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大小迫 つむぎの家

よみがえれ!大小迫の里山。 人と人、人と自然をつなぎ、つむぐ「つむぎの家」

水辺の生き物  その1

2012年08月12日 | 生き物

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ミヤマカワトンボ

水の中で暮らしていた水生昆虫の幼虫が、成虫となり水辺が一段と賑やかになりました。

ミヤマカワトンボは、翅が茶色で翅の先端近くに太い暗褐色の帯のある日本最大のカワトンボです。腹部は青みがかった金属光沢色をしています。

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正面から見たミヤマカワトンボ

長い足に茶色の翅、腹部の金属色の輝き、バランスのとれた美しい姿ですね。

静かな山中で、ミヤマカワトンボに向き合い、心が通じ合ったような幸せの瞬間です。

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ミカドガガンボ(帝大蚊)

ミカドガガンボは、開長9㎝ほどの日本最大のガガンボです。川べりのコクサギの葉に止まっていました。

初めての出会いで、あまりの大きさに自分の目を疑ったほどです。

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ミカドガガンボの平均棍

ミカドガガンボの翅は2枚しかなく、後翅は「平均棍」と呼ばれる特別な器官に変化してしまっています。翅の下にくぎを刺したような短い平均棍が左右に見えますね。これで飛翔のバランスをとっているそうです。

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ヘビトンボ

「まごたろうむし」と呼ばれ、子どもの「疳の虫」の薬にされたヘビトンボの幼虫も成虫になりました。

ヘビトンボの幼虫は約3年間、他の水生昆虫を食べながら水中で暮らし、この時期に羽化します。

成虫の命は約2週間、その間は水だけ飲んで交尾相手を探し、葉裏などの水辺に産卵します。産卵した雌は、強い臭気を放つ自らの体液で体を溶かし、卵を外敵から守るようにして死んでいくそうです。

全身全霊をかけ渾身の愛をこめて、次世代へと命をつないでいくヘビトンボの一生には胸打たれます。


キジの孵化に挑戦

2012年07月18日 | 生き物

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7月4日に、ソバを撒く予定の畑の草刈りをしました。畑には雑草が身の丈ほどに生い茂っており、、この辺りで雄キジが鳴いていました。

草刈りをしていると、鹿が踏みしめた跡と糞があちこちにある中、小動物の踏みしめた跡もあり、動物たちの通り道となっていたようです。小動物の通り道を刈進めていくうちに、すぐ手前で雌キジが飛び出していきました。

「もしや 抱卵?」と、昨年の思い(6/15のブログ)がよぎり、草刈り機を止めて見ると、草を踏みしめた跡に沿ってキジの卵がありました。予想通り抱卵中でした。昨年はキジを草刈り機で傷つけてしまいましたが、今年は無傷で飛び去ってくれほっとしました。

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草に隠れて見えにくいですが、巣の中にキジの卵がありました。

今年は、巣のある場所の手前、ギリギリのところで草刈り機を止めることができました。

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キジの卵は9個あり、抱卵していた親鳥のぬくもりが手に伝わる温かさでした。

抱卵している親鳥が一旦巣から離れると、もう戻ってきません。昨年のこともありますが、孵化を試みようと思い、卵を家に持ち帰ることにしました。

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抱卵していた卵の状況を見るために、1個だけ割ってみました。まだ生みたての卵のようです。

通常、キジは10~14個ほど生むそうで、まだ産卵の途中だったのでしょうか?

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昨年は、失敗に終わりましたが、今年こそと思い、キジの孵化にただ今挑戦中です。

炬燵の中で、発泡スチロール箱に敷いた毛布で卵を包み込み、38度前後の温度と一定湿度を保ち、1日4~5回、卵の向きを変えて孵化を待っています。産卵後21~28日で孵化するとのことなので、順調にいけば来週中には、孵化したヒナたちの元気な姿を見ることができますが、どうなることやら?

孵化した後のことも考えずに取り組んでますが、何とか孵化してほしいと願いつつチャレンジしています。


田んぼの益虫 クモ

2012年07月04日 | 生き物

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手作業による田んぼの除草作業の第1回目がようやく終わりました。重労働の作業でしたが、時々草取りの手を休め、田んぼで動き回るクモを追ってみました。

我が家の田んぼに、最も多くいるハシリグモです。水の上をすいすい走り回る技に、最初はミズグモかと思いました。

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糸で包み込んだ 卵のうを大切に抱えて、動き回るクモ。

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卵のうの中で孵化した幼体を、背中の上で子育てをするコモリグモ。

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コモリグモにカメラを向けると、気配を感じたのか素早く水の中にもぐり、田んぼに浮かんでいた葉裏に隠れてしまいました。数秒後、葉をひっくり返すと水の中で身をひそめていました。子を守る母親の本能なのでしょうか?

水の中にもぐった、子グモたちは、呼吸ができるのでしょうか?一瞬心配しましたが何もなかったように水面に上がってきました。(クモは足の付け根や太ももで気泡を作ることができるそうです)

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この写真は、陸上で子グモを背中に子育てしているコモリグモ。

*コモリグモの仲間はかつては「ドクグモ」と呼ばれていましたが、母グモは卵を産むと大事に抱えて持ち運ぶだけではなく、孵化した子グモたちを背中に乗せて守ることから「子守りグモ」と呼ばれるようになったそうです。

無農薬の田んぼには、いろんな生き物が住んでいます。稲の害虫であるドロオイムシやウンカも発生しますが、クモの仲間が害虫を捕食してくれ、田んぼの天敵として害虫駆除の大きな役割を果たしています。


ビニールハウスの中の生き物たち

2012年06月13日 | 生き物

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我が家のハウスの中には、いろいろな生き物が暮らしています。黒マルチの穴から顔を出しているのはアマガエル、これは給水用穴で、水を入れると驚いて顔を出しますがすぐにもぐってしまいます。

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こちらではオタマジャクシから孵って間もなくのアマガエルでしょうか。まだ下界が怖いようで足音におびえ、ハウスの片隅に集まって右往左往していました。

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ハウスの草取りをしていると土の中から飛び出してきたのは、シュレーゲルアオガエル。寝ぼけ眼でキュウリの葉に飛び乗りました。

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日課にしているハウスの給水が終わり、帰ろうとしたら足元の何も無かった穴から見慣れぬものがヌーッと生えているのに気づき、よく見るとヤマカガシ、首だけ出してジーッとしていました。30㎝ほど近づいてカメラを向けても微動だにせず、ここは借家と心得て、ご挨拶している様子でした。

余りにも長時間ジッとしているので、ホースで水をかけてあげるとスーッと顔をひっこめました。ハウスの中は暖かく、餌もあって居心地がよいようです。ハウスで何度か姿を見せていますが、おとなしいヘビのようで私がハウスに入っていくと足音に反応しスーツと姿を隠します。

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ハウスのスチールには、昨年同様、今年もアシナガバチがせっせこと巣を作り始めました。現在は、女王バチが一匹で懸命に巣作り、まだ自分の体よりも小さな巣ですが、わずかずつながら大きくなってきています。雨の日や夜はハウスを締め切るのですがアシナガバチにとっては居心地がよいのでしょうか。他に2箇所、女王バチがコツコツと巣作りをしています。刺激をしなければ攻撃をしないアシナガバチは、アオムシなどを食べ、ハウスの中の益虫として活躍してくれます。

アシナガバチの生態

 4月下旬頃から、土中や腐った木の中で越冬した女王バチが巣作りを始めます。最初は女王バチ一匹で巣作り、産卵、エサ集めをしています。
 7月から8月には働きバチが羽化して巣作りを始めるため、巣はどんどん大きくなります。働きバチには巣を守る習性があるため、巣を叩くなど刺激すると攻撃されます。
 10月頃、次の世代の雄バチと女王バチが羽化します。新女王バチは他の巣の雄バチと交尾し、貯精のうに精子を蓄えた後に土中や朽木(枯れて腐った木)の中で越冬します。越冬できるのは新女王バチだけです。
 巣は1年限りで捨てられ、次の年は使われません。

ハウスの中の小さな空間でも食う食われる食物連鎖の関係の中で、バランスを保ち生き物たちが仲良く暮らしています。


クモの狩り  その1

2012年05月31日 | 生き物

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ハナグモに捕えられたケバエ

一昨日の午前中、一時間ほどヨモギ摘みをしました。その間に出会ったクモの狩りの様子です。

ハナグモは「葉隠れの術」を使ってヨモギの葉裏で獲物を待ち伏せしていたようです。

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ワカバグモとカミキリムシ?

ヨモギの葉の上で仰向けになって動かない昆虫を見つけました。よく見るとまるでカニのはさみのようなワカバグモの前足が見えています。ヨモギの葉とワカバグモの色が一体化して、昆虫はクモに気づかずに捕えられたようです。

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ハナグモに捕えられたハエでしょうか?

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ハナグモに捕まったヒラタアブ

葉にひそんで待っているだけで食事にありつけるカニグモたち、優雅?な暮らしですね。

一時間足らずのヨモギ摘みの間にたくさんの昆虫が目に入りました。動き始めた昆虫を葉陰から狙うクモ、命のつながりを感じる春の一時でした。