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ヒマローグ

毎日の新聞記事からわが国の教育にまつわる思いを綴る。

授業を成り立たせるもの

2013-11-21 08:02:28 | Weblog
「朝練禁止に欠けているのは」11月14日
 『中学生の部活 朝はダメ』という見出しの記事が掲載されました。記事によると、長野県では、『通年で朝に部活を実施している学校は96.8%』だそうで、『長時間の練習が授業や健康面に悪影響を与えている』として県教委が、朝練の廃止を打ち出したそうです。
 朝練の廃止自体には賛成です。しかし、記事の内容には問題があります。それは、『参加する生徒の8割以上が午前7時前に家を出ており、31%が睡眠不足を感じ』など、生徒の状況からだけで、朝練廃止を決定しているからです。
 授業の成否は、生徒側だけではなく教員の側からも考える必要があります。教員が疲れ切っていたり、寝不足でボーッとしていたりしては、充実した授業は期待できません。また、朝練に時間をとられ、授業の準備が十分に出来ない状態も、授業に悪影響を及ぼすことは必至です。
 記事で見る限り、長野県教委の判断では、教員についてはまったくの考慮外のようです。まるで教員は疲れを知らないロボットであるかのような扱いです。あるいは、教員免許をもっているのであれば、良い授業をするために特段の準備は不要だと考えているのかもしれません。それは、「教える」ことの専門性を軽視していることの表れでもあります。
 私が高校生の頃、毎年同じ講義ノートの記述を授業時間中ひたすら黒板に書き写すという授業をする教員がいました。それならば授業の準備は不要です。長野県教委は、そんな授業を一般的だと考えているのでしょうか。
 私はこのブログで部活の社会教育への移行を訴え続けてきました。その理由として真っ先に指摘していたのが、教員の授業準備時間とそのための体力の不足ということでした。しかしそれはあくまでも通常の放課後の部活を想定してのものでした。それに加えて朝練など、言語道断です。
 学校は勉強をするところであり、教員は勉強を教える人です。学力低下問題を危惧するのであればこの原点に返り、学校のスリム化で学校の教育機能の再生を進めることこそ、今、重要であるはずです。

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