「公立校がなかったら」11月16日
『「社外同期」で離職ストップ』という見出しの記事が掲載されました。記事によると、『中小企業の若手社員が、自社以外で悩みを共有したり励まし合ったりする「社外同期」が注目されている』のだそうです。中小企業では、社内に同期の若手社員が少なく、『相談したり競ったりできる同期が少なく、離職の一因になっている』現状を改善するために、異なる企業に勤務する若手同期の社員が、『メールマガジンで活躍を紹介したり、定期的な顔合わせの場を設けたり』しているそうです。
よく分かります。私も教員になりたての頃、30代、40代の先輩には話しかけづらかった思い出があります。自分とは全く違う「完成した教員」に見え、「こんなことを聞いたら変な目で見られるのではないか」と思い悩んだものです。特に小学校の教員は、教室に入れば自分一人で全てをこなさなければなりません。先輩の仕事ぶりを横目で見ながら、というわけにはいかないのです。判断に迷ったからといって、隣の学級担任に聞きに行くわけにも行きません。その心細さはおそらく他の職種以上でしょう。学年主任も、隣の学級の先輩も良い人でしたが、職場で味わう孤立感は今でも夢に見るほどです。
しかし、公立校では、教委単位の初任者研修があります。そこでは年齢が近く、遠慮なく話が出来、しかも同じような悩みを抱える者同士の連帯感があります。愚痴をこぼし、弱音を吐き、ときには先輩や保護者の悪口を言い、少しのヒントと励ましを受ける、それがどれだけ力になったか、言葉では言い表せないほどです。
こうした仕組みが十分でないのが、私立校です。そもそも私立校では、採用数が少ないですし、私立校を横断する初任者研修もありません。そのせいだけではないかもしれませんが、私立校では、公立校で経験を積んだ教員を中途採用するケースが珍しくありません。若い教員を一から育てる手間を省いているのです。少し辛辣な言い方になるかもしれませんが、公立校が若い教員を育てる機能を肩代わりしている現状なのです。つまり、税金を遣って私立校が行うべき若手育成を行っているとも言えるわけです。
私立校礼賛者には、こうした現状についても目を向けてほしいものです。
『「社外同期」で離職ストップ』という見出しの記事が掲載されました。記事によると、『中小企業の若手社員が、自社以外で悩みを共有したり励まし合ったりする「社外同期」が注目されている』のだそうです。中小企業では、社内に同期の若手社員が少なく、『相談したり競ったりできる同期が少なく、離職の一因になっている』現状を改善するために、異なる企業に勤務する若手同期の社員が、『メールマガジンで活躍を紹介したり、定期的な顔合わせの場を設けたり』しているそうです。
よく分かります。私も教員になりたての頃、30代、40代の先輩には話しかけづらかった思い出があります。自分とは全く違う「完成した教員」に見え、「こんなことを聞いたら変な目で見られるのではないか」と思い悩んだものです。特に小学校の教員は、教室に入れば自分一人で全てをこなさなければなりません。先輩の仕事ぶりを横目で見ながら、というわけにはいかないのです。判断に迷ったからといって、隣の学級担任に聞きに行くわけにも行きません。その心細さはおそらく他の職種以上でしょう。学年主任も、隣の学級の先輩も良い人でしたが、職場で味わう孤立感は今でも夢に見るほどです。
しかし、公立校では、教委単位の初任者研修があります。そこでは年齢が近く、遠慮なく話が出来、しかも同じような悩みを抱える者同士の連帯感があります。愚痴をこぼし、弱音を吐き、ときには先輩や保護者の悪口を言い、少しのヒントと励ましを受ける、それがどれだけ力になったか、言葉では言い表せないほどです。
こうした仕組みが十分でないのが、私立校です。そもそも私立校では、採用数が少ないですし、私立校を横断する初任者研修もありません。そのせいだけではないかもしれませんが、私立校では、公立校で経験を積んだ教員を中途採用するケースが珍しくありません。若い教員を一から育てる手間を省いているのです。少し辛辣な言い方になるかもしれませんが、公立校が若い教員を育てる機能を肩代わりしている現状なのです。つまり、税金を遣って私立校が行うべき若手育成を行っているとも言えるわけです。
私立校礼賛者には、こうした現状についても目を向けてほしいものです。