わくわく活動日記

山本ゆきこ~子どもこそ未来

東京・福生市 武蔵野台児童館視察ーワーカーズコープによる居場所支援

2011-09-03 22:42:54 | 子育て支援
 8月24日、東京・福生市の武蔵野台児童館を視察しました。
 テーマは「乳幼児から高校生までの居場所支援」です。
 昨年10月に白山市で開催された「『地方自治と子ども施策』全国自治体シンポジウム」の「子どもの居場所づくり」分科会に参加したところ、この児童館の若い館長さんからの報告に大変感銘を受けたので、視察を申し込みました。

 福生市は、都心から西へ約40㎞、人口6万2千人の市です。米軍横田基地があり、工場で働くアジア系の外国籍の人も多く、学校には日本語学級があるとのことです。ひとり親家庭、外国籍のひとり親家庭も多く、生活保護受給家庭の比率は都心並みとのことです。

 「NPO法人ワーカーズコープ」が2007年より指定管理者として児童館と学童クラブを運営しています。いわゆる公設民営です。

 「ワーカーズコープ」とは、働く人々、市民が主体となってみんなで出資し、経営し、責任を分かち合って働く「協同労働の協同組合」です。地域に必要な仕事を市民自身が主体者として仕事をおこし、地域再生・まちづくりへの貢献を目標に、清掃・緑化・食関連・子育て・高齢者福祉・障害者福祉等の多様な事業活動を行っています。
 地域コミュニティを再生しながら、新しい社会の創造、新しい公共のあり方に挑戦すること、人と地域に必要な仕事や活動を、地域の人々とともに創り出し、広げていくことを目指しています。

 子どもたちの問題行動の背景に着目し、学校や家庭などど連携を図りながら、どんな子どもたちでも受け入れられる居場所となりうる児童館を目指しているとのことです。
 休業中に来館する小中学生については、昼食を食べていない児童や寝てしまう児童が多いこと、高校年代の子どもたちは仕事が見つからない、喫煙、児童館で暴れるなどの問題が見られるようになりました。そこで、地域に呼び掛け、地域懇談会を開催することにしました。おなかをすかせている子どもたちに温かい手作りの食事を提供したいという提案に対して、地域の人々の差し入れによる「とん汁会」を実現することができました。

 高校生の居場所づくりのために、夜9時まで開放し、バスケットの指導を地域の人や指導員がしています。
 また、「利用者が主人公」であるとして、「子ども会議」を月1回開催し、子どもたちの意見を事業に取り入れています。

 私は、「ワーカーズコープ」という働き方を初めて知りました。館長さんは30歳前後でしょうか、とても若く、子どもたちの「お兄さん」といった感じです。児童館が地域へ発信して地域を結びつける役割を果たしているようです。児童館は小学校中学年までの利用だと思っていましたが、高校生までその対象としていることに驚きました。どの子も認められたい、そして、居場所を求めています。それを受け入れる役割をこの児童館が果たしているわけです。
 「指定管理」ということで、契約が5年ごとに更新されることから、その安定性が心配になります。また、金沢においても児童クラブの指導員を志す男性にとって、収入の低さがネックになっています。そのことを尋ねますと、館長さんは「僕も含めて結婚している男性が数人いるけれど、生活できますよ。」ということでした。
 人と地域に必要な仕事や活動を地域の人々とともに創り出すということは、やりがい・生きがいが感じられる働き方だと思います。そして、その仕事によって生計を立てることができることが重要です。館長さんの明るくはつらつとした様子から、苦労は多くても手ごたえを感じることができているからだと思いました。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。