わくわく活動日記

山本ゆきこ~子どもこそ未来

子育て支援は母親支援ーNPO「はぐはぐ」発足記念講演

2012-03-10 22:23:18 | 子育て支援
 3月3日(土)、教育プラザ富樫で、NPO法人「子育て支援はぐはぐ そのままでいいよ」が設立記念行事を開催しました。このNPOの代表は、元県議の広岡立美さん(写真左端)で、子育て支援や親の子育て能力「親力」向上を目指すとしています。

 第1部は、社会福祉法人新生会(横浜市)の子育て支援スーパーバイザー・菅井正彦さん(写真左から二人目)による「子育て支援は母親支援」と題する記念講演でした。
・孤独、閉そく感の中での子育て
 「マザーズ」(金原ひとみ著 新潮社):「母であることの幸福と凄まじい孤独」
  密室(周囲からの孤立)+密着(母子一体)から逃れられない状態
・人は、自分が心身ともに”いい状態”にあってはじめてほかの人(子ども)にゆとりある気持ちで向き合える。
・お母さんたちの心の安定は、子育てによって自分らしい生活が失われたり、損なわれたりしなければよい。人の毎日の生活には、一色(ひといろ)より二色(ふたいろ)三色(みいろ)あった方が人生として充実感があり、楽しい。
・今は、仕事と子育てを両立させている人より、結婚・出産によって仕事をやめて家にいる専業主婦(母親)の人のほうが追い込まれているのかもしれない。
 「私は仕事をしていなければ、ノイローゼになっていたかもしれない」
 仕事で子どもを預けていると気が引ける、それで、子どもといるときはいい母親であろうとする。
・今必要なのは、
①気軽に確実に預けられるレスパイト保育の実施。
 専業主婦のリフレッシュ、美容院や通院のために サービスは「あること」が重要
 息抜きのためのサポート:地域に、いつでも訪れられるフリースペースを創り、そこで自由な語らい、情報交流、相談が気軽にできるよう運営する。
②育休を気兼ねなく取得できる企業・職場環境づくり。

第2部はパネルディスカッション(写真)

全国教研「幼年期の教育と保育問題」分科会ー親も仲間が大切

2012-01-30 12:11:21 | 子育て支援
 1月28日午後1時から5時半まで全国教研の「幼年期の教育と保育問題」分科会に参加しました。レポートが16本と比較的小規模な分科会です。幼稚園からの報告が5本。以前参加した時に比べて、レポーターも一般参加者も男性が増え、いいことだなあと思いました。
 共同研究者のコメントが実に的を得ていて、討論を深める糸口になっていました。
 井上 寿美さん(関西福祉大学) 堀 正嗣さん(熊本学園大学、子ども情報研究センター副所長) 田口 康明さん(鹿児島県立短期大学)

 討論の柱は①福島の子どもたちの現状をどうとらえるのか ②子どもの育ちを支える ③子どもの育ちをつなげる ④子どもの育ちがつながる ⑤幼保一体化の動きをめぐって

 私は日帰りだったので、柱の①と②の途中までしか参加できませんでした。
 その範囲での印象として、学校研究と変わらないレポートが増えたことに意外な感じを受けました。教研はやはり、「子どもの姿が見える、子どもに寄り添った実践」がその存在意義だと思います。そのせいか、討論も残念ながらあまり深まったとは言えなかったように思います。石川でもそうですが、現場の多忙化の中で、じっくりレポートを作成する時間がなくなりました。でも、レポーターはそれぞれ問題意識をもち集まっているので、論議を経てるなかで討論が深まっていくことと思います。明日からの予定もあるので、全日程参加できないことが残念です。

①子どもの育ちを支える
<討議から>
・親が楽しく横のつながりが持てるように親同士のサークル活動を園が見守る
・保育園で父親で読み聞かせや劇をする
・親子レクで父親たちがやりたいことを任せる「楽しいこと、つなぐ、任せる」

<共同研究者のコメントから>
 井上さん・・・「家庭の力を高めよう」だけでは、しんどくなる。相談活動は幼児の育ちを共に支えるものでありたい。みんなで相談しよう。親も仲間が大切。
 堀さん・・・ア、子ども自身が持っている力を自ら発揮し伸ばす、主体性や育つ力を信じる「子育ち支援」が大切、イ、石川県のひまわり教室では1対1の面談を大切にすると同時に「つながりの会」でまわりが話をしっかり聞き支えている、「つながり」をどう育てていくのか、ウ、障がい児に対して、特別扱いしないことと合理的配慮との葛藤を変に整理してしまわないこと、障害児を含む集団を支援すること

②育ちをつなげる
 幼稚園からはもめごとの解決に実に丁寧に対応されていることが報告されていました。幼稚園では集団づくりそのものが目的であることに対して、小学校では一斉教育の限界もあり、教師がコントロールしてしまいがちである。幼稚園でせっかく育ってきた問題解決力を小学校ではつなげないでいるのではないか。
井上・・・幼稚園と小学校との交流では、違いを出し合い、折り合いをつけることによって新しいものが生まれる。完璧な交流をねらわず、子どもに返しながら、子どもの思いを大切にした交流を。
堀・・・障がい児との交流で、お世話をしてあげる上下関係や教育的になりすぎないことが大切。

 このあとの論議が楽しみですが、返す返す参加できないことが残念でした。
 分科会の閉会が5時半で、それからシャトルバスで駅に向かい、そこからバスで金沢へ帰りました。帰宅は10時ころでした。長い一日でしたが、久しぶりに全国教研に参加できた充実感がありました。

東京・福生市 武蔵野台児童館視察ーワーカーズコープによる居場所支援

2011-09-03 22:42:54 | 子育て支援
 8月24日、東京・福生市の武蔵野台児童館を視察しました。
 テーマは「乳幼児から高校生までの居場所支援」です。
 昨年10月に白山市で開催された「『地方自治と子ども施策』全国自治体シンポジウム」の「子どもの居場所づくり」分科会に参加したところ、この児童館の若い館長さんからの報告に大変感銘を受けたので、視察を申し込みました。

 福生市は、都心から西へ約40㎞、人口6万2千人の市です。米軍横田基地があり、工場で働くアジア系の外国籍の人も多く、学校には日本語学級があるとのことです。ひとり親家庭、外国籍のひとり親家庭も多く、生活保護受給家庭の比率は都心並みとのことです。

 「NPO法人ワーカーズコープ」が2007年より指定管理者として児童館と学童クラブを運営しています。いわゆる公設民営です。

 「ワーカーズコープ」とは、働く人々、市民が主体となってみんなで出資し、経営し、責任を分かち合って働く「協同労働の協同組合」です。地域に必要な仕事を市民自身が主体者として仕事をおこし、地域再生・まちづくりへの貢献を目標に、清掃・緑化・食関連・子育て・高齢者福祉・障害者福祉等の多様な事業活動を行っています。
 地域コミュニティを再生しながら、新しい社会の創造、新しい公共のあり方に挑戦すること、人と地域に必要な仕事や活動を、地域の人々とともに創り出し、広げていくことを目指しています。

 子どもたちの問題行動の背景に着目し、学校や家庭などど連携を図りながら、どんな子どもたちでも受け入れられる居場所となりうる児童館を目指しているとのことです。
 休業中に来館する小中学生については、昼食を食べていない児童や寝てしまう児童が多いこと、高校年代の子どもたちは仕事が見つからない、喫煙、児童館で暴れるなどの問題が見られるようになりました。そこで、地域に呼び掛け、地域懇談会を開催することにしました。おなかをすかせている子どもたちに温かい手作りの食事を提供したいという提案に対して、地域の人々の差し入れによる「とん汁会」を実現することができました。

 高校生の居場所づくりのために、夜9時まで開放し、バスケットの指導を地域の人や指導員がしています。
 また、「利用者が主人公」であるとして、「子ども会議」を月1回開催し、子どもたちの意見を事業に取り入れています。

 私は、「ワーカーズコープ」という働き方を初めて知りました。館長さんは30歳前後でしょうか、とても若く、子どもたちの「お兄さん」といった感じです。児童館が地域へ発信して地域を結びつける役割を果たしているようです。児童館は小学校中学年までの利用だと思っていましたが、高校生までその対象としていることに驚きました。どの子も認められたい、そして、居場所を求めています。それを受け入れる役割をこの児童館が果たしているわけです。
 「指定管理」ということで、契約が5年ごとに更新されることから、その安定性が心配になります。また、金沢においても児童クラブの指導員を志す男性にとって、収入の低さがネックになっています。そのことを尋ねますと、館長さんは「僕も含めて結婚している男性が数人いるけれど、生活できますよ。」ということでした。
 人と地域に必要な仕事や活動を地域の人々とともに創り出すということは、やりがい・生きがいが感じられる働き方だと思います。そして、その仕事によって生計を立てることができることが重要です。館長さんの明るくはつらつとした様子から、苦労は多くても手ごたえを感じることができているからだと思いました。

サポートハウス代表・山本実千代さんに聞く

2011-08-13 15:03:31 | 子育て支援
 8月12日、日常生活支援サポートハウス代表・山本実千代さんにお会いし、お話を伺いました。山本さんとは、子育て農業応援団や男女共同参画のつどいでお会いしていましたが、多岐にわたるパワフルな活動にかねてから感心させられてきました。今回は、私の通信「withともに生きる」にぴったりな方と思い、インタビューを申し込みました。

 その肩書の多岐にわたることにもびっくりしてしまいました。
 子育て農業応援団代表、石川県男女共同参画ネットワーク委員、金沢市男女共同参画審議会委員、石川県DV見守りネットワーク推進委員、石川県オレンジリボンキャンペーン実行委員、石川県食育子育てアドバイザー・・・

<食と農の応援団のネット上での山本さんのメッセージより> 
 私自身が知的障害児を生み育てる中で、当事者性の立場での支援・日常生活に根付いた支援の必要性を実感し、子どもたちと生活を共にしながら活動する場「日常生活支援サポートハウス」を平成14年12月に自宅を開放して立ちあげました。

 サポートハウスでは、一時預かり、お泊まり、長期預かり、野外体験活動、社会参加活動、農作業体験活動などを行いながら、知的障害児(者)・精神障害・発達障害・虐待関係・ニートなどの子どもたちを受け入れ、行政の縦割り的な対応ではできない支援を実施しています。

 支えが必要な子どもたちにとって、大勢の人の中で育つということがいかに大事なことであるかということが実感できます。人と人とのつながりやコミュニケーションなど生きていくうえでもっとも大切なものが、ここには存在します。

 子どものみならず大人たち(親)にとっても居場所は必要です。悩み、苦しみ、もがきながら心の中で葛藤している人が少なくありません。サポートハウスはそんな大人(親)たちの心のよりどころ、家でもあります。幼児期から青年期、大人までみんなで集える場所、そんな居場所が現代にはなくてはなりません。


 サポートハウスでの利用料は1日1,000円、食事1食500円、お泊まり預かりは1泊2,500円ということで、こんなに安くて大丈夫?と心配になるほど。

 お話をお聞きしていて、「居場所」「つながり」「自分だったらという当事者性」などのキーワードが浮かび上がってきました。
 ご自身が障害のあるお子さんを抱えながら生きることに精いっぱいだった経験から、現在、同じような悩みを抱えている親子が集う場を自宅開放したそのエネルギーに圧倒される思いがしました。いつも現場があり、年中無休、プライバシーもないのでは、と心配になりますが、肝っ玉母さんのようなバイタリティで次々と新たな活動を広げていかれています。

 子育て農業応援団とし、て医王山のふもとのファームで月2回、親子での農業体験、農育、食育を実施しています。いしかわ子ども交流センター(元県中央児童会館)での畑活動の指導を8月末からされます。交流センターの場所の近くに県営・市営住宅があり、ここには、福島から避難している家族が何組か入居されています。山本さんは、その親子がこの活動に参加してくれたらとの願いを持ち、秋ジャガイモや○○かぶという東北の野菜も植え付ける予定だそうです。知り合いも少ない避難家族がこのような活動を通じてなかまづくりができたら、という発想に、山本さんが常にもっている「居場所」「つながり」「自分だったら」のキーワードがあることに気づきました。

 行政に対する注文もお聞きしました。「行政はやはり、敷居が高い」と感じる人に対して上から目線ではなく、民間との真の協働となるようにしてほしいとのこと。
 山本さんの活動は、本当に必要としている人に必要なサービスが届く民間ゆえのフットワークの軽さ、当事者だからわかるきめ細やかなサービスがあります。しかし、ボランティア精神だけでは運営の継続性に不安があります。行政としての役割や責任、安上がりに民間を利用するだけではなく、どのような協働のあり方がよいのか、考えていく必要があります。

働く子育て家庭へのサポートーろうふくきょう・子育てネット

2011-06-01 08:55:23 | 子育て支援
 県労働者福祉協議会は、働く子育て世代を多面的にサポートする「労福協・子育て支援ネットワーク」を始めます。
 各市町で行われるファミリーサポート事業の利用者への補助と親子ふれあい事業、生活情報の配信の3つを柱に据え、6月から会員を募集します。
 利用対象は、県内各市町のファミリーサポートセンターで利用会員として登録している子育て世帯。
 ひとり親の場合は同センターを通じて子どもを預けると利用料が半額補助となり、共働き世帯はは病気から回復途中にある「病後児」を預けた際に半額補助となります。
 補助の上限は、、子ども一人当たり年間17,500円。 また、会員には、いも掘りやケーキ作りなどの親子体験イベントを案内するほか、教育ローンなどの生活情報も提供されます。
 県労働者福祉協議会は、2005年度から昨年度まで厚生労働省の委託事業として、働く親の申し出を受けて時的に子どもを預かる「緊急サポートネットワーク事業」をしていました。利用者からは、働き続けるために本当に必要なサービスであるとされていました。この委託事業が終了し、各市町のファミリーサポート事業へ移行されることになりました。利用料については、今までの補助がなくなると、利用会員にとっては負担増となることを懸念していました。しかし、このたび、このネットで、半額補助となるので、金沢の場合は、利用料が1時間700円が半額の350円で利用でき、従来の「緊サポ」と変わらないことになり、会員にとっては利用しやすいことと思います。
 子育てしながら働く続けるために、ぜひ、会員登録を!
 問い合わせは、県労働者福祉協議会事務局(076-264-4699)

絵本大好き! ブックスタートへの反響続々

2011-02-02 00:03:31 | 子育て支援
 1月31日の大雪は、本当に大変でした。これだけの積雪は10年ぶりということだそうです。JR北陸線や七尾線が全面運休したとのことでした。2月1日になり、ようやく緩み始めました。しかし、我が家の前のように小路を一歩入った道路で除雪していないところは、車のハンドルを取られそうになり、また、立ち往生している車もありました。

 健康福祉センターのこども広場へ行った際、かつての保護者の保育士さんにお会いしました。「ブックスタート事業の反響がとてもいいですよ。いい事業ですね。」とおっしゃってくださいました。こども広場とブックスタートの会場が隣接しているため、読み聞かせを終えた親子がこども広場へ訪れ、ブックスタートの感想をお話しされるのだそうです。
 「こんな小さい子に読み聞かせをしても分かるのかしら」と思われる親御さんが多いそうです。「赤ちゃんがたとえ眠っていてもいいんですよ。だっこされながら読み聞かせをしてもらう心地よさを味わってほしいのです。」とお話しされるそうです。読み聞かせボランティアの方も、喜んでいただけるので、やりがいを感じていらっしゃるそうです。この保育士さんご自身も絵本が大好きだそうです。

 久しぶりに本棚から、この季節によく読み聞かせをした私の大好きな「手ぶくろを買いに」(新見南吉)を取り出して来ました。黒井 健さんの柔らかな挿絵と相まって大好きな絵本の1冊です。

・・・昨夜のうちに、真っ白な雪がどっさり降ったのです。
・・・子狐は「お母ちゃん、お手々が冷たい、お手々がちんちんする。」と言って、濡れて牡丹色になった両手を母さん狐の前にさしだしました。母さん狐は、その手に、はーっと息をふっかけて、ぬくとい母さんの手でやんわり包んでやりながら・・・
かあいい坊やの手に霜焼ができてはかわいそうだから、夜になったら、町まで行って、坊やのお手々にあうような毛糸の手袋を買ってやろうと思いました。

「『地方自治と子ども施策』全国シンポジウム」分科会ー子どもの居場所づくり

2010-11-06 00:50:17 | 子育て支援
29日、2日目は参加したい分科会がたくさんあり迷ったのですが、「子どもの居場所づくり」に参加しました。
コーディネーター:浅野 秀重(金沢大学)

★基調報告 浜田 進士(関西学院大学)
 子どものライフサイクル(乳幼児から若者までの)を踏まえた継続的で総合的な居場所づくりを基礎自治体がどのように行っていけるかを検証する。
 ①居場所づくりにおける子ども参加(親子の参加)
 ②困難な状況にある子どもにとっての居場所
★報告
 ①「子育て親子の居場所(妊娠期から人とつながる安心感)」
   加賀市・NPO法人かもママ理事長 河原 廣子
  ・ファミリーサポートセンター事業  ・産後家庭支援ヘルパー派遣事業
  ・地域子育て支援拠点事業(親子つどいの広場「まんま」)・・・

 ②「小学生世代の子どもの居場所支援」 
   東京都福生市・NPO法人ワーカーズコープ武蔵野台児童館館長 幡野 雄大
   *ワーカーズコープ:働く人々、市民が主体となってみんなで出資し、経営し、責任を分かち合って働く「共同労働の協同組合」地域に必要な仕事を市民自身が主体者として仕事を起こし、地域再生・まちづくりへの貢献を目標に、清掃・緑化・食関連・子育て・高齢者福祉・障害者福祉等の多様な事業活動を行っている。公共サービスを「市場化・営利化」ではなく「市民化・社会化」を。
   ・児童館は利用者が主人公:「子ども会議」
   ・地域懇談会:家庭で食事が十分与えられない子への食事提供 

 ③「子どもたちが安心して意欲を引き出せる居場所づくり」 
   白山市・NPO法人ワンネススクール代表 森 要作
  ・「季楽塾」いろいろな世代交流、生活体験塾
  ・「フリースクール」不登校生徒の活動、居場所
  ・「就労支援、若者居場所」社会に出る前に躊躇する若者たちの活動、居場所
  ・「高校サポート校」
  ・「親の会、居場所」
  <活動から見えてきたもの>
  ・日本社会の閉鎖性と排除社会「レッテル社会」
  ・つながりの喪失「孤立社会」
  ・価値観の単一化「差別社会」
  ・家庭の学校化
  ・第三の居場所の必要性

 ④「孤立した保護者にどう寄り添うか」
   白山市・NPO法人おやこの広場あさがお 理事・事務局長 川上 由枝

 
 ⑤「居場所づくりにおける行政と市民のパートナーシップ」
   千葉県八千代市・子ども部元気子ども課 須藤 泰子
   新川プレーパーク事業 実行委員会:市民、NPO法人、行政  管理・運営:NPO法人

 それぞれの報告がとても興味深く、NPO法人の活動がずいぶん活発に行われていることを知りました。八千代市のプレーパークの運営は2人の市職員が市民との協働を仕掛け、成功した例といえます。これなら金沢市でもできるのでは、と希望が持てました。十分報告しきれない面はありますが、さまざまな「人」と知り合うことができました。このネットワークは貴重です。

「地方自治と子ども施策」全国自治体シンポジウムー自己肯定感を高めよう

2010-11-05 23:55:43 | 子育て支援
 10月28日~29日、白山市で「『地方自治と子ども施策』全国自治体シンポジウム2010」が開催され、参加してきました。全体会、7つの分科会ともに実に充実した内容の2日間でした。いろいろな関係者にもっと広報されていれば、参加者や団体がもっと多かっただろうにと、とてももったいない気がしました。

全体テーマ:「子どもにやさしいまちづくりと子ども支援のネットワーク」

★全体会Ⅰ(28日) 
 *開会あいさつ 荒牧 重人(山梨学院大学教員)(写真)
  「現代は、子どもも親も教師も自治体職員も自己肯定感が低いのではないか。この大会を通じて自己肯定感を高めよう。」
 
 *講演「ハッピー子育てー子どもと親の育ちを考える」
   講師:明橋 大二(精神科医、スクールカウンセラー、小杉町子どもの権利条例策定委員)

 *シンポジウム:「子ども支援とネットワークづくり」
  コーディネーター 森田 明美(東洋大学)
  ①「行政の中で目指す有機的ネットワーク構築とは~形のないものを形に、人ー人ネットワーク形成への試み」
     沼田 直子(石川県こころの健康センター次長 兼 健康福祉部少子化対策監室担当課長)

  ②「教育における子ども支援の取り組み」:喜田 紘雄(白山市教育長)

  ③「社会福祉法人 越前自立支援協会の挑戦」:橋本 達昌(事務局長、越前市進修学園長)
    市立児童養護施設の廃止問題浮上→市が「指定管理者制度(民間委託)で存続」との方針→市民有志と市職員が募金活動、社会福祉法人を創設→県内初のグループホーム(地域小規模児童養護施設)スタート、退所児童自立サポート事業スタート→新施設建設へ

   橋本さんは、市の職員から児童養護施設の園長になられたのでした。
   「明るく楽しくおもしろく」をモットーに民主的な経営を行う方針とのことで、とてもエネルギッシュな方でした。
   ①役員の報酬は0。職員の採用は現場の職員が行う。 
   ②開放性。市民活動の拠点として市民学習会などを行う。 
   ③市民感覚的運営(例:事務費を3割カット)

   職員の雇用安定化(職員の安心)が児童処遇の安定化(子どもの安心)に直結。
   職員の勤労意欲向上(直営夜勤者3名→現在6名)が児童処遇力の向上に直結。

   民主的な運営、職員の雇用の安定・勤労意欲の向上が子どもの安心に直結するというのは、学校現場と同じだと思いました。

 *懇親会  参加者のかなりの方と名刺交換を行い、貴重なネットワーク形成の場となりました。

「はじめまして絵本」事業、本日スタート!ー心が柔らかく

2010-10-13 00:29:20 | 子育て支援
 10月12日、駅西健康福祉センターで、「はじめまして絵本」事業(ブックスタート事業)が始まりました。
 3ヶ月健診に訪れた親子に対して3冊の絵本をマンツーマンで読み聞かせをして、そのうちの好きな1冊をプレゼントするという事業です。
 私は、3年前の9月議会で、このブックスタートを金沢市でもぜひ実施すべきではないかと質問しました。このときの市長の答弁は、絵本を配布することは考えていないというものでした。
 マンツーマンでの読み聞かせ、そして、本のプレゼントは、私がぜひ実現したかったことです。その後、「子育て夢プラン」の改定、そして、赤ちゃん誕生プレゼント品の見直しなどの契機があり、3年目にして実現しました。その間、金沢市には「こども図書館」がオープンしたこともあり、読み聞かせボランティアの人もたくさん登録されるなど、事業のスタートに向けて着々と準備が進められてきました。念願の事業がスタートして、とてもうれしい限りです。

 今回読まれる絵本は、「しろくまちゃんのほっとけーき」(わかやまけん)「いないいないばあ」(松谷みよこ)「じゃあじゃあびりびり」(まついのりこ)の3冊です。一番人気は、「ほっとけーき」でした。やっぱり、おやつを作るお話で、ホットケーキが焼ける音が楽しいのでしょうね。

 健診を終えて、赤ちゃんと大きな荷物を持って2階の会場に上がってきたときのお母さんは、やや疲れ気味で緊張した面持ちでした。ところが、読み聞かせボランティアの方の優しく巧みな語りかけに対して、3か月の赤ちゃんも目で絵を追い、お母さんの表情がみるみるうちに柔らかく変化していくのです!その様子はずっと見ていても飽きることなく、見ている私たちまでもが心が柔らかくなっていくようでした。

 赤ちゃんが眠っている時は、ボランティアの方は親御さんに対して読み聞かせをし、その際のアドバイスなども話されていました。また、さりげなく育児アドバイスもされていました。
 お母さんとおばあちゃん、あるいは、パパとママで来ていらっしゃる方も、ともに読み聞かせの心地よさを楽しんでいらっしゃいました。
 
 <お母さんたちの感想から>
・本がプレゼントされるなんてうれしい!
・どんな本がいいかわからなかったけど、紹介されたのでよかった。
・読み聞かせの仕方について、勉強になった。
・疲れていたけど、ほっとした。よかったなあ。

「ブックスタート」日本で発足10年、金沢でもスタート

2010-08-30 22:26:08 | 子育て支援
 8月27日付けの朝日新聞に「赤ちゃんに絵本をー『ブックススタート』日本で発足10年」との見出しの記事がありました。以下、記事の抜粋です。

 「全国で取り組み自治体は4割を超えた。思春期の中学生が加わったり、親の育児不安を和らげたりする場にもなっている。」

「愛知県尾張旭市の昨年度の6ヶ月健診の受診率は96%。受診しなかった家庭には保健師が足を運ぶ。『虐待防止のためにも、未受診者のフォローが欠かせない時代。絵本をはさむと、親御さんとのコミュニけーションがとりやすい』」
 
「赤ちゃんに絵本がわかるの?」と疑問に思う人もいる。「文字が読めず、言葉の意味をすべて理解できなくても、表情や語りかけを通して楽しいひとときを分かち合える。そんな時間を持てたら、気持ちに広がりがでます。」(NPOブックスタート白井哲事務局長)

 私は議員当選直後から「金沢市でもブックスタート事業を」と、たびたび取り上げて来ました。今年度から金沢市でもいよいよブックスタート事業がスタートし、うれしい限りです。10月から各福祉健康センターで行われる3ヶ月健診の際に、親子1組に対して図書館職員や読み聞かせボランティアの人が3冊の本を読み聞かせをし、そのうちの希望の1冊をプレゼントするそうです。

 写真は、玉川こども図書館発行の「はじめましての絵本」というパンフレットです。絵本の読み聞かせの意義とともにお勧めの本の紹介が掲載されています。