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ヒマローグ

毎日の新聞記事からわが国の教育にまつわる思いを綴る。

提言するPTA

2013-11-05 07:16:07 | Weblog
「PTAと学校」10月30日
 作家の川端裕人氏が、PTAについて語ったインタビュー記事が掲載されました。その中で川端氏は、『PTAはうそをつくのをやめましょう。入退会は自由で、やりたい人がやる団体だということを正直に言いましょう』『仕事や病気でできない人も半ば活動を強制される現状は「PTA悲劇」。人権問題です』と述べていらっしゃいます。
 そして、インタビューをした山本浩資記者も、「記者の一言」として、『「子供は大人の背中を見て育つ」。強制するあまり悲劇を生む活動ではなく、誰もが楽しめる活動であることを見せる方が、子供のためになる』と書かれていました。PTAを巡る問題については、これまでも様々な方が問題点を指摘し、意見を述べていらっしゃいます。今回の川端氏や山本記者の指摘も含め、私が違和感を感じているのは、PTAとは何かという根本的な理解についてです。
 川端氏が指摘しているように、PTAは社会教育関係団体です。要するに、PTA自らが、社会教育事業を行うのです。教育とは心身いずれか、又は双方の育成を目指して行われる営みです。そうした視点でPTAの活動を見直したとき、多くのPTAの現状は大変不十分であると言わざるを得ません。
 多くのエネルギーが、会員の親睦活動や学校の「お手伝い」、それらを支える総務的な仕事に費やされているのが実情です。また、私は、教員時代、教員側のPTA役員を長年務めてきましたが、教員が活動の主体になることはほとんどありませんでした。要するに、P=両親とT=教員の会でありながら、実質的には親の会なのです。さらに、本来は会長以下の役員によって物事が決定されていくべきであるにもかかわらず、主な活動が校長の「認可」の下に行われているのです。広報紙の内容が校長の考えで差し替えられることもあります。普通に考えれば、こんな組織はおかしいのです。規約上何の権限もない外部の人間が大きな力をもっているなんて、不明朗そのものです。
 PTAは、会員の大人として、社会人として、子供の導き手としての成長を目指すという、学校とは別の目的をもった別の組織です。そのことを会員全体で共通理解することが、健全なPTA活動の最低条件です。
 私見ですが、PTAが、親子関係や家庭教育、社会と子供の関係などについて、教育研究所や大学などと連携して、「学会」に発表できるレベルの調査・分析・提言を行うような体制作りを目指してほしいものだと思っています。

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