こ と の 端

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既 視 体 験

2009-03-21 18:05:32 | Weblog
アメリカの経済は

これから

負の

スパイラルへと墜ちてゆく


順風は逆風へと変わった

基軸通貨となっていたドルの

逆襲がはじまっている


FRBは国債の大量買い取りを決意した

米経済を回復させるためには

増税か国債の増発しか有効な手だては ない

いままでのように

ドル紙幣を勝手に発行するという訳にはいかなくなったからである


財政再建のための原資は

長期国債の発行で賄うことになる

その国債が売れ残ると

長期金利が上昇し

株式市場では暴落という状態になりかねない

これを避けるためには

国債が全量消化されているという状況が必要なのだ


これまでの連綿と続いたドル安政策の結果

ドルを押し売りされてきた国が持つことになった米国債は

既に膨大な金額に上っている

世界中の国がもっている米国債とその他の公債

そして ドル預金と金の合計額が

外貨準備高という名称となっている在外資産のことである

このドル建ての資産を取り崩すことは

これまで まったく できなていかった


米政府による恒常的なドル安政策で

為替市場では

外貨の方の価値が高められていたということと

債権国が保有している米国債を売却すようとすると

長期金利が上がって株価の急落がおきてしまうからであった


世界一の外貨準備高を維持している国は 中国だ

その次が この日本

極東に位置する漢字文化圏を形成する両債券保有大国が

手持ちのドル資産を一斉に処分するようになったとき

アメリカの終焉が決定する


長期金利の高騰をFRBが吸収し続けることは

できない

債権を換金しようとする動きが顕在化すると

世界中の国々が同じ選択を実行するようになるからだ


双子の赤字で財務体質が最悪の状態になっているアメリカは

大量の既発債を抱え込んでおおきく膨張しているにも関わらず

その水ぶくれになったからだの水分を

もう一度体内へと吸収しなければならなくなる

ということなのである


アメリカの痛みははじまったばかり

苦しみの時代は これから遅れてやってくる

これを避ける方法は ない

過剰消費を楽しんできたその分だけ

アメリカに与えられる苦しみは 強い

アメリカの得てきた繁栄は

世界同時不況という現実を生み出した

その責任をとるよう迫ったのは

市場そのものだったのである

アメリカの凋落は 

市場原理が導いた正当な結末だといえるだろう


国際経済を貶めたものは

前大統領であったブッシュの乱暴狼藉以外に原因は ない

限りない無思慮の産物であった単独行動主義というものは 

めぐり巡って

アメリカの経済そのものを

勝手に追い詰めようとしはじめている


日本を劣化させてしまったのは この国の政治指導者たちであった

アメリカの言いなりになって動いていたこの国の政府は

国民の生活を困窮へと導いただけでなく

ドル建ての保有資産である外貨準備を

最後まで取り崩すことができない

アメリカがそれを望まないことが分かっているからだ


だが 中国政府はそうではない

米国務長官の両国政府首脳に対する挙措動作のいちいちには

その差が余りにも明瞭に写しだされていた

アメリカが抱えている深刻な事情のもつ意味を

日の本を自称する国では

政府内閣だけでなく

国全体が完璧に見落としているのだ


これを病膏肓というのである
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