こ と の 端

散文でロジックを
環境 経済 エネルギー 電気 教育 などの "E" に関するちょっと気になったこと

負 の 合 理

2018-09-02 07:50:00 | Weblog
電力会社の請求書に

新たに付け加えられた

太陽光付加金という名をもつ

国民に負担を押し付けるための

電力会社が一時的に立て替えた

環境税

の如き性質をもつ

電力受益者に対する

電気代に上乗せされた資金の

代理徴収という新たな制度は

電力の供給を受けている

家庭のすべて



一定の費用

を電気代に合算して

支払うよう

強制する能力を賦与されたもの


この制度のもつ異常さ

に気付かないことそれ自体



国民に備わって然るべき

判断能力と批判精神

の欠如

をよく物語る


誤った認識であることを知らずにいる

ということを映しだすための

制度となってから

既に多くの時が流れた


太陽光発電に代表される

再生可能エネルギーの

導入実施をこの制度が急がせた

としても

その期待された効果である

二酸化炭素の排出量削減の推進

はいつまで経っても捗らず

相も変わらず

以前としてゼロのまま

無駄な時間の浪費の積

が経済成長を妨げていることにも

この国の指導者達は

未だにまったく気付かない


その結果

大気中の二酸化炭素濃度は

一方的な増加を

ひたすら休むことなく

続けていなければならなくなり

その経過の事実が

パリ協定の成立

を翻って

大いに急がせた


再生可能エネルギーに

環境復元能力がもしあるのなら

化石燃料の消費を

抑制していた筈なのだ


だがそんな事実はなく

環境条件の悪化が進んだだけ

というみすぼらしい結果

がこの地表へと訪れた


地下資源の輸入割合は

再生可能エネルギーが増えたその分だけ

変化していなければならないのだが

温室効果ガスの濃度は

当初の340ppm

から

昨年実績で410ppmへと

反対に増加してしまっていた


その変化がマイナスとなっていたのであれば

大気中の二酸化炭素の発生割合

もマイナスとなっていた筈なのだが

データを見ると逆だった


地下資源の輸入量

の削減が実現していたのであれば

それは

エネルギーコストに

間違いなく

反映されていた

CO2濃度は確実に

減っていた

所期の目標を達成できなかったばかりでなく

有害な温室効果ガスの濃度上昇

を急がせた

というその粗末な結果が

パリ協定の成立を急がせた


電力料金は輸入単価の変動を受け

一定期間ごとに

見直されることが決まっている

だが

別途請求されている

太陽光付加金については

設備導入量に比例して減少した筈

の地下資源を輸入するためのコスト

としての請求が

一貫して続けられている

つまり

地下資源の輸入削減の実施

が為されたとする証拠

は一例も存在しないのだ


原油等の輸入量が減らない限り

二酸化炭素の排出量の低下

という現象は起き得ない

再生可能エネルギーが

電力料金を引き下げる方向

へと作用したのが本当

のことであるのなら

太陽光付加金などを

電力業界が請求代行し続ける

根拠もなければ

筋合いもない


国民が負担すべき

再生可能エネルギーであるのなら

所期の成果

が失われている事実

に関する背景説明

を電力業界の代表は

速やかに実施するべきだ


パリ協定の内容は

二酸化炭素を減らす具体的方法



現状で存在していない

という事実を明らかにした

これまでに実施してきた

あらゆる温暖化防止対策

のすべて

が無効であった

というその事実を

国連の環境部会が

取り敢えず理解した

ということなのである


要するに

再生可能エネルギーの設置率

が向上すれば

温室効果ガスの濃度は下がる

という大前提が

崩れ去った

ということになる

既存の環境投資には

それが何であれ

あらゆる経済効果が

失われている

という結果がこうして示された


この期に及んで

国と電力業界は

効果のない環境投資

を更に継続しようとして

実効のないことが

既に知れ渡っている

再生可能エネルギーに対する支援策

を盲目的に推進するための

太陽光付加金を

無駄を承知で

遍く徴収する姿勢を

善と信じてこれから先も

続けようとする姿勢

を保守し続けている


この批判精神の欠如こそ

思考力を涵養する努力を怠った

高等教育の一層の高度化

を進めた結果として

当事者のすべてに

強い悪弊となって残された


失われた三十年を築いた

一連の経済政策の失敗と

二酸化炭素濃度の一方的上昇

を同時に急がせた京都議定書

が発効していた97年以降

の無駄な環境努力

を世に定着させたものこそ

知育偏重型の教育制度と

それが生み出した思考力の不在

という状況を出現せしめ

文明諸国に判断停止

という条件

を押し付けた


交流電流の意味を知らずにいた

ということが

気候変動を加速させた

その根本原因となっている


考える力を涵養する姿勢をもつ教育は

知識の量的拡大に同調せず

批判の対象として

問題認識能力の劣化

を批判することができていた

問題の本質を見損なうと

有効解の所在すら見失う


経済政策の失敗と

環境政策の失敗とは

共に

教育政策の失敗

というその点に

起因する災厄だといってよい


経済問題に関する

基礎的な認識能力が

十分に健全なものであったなら

アベノミクスのかくも長き低迷

など決して発生するようなことはなく

環境問題に関する

基本的な認識能力が

健全に保たれていたのであれば

京都議定書がパリ協定へと

シフトしたその訳を

一瞬で把握する程度のことは

容易であった


これほど明確な因果関係にある

負の結びつきを悟れない程

この文明は劣化してしまった

気候変動は自然災害を誘発し

経済変調は繁栄と平和を遠ざける

この二つの解決不能な課題とは

共に

教育の失敗によって

刷り込まれた価値

の変容

に基づいて起きたもの
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