ミヤマカワトンボ
水の中で暮らしていた水生昆虫の幼虫が、成虫となり水辺が一段と賑やかになりました。
ミヤマカワトンボは、翅が茶色で翅の先端近くに太い暗褐色の帯のある日本最大のカワトンボです。腹部は青みがかった金属光沢色をしています。
正面から見たミヤマカワトンボ
長い足に茶色の翅、腹部の金属色の輝き、バランスのとれた美しい姿ですね。
静かな山中で、ミヤマカワトンボに向き合い、心が通じ合ったような幸せの瞬間です。
ミカドガガンボ(帝大蚊)
ミカドガガンボは、開長9㎝ほどの日本最大のガガンボです。川べりのコクサギの葉に止まっていました。
初めての出会いで、あまりの大きさに自分の目を疑ったほどです。
ミカドガガンボの平均棍
ミカドガガンボの翅は2枚しかなく、後翅は「平均棍」と呼ばれる特別な器官に変化してしまっています。翅の下にくぎを刺したような短い平均棍が左右に見えますね。これで飛翔のバランスをとっているそうです。
ヘビトンボ
「まごたろうむし」と呼ばれ、子どもの「疳の虫」の薬にされたヘビトンボの幼虫も成虫になりました。
ヘビトンボの幼虫は約3年間、他の水生昆虫を食べながら水中で暮らし、この時期に羽化します。
成虫の命は約2週間、その間は水だけ飲んで交尾相手を探し、葉裏などの水辺に産卵します。産卵した雌は、強い臭気を放つ自らの体液で体を溶かし、卵を外敵から守るようにして死んでいくそうです。
全身全霊をかけ渾身の愛をこめて、次世代へと命をつないでいくヘビトンボの一生には胸打たれます。