

薄暗い杉山の植林地、風倒木が横たわりイバラなどの下草が生い茂ったブッシュ、人の背丈ほどに伸びた笹の繁殖など、山の手入れの重要性を実感しながら、毎年下草刈りをしているカタクリ山に着きました。

すると、「タタタタタッ」と木を叩く連続音と共に「ギー」と鳴きながら、木から木へとコゲラが数羽飛び交っていました。


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その後、「ドロロロロ・・」というドラミング。音をたどるとアカゲラの姿がありました。番なのか2羽確認。


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立ち枯れ木を突っついて、採餌中です。

移動するときには「ケッ」と一声ずつ区切って鳴き、森に甲高い声が響き渡ります。

アカゲラを追っていると、ひときわ力強いドラミングが聞こえてきました。


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今度はアオゲラです。

アカゲラより一回り大きな体で、飛び立つ時には「ケケケ・・」と大きな声で鳴き、木から木へと移動していました。

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真上の樹に止まりました。下から見るとふっくらとしたお腹に鋭いくちばし、黄緑色の羽が冬空に映えていました。

毎年、細々ながら笹刈りや風倒木の整備を続けてきたカタクリ山に、一斉に集ったキツツキたち、「僕たちは手入れされた森が好き!」と語り合っているようでした。


冬鳥渡来 「カシラダカ」

2014年01月15日 | 野鳥

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冬鳥の代表、カシラダカがやってきました。

「チッ チッ」と小さな声を鳴き交わしながら、3羽揃ってヒノキの枝に止まりました。葉陰や枝に隠れてよく見えませんが、カシラダカの家族でしょうか?。

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見上げると、ふっくらとした真っ白なお腹にまだら模様の胸、正面の顔は、口ひげを蓄えた威厳のあるおじさんのようです。

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和名は、興奮すると冠羽を立て頭が高くなるので頭高(カシラダカ)に由来。

翼は茶褐色で、尾の付け根のウロコ模様が特徴のようです。

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厳冬期、生き物たちの活動が休止しているように見える静寂さの中に、パラパラと木々を飛び交う冬鳥のカシラダカ、今年も群れをなしてやってきました。

まだ用心深く人が近づくとすぐに逃げてしまいますが、まもなく開けた環境で地上を歩きながら草の実をついばむ様子が身近に見られることでしょう。


サンコウチョウ(三光鳥)に会えました

2013年07月27日 | 野鳥

「ツキ ヒ ・・・ ホイ ホイ ホイ 」と里山に響く鳥の声。

農作業の手を休め、耳を澄ますと「月 日 星 ホイ ホイ ホイ ホイ ホイ」と、サンコウチョウの鳴き声が聞こえました。最初に聞いたのは5月中旬の田植え時期、杉林の中で軽快にさえずっていました。それから、6月いっぱい、里地に隣接する森から聞こえるサンコウチョウの朗らかなさえずりを聞きながら繁忙期を過ごしてきました。その間、一目サンコウチョウの姿を見たいとさえずりを追って何度か双眼鏡でのぞいてみましたが、うす暗いスギ林の中、到底目にすることは叶わず、半ばあきらめていました。

7月に入り長雨が続く毎日、小雨降る中、久しぶりに沢沿いの林道を歩いて森に入りました。以前にマークしておいたクルマユリの花を期待しての散策です。ヤマユリ、オオウバユリ、クルマユリなどユリと名のつく植物のほとんどがシカに食べられていますので、不安に思いながら目的地に着くと、地上30㎝ほどの高さで無残に折られていました。当時、移植も考えたのですが、この場所を選んで芽を出したクルマユリを別の場所に移すよりはと、杉の葉でカモフラージュしておきましたが、残念な姿でした。

シカの食害に気を落としていると、頭上で連続テレビ小説「あまちゃん」の驚きの声「ジェジェ」「ジェジェ」と聞こえてきました。森の中でも「ジェ ジェ」がはやっている???。ふと見上げると、何とサンコウチョウのオスが地鳴きをしながらメスを追って枝から枝へと飛んでいるではありませんか。長い尾羽をふわふわなびかせ優雅に飛び交うサンコウチョウを目の当たりにし、胸が高鳴りました。とっさに手持ちのコンパクトデジカメでシャッターを切りましたが、”小雨る降るうす暗いスギ林の中”の最悪の環境で撮れたのは、シルエットのサンコウチョウですが、雰囲気を紹介します。

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サンコウチョウ(カササギヒタキ科)

5月頃に渡来し、日本で繁殖、秋には南方に渡る夏鳥。和名は、鳴き声が「月(ツキ) 日(ヒ) 星(ホシ)」と三つの光に聞こえるところからサンコウチョウ(三光鳥)と命名。

オスのサンコウチョウは尾羽が長く、全長45㎝ほどで、長い尾を優雅にかわし、森の中をふわりふわりと飛ぶさまはまるで妖精のようです。


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目の周りのコバルトブルーのリンクが、暗い中でも光っています。

青くて目立つアイリング、青みがかった嘴、紫がかった尾羽など美しい姿をアップできず残念ですが・・・。いつの日か、いい写真を撮りたいと思います。


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サンコウチョウのメス

オスのように長い尾羽はありませんが、薄暗い中でブルーのアイリングだけがどうにか写っています。


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今回、サンコウチョウに会えた場所は、うす暗い杉林の中です。林のヘリを小川が流れ、降り続いた雨で増水し、水音が雨音を掻き消しています。この森のどこかにサンコウチョウの巣があるのではと探しましたが、見つかりませんでした。もう卵から孵って巣立ったころでしょうか?

秋には越冬地へと旅立ち、翌春には再びこの地にやってくることでしょう。