わくわく活動日記

山本ゆきこ~子どもこそ未来

出生率2.0のフランスの政策

2009-06-17 00:54:18 | 子育て支援
「フランスの子育てが、日本よりも 10倍楽な理由」横田 増生(洋泉社)の題名に惹かれて読んでみました。

単なる少子化対策ではなく、子どもを持ちたいと思う人が、子どもを育てる喜びを感じることができるという、極めて「普通」の、そして、「人間らしい」希望が実現できる社会システムが構築されていることにその理由があります。

フランスでは、日本と対照的に90年代から出生率が上昇し、2.0の大台に乗せて注目を集めています。日本では3年連続出生率が上昇したといっても1.34が1.37になったにすぎません。

シングルマザーでも所得が高くなくても4人の子どもを育てられる国(フランス)と、共働きでも子育てに経済的な不安を感じてしまう国(日本)の違いとは?

①フランスでは欧州一手厚い家族支援制度(児童手当)や税の優遇制度があり、所得格差を縮めている。3歳から大学まで公立学校の授業料は無料で、所得の多寡にかかわらず、子どもを育てやすい環境が整っている。

②職場における男女格差が小さいため、女性が仕事か子育てかの二者択一を迫られることがない。同一労働同一賃金が確立しているため、正規・非正規の格差がなく、短時間勤務制度も利用しやすい。

③「週35時間労働制」と労働時間が短いため、男女ともに育児や家事に参加できる。

しかし、これらの手厚い権利は、5月革命によるフェミニズム運動、労働運動の結果勝ち取られたものである。フランスでは今でもデモやストが日常的に起こり、市民は不便を忍んでもそれらを支持しているという。

そこには、日本やアメリカの「自己責任」とは対極の「社会連帯」が存在している。

今後、どのような社会のあり方を望むのか、それは、近々行われるであろう衆議院選挙の大きな争点になります。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。