わくわく活動日記

山本ゆきこ~子どもこそ未来

ウッド・ペレット・フォーラムin金沢ー木のエネルギーで地域の自立を

2014-01-27 01:37:46 | 環境・エネルギー
1月26日(日)9:30~金沢ものづくり会館で「ウッド・ペレット・フォーラムin金沢」に参加してきました。
昨年度市民芸術村で行われたフォーラムより参加者が多く、関心の高まりがあるように感じました。

★開会に先立ち、NHKスペシャル「めざせ!ニッポン復活~木のエネルギーで地域の自立を~」(2012.1.1)の録画が上映されていて、これがとても興味深かったです。
藻谷浩介さん(日本政策投資銀行参事役)による提言「エネルギーの見直しで地域の自立を」
地方経済の最大の赤字の原因はエネルギーであり、木材燃料の地産地消を通じて地方経済の復活は可能と提言。

◆岡山県真庭市 建材メーカー:銘建工業
 木くずで発電・・・電気代年1億円→ゼロ、売電が月400万円。木くずからペレット生産・・・キロ22円、売上年3億円。
 ハウス農家:ペレット使用で燃料費が月8万円削減(価格変動なし)
 町の11%がペレット燃料使用
 銘建工業社長は高知県知事に招かれ、廃業した高知県の資材会社跡地から「真庭モデル」を誕生させるとのこと。
(藻谷)「山から石油が生まれている」地域でお金が回る。
    グローバル市場による価格変動に左右されないエネルギー。
    木くずや間伐材を使うことにより林業を再生し、雇用を生み出す。
 

◆ギュッシング村(オーストリア)人口4,000人
 1989年ベルリンの壁崩壊により、グローバル化が進み、農産品の価格下落し、住民の7割が出稼ぎに。
 オーストリア:木の利用先進地。ペレットストーブの燃焼率を50~60%を90%に上げることに成功。
 木材で発電:発電システムは住民が所有・運営
 ペレットストーブは煙が出ない。木質ペレットは原油価格に変動に左右されず、切った木はまた植えることにより循環。

日本はオーストリアの6倍の森林面積がある。
木のエネルギー ドイツ:3% オーストリア:10% 日本:0.3%

★講演「里山を現代に活かす」
    伊井野 雄二さん NPO法人「赤目の里山を育てる会」事務局長(有)エコリゾート代表取締役
 ・ゴルフ場開発から豊かな里山の自然を守る運動
 ・エコリゾート:福祉事業+木質バイオマス事業(ペレット製造、障害者を迎え入れる場)

原子力防災訓練調査活動―本当に逃げられるのか?

2013-11-18 02:01:21 | 環境・エネルギー
11月16日、石川県原子力防災訓練調査活動に参加。
朝7時からスクリーニング訓練が行われる県立看護大へ。

陸上自衛隊特殊武器防護隊が除染を担当している。
体育館前の屋外で車を除染する機材を組み立てている。除染による汚染水を吸い上げてタンクでためるそうである。1台につき2分のシャワーで100ℓの水を使うそうである。
体育館の中では、全身除染の機材がセットしてあった。温水シャワーで洗い流すことになっている。
自衛隊の担当者に質問すると、実ににこやかに丁寧に説明してくれる。
衣服を脱ぐことで90%の除染ができるそうであるが、除染の必要な車がたくさん来たときは、大量の汚染水をすべて回収できるか、はなはだ疑問である。

9時ごろに志賀町からの避難者が到着する。
スクリーニング、問診等は前回の訓練とほぼ同じである。

そののち、避難先である金沢市鳴和台体育館に移動。
「放射線の基礎と原子力防災について」の映像を参加者は見る。
映像が不鮮明で音声も聞き取りにくく、内容がよくわからないため、終了を待たずに帰ることに。
放射線や食物の放射性物質についての説明は、危険性を過小評価しているような内容ではなかったか?

前回同様、今回も訓練年参加者は、子どもと元気な高齢者が大半を占めている。
支援を必要とする人たちの避難が困難を伴うことは、目に見えている。
それよりも、大量の人たちを短時間に移送する交通手段が確保できるとは考えにくい。
不安なことだらけである。
備えを充分にし、防災訓練は当然必要であるが、いったん事故が起これば、被害を防ぎようのないことは明白である。このような危険と隣り合わせの原発は必要ない。

飯田市「りんご並木のエコハウス」

2013-11-08 01:53:17 | 環境・エネルギー

足を踏み入れたとたん、柔らかな暖かさを感じました。地元産材をふんだんに使い、壁は珪藻土、住んでみたくなるあこがれの住宅です。

屋根には太陽光発電+太陽熱回収一体型パネルを設置。
パッシブソーラーシステムで自然エネルギーを利用した快適な室内環境を実現。
冬季には日射熱を床下に蓄熱し、低温床暖房に利用。
夏季は日射熱による温水取得と、夜間の放射冷却空気の床下蓄冷。
ペアガラスと太鼓障子(二重障子)による断熱。

快適な暮らしのアイディアが詰まった21世紀型住宅です。

昭和22年の「飯田の大火」は城下町の古い面影を残す市街地の3分の2を焼き尽くしました。復興に向けて設けられた防火帯道路の中央には、「自分たちの手で美しい町をつくろう」という地元中学生の発案にもとづいてりんごの木が植えられました。

ちょうど中学生が、放課後、リンゴの手入れをしているところに遭遇しました。

再生可能エネルギーについて、長野県飯田市を視察

2013-11-08 01:21:13 | 環境・エネルギー
11月6日~7日、教員出身議員をはじめとする関係者6人、マイカー相乗りで長野へ視察。
まず、高山、平湯、松本経由で飯田市へ。雲一つない青空の下、見事な紅葉を堪能できました。

飯田市では「再生可能エネルギーの取り組み」について視察。
飯田市の先進的な取り組みは全国的に注目され、視察が殺到しています。2年前にも申し込みましたが断られ、今回は3度目の申し込みでやっと実現しました。

飯田市は人口約10万人、」標高500mに位置する城下町。市域の84%が森林、2,000時間を超える日照時間という再生可能エネルギー資源の宝庫。
地域主体の太陽光の市民共同発電事業、小水力発電にも早くから取り組む。

4月1日には「再生可能エネルギーの導入による持続可能な地域づくり条例」を制定。
「再生可能エネルギー資源から生まれるエネルギーを市民共有の財産ととらえ、市民には、これを優先的に活用して地域づくりをする権利がある」という「地域環境権」を、この条例に盛り込んでいる。

条例に込めた思いは、
「協働」して再エネ事業に取り組むことを支援することにより、「結い」にみられる「地域の団結力」を強化したい、「一定の経済的メリット」をもとに「地域の自立」を促したい。
現在、地元住民の主体形成をはかることに重点を置いているという。

エネルギー政策はこれからの時代、地方自治体の主要な政策ととらえているところは、7月に視察した世田谷区と同様である。いただいた資料を読み、金沢市でも活かしたい。

進む都市の“木造化”林業再生への挑戦

2013-04-20 02:29:24 | 環境・エネルギー
 進む都市の“木造化”林業再生への挑戦―NHKクローズアップ現代(2013,4,18)
日本の国土面積の3分の2は森林であるにもかかわらず、日本の木材需給率は27%に過ぎず、森林は手入れされず有効活用されていません。ところが、意外なことに、最近ビルのような大型建築にも木材が使われ始めているというのです。木造は燃えやすいという固定観念がありますが、それを克服する技術も開発されつつあり、さらに集成木材や接合工法技術の進展があり、加工しやすく、コスト削減がはかられ、人にやさしいといったメリットから評価され始めています。
さらに、木造化により、地域経済を活性化させ、持続可能な社会も展望できるといううれしい動きです。

◆大型木造建築 広がる木の可能性
 木材は最近、住宅だけでなく、大型構造物の素材として使われ始めている。
・木材は燃えやすい→燃えても消える工法の開発
・集成木材(エンジニアードウッド)の技術の進展
・接合金物工法→熟練でなくても新たな展開→工期短縮、コスト削減
<建築基準法> 1950年 大型構造物の木造を禁止
        2000年 耐火性能があれば建築可能
2010年 公共建築物の木材利用促進法(地球温暖化対策にも)

◆”木造化“がひらく地域の未来
 南陽市
 東松島市:太陽光パネルの架台を木造で
     「木化都市構想」・林業・・・製材加工、流通、建設、、メンテナンス
                   (公共施設、住宅、インフラ整備、家具・雑貨)
             ・エネルギー産業(木質バイオマス)
             ・観光・医療など

◆コメンテーター 安藤直人(東大大学院)
○大型木造建築はヨーロッパ中心に広がっている
・森林資源の有効活用
・CO2削減効果
・省エネ得やすい(断熱効果)
・コストが安い
*シロアリ対策、湿気対策の技術の進展
○今後の課題
・設計と施工を連携させるコーディネーター(人材)が必要
・戦後植林した木を切る時期に来ていることから、今がチャンスである

富山国際大学・上坂博亨教授による講演「エネルギーの地産地消とスマートグリッド」

2012-11-01 00:29:23 | 環境・エネルギー
 10月30日、白峰での小水力可能性調査の後は、白山市白峰支所で標記の講演によるセミナーがありました。
 私は、今年度、市議会でエネルギー対策特別委員会委員長を務めています。特別委員会でのテーマを「再生可能エネルギー」として、10月2日には上坂先生による「エネルギー地産地消の時代へ~小水力発電の役割~」と題する講演を拝聴し、(写真)その後、富山市常願寺川にある小水力発電所を視察しました。
 エネルギーの地産地消の意味について、大変示唆に富んだ2回の講演をまとめてみます。

◆エネルギーの地産地消がなぜ必要か?
  ・石油は2050年に80%にダウン  ・人口は2050年に9000万人に

<日本の再生可能エネルギーの可能性>
  風力:62% 太陽光:14% 水力:6% 中小水力:8% 地熱:10%
  再生エネ・ポテンシャルの高い地方:北海道、東北

<北陸電力管内の再生エネ・ポテンシャル>
 風力:26% 太陽光:14% 水力:14% 中小水力:25% 地熱:21%
 北陸の中小水力導入ポテンシャル 1位:富山(石川は5分の1)

<小水力開発を阻む原因>
地域資源の活用・開発を地域主体が行うことができない集権的な技術・制度・社会的仕組みの存在が障壁
 ・法制度的障害:水利権、電事法、土改法
 ・地域技術的障害
 ・利害関係
 ・経済的障害

<日本の見通し:脱原発シナリオにおける資産>
 ・人口変動を考慮したエネルギー要求量の試算
 ・原発依存の発電をできる限り再生エネに移行
 ・省エネ効果を考慮
   節電(15%) 照明や動力の効率向上 再生可能エネルギー熱による電力代替
   ペレットストーブ、ペレットボイラー、太陽熱温水器、ソーラーシステムなどによって電力を代替

◆エネルギー地産地消の意味

 地産地消エネルギーは、天下国家を支えるものではなく、地域と住民の生活に必要なもの
・地域の資源を活用して地域に豊かさをもたらす
・本当の意味での「エネルギー供給の安全と安心」 
いざというときのデュアル・エネルギー・パスによる生活の保障
・自ら作ることによる数々の恩恵
  地域の資源活用に関する様々な知恵と技術の蓄積(継承)
  地域の資源と技術を維持するための新しい労働の創出
  自然エネルギーの利用により価値を地域内で循環

白峰での小水力可能性調査ーエネルギーの地産地消を

2012-10-31 23:39:04 | 環境・エネルギー
 10月30日、白山再生可能エネルギー研究会・石川県省エネルギー推進協議会主催の「白峰地区小水力可能性調査及び実証実験・小水力普及セミナー」に参加してきました。
 白峰温泉総湯前に集合し、桑島地区と白峰地区の流雪溝の調査を行いました。総湯前に着くと、勢いよく流れる水の音がします。積雪を流すための溝「流雪溝」がこの地域に張り巡らされていることを始めて知りました。この豊かな水量と落差を利用して小水力発電ができないかの可能性を探る調査です。
 地元でまちづくりの活動を行っているNPO法人「白山しらみね自然学校」の風さんが案内してくださいました。

 桑島地区は、白峰地区の手前にあり、かつてダムで沈没した集落が移転した地区であり、現在、約50世帯からなっています。
流雪溝には豊富な水が非常に勢いよく流れていました。
 富山小水力利用推進協議会会長・富山国際大学 上坂博亨(ひろゆき)教授の試算によると、落差19m、毎秒0.3tの流量で38kwの発電が可能、年間約800万円の売電収入が見込めるとのことでした。今年から3年間の小水力の売電価格は35円なので、初期投資は約5年で回収できるのではとのことでした。
 上坂先生からは、発電した電力も単に電力会社へ売電するのではなく、地元で直接消費するような仕組みが望ましいとのアドバイスもいただきました。

 その後、白峰地区へ移動し、金沢大学・木綿研究室による流雪溝における小水力発電実験を見学しました。(写真)6枚羽根の発電機を試作し、実験を続けているとのことでした。各家の前の流雪溝に設置して、発電した電気を自家消費できれば、エネルギーの地産地消になります。

 白峰は、豪雪地帯です。屋根の雪下ろし作業が高齢化の進展に伴い困難になり、屋根の融雪に補助金が出ているそうです。融雪装置には、屋根に設置したパイプに温めた不凍液を循環させるタイプ、高温の蒸気を排出させるタイプなどがあるそうです。熱源は灯油だそうです。豊富な森林資源を活用した木質エネルギーの活用がはかられないかと思います。また、豊富な雪をエネルギー資源として活用することももっと進められないかと思います。

ペレット製造、意外に簡単な機械で可能

2012-10-16 18:13:15 | 環境・エネルギー
 10月14日の「木質エネルギー地産地消 金沢市民フォーラム」会場に小型のペレット製造機が展示されていました。
 トラックの上に乗っている一番右側の機械が木材を破砕する機会です。その隣が、ペレットに成形する機械です。
 このような機械だと意外に簡単に製造できそうです。
 障害者の施設で利用者さんが施設の周りの木を切り、ペレットを製造し、施設で使うことが考えられます。
 このような利用が広がるといいと思います。

 フォーラムのパネラーで、小松の那谷寺が経営する社会福祉法人「自生園」では、これより大がかりな機械を導入し、施設の暖房、入浴施設などの給湯に使われているそうです。

 ペレットストーブの普及という出口がないと、ペレットを作ってもその循環がうまくいきません
 エネルギーの地産地消という観点からも、ペレットストーブが普及することを願っています。

ペレットストーブ、性能・価格とも進化中

2012-10-16 17:20:41 | 環境・エネルギー
 金沢市民芸術村で10月14日に開催された「木質エネルギー地産地消 金沢市民フォーラム」でペレットストーブが展示されていました。

 ペレットストーブには心動かされるけれど、価格がもう少し安ければ・・・と思っていました。
 展示されていて新潟市にある(株)さいかい産業製のペレットストーブは、FF式温風ファンヒーター(15~40畳用)約26万円~、超小型FF式自然対流ストーブMT-311SUMITA(6~15畳用)約22万円です。金沢市には5万円の補助金制度があります。
 性能は進化し、価格は下がり続けているようです。木質ペレットと灯油では価格はほとんど変わらない、また、金沢産ペレットは、現在、ホームセンタームサシで手に入るそうです。煙突が必要なく、工事は壁に穴をあける必要がありますが、30分程度で終了するそうです。

<MT-311SUMITA誕生ストーリー>
 東日本大震災で甚大な被害を受けた陸前高田市に隣接し、「林業日本一」を掲げる岩手県住田町では、豊富な森林資源を活かし、地域木材を使った木造仮設住宅の建設を進めました。今もそのバックアップを務める一般社団法人モア・トウリーズ(代表・坂本龍一)の支援プロジェクト「LIFE311」の一環として、仮設住宅用小型ペレットストーブ「MT-311SUMITA」を開発し、住田町の仮設住宅91戸に設置しました。

さいかい産業の社長でフォーラムのパネリストでもある古川正司さんは次のように述べていました。
 東日本大震災後、灯油が届いたのは45日後。大震災による死亡者のうち8%は寒さによるもの。
 地元で作れるエネルギーしか信用できなくなった。
 新潟県にある苗場プリンスホテルグループなどの大企業による利益は地元にほとんど落ちない。
 大企業・国中心でなく、食糧とエネルギーは地産地消が大切。お金が地域で回る自立した経済が必要。
 新潟ではペレット工場が現在14か所、さらに3か所増える予定。

<木質ペレットのよさ>
・化石燃料に頼らなくていい
・森林を再生できる(間伐や整備が行き届く)
・エネルギー効率が高い(電気で熱を供給すると効率は4割に落ちる)
・使ってもCO2が増えない
・地域にお金が回り、雇用が生まれる
・価格が安い(1,000kcalあたりでは灯油とほぼ同じ、電気の半分以下)